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政府委員(沢田一精君)
政府は従来から、
決算に関する
国会の
審議議決、
会計検査院の指摘等にかんがみ国費の効率的
使用、事務事業の
運営の適正化、不当
経理の発生の防止等につきまして特に留意してまいったところでありますが、
昭和四十一
年度決算に関する参議院の
審議議決にかんがみ、
各省各庁におきまして、国費の効率的
使用、事務事業の
運営の適正化等に関して講じております措置を取りまとめて、その
概要を御
説明申し上げます。
(一)、
予算の
執行につきましては、
予算がその目的に従って適正かつ効率的に
使用されるよう常に意を用い、機会あるごとに職員に対し注意を喚起してその徹底を期しているところであります。
また、真に国民のための行政を考え、行政需要に即応する簡素にして能率的な行政の体制を整えるため、
昭和四十三
年度には一省一局削減、定員の縮減、公団等の統合
合理化等を行なうとともに、許認可及び
報告等の整理、補助金の整理、行政事務の下部機関への委任または
地方公共団体等への委譲、会計事務及び人事事務の整理、簡素化等を進めることにより、財政
資金の効率的
使用と行政
運営の能率化につとめております。
(二)、公務員の綱紀につきましては、従来から閣議決定等により、その厳正な保持をはかってきたところでありますが、さらにこれを徹底し、公務の全部門を通じて不祥事件の根絶を期するため、今般、
各省各庁等に対し、職務権限の配分の是正、チェック機能の強化、合理的人事配置等不祥事件の発生防止の具体的措置を講じるほか、国民から疑惑を招くような特定業者との交際を慎み、公私の別を明らかにするよう指導監督を強化いたしますとともに、監督者の責任体制を明確化する等の措置を講じるよう通達いたしております。
また、退職高級公務員の民間会社への再就職につきましては、国家公務員法の定めるところにより、人事院の承認を得て実施する等その公正を期しており、公社、公団等の役員の任命につきましては、閣議了解に基づき、官民を問わず適任者を広く各界に求めることを基本方針とし、その選考にあたっては、事前に内閣官房長官に協議する等により、適正な
運営をはかり、弊害の生じないようつとめております。
(三)、
土地政策につきましては、
政府は、
昭和四十三年十一月の地価対策閣僚協議会の決定に基づき、
土地の有効利用の促進対策として、新都市計画法による都市計画の
推進、都市再開発の
推進、中高層住宅の建設の促進及び未建築地の利用促進、国有、公有の
土地の活用、地価公示制度の確立、
土地税制の
改善、
土地需給の緩和対策として宅地の大量かつ計画的供給及び人口、産業の大都市集中の抑制を強力に
推進することといたしております。特に
昭和四十四
年度におきましては、地価形成の
合理化をはかるため、都市地域において標準地の適正な時価を定期的に公示する地価公示制度を実施するための組織として、
土地鑑定
委員会を設置するほか、
土地の供給の促進と投機的な
土地取引の抑制をはかるため、税制調査会の答申に基づいて
土地税制の抜本的
改善を行なうこととしております。また、
土地区画整理組合貸し付け金、日本住宅公団宅地開発事業費及び住宅金融公庫宅地開発融資を増額し、宅地の大量供給を行ない、地価の安定に資することといたしております。
(四)、日本住宅公団の工事代金の前払いにつきましては、前払い金の
支払いを請求し得る時期を、従来は、工事着工可能日前四十日であったのを二十日に短縮し、さらに、前払い金を支払う時期までに工事担当部門は、工事着工可能日の変更の有無について契約担当部門に通知することとし、適正な前払いの実施に資することとする等
支払い制度の
改善をはかっております。
(五)、法務省八王子拘置支所につきましては、特殊な
収容施設である八王子医療刑務所の支所から通常の刑務所である府中刑務所の支所にその所属を変更しまして、通常の
収容施設として管理
運営するとともに、同支所職員の警備訓練を実施する等警備体制の強化をはかっております。
また、巡警路柵の移設、鉄格子の補強その他施設の
整備を行ない、その
改善をはかっております。
(六)、し尿処理施設の活用不十分なものにつきましては、合理的な収集計画の策定、収集業者に対する指導監督、料金徴収制度の
改善等、収集体制の
整備を行ない、計画どおりの収集処理につとめるとともに、技術管理者の設置等による施設管理の技術能力の向上、水質検査の励行等により、放流水の水質の
改善をはかるよう、その指導を徹底して実施するほか、さらに、都道府県に対しましては、監督及び試験検査能力の強化をはかるための組織等の充実、施設の技術管理者等の技術水準の向上をはかるための研修会の開催について指導を行ない、補助目的の達成をはかっております。
(七)、
食糧管理特別会計における運賃
計算方式につきましては、運送契約者数を複数化するとともに、
昭和四十四
年度から電子
計算機で処理することにより、従来のプール単価による
支払い方式を実費払い方式に改め、
経費支払いの
合理化をはかることといたしております。
(八)、郵政省における職員の不正行為の防止につきましては、為替貯金窓口会計機の導入を一そう
推進し、その強化をはかることといたしております。
(九)、
日本電信電話公社におけるワイパの調達につきましては、ワイパの修理再用を徹底し、
経費の節減をはかっております。
以上が、
各省各庁におきまして講じております措置の
大要であります。