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政府委員(
金光克己君) 奥岳川の関連で鉱山から排出する排水によりましてカドミウム等によりまして
汚染を受けておるという問題につきまして、
厚生省といたしましても、この
調査に
協力いたしまして
調査いたしたわけでございます。先ほどから御
説明がございましたように、これは昨年の六月ごろから問題が提起されたわけでございます。それで、県におきまして七月に鉱害パトロールを行ないまして、大分工業試験場で分析して、坑内水等におきまして四・四三
PPMというカドミウムを検出いたしております。まあ坑内水につきましては、特に処理をいたします前の水であるということで、特に高いという数値が出ておるわけでございます。その後、
厚生省におきまして、十月に県におきまして実施いたしました環境
汚染調査に関連いたしまして、
厚生省の委託研究班がこれに技術的に
協力をいたしまして検査を行なったということでございます。まあその結果によりますと、一部先ほどのように、かなり高い
濃度の汚水も出ておるということでございますが、飲料水等におきましては、一応
基準以内の、水道水といたしましては一応の暫定
基準をきめておりますが、その
基準以内の量であるということでございます。それからまあ川水等におきましても、〇・〇一とかあるいは〇・〇四
PPMといった数字も出たのでございますが、その後の
調査におきましては最高が〇・〇〇五
PPM以下となっておるというようなことでございまして、まあ非常な
汚染であるということではないわけでございまして、
一般的にまあ川水等におきましては利水
地点でまあ〇・〇一
PPM以下ということを
一つの
基準といたしております。そういった点からいいますと、それ以下であるということでございます。
それから、水田土壌中の問題につきましても、まあ一・九から二四
PPMといったようなものもありますが、平均しますと九・七
PPMというようなことでございまして、これはまた群馬の碓氷川流域より少し高いというような結果でございます。さようなことでございます。
その他、まあ米といったようなものも調べておりますが、これも先般
厚生省で米の中のカドミウムの含有量につきまして一応の指針と申しますか、
判断尺度を暫定的にきめておりますが、それは〇・四
PPMということでございます。それの前後している数字であるということで、特に問題を生ずるというような数字ではないと、かような
状態でございます。しかしながら、以上のようなことでございまして、カドミウムによる
汚染があるということは事実でございます。
なお、その
汚染につきましては、まあ神通川流域だとか群馬県の碓氷川流域、あるいは長崎県の対馬の佐須川等の流域の問題、それから宮城県の鉛川、二迫川といった流域の
汚染の
状態と比較しまして、部分的には若干それぞれ異なっておりますけれ
ども、大体同じような
汚染であるというようなことで、要観察
地域として今後いろいろと
地域の
汚染状態も
調査を続けていく。また、患者の発生等につきましても、現在患者が発生するほどの数と考えられる
状態ではございません。また、健康診断等を行なった結果におきましてもさような
状態でございませんが、やはり観察
地域として念のためにとにかく患者につきましても十分注意をしていくと、発生について注意をしていくというような必要があろうというようなことで、他の
地域と同じように、要観察
地域ということに
厚生省としても考えたような次第でございます。さようなことでございまして、いろいろと
調査すべき点につきましてはなお今後残されておる点もあるわけでございますので、そういった点につきましては、今後なお一そう国としましても技術的な援助はしながら
調査をしていきたい、かように考えております。