○佐藤隆君 きょうの議題は、四十四年度の
防災関係予算でございます。冒頭に申し上げておきたいことは、こうした新しい年度の
防災関係の
予算を議題とする時期についてひとつ
総理府に御要望を申し上げておき、あわせて
委員長にも御要望申し上げておきたいと思います。時期的に、これはもう少しやはり早くやるべきではないか、こう思います。前々回の当委員会において、雪害
関係の四十四年度
予算についてとりあえずお聞きをいたしました。そのときは
関係各省庁において数字的な取りまとめがないと、できておらぬということで、雪害
関係だけになったということをあとで聞きましたが、従来の例を調べますと三月に入ってからやるのが通例になっておる、四月の場合もあった、こういうことを実は委員部から聞いているのであります。これはまあ私は、
予算委員会でこれは総括的な検討をされるべきものでありますが、
予算委員会より早くここで議論をしようとは思いませんけれども、もう少し早く検討ができるように、また
説明が聞かれるようにひとつ今後とも御配慮いただきたい、これを御要望申し上げておきます。
私がきょう申し上げたいことは、実は雪の問題のときに、前々回の委員会において、すでに中央
防災会議の専任次長設置の件、これはすでにあの際申し上げておきましたので、いまさらこれはもう本日は申し上げません。あのときの
鯨岡副
長官のお考えもお聞きいたしましたし、それを了といたしますが、しかし、きょうは大蔵当局もおいでになっておりますので、ひとつそういうことを——前々回に私が御要望申し上げ、副
長官が誠意を持ってこれに当たり、四十五年度
予算要求に際しては再びこの要求を力強く押すんだ、こういうことの答弁をいただいておりますので、ひとつ御承知置きいただきたいと思います。
実は
災害関係の
防災関係の
予算は、
災害対策基本法が三十七年にできてから、一体どんなぐあいに実際実績として残ってきたのか、これを調べてみましたところが、
科学技術の
研究にしても、
災害予防にしても、
国土の
保全にしても、その他の項目にしても、年々
予算はふえております。
科学技術の
研究については三十八年度を一〇〇といたしました場合に、四十四年度では四四六、四・四六倍ということにふくれ上がっております。まことにけっこうなことであります。
災害予防については、三十八年を一〇〇とすれば三・一三倍になっております、四十四年度
予算は。そうしたことで金額はふえておるのでありますが、ちょっとここで喜ぶわけにはまいらぬのであります。それは一般会計
予算がこれはまた年々ふえているわけでございます。一般会計
予算が、三十八年度、これを一〇〇といたしますと、四十四年度
予算は六兆七千三百九十五億でございますから二・三六倍にふくれ上がっております。そこで四十四年度
予算を見ますと、六兆七千三百九十五億のうち約三十分の一は
国土保全でございます。
国土保全で二千三百五十八億、これを
計上しております。そこでこの
国土保全——大きな
防災予算のうちで項目別に見ると一番大きなウエートを占めておる
国土保全については、三十八年度を一〇〇といたしますと、二・〇七倍であります。
防災関係予算の中で一番ボリュームのあるところが一番伸び率が低いのであります。一体これはどうしたことかということで、いままでの経過をずっと検討いたしてみました。
そこで私は
国土保全ということからして、ひとつ具体的に建設省にお聞きしたいと思いますが、たとえば
昭和四十三年度から
実施に移されました新治水五カ年
計画、二兆五百億の
予算でもってあれが始められました。あれの進捗率は一体どうなのか。これは、新治水五カ年
計画の
予算は、この
国土保全の項目の中に入っているわけですね。であるとするならば、一般会計の
予算の伸び率に比して、この
国土保全の伸びが悪いわけですから、こんなことじゃしょうがないじゃないかと、私は思うわけです。もうすでに新治水五カ年
計画も四十四年度は第二年度であります。中小河川の
整備をやる、改良をやる。これは
災害に直接つながりがある、
防災であるという観点から、新治水五カ年
計画は必要なんだということで、従来の治水五カ年
計画を手直しした。それがこの
程度のことでは、総体的に
国土保全の
予算を見ると、この
程度のことではちょっと困るのじゃないかと思うのですが、建設省としては、どうなんでしょうか。それをひとつお聞きしておきたいと思います。