○
説明員(
磯崎叡君) その点は、
財政再建推進
会議においても非常に論議され、数々の計算がなされているのでございますが、一応いろいろな前提を置きまして計算いたしました。たとえば、一番大きな問題は、一体
国鉄が今後十
年間に幾ら投資すべきか、その前提として、一体今後
国鉄が国内輸送のどういう分野を受け持つか、道路その他と過当競争にならずに、しかも国民生活の足しとしてどういう輸送分野を持つかということからずっと検討されまして、そうして大体十
年間に三兆七千億の投資が必要である、年に
平均いたしますと三千七百億円程度でございます。それは多少前半にウエートがかかっておりますが、そういう、まず投資計画が全体の一番大きな問題でございます。
それからその次に、一体
収入がどの程度ふえていくか、そういう投資計画のもとに、
国鉄の今後の
収入の伸びが、さっき申しましたとおり旅客が大きい。
貨物において一体国内の輸送分野においてどういう分野を示すか、これは、現在経済企画庁の詳しい十
年間の予測を使わしていただきまして、われわれの意欲を入れまして十
年間の
収入の目標をつくったわけであります。
その次に、一体人件費がどうなるか、これは、人件費と利子が、御
承知のとおり非常に大きな問題でございます。人件費が、大体過去の十
年間の推定で申しますと、一〇%以上のアップをいたしております。毎年の
増収分で人件費の増額がほとんどカバーできないというのが、御
承知のとおり、現状でございます。したがって、人件費が今後どうあるかということが一番大きな問題でございますが、一応人件費につきましては、御
承知の仲裁
委員会が決定いたしますので、
国鉄自体の決定はございません。したがって、仲裁
委員会がどういう決定をなされるかわかりませんが、今後の人件費の伸びが、もし九%程度、これは
定期昇給を含めますが、九%程度であった場合には、現在の
国鉄の生産性の伸びと申しますか、輸送量の伸び並びに生産性の伸びから考えますと、その中で吸収できない分が大体四%ぐらいは吸収できない。そのうちの人件費が二・七八%でございますが、それの四、五年分をやはり企業外から——いかに企業を合理化しても、どうしても企業内で吸収できないというものが四
年間に一割ずつは出てまいります。これはその時点にならなければわかりませんが、一応、結局人件費の増でございますので、これは借金ではできないということで、その分につきましては場合によっては
運賃の改定をやらなければならないという計算でございますが、もし、極端に申しまして、人件費のアップがないという計算をいたしますれば、一応現状の
予算の伸びでは、
先ほどの三兆七千億の投資利子は現在のままでカバーできる、こういう計算になっております。
非常にごたごたしておりまして、わかりにくいかと存じますが、将来の
経費の伸びは、これを企業内で吸収できる分が大体半分ぐらいしかない、いかに計算いたしましても半分ぐらいしかないということになりますと、半分以外のものにつきましては、どうしても外からその御協力を願わなければならない、その場合に、それが
運賃なのか、納税者からそれを税金としていただいた分は別といたしまして、外からその程度のものはめんどうを見ていただかなければ
財政再建は非常にむずかしい、こういう事情でございます。