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大橋和孝君 時間が超過いたして申しわけありませんが、いま
沖繩で風疹が非常に問題になっておりますので、二、三点ちょっとお伺いしたいと思います。
御存じのように、三十九年から四十年にかけて、
沖繩本島だけでなくて、あるいは八重山とか宮古島
あたり全体にかけて非常に風疹がはやって、御存じのようにこれはウイルスなわけでありますが、ことに妊娠の初期に罹患した人が子供さんに対して異常を来たす。
特に先天性の白内障でありますとか、あるいはまた難聴だとか、いろいろこうした問題が出てきているわけであります。特に、その
状態は、ことしになって一月の終わりごろから
調査団が行かれたわけでありますが、その間四十年から長い間を経過いたしておりますけれ
ども、もしこれが内地で起こったとするならば、大問題になっていると思うのであります。これが
沖繩であるために、
沖繩琉球
政府が見かねてこれを本土に要請をしてきた、だからしてこれをやったというわけでありますけれ
ども、その結果を見てみますと、非常な大きな結果に私もびっくりしているわけであります。
特に、難聴なんかにおきましては、五百五十五人の身体障害児を検査した中で三百三十九人もあった。その中で、ほとんど聞こえない人が二百二十八人もおる。こういう三歳から三歳半ぐらいの子供があるということであります。また、心臓病なんかにいたしましても、五十二人ぐらいおって、それは手術しなきゃならぬ人が何人でしたか、二十何人おる。特に、二つも
三つも重なってきて、あるいはまた、心臓なんかも重症でいますぐやらなければいけないというような人も三名か数名あったというような報告を聞いておるわけです。白内障についても、二十一名か二十二名かあって、みな手術を要する
状態だという報告を聞いた。これが発表されたのが今月の二十何日でありますけれ
ども、これを見て私は非常に問題があると、こう思います。
私は、時間がありませんから、問題点だけをちょっと伺っておきたいと思いますが、こういう
状態が起こってきたのが内地で起こったとするならば、いま申したように大問題でありますが、これはいままでの
沖繩における母子の健康管理ですね、こういうようなものが全然なされていない、こういうことが大きな
原因ではなかろうか、こういうふうに思います。この中で、問題点を四つ、五つ申し上げますから、これについての御答弁を願って、時間がありませんからとめていきたいと、こう思います。
沖繩においては、
医者の率なんかは、人口十万人に対して、日本の最低の県に比べても、その半分か三分の一しかない、こういうようなことで、ことに眼科なんかは全土に対して六人ぐらいしかいらっしゃらない。その中で眼科の手術ができるような設備を持っているのは二カ所しかないというんですね。これは全体の人口から比べましたらたいへんな問題だと思うのです。こんなことで少なくとも眼の管理はできない。眼というのは非常にたいへんな問題ですから、こういうようなことを
考えてみると、私は非常に大きな問題があると思います。ですから、この
調査をされた中でいろんな
調査があると思いますが、私はこの
調査の結果を、
厚生省のほうにも報告が来ていると思いますから、詳しいデータをひとついただきたいと思います。ことに、いままでの間に、こういう生まれた赤ちゃんから三歳児になるまでに、こういうような
関係があって、たとえば重症な心臓とか、あるいはほかのものとが重なっていたために、亡くなってしまっている人もかなりあるんじゃないかと思いますから、そういうことも含めた詳しいデータを、今度
調査されましたいろんな項目についての詳しいデータを
あとから御報告を願いたいと思います。
それから同時に、ここで医療従事者というのは非常に大きな問題があります。特に、この中で、あれは何といいますか、准医師といいますか、
医者でなくて
沖繩だけで許可をしている
医者の代行のような資格があるわけであります。このあいだも何かで見ますと、弁護士とか公認会計士とかああいうようなものも
沖繩では特別な身分でできている、これを本土並みにするにはどうかという問題も出ているといわれておりますが、こういうようなことで、
医者の充足はどうするか、あるいはまた従業員の充足をどうするか、あるいはまたそうした
医者でない身分の人、こういうようなものを本土並みにするにはどうするか、こういうような
観点なんかでひとつ
考え方をお聞きしておきたいと思います。
それからもう一点は、ここでこういうような母子を管理するために、本土では保健所が十分な機能を発揮しているわけでありますが、
沖繩ではおそらく保健所システムがなかったと私は
調査に行ったときは見てまいりました。ですから、そういう
状態で、一体母子保健の健康を管理するのはだれがやってどうしているのか、こういうようなことについてもひとつお聞かせいただきたい。
それからまた、医療制度を
考えてみますと、これは前にもこの
委員会でお
考えを聞いたことがありますけれ
ども、療養費払いと申しますか、
医者にかかっておいて
あとから
医療費を返してもらうというシステムです。このデータは、たくさん前にもあれを持っておりますが、時間がありませんから申し上げませんが、その
受診率においても、あるいはまた掛け金から払い戻されるところの
金額においても、ほとんど三分の一ぐらいじゃなかったかと思います。もっともあすこは住民は
国民健康保険がありませんから、被用者保険だけでありますけれ
ども、本人が七割、家族が五割になっておったはずであります。その掛け金、保険料を払っておきながら、今度
病気になったときに
医者に払った
金額の領収書を持っていってそれで払い戻してもらうわけですが、その量は掛けた
金額から比べたらおそらく半分以下だったと思います。だから、琉球
政府では、健康保険をやりながら、返す金が少ないためにものすごくもうかっているという非常に理想的だといわれた健康保険システムです。ところが、
政府のほうでは理想的だろうが、
患者はかかれない、こういうことも
原因して私はこういうことが起こっているのではないかと思います。実にこれから将来をになうところの子供たちに対しては惨酷きわまりない結果をきたしている、こう思うわけであります。こういう点から言いましても、健康保険制度あるいはまた医療制度というものを本土並みにするにはそう長くかけてはいけない、早くこれを
引き上げなくてはならないと思うのでありますが、こういう点についてもちょっとお
考えを聞いておきたいと思います。