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大橋和孝君 いま
説明の中にありましたように、私がいま申し上げているのは、そこに大きな食い違いがあるわけですね。いまおっしゃっている
衛生指導員と
衛生監視員があればほぼここでチェックされるように受け取れますけれども、現実はどうかといえば、私のほうから申し上げましょう。これらの人は、たとえば、ここは料理屋、ここはお菓子の製造屋というところへ回って行きまして、せいぜい金網が張ってあるとかどうとか、そんなことを回って見て、
ほんとうに
添加物がどうだとか製品がどうだということは二の次じゃないかと私は思うわけです。私が申し上げているのは、監視員ではもちろんできませんけれども、任務の中でお尋ねしておるのは、むしろその
添加物はどうかとか品質についてはどうかという点検をしていないわけですね。実際においてもし監視員なり
衛生指導員がいままでにおいて製品の何が悪かったかということを摘発した事例があったら、私はその事例を、いまからいろいろ言ってもらったらたいへんでしょうから、資料にしていただきたいと思うのです。いつには何をどこがどこでどういうものをチェックした人だということをひとつ聞かしていただきたい、こういうふうに思うわけであります。
だいぶ時間がなくなりましたから、私、一、二はしょりまして、またこまかしいことはこの次にやりますが、総括的なことできょうは終わらしていただきたいと思いますが、御存じのように、三一書房から「危険な
食品」という本が出ています。あれを読ましていただきまして、実におそろしいことを感じました。おそらく皆さん方もそういうことを御体験だろうと思うわけでありますが、私はいかに
食品衛生行政が不備であり、また危険な
食品がはんらんしておるかということをあの品物の分析を見まして私は感じました。私は、そういう
観点からいって、
厚生省は、先ほどの問題に戻りますが、ああいうものを見ても、それは
規制してあるとか十分監視されていると御把握になっているのかどうか。私は、ここで、
厚生省の方、ことに
食品をやっておられる課長さんあたりの心臓の太さといいますか度胸のよさに感銘するわけなんです。こういう点については、
添加物が非常に人体に影響しておるということを明確に書いておりますから、そういうことに対して少なくとも
厚生省としてはそうでないということを反論しなければいけないのじゃないかと私は思うわけです。そういう点からして私はくどいように申し上げておりますが、
厚生省としてはどうかひとつこの問題については真剣に取り扱っていただきたい。
ことに、最近また新聞紙上なんかをにぎわしているのに、おもちゃなんかに先ほどから申しております色素が使われております。幼児がねぶることによって非常な危険が起こるだろう有害な色素が使われている、こういうことをいっております。また、都立の
衛生研究所がまとめた結果で、ゴム風船とか、プラスチック製ラッパ、あるいはでん粉製のおはじき、ままごと遊びの道具などを四百八十六種検査しておられるようですが、百十六種が人体に有害だということを発表しておられる。その有害なのは、ローダミンB——赤い色とか、オーラミン——黄色の色素、こういうものはみんな肝臓とか腎臓なんかに障害を起こすだろうということが言われているわけですね。特に抵抗力の弱い人や子供さんなんかにはそういう事例があるというようなことも報告されているわけです。
あるいはまた、先ほど私もちょっと申しましたが、
ベニショウガなんかでも、この着色料にはブリリアントスカーレット3Rというものが出ていましたが、これは
ペンキやマジックインキに使われている工業用のものですよ。こういうものが
ベニショウガなんかにも塗られているわけです。これは私は危険そのものだと思うわけですね。またいろいろなことが頻発しておるわけでありますからして、こういうもののチェックということは、先ほど私がいろいろ申し上げたように、非常に大きな問題であります。また、カネミなんかの油も、中毒が出てこなかったらわからなかったでありましょう。ああいうものももう少し早くチェックしていなければならない。
消費者側から
考えていただきたい。
消費者側は、油を使うときには、ごちそうになって太ろうと思って使うわけですが、その中にものすごい毒があってあのようなみじめなかっこうが出てくるわけですから、これは厚生
行政の上からいえば非常に大きな問題であろうと思うわけです。こういう
観点から、いろいろないままでの大まかな表面上のいわゆる
行政面からいってどうかということが
考えられる点を、
厚生省のほうでは、
ほんとうに
消費者側に立ってこれをどうするかということを
考えてもらいたい。そうするためには、いまの
食品衛生法ももっと早く
改正すべきでしょう。少なくとも
JASマークの問題でこの表示
云々の問題を
農林省はやったんですから、それ以前に
厚生省はやるべきだ。こういうことは非常に大事な問題であります。また、
外国の例なんかを先ほど言って、私はまだ答弁をいただいておりませんけれども、諸
外国についてのそういういろいろなデータをいただきたいと思います。同時にまた、西ドイツのいわゆる
添加物を
規制する問題も、企業のほうから開発をしてくるんじゃなしに、こういうものは使っていいか悪いかということを一ぺん再
検討してこれは
厚生省の側からやるべきであるということに
規制しないと、勝手にもうかるからといってつくってこられたものをいかに
規制しようかというそういう受け身ではだめだと、こういうことを先ほどから強く希望を申し上げておるわけです。これについてひとつ
大臣に政務次官から十分にとりなしてもらって、この問題について真剣に取り組んでいただけるかどうか、私は政務次官の決意のほどを聞いて、こういったきょうのおもだった議論はこれで終わって、そうしてこの次はもう少し部分的に各方面についての
規制のしかたについて、あるいはもっとその実態について今度はもっと詳しく
質問さしていただきたいと思います。きょうはそういうことで終わらしていただきたいと思います。
もう
一つは、今度は
農林省のほうですが、JASの
改正は一歩の前進であるとは思っておりますけれども、これでもっていま言う
食品というものが
ほんとうに
国民の
消費者側に立っていけるかどうか、先ほどの問題等もあるわけですからして、これまた
農林省のほうでは徹底的にいまの
食品のあり方というものを
考えてもらいたい。
添加物でありましょうとも、いまのような増量の
目的に使われるその他もろもろの付加物、こういうものに対しては、
農林省のほうでは、品質を改良するという
意味からもひとつテコ入れをしていただきたい。そうして、今後、社会情勢が、非常に忙しい
状態、夫婦共かせぎというような
状態であって、
食品というものはできるだけインスタントの
方向に行こうとしているわけです。これは冗談でありますが、私はイヌを飼いました。イヌを飼ったら、ドッグフードというものがありまして、こんなあられのようなものを食わしたらイヌはどんどん太っていくわけです。もっとこの
食品というものが改良されたならば、もろもろの調理のめんどうはなくなって、
ほんとうにもう幾つかのものを食べたら働ける
状態になってくる。宇宙食で持って行かれるものなんかは、あれで完全にエネルギー源を持っていけるような
状態になっている。ですから、
農林省の
立場からいえば、もっと
食品というものが開発をされてレベルの高いものになって、そうしてそれを調理をするためにあちらこちらで買いあさってやらなくても、もしそういうようなインスタントのものでレベルの高い、
栄養のある、たとえば宇宙食のような航空食として持って行かれたようなものができるならば、むしろこれは望ましいのじゃないかと思うわけです。ところが、それを逆コースを行っているわけですから、
農林省側としてはこういう
食品に対してもう少し真剣に
考えてもらいたい。これはひとつ
大臣のほうにもよく言っていただいて、今後のあり方についても示してもらいたい。これは、
JASマークのあれをつくったからもうりっぱになった、前進したというふうな解釈では相ならぬと思うわけでありますから、そういう点ではどうか十分に
農林省は
農林省側としてこれを前向きに
検討して、もっとレベルの高まったものにしていくためにはどうするかということを
JASマークの問題と一緒にやってもらいたいと思いますので、一言両方から御決意のほどを聞いて、私の
質問を終わりたいと思います。