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1969-04-23 第61回国会 参議院 運輸委員会、地方行政委員会、大蔵委員会、産業公害及び交通対策特別委員会、物価等対策特別委員会連合審査会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十四年四月二十三日(水曜日)    午後五時二十一分開会     —————————————   委員氏名    運輸委員     委員長         岡本  悟君     理 事         江藤  智君     理 事         金丸 冨夫君     理 事         谷口 慶吉君     理 事         瀬谷 英行君                 河野 謙三君                 佐田 一郎君                 菅野 儀作君                 平島 敏夫君                 前田佳都男君                 山崎 五郎君                 渡辺一太郎君                 上田  哲君                 加瀬  完君                 木村美智男君                 森中 守義君                 田代富士男君                 三木 忠雄君                 中村 正雄君                 市川 房枝君    地方行政委員     委員長         内藤誉三郎君     理 事         熊谷太三郎君     理 事         吉武 恵市君     理 事         林  虎雄君     理 事         原田  立君                 小枝 一雄君                 小林 武治君                 鈴木 省吾君                 鍋島 直紹君                 船田  譲君                 増田  盛君                 安田 隆明君                 山崎 竜男君                 若林 正武君                 竹田 四郎君                 千葉千代世君                 松澤 兼人君                 和田 静夫君                 阿部 憲一君                 山田  勇君    大蔵委員     委員長         丸茂 重貞君     理 事         青田源太郎君     理 事         鬼丸 勝之君     理 事         戸田 菊雄君     理 事         多田 省吾君     理 事         田渕 哲也君                 青木 一男君                 伊藤 五郎君                 岩動 道行君                 大竹平八郎君                 小林  章君                 今  春聴君                 津島 文治君                 中山 太郎君                 西田 信一君                 藤田 正明君                 矢野  登君                 木村禧八郎君                 佐野 芳雄君                 田中寿美子君                 野上  元君                 松井  誠君                 横川 正市君                 鈴木 一弘君                 渡辺  武君    産業公害及び交通対策特別委員     委員長         加藤シヅエ君     理 事         大谷 贇雄君     理 事         佐藤 一郎君     理 事         松澤 兼人君     理 事         内田 善利君                 青木 一男君                 木島 義夫君                久次米健太郎君                 黒木 利克君                 菅野 儀作君                 土屋 義彦君                 村上 春藏君                 山内 一郎君                 渡辺一太郎君                 杉原 一雄君                 田中寿美子君                 千葉千代世君                 小平 芳平君                 田渕 哲也君                 小笠原貞子君    物価等対策特別委員     委員長         山本  杉君     理 事         小枝 一雄君     理 事         林田悠紀夫君     理 事         佐野 芳雄君     理 事         阿部 憲一君     理 事         中沢伊登子君                 上原 正吉君                 大森 久司君                 櫻井 志郎君                 鈴木 省吾君                 高田 浩運君                 塚田十一郎君                 西村 尚治君                 吉江 勝保君                 上田  哲君                 鈴木  強君                 竹田 四郎君                 藤原 道子君                 矢追 秀彦君                 河田 賢治君     —————————————   出席者は左のとおり。    運輸委員会     委員長         岡本  悟君     理 事                 江藤  智君                 金丸 冨夫君                 谷口 慶吉君                 瀬谷 英行君     委 員                 河野 謙三君                 佐田 一郎君                 菅野 儀作君                 平島 敏夫君                 前田佳都男君                 山崎 五郎君                 渡辺一太郎君                 木村美智男君                 森中 守義君                 田代富士男君                 三木 忠雄君                 市川 房枝君    地方行政委員会     委員長         内藤誉三郎君     理 事                 熊谷太三郎君                 吉武 恵市君                 林  虎雄君                 原田  立君     委 員                 鈴木 省吾君                 増田  盛君                 安田 隆明君                 山崎 竜男君                 若林 正武君                 竹田 四郎君                 千葉千代世君                 和田 静夫君                 山田  勇君    大蔵委員会     委員長         丸茂 重貞君     理 事                 青田源太郎君                 鬼丸 勝之君                 戸田 菊雄君                 多田 省吾君                 田渕 哲也君     委 員                 大竹平八郎君                 小林  章君                 津島 文治君                 中山 太郎君                 西田 信一君                 藤田 正明君                 矢野  登君                 田中寿美子君                 野上  元君                 松井  誠君                 鈴木 一弘君                 渡辺  武君    産業公害及び交通対策特別委員会     委員長         加藤シヅエ君     理 事                 大谷 贇雄君                 佐藤 一郎君                 松澤 兼人君                 内田 善利君     委 員                 土屋 義彦君                 村上 春藏君                 杉原 一雄君                 小平 芳平君                 小笠原貞子君    物価等対策特別委員会     委員長         山本  杉君     理 事                 林田悠紀夫君                 阿部 憲一君                 中沢伊登子君     委 員                 大森 久司君                 櫻井 志郎君                 高田 浩運君                 塚田十一郎君                 鈴木  強君                 藤原 道子君                 河田 賢治君    国務大臣        運 輸 大 臣  原田  憲君        国 務 大 臣  菅野和太郎君    政府委員        経済企画庁長官        官房長      岩尾  一君        運輸大臣官房長  鈴木 珊吉君        運輸省鉄道監督        局長       町田  直君        運輸省鉄道監督        局国有鉄道部長  山口 真弘君    事務局側        常任委員会専門        員        鈴木  武君        常任委員会専門        員        坂入長太郎君        常任委員会専門        員        宮出 秀雄君        常任委員会専門        員        吉田善次郎君    説明員        日本国有鉄道総        裁        石田 禮助君        日本国有鉄道副        総裁       磯崎  叡君        日本国有鉄道常        務理事      長瀬 恒雄君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案内閣  提出衆議院送付) ○日本国有鉄道財政再建促進特別措置法案内閣  提出衆議院送付)     —————————————   〔運輸委員長岡本悟委員長席に着く〕
  2. 岡本悟

    委員長岡本悟君) これより運輸委員会地方行政委員会大蔵委員会産業公害及び交通対策特別委員会物価等対策特別委員会連合審査会開会いたします。  先例によりまして、私が連合審査会委員長の職をつとめます。  国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法案議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。(「提案理由説明を聞かなくちゃおかしいじゃないか」と呼ぶ者あり)
  3. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 議事進行について発言したいと思います。  先ほど連合理事会でいろいろと論議があったところでありますが、一応十七時三十分より一時間の予定委員会開会をしようということで、そこまでは話が一致したと思うのであります。しかし、御承知のとおり、本日は衆参両院議長の名前で、六時から七時半までソ連議長のホテル・ニニューオータニのレセプションの招待状が出ております。これは私のところにも来ているんですが、皆さんのところにも来ているだろうと思います。来てないのは見てない証拠なんです。こういうふうに来ておりますし、先ほども話が出ましたけれども、これをわれわれが欠席をするということはまずいし、鈴木委員あと予定をされております公明党阿部委員出席をすることを約束されているのであります。そうしますと、鈴木委員の一時間を終わったあとで、当然このために委員会は終わらなきゃならぬ。さらにあえてやろうとするならば、八時以降になるということになります。八時以降の問題については、私は社会党でありますから、八時以降に出番になるはずの公明党なり民社党の委員のことまで責任を持ってお答えするわけにいかないということをさっき申し上げたわけです。したがって、本日のところは鈴木委員一人ということにしていただいて、自後の問題、当然これはあとに残るのでありますから、あとに残った分は二十五日以降——これはいつがいいかということは、それぞれの委員会の都合もあるかと思うのでありますが、常識的に考えて、あしたは二十四日、定例日でありますので、二十五日以降に引き続き行なうということを確認をしたいと思うのでありますが、その点、委員長からあらためて御発言を願いたいと思います。
  4. 岡本悟

    委員長岡本悟君) 瀬谷委員にお答えいたします。  先刻の連合理事会で決定いたしましたとおりでございまして、本日は、仰せのとおり、鈴木委員一人にとどめまして散会いたしまして、自後のことにつきましては、別途関係委員長で協議をいたします。
  5. 松澤兼人

    松澤兼人君 議事進行について。  先ほど私語みたいな形で申し上げましたけれども、この連合審査会におきまして私たちが何を対象にして審議しているか、実はかわらぬわけです。いま配付になりました両法案に対する提案理由説明というのがあります。これは配ったらいいというものじゃないと思うのです。ですから、連合審査会におきまして何を対象にして、その対象はどういう内容のものかということは一応御説明願うほうがいいじゃないか。これは必ずしも連合審査のときに提案理由説明をやったというわけではない。やらないときもある。しかし、やったという前例もある。ですから、そこから始めていただきたいと思います。
  6. 岡本悟

    委員長岡本悟君) 松澤委員にお答えいたします。  ただいま議題になっております両法案につきましては、すでに御案内のように、四月の七日、本会議におきまして趣旨説明を行なっておりますので、とくと御了承のことと存じております。
  7. 鈴木強

    鈴木強君 私は物価対策特別委員をいたしておりますので、その立場から、今回の国鉄運賃値上げ、さらに国鉄財政再建促進特別措置法案につきまして、若干の質問をいたしたいと存じます。  最初に、本論に入る前に一つお尋ねをいたしたいのは、この値上げ法案が通りますと、一日に大体どの程度の増収になるのでございましょうか。また、年間を通してみますと、国鉄財政はこの値上げによってどれだけふところぐあいがよくなるのか、これを最初に承りたいと思います。
  8. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 数字のことでございますから、私から御答弁申し上げます。  今回お願いいたしております運賃改定によりまして、年間九百十億、現時点一日平均約二億五千万円の収入増加を見る予定でございます。
  9. 鈴木強

    鈴木強君 これは四月一日から値上げ予定しておるものだと思います。すでに国鉄関係予算国会を通過しておるわけですが、そうなりますと、一日二億五千万円の増収を見込んでおりますものが、その分だけ実際には入ってこないことになりますね。かりに、三十日とすれば七十五億予定収入が減るわけであります。一体、いまこの法案をせっかく審議中でありますし、通行税法もまだ衆議院から参議院にまいっておりません。ですから、いつから値上げになりますのか、よくわかりませんが、いずれにいたしましても、予算から見ますとたいへんな減収になると思います。したがって、この穴埋めを国鉄当局は一体どういうふうにしてなさるのか。あるいはもう七十五億ということになりますと、さらに補正の必要があるのじゃないか、そのようにも考えますので、これは国鉄総裁運輸大臣か、どちらかひとつお答えをいただきたいと思います。
  10. 原田憲

    国務大臣原田憲君) いま御指摘のように、一日約二億五千万円の減収でございますから、現時点で約五十億、お話のように、一カ月三十日といたしますと七十五億の見込みが減ってくるわけでございます。これに対しましては、いわゆる企業努力と申しますか、まあお客さんに御理解を願って、できるだけ国鉄を利用していただいて増収を今後はかっていく。あるいは経費を切り詰めていく、こういうふうな方法をもってこの減収に対応しなければなるまい、このように考えております。
  11. 鈴木強

    鈴木強君 大臣の御説明ですと、補正予算というものは考えないで、旅客運賃増加、さらに経費節約等によって切り詰めていかれるということでありますが、私は、前回国鉄運賃値上げの際にも非常にふしぎに思ったんでありますが、なかなか国鉄当局が考えているようにこの値上げ国会を通過いたしません。それはやはり国民の家計に重大な影響があるからだろうと思います。そういうこともありまして、その点はいろいろと問題があると思いますが、たとえ二十日ずれても、二十五日ずれても、一カ月ずれても、既定経費の中でやりくりができるという、まことにふしぎな財政だと私思っているんであります。もし七十五億の減収経費の節減やあるいはさらに一そうの増収によってまかなえるならば、その分は当然、当初の予算編成時における収入見通し、そういう中で御調整をなさって、たとえば五月一日に値上げをするとか、そういう方法をとって私はしかるべきだと思うんですね。しかるに、今回だけではなくして、前回もそういうふうな措置をとられました。一体何によってその財源を補てんするのか。収入はなかなか伸び悩んでおる、貨物もなかなかうまくいかない、こういうことで値上げをされておるんではないのですか。その辺、やはり補正を組むなら組んで、ちゃんと収入補てんをするということなのかどうなのか。私はその点をもう一回大臣から伺いたい。
  12. 原田憲

    国務大臣原田憲君) 前回の際のことも指摘をされておりますが、一応やはりこの際は企業努力というか、国鉄サイドにおきますところの努力によりまして、何とかやっていくようにつとめていかなければならぬ、このように考えております。
  13. 鈴木強

    鈴木強君 それは、まだいつ実施になりますか確定しておらない段階でございますので、大臣のおっしゃるように現時点におけるところの五十億収入減ということは明らかであります。したがって、この収入減を何によって補てんするかということは、この法案を審議するわれわれにとってはきわめて大事な点だと思います。したがって、企業努力といいましても、一体どういう努力によってこれだけのものがカバーできるものなのか、どうなのか、私にはどうも大臣のおっしゃることがよくわからぬのであります。したがって、直接的には、国鉄当局企業努力ということになると、やらなければなりません。まあ、石田総裁は御自分の当然受くべき報酬もお受けにならないで、ほんとうに努力をされておるのでありますから、私は非常に尊敬もし、敬意も表しておるのでありますけれども、そういう国鉄総裁立場からして、いま大臣の言われるように、企業努力でやれと、こうおっしゃる。ずいぶん私はひどいと思う。実際それでやり得るんですか。やり得るとすれば、一体どういう企業努力によってその五十億というものをカバーされるのか、具体的にその根拠を示してもらいたいと思う。
  14. 石田禮助

    説明員石田禮助君) お答えいたします。  われわれは四月一日にこの法案は通るという予定のもとにすべての予定を組んでおったんであります。したがって、今後いつまでかかりますか、近いうちには通過すると存じますが、結局、さっき大臣の申された企業努力その他によるような方法しかないと思う。その具体的な問題についてはこれから検討しようと、こういうことです。いまどうという具体の案は申し上げることはできません。
  15. 鈴木強

    鈴木強君 かなりものを言われる総裁が、大臣と同じような御答弁をされておるわけですから、かなりゆとりがあるんだというふうに私は思います。そうでなければ、これはもうごめんこうむりますと、国鉄はこうしてもらいたいんだが、おくれているんだから当然その分は別途補てんをしてもらいたい、こういうことにならぬといけないと思うんです、私は。公共企業体というのは、総裁にやはり企業実施に対する権限はまかされていると思うんです。ですから、総裁がおやりになりたいということができないわけでしょう。これは政府責任でもあるし、また、いろいろ情勢もあると思います。ですから、その点をやはり、筋とすれば補正をしてもらって、そしてやらないと、国鉄はそれでなくても苦しいんでしょう。あとからお伺いしますけれども、たいへんな赤字をかかえて、いま破綻の寸前にあるというように私たちは聞いております。ですから、そんなに余裕があるんですか。
  16. 石田禮助

    説明員石田禮助君) 余裕があると申したいんですが、余裕は何にもありません。その結果、補正予算を組むかどうかということにつきましては、まだ考えておりません。この法案が通ったところで、どうするかということをひとつ御提案したいと思っております。
  17. 鈴木強

    鈴木強君 わかりました。そのいまのお答えですと、弾力がありますからね、場合によったら補正予算を組むように国鉄としては政府に申し入れしなきゃならぬと、こういうようなお話でございます。いずれ、そういう際の具体的な問題等についても、われわれにもひとつ、あとう限り資料等早目に見せてもらいたいと思います。  それでは次に進みますが、今回の国鉄運賃値上げは、普通旅客運賃引き上げ率平均実収一〇%、こういうことになっておりますが、この普通と定期とですね、普通乗車券の場合と定期乗車券の場合とでは、この値上げ率はどういうふうになるのでありますか。
  18. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 今回の値上げの率でございますが、普通旅客運賃が約二二%、それから急行料金その他が九%、定期旅客運賃は一四・六%、以上でございます。
  19. 鈴木強

    鈴木強君 今回貨物運賃を考えなかったのは、どういう理由でございましょうか。
  20. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 貨物運賃につきましては、御承知のとおり、最近の数年間の石炭の減収、減産によりまして、非常に大きな貨物収入の減を来たしております。同時に、御承知の道路並びにトラックの発展に伴いまして、貨物収入はここ数年間全く横ばいの状況で、全然増加を示しておりません。これは、国鉄のとっております貨物運賃制度が、御承知のとおり、非常に古い従価等級制度であるということによりまして、運賃面におきましても、トラックより高級貨物については高い。したがって、高級貨物は逐次トラックにいってしまう。低級貨物運賃が非常に上げにくい。生活必需品が多いわけでございますから。それから、サービスの面におきましても、その国鉄貨物輸送サービスは必ずしも時間が明確でない。あるいは速度が早くないというようなことで、一般の荷主との関係上、貨物サービス面におきましてもいろいろ問題がございます。現在、このまま運賃を上げますれば、もちろん生活必需品等については上げる余力はあると思います。荷主的に見れば上げる余力はあると思いますが、これはいろいろな影響が強いということで、結局、貨物運賃は、もう少し運賃制度自体を根本的に直して、せめてトラック並みの運賃制度をとるということができない限り、いまのまま上げますれば、結局全体として貨物収入が下がるということに、ほとんど各物品ごとに検討しました結果、貨物輸送値上げすることによって全体の収入がふえない、こういう計算になりましたので、やめたわけでございます。
  21. 鈴木強

    鈴木強君 私は、何もこれを上げろと言わんとするのではございません。ただ、国鉄経営の現状からして、たくさんな赤字をかかえておられるわけですから、国が積極的に財政的なてこ入れをすると同時に、何がしかの負担をわれわれがするということはわかります。しかし、その限度が問題でありまして、そこに国鉄運賃値上げのむずかしさがあると思います。ですから、たとえば旅客のほうだけにしわ寄せをして、貨物はそのために救われるけれども、旅客のほうはそれによって多少なりとも過重な負担をさせられるということは公平でないと思います。ですから、そういう意味でちょっとお尋ねしたいのですけれども、一面には、副総裁のおっしゃるように、貨物の面におきましては、たいへん輸送量が伸び悩んでおるというようなことか、あるいはそのことが公共料金その他に与える影響、こういうものを考慮して、あえて今回は上げなかった、こういうふうに理解していいのですか。
  22. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 今回の貨物運賃の中で、特に国鉄運賃法以上に割り引きしている物資、これはほとんど農林水産関係物資でございますが、これの分につきましては、私どもとしましては、ぜひこの際、その特殊割引をやめたいという気持ちも持っておりましたが、やはりそれは、ただいま先生がおっしゃったように、一般物価に対する影響がいろいろ大きいという政府部内の御意見によりまして、それをあえて中止したという次第であります。
  23. 鈴木強

    鈴木強君 これはいろいろ論議がありまして、いまお話しのように特別な多額な割引をさせられて、国鉄があえてその政府の政策からくる赤字というものをしょい込まされていると思うのですね。ですから、私は、そのことを直ちに貨物運賃にはね返させるということではなくして、そういう公共負担を国鉄がしておる分はかなりの額に達しておるようでございますね。説明をお聞きしますと、公共企業体移行後二十年間の負担額を累計すると一兆円にも達している。これは通勤通学割引等も含んでおるわけですけれども、とにかくそういうものが国鉄にしわ寄せをされておるわけですから、そういうものを少し国鉄に、公共負担の欠損分だけでもよこせという、強いやはり交渉はしたのでございますか。
  24. 石田禮助

    説明員石田禮助君) 国鉄の今日の苦しい状態になったということの原因のおもなるものは、公共負担の問題であります。昭和二十四年から四十二年まで、公共負担として国鉄が負担したのは一兆二百億ということを申しておりまするが、これは通勤通学の割引が主でありまするが、しかし、その一兆二百億の中には、法律できめられた五〇%というものは入っていない。五〇%以上の通勤通学の割引。もしも五〇%を入れることになると、一年に最近においては千七、八百億の国鉄の負担になる、こういうことなんでありまして、今度のこの四十四年からいまの十カ年計画におきまして、われわれが大蔵省にお願いして、大蔵省から相当にまとまった援助を向こう十カ年にわたってくだすったということは、つまり、今日の国鉄の窮状というものに対しては、そういうような政府の政策を国鉄の犠牲においてやったということの償いであります。私は、これの大きい少ないということに対しては相当議論がありまするが、しかし、これまでなかなか消極的な大蔵省が、今度はむしろ予想以上に奮発してくれたということでありますので、ただいまの農産物に対する特別の運賃割引に対しては、それはそれとして別にいままでどおりやっていこう、こういうことで、ことしは強く主張をしなかった次第であります。
  25. 鈴木強

    鈴木強君 その点はわかりました。  それで、磯崎総裁先ほどの御答弁ですと、平均一〇%になっておりますが、その内訳は、普通で二二%、急行九%、定期一四・六%と、種別別に見ると、こういう値上がり率になっておるようであります。そこで、ちょっとこの率ではわかりにくうございますから、おそれ入りますが、たいへんしろうとの質問で申しわけないんですけれども、今度値上げになりますと、現在の準急、急行、特急、座席指定、そういうものは幾らが幾らになるか。できましたら、列車寝台の場合も一等、二等がなくなるようでありますから、そこのところをちょっとわかりやすく金額で示してもらいたい。
  26. 長瀬恒雄

    説明員(長瀬恒雄君) お答えいたします。  急行料金につきましては、現在百キロ百円、以下百円ずつの差で五地帯制になっておりますものを、今回は二地帯制にいたしまして、二百円ということにいたしております。二百キロまで二百円、それからそれ以上が三百円。したがいまして、二百キロ以上は逆に値下げをしたというかっこうでございます。百キロまで百円につきましては、これは特定の料金を設けるということで考えております。  それから特急料金につきまして、いろいろございますが、在来線の特急につきましては、現行が四百キロまで六百円、六百キロまでが八百円、千二百キロまでが千円、千二百一キロ以上が千二百円、こうなっておりますものを、二百キロまでが六百円、これは据え置きでございます。四百キロまでが八百円、したがって二百円の改定であります。六百キロまでが千円、千二百キロまでが千二百円、それ以上が千四百円。二百円ずつの改定をいたしております。  新幹線の「ひかり」につきましては、現行が二百キロまで六百円、四百キロまで千二百円、六百キロまで千六百円。これを今回の改定によりまして全部三百円ずつ改定をいたしております。したがって、二百キロまでが九百円、四百キロまでが千五百円、六百キロまでが千九百円。こういうことであります。「こだま」につきましては、二百キロまでが五百円を今回七百円、三百キロまでが八百円でございましたのを九百円、四百キロまでが千円が千百円、五百キロ以上は現在千三百円でございますが、五百キロまでという地帯を設けまして千三百円据え置きにいたしております。六百キロ以上が千五百円、二百円の改定をいたしております。  それから、そのほかに特別車両料金というものをつくっております。これは一等の関係で新しく設けた制度でございますが、普通の従来の二等の運賃に加算する料金で、設備料金でございまして、従来の旧一等車を利用される方は二百キロまでが八百円、四百キロまでが千四百円、六百キロまでが二千円、六百一キロ以上四百キロ増すごとに六百円。  そのほかに、従来普通列車の一等車がございます。これにつきましては、二十キロまでが百円、四十キロまでが百五十円、六十キロまでは二百円、八十キロまでが二百五十円、八十一キロ以上が三百円。こういうことでございます。  それから寝台につきましては、従来の旧一等寝台、これをA寝台と申しますが、上段が三千八百円、下段が四千二百円、個室が五千四百円。それからB寝台、従来の二等寝台でございますが、上段と中段が従来は八百円、九百円でございますが千百円で、下段が千円が千二百円、電車寝台、これは特別の列車についておりますが、上中段が現在千百円でありますものが千三百円、下段が千三百円が千六百円でございます。  以上でございます。
  27. 鈴木強

    鈴木強君 べらべら言われて、よくわかりませんけれどもね。では、ひとつためしに、新幹線の「ひかり」で東京から大阪まで行った場合に、一等と二等では現行から見てどの程度に上がりますか。
  28. 長瀬恒雄

    説明員(長瀬恒雄君) 「ひかり」で現行新大阪までが、現在は三千三百三十円。これは特急料金を含めてです。これは従来の二等でございます。それが、今回の改定によりまして、四千百三十円ということに相なります。それから一等につきましては、これは先ほど申しましたとおり、一等の運賃というものを従来の二等運賃と同じようにいたしまして、特別車両料金をちょうだいいたしますので、新大阪までの「ひかり」で六千七百円でございましたものが、六千百三十円ということになります。
  29. 鈴木強

    鈴木強君 安くなるの。
  30. 長瀬恒雄

    説明員(長瀬恒雄君) 安くなります。
  31. 鈴木強

    鈴木強君 ちょっと時間がもうありませんので、ひとつ後ほど、東京−鹿児島間と東京−札幌間の二等と、それから特別の指定券、特別運賃、従来の座席指定ですね、それを入れて何ぼになるか、あとでこれは資料で出していただきたいと思います。  それから山手線の区間は一体どういうふうになりますか、今度の改定で。
  32. 長瀬恒雄

    説明員(長瀬恒雄君) 先ほどの資料は後ほど調製いたします。  山手線につきましては、主要駅で例を申し上げますと、東京から品川は現在三十円でございますが十円アップでございます。それから上野が二十円でございますが三十円、池袋が五十円に対して六十円、渋谷、新宿も同様でございます。
  33. 鈴木強

    鈴木強君 定期券の場合もちょっと知りたいのですけれども、時間がありませんから、東京−横浜、東京−立川、東京−千葉、これ、すぐわかりますか。わかったらちょっと知らしてくれませんか。
  34. 長瀬恒雄

    説明員(長瀬恒雄君) 東京から立川までが、通勤で現在三千七百円でございます。今回は四千二百円で一三・五%、通学が千百十円が千二百八十円、一五・三%、千葉が、通勤が三千七百九十円、改定いたしますと四千三百六十円で、一五%であります。通学が千百四十円が千三百二十円ということで一五・八%、横浜が三千百六十円が三千四百円、六・六%、通学が千十円が千百七十円、一五・八%になります。
  35. 鈴木強

    鈴木強君 それから、国鉄区間のバスとそれから船ですね、これどういうふうな扱いになるのですか。
  36. 長瀬恒雄

    説明員(長瀬恒雄君) 国鉄のバスにつきましては、これは地方のバスとの均衡をとりまして運輸大臣の認可を受けております。今回は関係はございません。  それから船につきましては、青函連絡線が三百八十円が五百円、宇高航路が九十円が百二十円でございます。
  37. 鈴木強

    鈴木強君 経済企画庁長官にちょっとお伺いしますけれども、今度の国鉄運賃値上げについては、公共料金の値上げが他の物価を推し上げていくということからして、われわれはできるだけ国鉄料金は上げないようにということで何回か意見を出してまいりました。当初その方針を長官はお認めになっておったのですけれども、国鉄値上げについては、政府全体の立場から今回の一〇%の値上げを認めたと思うんですね。一体これは国民の生活に、家計上から見てどの程度の影響を及ぼすのか。その点をどう見ておるのですか。
  38. 菅野和太郎

    国務大臣菅野和太郎君) お答えいたします。  国鉄料金値上げによって、物価の上昇率は大体〇・二%であります。そこで、四十四年度の消費者物価の大体の上昇を五%ということで、五%以内に押えるという方針を立てましたので、したがいまして、国鉄料金もこの際値上げを見合わせてもらいたいというのが当初のわれわれの考えであったのであります。要するに、公共料金は全部見合わせてもらいたい、値上げは見合わせてもらいたいということを最初われわれは要望したのでありますが、国鉄料金だけは、国鉄の現状を見て何とか救わなくちゃならぬということで、料金の値上げを認めざるを得ないことになった次第でございます。
  39. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、そのほかの公共料金というのはもう上げないというのが長官の考え方ですか。
  40. 菅野和太郎

    国務大臣菅野和太郎君) 国鉄料金の値上げをわれわれが最後に承認するときの条件といたしまして、便乗値上げ、ことに交通関係の公共料金は極力押えて、便乗値上げはこの際認めないという方針を立てたのでございます。そういうことで、公共料金は大体押える、極力押えるという方針で進んでいくつもりです。
  41. 鈴木強

    鈴木強君 現在、バスとかあるいはタクシー、ハイヤーあるいは私鉄、こういう料金の値上げについて、運輸大臣のほうにはかなり申請が出ておると思うのでございますが、ここで全部についてお尋ねすることはむずかしいと思いますので、原則についてお聞きしたいのでございますが、いまお聞きのとおり、経済企画庁長官は、国鉄運賃は、言うならば国鉄の現状からしてほんとうにやむを得ず値上げをせざるを得ない、こういうお話でございます。したがって、従来、もう歴史が明らかなように、国鉄運賃を上げますと、必ず私鉄、バス、タクシーがこれにならって値上げを申請をしてまいるのであります。ですから、われわれはその点をかなり強く警戒をし、政府にも反省を求めておったわけでありますが、今回もまた同様に、タクシー、ハイヤー、バス、私鉄、これらの運賃値上げ大臣のもとに来ておるのであります。どうも、経済企画庁長官の考え方と運輸大臣のお考えを聞いておりますと、違うように私は思います。いままでの委員会、本会議等の御答弁を伺っておりましても、どうして同じ内閣でそういうふうに考え方が違うのですか。経済の元締めは経済企画庁だと思います。ですから、その長官がおっしゃることと運輸大臣のおっしゃることの中に明らかに差が出ているということは、これは非常に困ったことでございます。運輸大臣は一体どういうふうに考えるか、もう一回再確認の意味で伺いたいと思います。
  42. 原田憲

    国務大臣原田憲君) 結論を先に申し上げますと、経済企画庁長官と私との意見は一致をいたしておるのであります。  いま、国鉄運賃の問題を申し上げますと、昨年、四十三年度のこの予算を組む当時を想起いたしますと、いわゆる国際収支は悪化しており、四十四年のちょうどいまごろになってもまだ黒字にはならないであろうというような状況、これは、国際情勢から見て、ポンド、フランの非常な不安状況、国内においても非常に通常経費というものはふくれ上がってくる、これらに対して総合予算主義をとって財政の健全性を確保しなければならぬというのが四十三年度予算編成当時の雲行きであったわけであります。そのときからいま考えますと、国際収支は好転し、現在では七期連続の好況ということになっておりまして、いまは、政府として最も望ましいことは安定した経済成長という段階である、その際には物価というものが一番問題になる、こういうことが四十四年度予算編成に際してもいわれておるのでございます。しかし、御承知のように、この国鉄問題に関しましては、四十三年度予算編成当時からすでに今日のことは非常に問題になっておりまして、定期運賃値上げしました際にも、すでにそれでもまだ赤字が出るということを発表いたしておるのでありまして、千四百億の赤字になると、こういうような状況でありましたので、このまま推移したならば、これはもう国鉄自身が破局に瀕する、これは、価格という問題よりも、もっとひいては経済全体の問題になってくるというので、この国鉄をどうするかということが今日御提案をいたしておりますところの理由になっておるわけでございます。したがいまして、国鉄運賃値上げにつきましては、経済企画庁長官もやむを得ないであろう、こういうことで意見が一致したわけでございます。  その他の運賃にいたしましても、これまで何べんも御質問をいただいておりますように、同じところを走っているものの運賃が違うのはおかしいじゃないかというような御質問もございました。これはいまも起きておるのでございます。昨年の定期運賃値上げからそういうアンバランスということが生じておりますけれども、大量乗客移動というような状態は、まだ見られておりません。これらのことを勘案し、当該会社の状況というようなものを勘案して、私鉄運賃というものは慎重に考慮すべきである、特に物価というものと比べて対処しなければならぬ、もちろん、地方の中小私鉄問題は、これはまたケース・バイ・ケースで検討さしていただく、このことについても経済企画庁長官と意見の相違はございません。また、ハイヤー、タクシーは、これは私鉄が上がった、国鉄が上がったからといって値上げはされておりませんで、だいぶ長い間据え置かれておるようでございます。しかしながら、特に大都市におけるところのタクシー料金につきましては、一方において乗車拒否問題というような、サービスを売る者がサービスをしないで、運賃値上げをせぬからサービスが悪いんだといわぬばかしのことでは問題は解決されない。これらのことも考えて私はいわゆる運賃行政というものと対処していかなければならぬと心得ておりますので、国鉄運賃が上がったからといって、すぐにほかの運賃は上げるという態勢にございませんので、極力これを抑制いたしますということを答弁いたしてまいってきておるのでございます。御質問のように、すでに私鉄側からは申請は出ておりますけれども、慎重な態度で臨んでおるということを重ねて申し上げる次第でございます。
  43. 鈴木強

    鈴木強君 まあ、概念的にはお考えのことはわかります。ただ、もう少し突っ込んでお聞きしたいんですけれど、まあケース・バイ・ケースでおやりになる、これは決して国鉄運賃を上げたからということでなくて、その企業について上げなければならないような状態に経営が立ち至っているものについては認めるんだと、こういうことだと思います。それは原則論はわかりますけれども、問題は、この国鉄運賃というものが値上がりされることによって、その要求が意欲を増してくるわけですね。意欲を増してくる。そういう意味において、われわれは非常に警戒をするわけです。  もう一つそれでは伺っておきますが、私鉄、それからバス、ハイヤー、タクシーで、現実にいま大臣がごらんになって、これだけはしてあげなければならないというような、そういうケースはどのくらいありますか。
  44. 原田憲

    国務大臣原田憲君) 先ほど申し上げましたが、経済企画庁との間に相談をして、それでケース・バイ・ケースでやっていく。中小、地方の問題と、私鉄で申しますときには、いわゆる大都市の十四大私鉄というもの、それからタクシーの場合も、大都市のタクシーというものとは区別されておるわけでございます。したがいまして、これらの問題については経済企画庁との間に協議をし、物価の問題に対する閣僚協議会で決定をするという手続を踏んでいかなければならないんでございまして、目下のところ、私の手元でまだ具体的にこれはしなければならぬというようなものを私はまだ見ておらないのでございます。
  45. 鈴木強

    鈴木強君 まあ、物価との関連で少し横道にそれたようですけれども、その点はお許しをいただいて、いまお話にもありましたように、最近タクシーの乗車拒否というのが悪質になってきていると思うのですね。私は、昨夜もちょうど十一時四十分ぐらいですか、新幹線の最終で東京駅に降りてみたんですけれども、国鉄、運輸省側のあそこなんかには、ほとんどタクシーがおらぬですね。たまに来ても、すっと行ってしまって乗せてくれない、非常に困ったんでございますがね。ああいう乗車拒否なんかに対して、免許の権限を持っている運輸省が、もうちょっときびしい態度で臨んでもらえないものなんでしょうか。非常に取り締まりがなまぬるいように思うのですけれども、これは、警察当局なり国民全体としてわれわれも協力するという姿勢がないと、ただ単に運輸省だけに迫りましても、問題を解決するものではないと思いますけれどもが、監督の立場にある運輸省として、もう少しきびしい態度で取り締まってもらえないものでしょうか。
  46. 原田憲

    国務大臣原田憲君) おっしゃるとおりであろうと私は思っております。タクシーというものはサービスをもって乗客から料金をとっておるので、そのサービスを売るものが乗車拒否をしてお客さんの不快を買っておるというようなことは、もう企業の根本であると私は考えております。これをなくするために、まず、運転手諸君のそういう態度をなくすのにどう方法をしたらいいだろうか。いま、その登録制度というのを考えて、運転手諸君の組織とも話をして、この制度によって安心をして運転をできるというようなことができないかどうかというようなものを具体的にいま考えさしておりますが、そのほかにも、たとえばでございますが、私ども前にLPGの値上げ問題をやりましたときに、これは大蔵委員会でございましたが、LPGの値上げというようなことを言う前に、もう少し合理的なタクシーのサービス方法はないものだろうか、いま大都市においては走れないという問題がある、走れないという問題を解決するためには、その走れない時間制のメーターをつくってみたらどうなんだろうというようなことも、そのときに議論をいたしたのであります。このたび運輸大臣に就任をいたしまして、このタクシーの乗車拒否の対策につきまして、まことに微力でございますが、全力を尽くしてこの解決というものに取り組んでみたいと考えておるのでございます。いま、先生御承知のように、警察のほうにも連絡をいたしていまして、なかなか今度は乗っておる方から協力が得られないので非常にむつかしい事件になってくるというようなことでございましたが、私は、少なくとも、まあ自分が夜中に酒を飲んで、それで帰りに車が拾えなかったら文句言う、そんなところまでは手が届かぬけれども、女子供が安心して乗れるというタクシーに何とかするように微力を尽くしていきたいと考えておる次第でございます。
  47. 鈴木強

    鈴木強君 まあ、これは国鉄の場合でもそうですが、料金は上げられるわ、サービスは低下するわということでは、これはもうたまったものではないわけですから、そういう点、大臣のき然たる御所信もあるようですので、なおひとつ、全般的な問題としてもそうですけれども、特に乗車拒否の問題については、一そうきびしい取り締まりをしていただきたいと思います。  それから、現在国鉄財政が非常に苦しくなっているわけですけれども、負債総額というのは幾らになっておりますか。いまのお話のような累積赤字千数百億と言っておりましたけれども、借り入れ金、それから国鉄債等含めまして、内訳を、できたらひとつ、総額と内訳を示してもらいたいんですが。
  48. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) まず、収支勘定のほうの累積の赤でございますが、合計いたしまして累積で四十三年度末で二千七百億でございます。それから長期債務は、これは主として工事経費の財源でございますが、これは四十三年度末で約二兆円でございます。
  49. 鈴木強

    鈴木強君 この二兆円というのはよく私わからないのですけれども、国鉄が発行しております債券がありますね、国鉄債というのですか、そのことでしょうか。
  50. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 二兆円の中に、いわゆる政府の管掌しておられます簡易保険、郵便貯金その他の政府が直接管掌しておられます金が約六千三百億円、そのほかの一兆四千億は、いわゆる鉄道債券と称しまして、中に政府引き受け債もございますが、国鉄の発行する債券がありまして、利用者にお願いしている、非常に銘柄は多数ございますが、大きく分けまして、政府管掌分が約六千三百億、債券分が一兆四千億と、簡単な数字でございますが、そうでございます。
  51. 鈴木強

    鈴木強君 政府管掌というのは、この六千三百億は、そうすると、政府のほうでそれだけの債券を、郵便貯金とか簡易保険とかの資金ですね、国庫預託の資金の中から借り入れているもので、あとの一兆四千億というものは、いわゆる公募債というのでございますか、そういうものだと思いますが、この公募債の中には縁故債的なものは入っておるのでございますか。それから国鉄の場合には、地元に対して、駅の建設とか、あるいは新線の建設等には、そのときには地方債を負担してもらっている制度があるようですけれども、その基準は大体どういうふうになっているのですか。この一兆四千億の中に、そういうふうな国鉄のほうで、片棒かついでもらうという意味においてですね、地元に引き受けてもらう債券というものは幾らか。それから縁故債があるかどうかですね。あったら、その額。
  52. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 先ほど申し上げましたように、約二兆のうち六千億が政府関係でございまして、鉄道債券が約一兆四千億ございますが、この中で、公募債が六千五百億、これは、公募債と申しましても、実際政府の、大蔵省の計画の中に入っている、組み入れられている。それから、その次に、政府引き受け債、これが約千四百億。合計いたしまして、国鉄が直接タッチしないでほとんど自動的に集まると申しますか、その金が七千九百億ございます。そのほかに、いま先生のおっしゃった国鉄の独自で集める金の年度末残高が、利用債と申しますのが千百億、それから縁故債が七百五十五億、特別債が四千八百億。そのうちの利用債と申しますのは、主として先ほどお話しのとおり、地元に持っていただく、たとえば駅の改築とか、駅前広場をつくるとか、跨線橋をつくるとか、そういう地元に御負担してもらっている分が通常利用債と申しております。それから縁故債と申しておりますのは、国鉄共済組合に持ってもらっているものでございます。別法人でございますから、国鉄共済組合が約七百五十五億、それから特別債と申しますのは、これは昭和四十年度から全く国鉄の独自の力で、無担保、しかも日銀の担保も必要としないで、国鉄の信用だけで借りている金が四千八百億でございます。これは、主として金融機関、その他若干の例外もありますが、大体金融機関から借りているわけでございます。銀行、保険会社、信託銀行等でございます。
  53. 鈴木強

    鈴木強君 あと長期、短期の繰り入れば、これは大蔵大臣の承認を得て借りるようになっていますね。それの残りはどのくらいございますか。
  54. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 短期のほうは、予算総則におきまして年間七百億の限度額がきまっておりまして、これは御承知のとおり、年度末に一ぺんお返しすることになっております。これは非常に安い日歩八厘で借りて、長期のほうは予算でぴたっときまっておりますので、予算額以上は発行できないたてまえになっております。予算額で、御承知のとおり、財投分とその他分——その他分も、いま利用、縁故、特別と、大体大ワクでもって予算できめられているわけでございます。これは、利用債が若干四十三年度発行不足がございますが、おおむね二、三百億を残しまして、金額四十三年度分は発行済みでございます。
  55. 鈴木強

    鈴木強君 それ、結果的に幾らまだ未返済の分があるんですか、債務として残っているのが。借り入れ金の七百億は……。
  56. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) いま申しましたように、七百億は、まだほとんど月初めでございますので、短期はほとんどございません。
  57. 鈴木強

    鈴木強君 長期は。
  58. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 長期は、さっき申しました四十二年度末で約二兆というのが長期債務の残高でございます。これは、ずっと前から借りてきたものを償還期限が来て返すと同時に、新しく次の年度で借りるわけでございますが、それの全部の合計が、正確に申しますと一兆九千八百六十億でございますが、さっき申しました二兆が現時点における長期債でございます。
  59. 鈴木強

    鈴木強君 約二兆の負債をかかえておるわけですが、今度の一〇%の値上げというのは、実際過去の赤字を補てんをするために上げるのか、それとも、これから第三次長期計画、これは四年目になると思うのですが、そういう計画を実施するために必要な建設財源に充てようとするのか、その辺はどうなんですか。
  60. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 今回の財政再建計画は、一応十カ年間を目標にして再建をするということになっております。十カ年間の試算をいたしますと、いまお話の長期債務は必ずしも減りません。と申しますことは、これからやはり三兆七千億ほどの投資をいたすことになりますので、長期債は返還分と増額分を差し引きまして若干ふえると思います。しかし、いまの損益勘定、収支勘定の上での赤字は、当初は減りませんが、徐々に減ってまいる。昭和五十四年度の時点には、現在よりもちろん絶対額としてはふえますけれども、五十四年度の時点から漸次減ってまいる、こういう計算になっておりますので、いまの御質問の今回の運賃値上げのたとえば九百億は何に使われるかという御質問でありますれば、それはやはり損益勘定のほうの人件費の支払い、あるいは利子の支払いに充てる、その若干分はいわゆる減価償却費のごく一部といたしまして工事勘定の財源になるということでございます。
  61. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、最初にお尋ねしましたこの九百十億円の増収分ですね、厳密には五十億くらい足りないわけですが、それはとにかくとして、そうすると、減価償却費の分だけがこの九百十億の値上げ分から充当されて、あとは、そうすると赤字補てんに回るということですね。それで、十カ年間で、長期債のほうはこれはなかなかむずかしいとしても、国鉄経営というものが逐次バランスをとっていくというお話なんですけれども、ことし一〇%上げて、この十年間に一体利用者の負担する分ですね、要するに、運賃値上げというのはどういうふうなものを想定してバランスシートを十年後にとろうとしているのか、その見通しをひとつ聞かしてもらいたい。
  62. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) その点は、財政再建推進会議においても非常に論議され、数々の計算がなされているのでございますが、一応いろいろな前提を置きまして計算いたしました。たとえば、一番大きな問題は、一体国鉄が今後十年間に幾ら投資すべきか、その前提として、一体今後国鉄が国内輸送のどういう分野を受け持つか、道路その他と過当競争にならずに、しかも国民生活の足しとしてどういう輸送分野を持つかということからずっと検討されまして、そうして大体十年間に三兆七千億の投資が必要である、年に平均いたしますと三千七百億円程度でございます。それは多少前半にウエートがかかっておりますが、そういう、まず投資計画が全体の一番大きな問題でございます。  それからその次に、一体収入がどの程度ふえていくか、そういう投資計画のもとに、国鉄の今後の収入の伸びが、さっき申しましたとおり旅客が大きい。貨物において一体国内の輸送分野においてどういう分野を示すか、これは、現在経済企画庁の詳しい十年間の予測を使わしていただきまして、われわれの意欲を入れまして十年間収入の目標をつくったわけであります。  その次に、一体人件費がどうなるか、これは、人件費と利子が、御承知のとおり非常に大きな問題でございます。人件費が、大体過去の十年間の推定で申しますと、一〇%以上のアップをいたしております。毎年の増収分で人件費の増額がほとんどカバーできないというのが、御承知のとおり、現状でございます。したがって、人件費が今後どうあるかということが一番大きな問題でございますが、一応人件費につきましては、御承知の仲裁委員会が決定いたしますので、国鉄自体の決定はございません。したがって、仲裁委員会がどういう決定をなされるかわかりませんが、今後の人件費の伸びが、もし九%程度、これは定期昇給を含めますが、九%程度であった場合には、現在の国鉄の生産性の伸びと申しますか、輸送量の伸び並びに生産性の伸びから考えますと、その中で吸収できない分が大体四%ぐらいは吸収できない。そのうちの人件費が二・七八%でございますが、それの四、五年分をやはり企業外から——いかに企業を合理化しても、どうしても企業内で吸収できないというものが四年間に一割ずつは出てまいります。これはその時点にならなければわかりませんが、一応、結局人件費の増でございますので、これは借金ではできないということで、その分につきましては場合によっては運賃の改定をやらなければならないという計算でございますが、もし、極端に申しまして、人件費のアップがないという計算をいたしますれば、一応現状の予算の伸びでは、先ほどの三兆七千億の投資利子は現在のままでカバーできる、こういう計算になっております。  非常にごたごたしておりまして、わかりにくいかと存じますが、将来の経費の伸びは、これを企業内で吸収できる分が大体半分ぐらいしかない、いかに計算いたしましても半分ぐらいしかないということになりますと、半分以外のものにつきましては、どうしても外からその御協力を願わなければならない、その場合に、それが運賃なのか、納税者からそれを税金としていただいた分は別といたしまして、外からその程度のものはめんどうを見ていただかなければ財政再建は非常にむずかしい、こういう事情でございます。
  63. 鈴木強

    鈴木強君 これは非常に大事なところですけれども、時間がありませんので、非常に残念です。  で、問題は、お話のように、何か人件費が多くなる、そうなるとまた運賃を上げなきゃならぬというところをたいへん強調されてますけれどもね。もっとほかに私はいろいろと考えなきゃならぬ点がたくさんあると思うのです。ですから、問題は、そうしますと、大体十年間、これから十年間、そういう要素がなければ運賃値上げはしないで済むと、こう理解しておいていいんですね。
  64. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 人件費の伸びが実際ない、これは非常に大きな仮定でございますが、そういたしますれば、現在の運賃で、あらゆる合理化をしてまいりますれば、吸収できると、こういうたてまえでございます。
  65. 鈴木強

    鈴木強君 国鉄は赤字解消のためにいろいろと努力をされておると思いますけれども、実は国鉄線の中に営業係数が五四一六%というような、極端に悪い路線もあるようです。こういう赤字路線に対しての総裁の考え方、大臣の考え方を承りたいんですけれども、時間の関係でできません。また、これはいずれの機会かに譲りたいと思います。  もう一つ、不正乗車の問題で、ちょっとデータがありましたら教えてもらいたいんですが、国鉄が一生懸命かせいでおっても、一方では不心得の者がありまして、不正乗車や「きせる」をしておるというような残念な事件がかなり多いように思います。国鉄が想定する一年間の不正乗車人員はどの程度で、額にしたらどの程度のものが見込まれるか。そのうち、国鉄職員の努力によって——その不正を防止していくというような努力をされてると思うのですけれども、そういうものがわかりましたら教えてもらいたい。それから職業別にもしわかったら教えてもらいたいのです。
  66. 長瀬恒雄

    説明員(長瀬恒雄君) お答えいたします。  不正乗車と申しますのは、ほんとうに不正かどうか、実は切符を買ってこなかったというような者があるわけでございますが、特別改札という制度によって、たとえば階段なり、あるいはホームでもって乗車券を持っていない人に売るという問題があるわけであります。それにつきましては、現在の統計によりますと、そういうような乗車券を持たないお客さんが一年間に三千八百九十五万人おります。それに対して、国鉄が八十九億はこれによって回収いたしております。それから、ほんとうの不正というものにつきましては、いろいろとこまかいデータがございますが、四十三年度におきまして、不正乗車による検挙、これは警察官の関係、あるいは公安の関係で取り調べました者が、二万七千五百六十二件でございます。実際の実態はなかなかつかめないわけでありますが、これにつきまして、上野の駅で、四十三年、昨年一月ばかり調査をいたしました結果は、二百三十六人の不正乗車がおりました。その間におきまして、男女別、これは男が七七%、女が二三%、職業別で申し上げますと、会社員が三五%、学生が一八%、労務者が一二%、以下省略いたしますが、そういうような傾向でございます。それから、さらに調査をいたしまして、特に関東地方におきまして調査いたしましたいわゆる「きせる」というものにつきまして、これは短期間でございますが、調査いたしました結果におきましては、百六十三人、これが二日間で、定期券を使いまして不正乗車をしている。その面から、いわゆるほんとうの不正というものを調査いたしますと、約二十一億円というものが運賃逋脱されておる。しかし、先ほど申しましたように、三千八百九十五万人の中で八十九億というものは国鉄職員によって回収をいたしております。今後の防止策といたしましては、先ほど申しました特別改札を強化する、あるいは車掌の改札を強化する、いろいろの手を打っていますが、最終的には、旅客の良心と申しますか、そういうものによって片づけなければならない問題だと考えております。
  67. 鈴木強

    鈴木強君 時間がたいへん……。済みません。これで終わりたいと思いますが、運賃を上げる、当然サービスの改善をしてもらえる、こう思いますが、中身を聞いてみますと、とんでもない。赤字のほうに持っていかれて、減価償却程度のものしか実際は回っていかないということですから、どうもその点が問題だと思います。国鉄の今度の運賃引き上げに対するPRなんかを見ておりますと、何か、サービス改善に必要ですからどうぞ上げるのに協力してくださいというようなビラを流しておりますが、これは実は新聞の投書にも載っておりますが、公取の不正表示にならないかというような趣旨の投書が出ております。国鉄運賃改定の車内づり広告ですね、これを見ると、何か、第三次計画で金がかかる、輸送改善をするのだ、そのために上げてくれ、こういうふうに言っておって、ちょっと中身が違うじゃないか。それは私もきょうお聞きいたしましてわかりましたが、そういう意味で、料金は上がった、運賃は上がったが、どうもサービスの面がさほどではないだろう、一面そういう心配があります。  それで一つ伺っておきたいのは、国鉄は赤字財政再建の一つの柱として業務の徹底的近代化ということを述べておられるようです。その内容をちょっと拝見しますと、一つには、五千の駅のうちで乗降客の少ない約三千の駅を廃止または無人化するというようなことがあります。それから、出札、改札の大幅な機械化、これも、出札なんかの場合でも、この機械化は人間的なあたたかみがない、非常に不便だというようなことで、かなり国民から批判が出ていると思います。それを今度は中長距離まで延ばしていこうというようなことで、かなり機械化を進めようとしております。しかし、これはやり方の問題だと思いますが、これは私はいろいろと問題があろうと思います。それからもう一つは、ホームに駅員を置かない、こういうことも考えておられるようですが、これは事実でございますか。こういう計画を国鉄は持っているのですか。
  68. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) まだ具体的な計画は持っておりませんが、財政再建推進会議におきましても、先生がただいまおっしゃったような趣旨のことが書かれております。したがって、それをどう具体化するか、また、利用者に対してたいして迷惑をかけないでどうやるかということがこれからのわれわれの努力のしかただと、かように考えております。
  69. 鈴木強

    鈴木強君 幸い、まだ方針がきまっておらないとすれば、私は強く期待したいのです。というのは、当然、合理化ということは、そこに働いておる労働者なり、これを使う利用者なり、あるいは経営をする方々なり、そういう立場に立ってこれは考えなければならぬと思います。それには、やはり当然労働組合との十分な協議もやらなければならぬと思いますが、とにかく、駅を廃止したり無人にするということは、これは明らかにサービスの低下ですよ。駅のホームに全然人を置かないなんというのは、これはとんでもない話であって、それには何か掲示をするとかなんとか言っておりますけれども、これだって私は明らかにサービスの低下だと思いますよ。だから、こういう点はほんとうに慎重にやはりやっていただかないといけないと思うのです。私は山の中に育ったものですから、駅のあるなしということが非常に身にこたえているわけですよ。ときには地元の人たちが、ちょっと利害にからんで、国鉄のほうで駅を置いてやろうというとき、土地がつぶれるからといって反対して、二十年たったいま、くやしがっているということもあるわけですよ。だから、やはり駅が近いところにあればそれだけ便利ですし、切符もそこで売ってくれるということになれば非常に便利ですよ。それをなくしてしまったり無人にするということは、私は言語道断だと思うのですよ。そんな再建計画はないですよ。もっと私は、節約すべき点があったら大いに節約してもらいたい。しかし、国民から見てサービスを落としてやられるというようなことは、ぜひこれはやめてほしいのですよ。この点は、石田総裁ももうよく御経験でしょうから、私の言っていることがそんなにむちゃ言っているとは思わぬと思うのですけれども、もう一つ総裁にその点を伺っておきたいんですけれども。
  70. 石田禮助

    説明員石田禮助君) 一応ごもっともではありますが、そういうことをするのはきわめて少数の乗降客のところであります。たとえば、バスにいたしましても別に駅があるわけじゃない。やはり無人の駅をあれするときには、必ず中に車掌がいまして、駅で切符を売ると同じようなぐあいに切符を売る、あるいは外でもって委託店に頼んで売らせるというようなことで——これはもういかにも不経済千万です。これはやはりなかなか両立しないんですよ。これはお客さんにも少々ごしんぼう願おう、国鉄としてもできるだけ御迷惑をかけないようにすると。両々、フィフティ・フィフティでひとついって国鉄の再建をはかりたいと、こういうことであります。
  71. 鈴木強

    鈴木強君 恐縮ですけれども、私は不勉強で、国鉄の駅が全国に幾つあるか、わからないんですけれども、幾つあるのですか。
  72. 長瀬恒雄

    説明員(長瀬恒雄君) お答えいたします。  駅と申しますと、貨物と旅客の駅がございますが、現在は、旅客関係を扱いますのが五千二十六駅でございます。そのほかに、貨物関係を扱いますのが百二、三十でございますが、全体としては五千二十六駅でございます。そのうちで、貨物を扱っておりますのが二千九百十八駅でございます。
  73. 鈴木強

    鈴木強君 五千のうち三千をなくするということになると……。いま総裁がおっしゃったような、そんなものじゃないでしょう。総裁、どうですかね、それは。なかなか聞いているともっとものようなことを言われるものだから、ぼくらもつり込まれちゃうのですけれども、しかし、五千のうち三千も、そんな駅ですかみんな。
  74. 石田禮助

    説明員石田禮助君) これは、三千をそういうことでもって結局はやるにいたしましても、一ぺんに雷さんの落っこちるようにやるわけではなくて、ぼちぼちやって、その間に改善させていこう、こういうことなんでありますから、まあそう御心配になることは私はないと思います。
  75. 鈴木強

    鈴木強君 なかなか、そうは言われましても、サービスが落ちるということに対して私は反対するわけですから。少なくともサービスが落ちるということに対しては。だから、総裁がおっしゃるような、サービスが落ちないで駅をなくして無人化していくようなことがあったら、これはお目にかかりたいけれども、ないというのだ、私は。もう、サービスが現状よりも落ちるということを防ぐ道はと、こういうことを言っている。極端な場合もあるかもしれませんけれども。そういうわけで、心配するなということですから心配しませんけれども。あなたにまかしておくとちょっと心配な点があるから、あえて最後にもう一回この点はお願いして、私は終わります。  どうも少し時間を食いまして……。
  76. 岡本悟

    委員長岡本悟君) では、これにて散会いたします。    午後六時三十九分散会