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国務大臣(原田憲君) 安全に対する国家予算の投入については、私は微力でございますけれども、全力を注ぐつもりでございます。
検査料の問題につきましては、先ほど木村さんがお尋ねになりまして、私は現在の
自動車がふえてくるものを、検査料の値上げぐらいで防げないぞという
お話は、現実にはそのとおりだろうと推察をいたしますが、
自動車というものに対する、持っておる人たちの心がまえというものを少し考えてもらい、責任分担ということを考えてもらわなければならぬと痛感いたしておりますのは、何と申しましても、人命事故の中で
自動車事故が一番多いわけであります。その中の事故の原因で一番多いのは、やはり乗っておる人の不注意ということが一番多い比率を持っておることは言を待たないのであります。今度の欠陥車問題で、
自動車自体の構造に万全を期するということについては、私は皆さん方の御努力によって、メーカーというものも整備をやると同時に、相当心というものを引き締めてかかっておると思います。その際にも申し上げておりますが、こういう問題に対して政治の総合的な力を発揮して、
自動車の人命に関する事故というものをほんとうに根本的になくするような努力をするという立場に立って考えますときに、
自動車に乗っておる人たちの問題について、私はやはり相当考えなければならないのじゃないかと痛感せざるを得ないのであります。東名高速道路ができて、その
あとに事故が起きた。そのときの国民の中の声を聞いてみても、乗っておる人たちが、そこらにある安全
施設は全部持っていくわ、便所の鏡まで持っていくわ、そういう人も相当あるというのは事実であります。だから、
自動車の教習所におけるところの教育というもの、あるいは広く言うならば、国民の学校教育の中でも、この
自動車というものがこれだけふえてきたことに対するところの問題に取り組むというくらいの総力的な姿勢というものをもって臨まなければならぬと、私はそのように考えておるのであります。したがいまして、
自動車のユーザーたちにも協力をしてもらおう。百万円もする高いものであるから、わしらはこんなものは安全だと思っておった、こういうことが一つの間違いのもとになる。百万円の高い金を出したら、もし修理をするときに、どこかにどういう欠点があったのだろうと注意を払う、
自分の持ちものというものに対する気持ちがなくって、そして悪かったときには、これは人の責任だということが一つの大きな事故の原因につながっておらぬかということを私はこのごろ痛感せざるを得ないのであります。先ほどの指定業者の、加瀬さんからも
あとで質問があると思って
——この間から御議論されておりますが、指定
事業者というものに対しは、ほんとうに一生懸命整備するようにやらせなければ、そこで銭だけ取って、検査があるから金だけ取って、うんとそこで金がかかるものだから、こんなに修理代がかかるなら新車を買ったほうがよかろうということで新車のほうに移ってしまう。これが新しい需要力になる。こういうようなことで、ただ
自動車を拡大していくというようなことをやっておっては、私は
自動車事故というものがほんとうになくならない。だからやはり、これは政府ももちろん安全を期するための、木村さん御
指摘の点に対して、国民からいただく税金の中で、ほかのことはほうっておいても、安全のためには出すという姿勢で臨むように私も一生懸命努力をいたしますが、
自動車を持っておる人たちも、
自動車を持った限りは、
自分自身もあれだし、人を傷つける危険性もあるという立場に立って行動を、運転をしてもらうということの分担だけはひとつお願い申し上げたい、このように考えておりますので、今後この問題に熱心に取り組みまして、そのときにあたりまして十分検討を加えて処置をしていきたいと存じます。