○森中守義君 関連しまして
意見をまじえながら二、三お尋ねしたい。
国鉄あるいは
運輸省ですね、経営あるいは管理上の問題等については幾つかの審議会、諮問
機関等をお持ちになるのですね。ところが、この種
事故関係になれば全くそういうものがないと言っていいのではないか、こういうように思います。それはあまり憶測してものを考えたくないのですけれ
ども、経営管理上の問題ならば第三者からの答申ももらう、あるいは
意見書をもらう、そのことがいかにもお墨つきだというかっこうで立法措置を講ずる、あるいは財政措置を講ずる、先般の二法等についても例外ではございません。ところが、その
事故関係等について第三者の
調査もしくは審判を求めるという措置をなぜとろうとしないのか、これは私は、ものの見ようでは非常にずるい。むろん国鉄の内部における研究体制あるいは
技術体制というものは誇るべきそれであるとも思います。が、しかし、やはり第三者、
車両工学あるいは電気工学とか、それぞれの権威者を網羅して、第三者からするつまり
調査、審判を求めるということは当然私はとられていいのではないか、こういうように思うのです。ありませんね。しかも、
運輸省の中に鉄道
事故防止対策
委員会というものがあります。これは
記録によれば、四十三年の八月三十日から十一回にわたって会議が招集されてはおります。しかし、十一回にわたる審議された
内容というものは、いわば純粋な
事故、ことに
技術を中心にしたもの等は比較的に少ない。あらためて審議会あるいは
調査会をつくるのもたいへんだと思うのですけれ
ども、本来ならば、競合脱線にしても、渋谷の
欠陥レールにしても、あるいは今回の火災でも
運輸省みずから進んでこういうところに
意見を求むべきですよ、
調査を依頼すべきです。どうしてこういう措置をとらないのですか。そういう意味で、少なくとも事人命にかかわる重大な問題について第三者の
調査あるいは審判を求めようとしないという運輸当局の態度は了解できない。現在、
事故防止対策
委員会というものがあるのです。こういう豊かな学識経験、知識を持った皆さんに委嘱をして、すみやかに運輸当局として
調査、審判の態度をこそとられるべきではないか、こういうように思うのです。これが第一の点です。
それから第二は、国鉄についても同様ですが、内部にこういう何があります、内部でお持ちになる、しかもそれはさっき申し上げましたように、国鉄の
技術陣が私は誇るべき体制だと思うわけでございます。しかし、内部の
調査研究は、これも貴重なものとして評価すべきでしょうけれ
ども、たとえば赤字線については、何か第三者の
意見を求めましたね。それと同じように、それぞれの学識経験者に委嘱をして、第三者という立場から
調査を依頼し、審判を求める、こういう措置をとるべきじゃないですか。これが第二点です。これも、管理
運営上の問題ではしばしば第三者の
意見を徴される。それをたてにとって、たてにとってと言や少々ことばが過ぎると思いますけれ
ども、そのことを一つの根拠として立法財政の措置を講じてこられた。だから、
事故に対しても同様に私は措置をとられるべきじゃないか。何も内部で――あまり過信でもいけないでしょうけれ
ども、やっぱり第三者の
意見というものは貴重なものとして耳を傾ける必要がある。これが私は社会に対する
運輸省、あるいは国鉄の当然な責任じゃないか、義務ではないか、こういうように思うわけです。こういう意味で、総裁、副総裁がおいでになりませんけれ
ども、工
作局長の立場から、そういうことをこれから先直ちに
実施される意思があるかどうか。
それから第三の点は、少し
事故に対して大胆過ぎると思う。先ほど来、各
参考人の貴重な御
意見を承っておりますと、これというきめ手がないんですね。先ほど瀬谷
委員からたばこの不始末ではないかということはどうなったのか。これも私
ども汽車に乗せてもらって、あり得ることだと考えますよ。しかし、それは否定をされた。工
作局長はあり得ないことではないけれ
ども、今日の
技術のある状態、あるいは配備される
機械の状態からいけば考えられないという所見の表明があったわけです。それならば構造上どこかに問題がある。とにかく火事があったことは間違いない、火が出たことは間違いないということであれば、やはり原因が究明されるわけだ。しかも、競合脱線等とは違って、短時間に究明できるという工
作局長の
お話ですから、短時間であれば、私も詳しい列車の
内容等はわかりませんけれ
ども、暫時の時間、原因が究明されるまで、何かの
方法で予防措置がとれないかどうか。私が大胆過ぎると言うことは、原因が究明されない、しかし依然として車は走っている。これは先回も私は渋谷問題のときに申し上げたんですが、いつどこで類似のこういう不祥な
事故が発生しないという、そういう保証はないんですね。その間何かの
方法がなぜとれないか。これも社会、あるいは利用者に対する義務、責任を履行することじゃないんですか、まことに浅薄な認識で恐縮ですけれ
どもね。
車両とクーラーがセットになっているのかどうか、クーラーは別に取りつけてあるのかどうか、この辺のことな
ども考えて、一時クーラーを停止する、そのかわり扇風機を代用するとか、いろいろ考えていけば
方法はあると思う。そういう暫時の期間、原因が究明するまでは安全な、ベストじゃなくてもベターでもいい、そういった
方法が当然とられていいんじゃないか。そういう意味からして、何も予防措置を講じないで、ただ老朽部品の取りかえをやっているとか、あるいは点検を急いでいるということでは、これはやっぱり安心できません。それも一つの対応策でありましょうけれ
ども、それで
事故が完全に防ぎ得るという保証はどこにもない。そういう意味で何かより安全な
方法をおとりになる必要があるんじゃないか、あったんじゃないか、こういうように思うんですが、いかがでしょうか。
それから最後の問題は、先ほど各
参考人の御
意見によれば、国鉄当局において原因究明を急いでいる、その結果によって電機メーカーにおかれても、
車両メーカーでも、それなりに対応策を講じたい、こういうことのようですけれ
ども、率直に申し上げて私
どもは、一国鉄、一
車両メーカー、一電機メーカー個々の責任だと思っていない。これはやっぱり三者三様の責任でございますよ。そういう意味では、原因の究明にあたってはみずから進んで
調査に参加をされ、あるいは国鉄は招き入れる、こういうことがより妥当な
方法じゃないかと思う。
大体この四つのことについて、
意見を付しながらお尋ねをしておきたいと思います。