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説明員(
広瀬治郎君) 自然歩道の
お話でございますが、ただいま
お話がありましたように、私
どもは将来こういう人だけが歩く自然の道を全国的につくりたいと考えております。「東海自然歩道」と申しますのは、その第一次
計画といたしまして、とりあえず東京−大阪間の山道を歩く、そういう道を考えたわけでございまして、これだけで事終われりというわけではないわけでございます。
そこで、この自然歩道をつくるに当たりまして、いまいろいろ貴重な御意見を賜わったわけでございますが、御意見のとおり、私
どもも単にこれは自然だけではなしに、神社仏閣もあり、それから名勝地もあるわけでございます。それからまた関ケ原等のように、古戦場、歴史にちなむところも非常に多いわけでございまして、回り道をしてもなるべくそういう興味のある地点を通るようにいま
計画をしておるわけでございます。
それから、いま
お話のありましたように、できるだけ歴史的な
地域も加味するようにという
お話でございましたが、いずれこの「東海自然歩道」ができました場合には、解説書をつくりたいと思っております。これは、単に自然の動植物のみならず、そういう歴史的な話、あるいは名所旧跡、故事来歴、そういうものもすべて織り込んだ相当膨大な解説書をつくり、それを見ながら歩いていただけば非常に役立つであろうと思われるものをつくるつもりでおるわけでございます。
それから、御指摘のように、この歩道をつくりましても、その周囲の動植物その他の
風景を維持することが一番大事なことであるわけでございます。それで、この「東海自然歩道」は、現在
国立公園、
国定公園になっておるところも通りますれば、まだ現在そうでないところも通るわけでございます。現に国立または
国定公園になっておりますと、いろいろの規制がありますので、それで規制はできるわけでございますが、現在
自然公園になっていないところにつきましては、何ら法律上の規制が生じませんので、私
どもは、でき得ればこの東海自然歩道の両側相当の幅をもちまして、
自然公園にでき得るところはできるだけ
自然公園にしていって、
自然公園ということでその
保護管理に当たりたいと考えております。
それから、もう一つ御指摘の、
国立公園全般につきまして、非常に民間の
施設が多過ぎるという
お話でございますが、確かに、ところによりましては非常にこういうものが多過ぎて、景観、美観を害しているところがあるのも事実でございます。実は、この自然歩道をつくるに当たりましても、非常に人の多く
利用するところでは、必ず売店その他が乱立するということが予想されますので、そういう要所につきましては、できれば県なり国が補助を出して買い取って、そういう見苦しい売店等が乱立しないような措置をできるだけ講じていって、
ほんとうに自然の中を人間が自然と語らいながら歩き得る道をつくっていきたい、そういうふうに考えております。