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説明員(広瀬治郎君) この
答申には、御指摘のとおり、最近の
社会経済情勢の変化に対応して
国立公園の再検討をするように書いてあるわけでございます。それで、最近のこの情勢の変化というものをまとめてみますと、
一つは、
国民のレクリエーション需要というものが非常に増大したということが一点だと思います。それから、第二点は
産業開発が非常に進んできた。その
産業開発と
自然公園との
調整をはかるという問題があるわけでございます。それからまた、
産業開発に対応して
自然保護を強化しなければならないという問題もあると思っております。
私どもは、このような観点から、いろいろ
公園計画の再検討を行なっておるわけでございますが、最初のレクリエーション需要の増大の対応策といたしましては、ただいま
大臣から申しましたように、四十二年以来、十カ所の
国定公園を新規に指定して、できるだけレクリエーションの場を広げたいということをしてまいったわけでございます。それから、ただいま御
審議していただいております海中
公園制度も、海中景観の
保護をはかると同時に、また
国民のレクリエーションの場としてもふさわしいところになるものと考えております。それから、第二のこの
自然保護と開発との問題でございますが、具体的に申しますと、たとえば六甲山、これは瀬戸内海
国立公園に入っております。六甲山とか、箱根のように、非常に都会に近いところで
国立公園がございますが、最近だんだん開発が進み、特に宅地造成が進んでまいりまして、
公園の中が住宅地になっているところも一部ありまして、もはや
国立公園と称するには適当でないところがございます。それから、六甲とか、箱根の一部等につきましては、もはや
国立公園というよりも、むしろ
国民の住宅のために土地を開放したほうが適当であろうと考えられるところも若干あるわけでございます。そういうところはひとつ
国立公園の区域からはずしまして、むしろ住宅等に
利用してもらったほうがいいのではないかと考えております。また、一方同じこの六甲、箱根でございましても、山の中の部分的には非常に景観のよいところがございますが、このまま放置すれば、さらにそういうところまで開発されるおそれのあるところもございますので、そういうところはむしろ
保護を強めまして、従来の
特別地域を
特別保護地区に格上げをして、
保護を強化する。そういうふうにいたしまして、
公園の区域からはずしたりあるいは
公園の区域の中の
保護計画を強化したりいたしまして、開発との
調整をはかろうということで、具体的に案をつくりまして、
関係県と目下意見の
調整をしているわけでございます。そのほか具体的な場所といたしまして伊勢志摩等につきましても、さらに
国立公園の区域を拡張してほしいという
要望がありますが、そういう区域の拡張と同時に現在伊勢志摩
国立公園の中には伊勢市の市街地そのものが
公園の区画に入っているところもありますので、そういう市街地は除外する。そういうようなことを検討しておりまして、できるだけ
現代社会に即応したような
公園計画に持っていきたい。そういうふうに考えております。