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委員長(
岡三郎君) ただ私の聞いたのは、要するに再
開発ということばですね、ここまできて
都市のドーナツ型とかいろいろな問題で職住一致という問題が強く言われてきた。これは交通難の問題が
背景にあるわけです。だからしかし、私は防災上からも考えて
都市の
機能をここで著しく低下しているものを、再
開発によって
都市の
機能を上げるのだ、つまり住民に住み心地のよい
都市にこれを切りかえていくと同時に、積極的に
都市の人間の安全というものをどうあわせて確保するか、私はここに
一つのやはり時代的な
要求がいまあるのじゃないか。だから、もちろんこの
地域における要望というものはこれに十分かみ合わせていかなければならぬ。しかし、基本的には再
開発という
法律を出して、
民間なり
地域の要望に沿うてこたえていくのだというのでは、新しいスプロール化みたいな形で部分的にりっぱな
建物が出るが、
都市機能全体としてはちぐはぐなものが出るというふうなことを考えられるのじゃないか。だからそういうふうな面について、
私権の
制限というものをみだりにやってはいかぬとしても、国としてどういうふうな
構想を立てるかという点と、もう
一つは、その
地域のいろいろな要望ですね、を十分聞いてそれをどういうふうに組み合わしていくのか、というふうな率先的なリードをする
立場における
都市計画というものを真剣に考えていかぬというと、いまの
都市の交通状態というものは、物資の輸送とかその他人間の輸送等でいろいろと問題にされておりますが、やはり
都市の安全、いわゆる人間の安全というのですかね。いまとにかくむちゃくちゃに
都市に
人口が流入しているということを、眼前に危険を知りつつも、これを防止することが国家としてできないわけですよ。ですから、むずかしいことは抜きにして、総体的にやはりいま全国的に見た場合、
都市の
機能というものからいって、
都市の安全というものから考えて、一体どういうふうに重点的に施策を遂行するかということは、非常に重要な問題じゃないかと私は思うのです。それで私はちょっといまお答え願ったのですがね。ただ、いまいうようにこの
法律ができていろいろと
事業組合ができて、
事業認可されて、いろいろと仕事が始まるというふうに考えますが、その前に先ほど
沢田さんが言ったように、基礎的な
調査というものが眼前にこれが展開されておるならば、これが率先してかなり権威のあるものが生まれてきておらぬと、何もそれが即国家的な
権力で押しつけていくということじゃなくて、こういう
構想に基づいてどうなんだというふうな大きなビジョン論争とか
計画論争とか、そういうものを土台にして
地域の
開発というものを積極的に組み上げていく意欲を増進させつつ、それをそれに溶け込ませてどういうふうに持っていくかということになると、これはたいへんな大きな問題だと思うのですよ。そういうものと比較して地方
都市を再
開発することも大切だが、地方
都市よりもまず何をやらなければならぬかということを重点的にやることの
考え方を、プランとしてつくってもらわなければ困るじゃないか、ということを私は言っているのです。それはいま出しますと——どの程度のものが出るかわかりませんが、そういうふうな点についての検討をするということになれば、札幌をやられることもけっこうでしょう、宝塚をやられることもけっこうだけれ
ども、もっと先にやるきべことがあるのじゃないかということを、特に国費をどうするということを一面において感ずるならば、考えてもらわなければならぬ。それから
都市機能全体からいうと、沿岸地帯に無
制限にオイルタンク、ガソリンタンク、原油タンクが林立しておりますね。ああいうものをいつの間にか数限りなくつくっておる、そうして国内では防衛論争をやっておる、私はおかしいと思うのです。防衛論争もけっこうだけれ
ども、
都市の何というか、安全を守るための措置がさっぱり国として考えられてないのです。海岸地帯に全部ほとんど要衝のところは全部ガソリンタンクなりああいう油のタンクが林立している。あれでは一朝ああいうふうなものに火がついて
都市の周辺を全部火でかこまれてしまったら、大震災でもそうですが、一体逃げ場は全然ないじゃないか。内陸にもないし、海にも逃げられないというふうないまの
都市の
機能にして、一体どういうふうに防災的に考えておられるのか、その点については
都市局長、どう考えておりますかね。