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説明員(長浜
正雄君)
成田と
東京とを結びます
鉄道に関しまして、
先生のいろいろ御質問に対しまして、私
どもいま考えておりますこと、あるいは今後考えていきたいということについてお答えしたいと思うのでございますが、確かに
先生の御指摘のように、いまの在来線を使いまして、
成田空港ができましたときに、
成田へ行きます
国鉄のルートは、
総武線を通りましての
成田行きと、
上野から
常磐線を通りまして我孫子から
成田線を通ります線と、両方があるわけでございまして、いずれも一時間半以上の
所要時間でございます。ただ、いま御承知のように
総武線につきましては津田沼まで複々線の
工事をやっております。これが
東京駅を含めまして、四十六年の秋ごろまでには開通する
予定にしております。津田沼から先の
千葉の方面にかけましての複々線の
工事もなるべく早い時期に
計画をきめて、この増強
計画を進めなければならないというふうに、いま現
段階では進めておる
段階でございます。また
常磐線につきましては、御承知のように、
常磐線の複々線
工事をやはり四十六年
完成を目標にいま進めておりますが、
成田線につきましては、まだ増強
計画をきめておりませんし、仕事ももちろん進めていない
状況でございますので、時間短縮なり
輸送力の増強ということの期待は、そう大きな期待はできないのじゃないかと、こう考えます。
総武線につきましては、
千葉までの
複々線化が
完成いたしましたら、
東京から直通の
成田行きということも考えられますので、何がしかの時間短縮とそれから
輸送力の増強ということは考えられると思うのでございます。ただこれはあくまでも近郊
輸送ということを当面の目標といたしまして、
輸送力の増強をいたしておるのでございまして、御承知のように、しかもこの辺の通勤客あるいはデータイムの
お客の
輸送の伸びが相当激しゅうございますので、この
旅客と将来の飛行場着発の客、あるいは、遠距離客とわれわれのことばで申しますが、遠距離客との競合といいますか、そういう両方の二種類の客をどうさばくかという点については、非常に問題が残るのじゃないかと、こういうふうに考えます。特に
所要時間も一時間半をそう短縮するわけにはまいりませんし、列車本数も特別の列車を仕立てるわけにはなかなかまいらぬであろう、こう思います。そうしますと、飛行場と
東京との
鉄道輸送という点につきましては、
道路のほうではいろいろまた
道路計画をお考えのようでございますけれ
ども、
鉄道といたしましては、われわれ実は
鉄道のいまの
計画としては、オーソライズされたものとしては、
成田空港への
鉄道というものの敷設の考えの中にはまだ
計画としてはきめておりません。ただ御承知のように、
東京を
中心とします都市の再開発というようなことを考えまして、
東京付近の首都圏の交通網をどうするかというような観点から、
東京を
中心としまして数本の高速
鉄道というものが将来必要となるのじゃなかろうかというような一部の意見もございまして、その中にやはり
成田の
空港の方面に延する線も一本入ってございます。たまたま
成田空港が
整備されることになり、また
成田空港への途中に新規の
地域開発の住宅団地が相当できかかっておりますので、将来われわれの
鉄道の常識といいますか、われわれの
鉄道常識から考えますと、将来何がしかの高速
鉄道というものが一番早く
東京を
中心として
成田方面に必要になるのじゃないか、こういうふうに考えられるわけであります。そういうときに急にどうこうと言われてもはなはだ困りますので、われわれとしましては、
東京を
中心として
成田に至ります高速
鉄道を敷くとすればどういう姿になるかということにつきましては、いろいろの技術的の経験もございますので、いまあるところで勉強をさせております。私の頭の中にも、いま
東京都のどこを通ってどういうふうにルートを結べばどういう
鉄道ができるかという大体の見当はつけているわけでございます。その距離は
東京のセンターから約七十キロでございますので、かりに百五十キロの速度で動くとすると、三十分足らずで到達するというような
鉄道の敷設は可能であろうかと思います。ただそのときに、
所要の資金をどうするかという点が一番問題になるわけでございます。と同時に、これが将来のこの付近の開発
計画と、それから飛行場の将来の需要予測とを考え合わせましたときの、それの必要資金をどういうふうにして調達するかということは、これは国家的にやはりお考えいただかなければ、こういう新しい
鉄道を、しかも相当多額の資金を必要といたしますので、なかなか決しかねる問題じゃなかろうか、こういうふうに考えております。そうなりましたときには、
成田空港の中でどういう
ターミナルが必要になるかというようなことにつきましては、別途われわれのほうでは腹案は持っておりまして、内々には
空港公団のほうにもそういう必要がある場合にはこういうふうにしなければならないというふうに、
空港公団とも内々の
お話は申し上げておる
段階でございますが、具体的にそれでは
計画をどうオーソライズするかという
段階までは実はまだ至っておりません。これにつきましては、やはり監督官庁であります
運輸省を
中心として、それの必要性と、それを敷設するための必要資金その他についてのおきめをいただきませんと、これはどうにもならないのじゃなかろうかと思いますが、われわれとしてはそういう場合の必要な技術的その他の準備はいまいたしておる
状況でございます。簡単でございますが……。