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政府委員(松尾正雄君) 准看の
養成がだんだんに数を増しまして、
看護婦の数をややこすというところに最近まいりましたことは、
先生御
指摘のとおりでございます。今日、御
指摘のように、各種の
養成課程というのがございます。私
どもも、かなりこれは複雑な制度だというふうに感じておりますけれ
ども、しかし、また別の面から見ますれば、できるだけ多くの人をやはり確保しなければならない、こういうことで、
養成の計画がある、あるいはその制度を打ち立てるという場合、たとえば
看護高校のような場合におきましては、やはりこれは若い女性の方々がこういう方面に非常に志望されるという傾向があるということで、そういう方向をやはり伸ばしていかなきゃならぬ。しかしながら、従来のものをいきなり全部そちらに一気に切りかえてしまうということは、これは現実にできないことでございます。しかし、人の教育意欲を非常に失わせることにもなりますので、いろんな点を
考えてとにかく全体としての数をふやすようにいままで努力をされてきた。その結果が、御
指摘のように、いろんな種類のものがたくさん出てまいっております。
今後の問題でございますけれ
ども、このままでまいりますれば、准看の比率も相当高くなってまいります。しかしながら、また基本的には、中学を卒業して二年間というような准看の
養成、これがいまの准看
養成の基本形でございますけれ
ども、しかし、これは高校進学率というのが非常に高まってまいりまして、中学を卒業したままで
高等学校へ行かない人というのがどんどん減りかかってまいりました。おそらく四十八年ごろには、私
どもの推定では、十万をちょっとこえる程度になるのではなかろうかと存じますが、そういうような過程も
考えますと、当然この
看護婦の
養成制度自体に、もう一度そういう時代の波に沿った新しいやり方を
考えなきゃならぬ。従来のものだけに固執しているというようなことだけでは、もうとうてい
実態に合わないのではなかろうか、こういうふうに私
どもも感じております。したがって、そういうものをいまいろいろと検討を続けておりますけれ
ども、そういうものをひとつ長期の計画の中に一度織り込みまして、その上で最終的に、
看護婦というものがどういう形で統一さるべきであるかということをひとつぜひつくり上げてみたいと思っておるわけでございます。ただ、おそらく、
看護業務というものにつきましては、どういうところに区分があるかというような問題もございますけれ
ども、やはり多数の補助者というようなものを必要とするということが、
看護業務を能率化し、本来の仕事を伸ばしていく上にも必要であろうかと思います。したがって、そういうものが必ずしも十分にまだ消化できないというような場合でございますので、それらも含めまして検討してまいりたいと思っておるわけでございます。そういうふうなものも組み合わせて
考えられれば、将来のあり方としては、やはり
看護婦というものに一本化するというのが
一つの道であろうかと存じております。ただ、それまでに至りますいろんな過程は、当然ただいま申しましたようなことも考慮に入れなければならないかと存じます。
それから、
看護業務の中身につきまして、特に
看護婦と准看との業務の内容でございます。法律上からいって、
看護業務というもの自体、この二つのものに差はないわけであります。ただ、准看が
看護婦または医師、歯科医師の指示を受けて
看護業務を行なうというところに差があるわけでございますが、実質的な
看護業務自体については、その範囲において差はない、こういうふうに
考えなければならないと思います。ただ、個々のいろいろな判断を要するような場合が起こり得るというようなことは当然あり得ると思います。そういった点が、
看護婦または医師の指示ということが、
看護婦と違って特別に入れられている理由であろうと
考えておりますが、
看護業務自体の本質的な範囲の中には差はないというふうに
考えております。