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説明員(小林智彦君) 御
指摘のとおり、四十一条にはインドネシアとフィリピンにつきましては特別の規定がございます。本来ならば、輸出国は、四十条のほうに規定してあります基準輸出トン数というものがあてがわれて、それに基づいて国際
価格の動向いかんによってその実際の輸出数量を増減させられるわけでございますけれども、インドネシアとフィリピン、特にインドネシアの場合について見ますと、本来ならば潜在的に非常に輸出能力のあり得る国なんですけれども、戦後のインドネシアは、
政治的な荒廃、いろいろな社会的な事情等によりまして、戦前に比べますと
生産力が現在では非常に落ちておりまして、その
貿易の
状況を見ますと、たとえば一九六五年でございますと、九万九千トンを輸出し、六六年には三万四千トン輸出し、六七年
——一昨年には輸出がゼロになって、逆に少量ながら三万八千トンの輸入をしているということで、
現状では、まだ輸出余力が潜在的にありながら輸出力が非常に不安定な
状態にある。したがいまして、四十条のほうのクォータに入れられますと、原則として
価格の
動きによって輸出クォータを増減させられることのほかに、もしその年にそのクォータを満たすことができないような場合に、罰則としてその次の年からはクォータを減らされるということになりますので、こういう不安定でゼロになったりマイナスになったりするようなインドネシアの場合に、それではどうしても困るというインドネシア自身の特殊な事情がございまして、ほかの輸出国もそういう事情を認めてくれたということで、ここに特別に規定されたわけでございます。
フィリピンの場合には、大体
貿易のほとんど全部が
特恵取引で
アメリカに出されております、百万トン強のものが。実際に
特恵取引以外の輸出というものは最近ではございません。しかし、これも潜在的な輸出能力のあり得る国ということで、たとえば実際の輸出割り当てが基準輸出トン数の総計を越えるような場合
——といいますのは、国際
価格が四セントくらいを少し上向いているときだと思いますが
——そのような
状態になった場合には、ある程度輸出することができるというような規定を設けてもらいたいという主張をいたしまして、それも非常に少量でございますので認められた次第でございます。