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1969-06-24 第61回国会 参議院 運輸委員会 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十四年六月二十四日(火曜日)    午後一時二十分開会     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         岡本  悟君     理 事                 江藤  智君                 金丸 冨夫君                 谷口 慶吉君                 森中 守義君     委 員                 佐田 一郎君                 重政 庸徳君                 菅野 儀作君                 平島 敏夫君                 前田佳都男君                 渡辺一太郎君                 加瀬  完君                 田代富士男君                 三木 忠雄君                 中村 正雄君                 市川 房枝君    国務大臣        運 輸 大 臣  原田  憲君    政府委員        警察庁交通局長  久保 卓也君        運輸省鉄道監督        局長       町田  直君        運輸省自動車局        長        黒住 忠行君    事務局側        常任委員会専門        員        吉田善次郎君    説明員        通商産業省重工        業局次長     山下 英明君        日本国有鉄道総        裁        磯崎  叡君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○運輸事情等に関する調査  (山手線渋谷構内における列車脱線事故等に  関する件) ○道路運送車両法の一部を改正する法律案(内閣  提出、衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 岡本悟

    委員長岡本悟君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  運輸事情等に関する調査を議題といたします。  去る二十二日の山手線渋谷構内における列車脱線事故等について政府から報告を聴取いたします。町田鉄道監督局長
  3. 町田直

    政府委員町田直君) お手元にお配りしてございます資料に基づきまして、ただいま御指摘のございました去る二十二日の渋谷構内における列車脱線事故概要について御説明申し上げます。  なおそのほかに、この前資料を出しまして御説明いたしました以後の二つの事故資料がお配りしてございますので、御指名がございましたならばこれについても御説明を申し上げます。  まず、山手線事故でございますが、事故種別列車脱線でございます。発生年月日は六月二十二日、四時五十一分でございます。場所は、山手線貨物線渋谷構内でございます。列車貨物第二八七一列車、現車二十六両でございます。負傷者はございません。  状況でございますが、当該列車渋谷貨物下り本線を定時に通過いたしまして、時速三十キロで進行中、列車の先頭が貨物下り本線出発信号機を約五十メートル行き過ぎましたころ、電気機関士は、後部からのブレーキが作用しておるのに気づきまして、急停車の手配を行ないました。停止いたしましたところが、前から十両目及び十四両目から二十四両目までの貨車、合計十二両が脱線いたしておりました。そうして二十一両目と二十二両目の貨車間が分離いたしておりました。  で、東京西鉄道管理局は、現地事故復旧本部を設置いたしまして、復旧につとめました。この事故によりまして、山手線――電車でございますが、直接の影響はございませんでしたが、事故直後に約二十分、それから午後になりまして復旧作業関係で約二時間、内・外回りとも電車が運転を中止いたしました。そのためにダイヤが大幅に混乱いたしましたが、各私鉄、都電、バス等の振りかえ輸送を実施いたしました。それから貨物列車が、山手貨物線不通に伴いまして、東海道、東北、上越各主要線貨物列車に大幅な運休を生じた次第でございます。  原因につきましては、別途、図がつけてございますが、渋谷構内貨物下り本線八番分岐器先端軌条折損――折れたということが脱線原因でございます。  関係者は、ここに書いてございます、機関士機関助士並びに車掌でございます。  復旧は、六月二十二日の二十三時五分に復旧いたしました。このための支障時間は十八時間十四分でございます。  その他でございますが、折損いたしました分岐器内容でございますが、事故原因となった分岐器先端軌条は、一般レールとして昭和二十六年の十一月に製作されました。その後、切削加工をいたしまして、昭和三十八年九月から使用して現在に至っているというものでございます。  以上、概略でございますが、渋谷事故の御報告を申し上げます。
  4. 岡本悟

    委員長岡本悟君) ちょっと速記とめてください。   〔速記中止
  5. 岡本悟

    委員長岡本悟君) 速記つけて。  政府のほうから続いて他の二件について御報告ください。
  6. 町田直

    政府委員町田直君) それでは、他の二件について続いて報告いたします。  次は、日にちが逆になっておりますが、六月十九日の東海道本線保土ケ谷-戸塚間における列車脱線事故でございます。これは、場所が、ただいま申しましたように、東海道本線貨物線保土ヶ谷-戸塚間でございました。列車が、貨物第四七九列車、現車四十二両でございました。  状況は、同日十八時十二分、東海道本線貨物線保土ケ谷-戸塚間におきまして、下り貨物第四七九列車時速六十キロで信濃トンネルの中に入りまして、約五百メートル進行して上り勾配の頂点の手前惰行運転に移りました直後に、列車後部から非常ブレーキの作用するのを認めましたので、直ちに非常ブレーキを使用しまして、信濃トンネルの出口から約五十五メートル手前に停止いたしました。調査いたしましたところ、前から十六両目と十七両目の貨車間が分離いたしまして、十七両目、十八両目二両が脱線いたしておりました。この事故によりまして、貨物線は、下り貨物線不通となりました。国鉄では直ちに事故復旧対策本部現地に設けまして、復旧につとめました。この事故上り貨物線には影響がございませんでしたが、下り貨物列車影響がございましたので、旅客、経由の処置をとって、影響をできるだけ僅少にとどめたということでございます。  原因は、詳細調査中でございます。これは、ただいま御説明で申し上げましたように、本件事故は、次の図にございますが、上り勾配直線のところで起こっておりますので、いままでいろいろとこういう事故が多かったケースのいわゆる競合脱線という性質とは若干異なるのではないかというふうな推定がなされますので、本件につきましては、詳細に原因を調べている最中でございます。その他というところにございますが、脱線の地点の線路条件は、勾配上り千分の三・三メートル、曲線はございません。直線ということでございます。  以上が東海道本線保土ケ谷-戸塚間の事故でございます。  それからその次のものでございますが、これは六月十六日に起こりました根室本線白糠-西庶路間における脱線事故概要でございます。  本件貨物第四六七列車、現車十九両。これは同日一時二十七分、根室本線白糠-西庶路間におきまして、下り貨物第四六七列車時速五十七キロで惰行運転中、後部から非常ブレーキが作用するのを認めまして、直ちに非常ブレーキを使用して、約百四十五メートル進行して停止いたしました。調査いたしましたところ、前から十四両目と十五両目の貨車間が分離して、十五両目の貸車から十九両目まで計五両が脱線いたしておりました。この事故によりまして、本線不通となりまして、国鉄では現地対策本部を設けまして復旧につとめました。  原因は、いわゆる競合脱線というふうに考えられまして、調査中でございます。  復旧は十六日の十時四十六分、支障時間は九時間十九分でございます。  なお、その個所の線路条件は、匂配は水平でございますけれども曲線が半径四百二メートルということに相なっております。  以上三件の御説明を終わります。
  7. 岡本悟

    委員長岡本悟君) ただいまの報告について、質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 森中守義

    森中守義君 いま鉄監局長から報告がありましたほかに、五月の十七日、六月の八日、これを合わせて一カ月の間に五件もの大事故が発生した。私も運輸関係、さほど長い間やっかいになっていないのですけれども、ただこの事実を見ても、何とはなしに不安でしょうがない。ただ具体的にその事故原因が何であるか、その辺のことはいわば一人のしろうとという意味であるだけに、非常に気になるのです。もとより私がそう思うように国鉄にやっかいになっている、つまり利用者のほとんどの者がそういった気持ちじゃないか、こういうように思うのです。しかもこういう、一カ月以内の間に――幸いにして、ほんとに幸いですけれども、人の生命関係がなかったのは何か救われたような気がしますけれども、一カ月の間に五件ものこういう事故というのは、おそらく国鉄の史上にこういうことはないでしょう。一体これ、どうしようというのですか。  きのう磯崎総裁写真入りの談話が出ておりました。私はこの場で激しくその責任を問う前に、何かあなたの気持ちがわかる。つまり新聞の見出しによれば、こういう大事故を起こして、もはや神にすがりたい、神に祈りたいような気持ちだ――私はその気持ちを非常に理解します。一市民として現場にポロシャツを着ていかれたという、その心境を具体的にこれから施策の中にどう生かしていくか。この辺が私は将来の、つまり十カ年間の再建の門口に立ちながら、こういう大事故が起きた、このことは将来何かこう不吉な予感がしてしょうがないのですね。ほんとうにそういう気がしますよ。もしこれがたとえばおとといの渋谷の場合、すぐ横にとまっている客車にぶつかる、しかも火がついたらどうなるか。この前、瀬谷君から、トンネルの中で追突した場合はどうだ――それは想像するだに阿修羅というか、りつ然とします。こういうように一月の間に五件もの事故頻発ということは、いつ何どきどういうことが起こらないという、そういう保証はどこにもない。最近、欠陥ばやりですね。まさに私は、国鉄は体制的な欠陥をいま露呈しているのじゃないか、抽象的な言い方で恐縮ですけれども。その点について一体どうお考えですか。このままでいいのかどうなのか。さて具体的にどういう措置をとろうとするのか。  新聞によれば、競合脱線についてはすでに緊急対策が講じられている、全部新しい型の車輪を採用する、こういう方針だということが伝えられておる。ところが、先般、山田副総裁のこの委員会における報告では、つまり競合脱線ということは諸外国にもある、いまだ深いベールに包まれている、原因の究明にはなお若干の時間がかかるであろうという報告がされた。しかし、ここで緊急対策が講じられて新型車輪も採用するということで、競合脱線が防止できるかどうか。要するに、なぜこういうものが起きるのかあとで逐次お尋ねいたしますけれども、人命に異状がなかったということは何か救われた気がいたしますが、一カ月の間に五件もの事故が発生しましたが、国鉄総裁として一体どういう心境であるか、これからの対応策。また、大臣につきましても、何といってもこれは行政監督最高責任者であります。一日も早く利用者の、国民の不安を除去しなければ、十カ年間の再建などは思いもよりませんよ。まさに体制的な国鉄欠陥というものが具体的に何であるかということまでは言い切れないにしても、すみやかに対策を講じる必要があろうかと私は思う。そういう意味で両責任者より、それぞれ心境なりあるいは今日ただいまの対策なりをまず最初にお尋ねしておきたい。
  9. 原田憲

    国務大臣原田憲君) 先般の委員会国鉄事故につきまして御質疑を賜わって、これに対する対策等について私のとりました措置について御説明を申しておりましたやさき、また引き続いて事故が起きたということはまことに遺憾千万でございまして、運輸行政全般を担当いたしますとともに、国鉄に対しましても監督などする権限を与えられておる私といたしまして、これらの事故に対しまして非常に遺憾である、こう考えております。  先般も申し上げましたが、去る六月九日付をもちまして、私が鉄道監督局長に、総裁あて列車途中脱線事故防止について通達を命じたのでございますが、その後引き続き、いま申し上げましたように、二十二日渋谷駅におけるただいま鉄監局長から御報告を申しました事故が起きまして、二十三日朝、鉄監局長から口頭をもって、本件も非常に重大な要素を含んだ脱線事故であるので至急原因調査究明して対策を樹立し、報告されたいということを指示いたしたのであります。その午後、途中脱線事故に関する回答とあわせてまた別に報告がございました。運輸省といたしましては、報告のとおり確実に実行いたし、随時その結果を報告するように、こういうことを国鉄側に申したのでありますが、この内容につきましては、総裁が出席されておりますので総裁からお話があろうかと思いますが、国鉄事故の問題につきましては、私のほうに、鉄道監督局長あてに、国鉄総裁から、最近、数件の列車脱線事故が発生し、国民皆さま方に御迷惑をおかけしましたことはまことに申しわけなく思います、昭和四十四年六月九日付、日鉄法第五十四条により表題のことについて報告いたします、ということを申してこられておるのであります。私といたしましても、総裁気持ちというものは、私自身もそのとおり考えております。  いま森中さんの御指摘のように、国鉄は先般皆さま方国鉄再建のための根本策であるたとえば国鉄財政再建法律を御審議いただき、運賃法とあわせて御審議いただいて、国鉄再建のための出発を開始しておるやさきであります。この際、私はこの国鉄経営並びにその中で安全輸送ということを考えますときに、この事故頻発というものは、重ねて申し上げますが、国民皆さん方にはまことに遺憾で申しわけないと思っております。原因不明であるということが一番お話しのとおり不安を与えるとともに、国鉄営業運営生命に関する問題とも私は連なってくると思いますので、この問題を早くできるだけ解明して、解決をするためになお一そうの努力をいたさなければならぬと心得ておる次第でございます。このたび、従来の対策に加えて、国鉄側が当面原因不明であるといいましても、改善を早急にするがよかろうということから対策を講じられておることはけっこうなことであると思う。私どもも力を合わせまして事故解明に当たるとともに、事故対策に対処してまいりたいと存じておる次第であります。  以上まことに簡単でございますけれども、私の率直な心境国民皆さん方の前に開陳をいたし、今後かかる事故ほんとうにないように努力をいたしたいと考える次第であります。
  10. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 総裁就任以来一カ月にならないうちに、ただいまのお話のような重大な事故をたびたび惹起いたしまして、理由のいかんを問わずこれは私の責任でございます。私といたしましては、再建第一年にあたって、私のような浅学非才の者がこの重責についたことに対する私は天の試練と思いまして、深くみずから反省し、そして徹底的に、科学的に検討して対策をできるだけ早く、しかも一つ一つやっていくという心境でございまして、いま何ら私は弁解する気持ちもございませんし、率直に国民におわび申し上げまして、私の力の及ぶ限りこの種事故の絶滅を期していきたいという心境でございます。こまかいことにつきましては後ほど御答弁申し上げます。
  11. 森中守義

    森中守義君 いまお述べになりました両責任者の答え、具体的に実行に移されることを期待する以外にない。そうは言いながら、総裁の場合には、ほんとうに祝福さるべき責任者におつきになりながら、実は今日の国鉄総裁はまさに十字架を背負った総裁のような気がして私はならない、少々そういうような意味からほんとうに真剣に取り組んでもらいたい。  そこで、具体的に二、三お尋ねしておきたいと思うのですが、過般の運賃及び再建法審議の際にも部分的にいろいろ意見を述べましたし、お答えもいただきました。しかし、ここでこういう事件一つの契機にして特に問うておきたいと思いますことは、国鉄運営方針というものは、つまり十カ年間の再建の方式をいまたどりつつある。したがって、すべて経営中心を置く、あるいは運送業務の安全ということは一体どういうことか、その辺のかね合いですね。とにかく黒字基調に転換をさせたい、再建をさせたい、そのためには全部とは申しませんけれども、全体的に安全ということが少しくなおざりにされているんじゃないか。こういうことも、このように頻発する事故というものを根拠に置いて考える場合に多少やはり触れざるを得ない。よもや、安全はどうでもいい、営業収益だけあげれば事足れりという考えではないでしょう。しかし、体制上の問題として、一体今日から十カ年間にわたる再建の方法というものは何を中心に置かれるのか。つまり営業中心収益中心、そのために安全対策というものがややおろそかになっているんじゃないか。こういうことも、非常に酷な言い方かもわかりませんけれども、この際私は指摘せざるを得ない。将来の運営方針を明確にひとつこの際明らかにしておいてもらいたいと思います。
  12. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) この点につきましては、先般の御審議の際にもきびしい御質問がございまして、私どもといたしましては、やはり輸送業務に携わる者といたしましては、何といたしましても、安全がなければ結局もう仕事ができない。たとえ気持ちとして営業に重点がまいりましても、ただいまのごとく貨物列車がこういうふうにしょっちゅう脱線したのでは実際お客さんもついてこない。こういうきわめて冷酷な事実がございます。したがいまして、国鉄の持つ公共性の面から見ましても、私どもといたしましては、安全がもう何よりも先行すべきものであるということでございまして、昨日も実は部内でいろいろ論議いたしましたが、もしいままでの計画の中で安全に対する金の使い方が足りないという面があったらどしどし使おう、一応もう御審議は願ったけれども、そのワクも越えてひとつ使おうじゃないかということで、昨日とりあえず競合脱線関係で三十億の予算を、よそから削りましてそちらに回すということを決定したわけでございます。私どもといたしましては、あの計画をつくりました際には、相当深く安全問題に注意を払ったつもりでございますが、なおやはり足りない点があれば、あるいはまた新しいいろいろな具体的な問題が出てきますれば、それに対して最優先に金を使うということだけははっきりこの席でお誓い申す次第でございます。
  13. 森中守義

    森中守義君 利用者である広く国民国鉄への信頼は、何といってもその歴史とその中に培養されてきた安全ですよ。ところが、一番大事なものが、こうも欠陥が露呈されてくるということになりますと、利用者はどうしたらいいのか。ほかに利用したくても国鉄以外に利用できない、そういう利用者もたくさんいるのですね。ですから、私は、収益もさることながら、安全ということにはよほど留意をしてもらわないと困る。むしろ安全第一主義ということがこの際は必要じゃないでしょうか。その辺をぜひひとつ具体的に実行に移してもらいたい、こう思うのです。  そこで、四件にわたる競合脱線ですね、私は何もすべての事故競合脱線に逃げ込んでいる、そうは思いませんよ、思いたくない。しかし、一体競合脱線というものがそれほど学理的に、学術的にむずかしいものであるかどうか、私はわからない。しかし、外国でもそのことがまだなぞに包まれておるということから、わが国の国鉄においても、外国においてすらそうなのだから日本においてはなおさらだということでは承服できません。一体この競合脱線に対する緊急対策として新型車輪に取りかえるというのは、すでにその解明が与えられたものであるのかどうか。そしてまた、この緊急対策によってとりあえず競合脱線というものは今後回避できるかどうか、これが一つ。  それと、一昨日の渋谷駅のあの事件レール折損ということのようですが、これは全国的にそれに該当するようなものはありませんか。すでに把握されているかどうか。この点どうなんでしょう。
  14. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) いまの先生の御質問の一昨日のほうから先に御答弁申し上げます。  一昨日の渋谷事故につきましては、昨日研究所におきまして折損いたしましたレールを詳細に検討いたしました結果、理由はきわめてはっきりいたしました。昭和三十七年ごろに、千葉に私のほうの材修場というものがございますが、主としてレールを削ったりするところでございますが、そこでつくりましたレールに穴があいております。その穴を埋めてあって、その埋めてあったものがさびていて実は気がつかなかったということで、実はそういうものを先端軌条と申しておりますが、先端軌条加工したものについては一切使用してはならない、取りかえるということを昭和三十八年の十二月に決定いたしまして、実は全国にわたって取りかえを完了いたしたのでございましたが、不幸にして渋谷にございましたものが、その昭和三十八年の十二月のときにどういう理由か発見できませんで、取りかえてなかったということが原因でございます。即刻昨日から全国にわたって――この先端軌条は約十三万本ございますが、その十三万木につきまして、最優先先端軌条につきまして規定以上の加工がしてないかどうか、あるいは焼き入れ等がしてないかどうか目下現品に当たりまして具体的にチェックさせております。大体いままでの例で申しますと、先端軌条は、大体年間に十三万本のうち一万本につき一本程度の事前の棄損の発見をいたしております。皆無とは申しません。大体一万分の一ぐらいの傷がずっとございまして、それは幸い事故に至りませんで全部事前検査で発見し、取りかえております。ちょうど車の当たる部分がやはりいたみまして、定期検査のときに取りかえた例が大体そのくらいでございます。一般レールはもう少しいたみが早うございますが、先端軌条はそういうことでございまして、現時点におきましては、渋谷で使っておりましたようなレールはまずないはずだということになっております。しかし、これははずでございますので、必ずしも絶対ないとは申せませんので、いま全部昨日からさっそく全先端軌条につきまして、まず本線筋先端軌条につきましてこれは全部洗いまして、鉄のはけで洗いませんとさびが落ちませんので、さびを全部落としまして、そうしてもう一ぺん検討するということを昨日から着手いたしました。これは相当数が多いので、全体を終えるのに二、三週間はかかると思いますが、これは即刻始めたわけであります。この点は非常に原因が明白でございまして、今後は、最近入れております先端軌条については規定以上の加工は一切しないということにいたしておりますので、新しいこういう事態が発生するということはない、検査を厳重にやりさえすればないということを確信をもって申し上げられると思います。  初めの競合脱線でございますが、これは先生も御承知のとおり、過般も副総裁から申し上げましたけれども、いろいろな要素が重なり合っての事故でございます。もちろん日本だけではございませんが、私どもといたしましては、御承知のとおり、昭和三十九年の鶴見事故のときがこれが競合脱線でございまして、あのとき私副総裁をやっておりましたが、その結果に基づきまして、部内競合脱線専門調査する委員会をつくり、それに部外のこの方面の相当大家にも入っていただきまして、いろいろと検討し、さらに机の上だけではだめだということで、北海道に実際線路をいためて列車を走らせる実験線をつくりまして、そこでもっていろいろ実験をいたしまして今日に至っておるようなわけでございますが、必ずしもまだ原因が一〇〇%究明されておるとは申せません。しかしながら、諸外国の例等も考えまして、結局やはり根本的には二軸――軸が二つしかない貨車自体に問題があるということで、まあ一つ原因である線路も問題でございますが、まず一番根本的に抜本的に考えるとするならば、二軸の貨車というものを、ことに二軸の有蓋車と申しますか、重心が高くなっておりますので、二軸の有蓋車をこれからつくるべきかつくるべきでないかという根本問題をまず議論しなければいけないということで、方向といたしましては、極力貨物輸送をコンテナ化いたしまして、そして二軸有蓋貨車を減らしていくという根本的な対策考えてまいりたいと思います。しかしこれは十何万両もございますので即刻かえるわけにはまいりませんが、方針といたしましては極力これからは二軸貨車をつくらないという方向で行きたい。と申しますことは、アメリカの鉄道ではほとんど競合脱線はございません、ヨーロッパではわりに多いということは、やはり二軸車が非常に大きな原因であるということが計数的に言えるということ、これが第一点でございます。したがいまして、まず二軸車を減らすということ、これは金がかかっても時間をかけてひとつやろうじゃないかという根本問題が一つございます。  しかし、そういう時間のかかることではとても間に合いませんので、さしあたり先生の御質問の――現在、タイヤの踏面と申しまして、資料の一番しまいに簡単な略図がついておりますが、これも非常に実は部内の技術者の間でいろいろ議論がございまして、踏面をこういうふうに削ることがいいか悪いかということ等につきましてもずいぶん議論した結果、結局、狩勝峠の実験の結果によりまして、N踏面という基本踏面をもう少し削りまして角度を強くしたほうが脱線しにくいという点だけは結論が出ておりますので、これはさしあたり、とりあえずやろうということで、実は少し前からやっておりますが、着手したわけでございます。レールにつきましても、競合脱線の起こりましたところは下り勾配で大体カーブの多いところということになっておりますので、そこにつきましては脱線防止のガードレールあるいはガードをつけるという方向でこれも実施に取りかかったわけでございます。  で、私どものほうといたしましては、先生の御質問競合脱線の根本論が解決しない限り何もしないということではこれはいけませんので、私は昨日も、多少手戻りになってもしかたがない、理論上前進になるものは一つずつやっていこうじゃないかということで、なかなかその理論的に解明できない限りむだだとかなんとかという議論もございますけれども、それを言っても間に合わないと、したがって各部局部局で自分の正しいと思ったことをやってみろと、やるだけやってみろと、その総合性についてはわれわれが判断するけれども、たとえば車両を担当する部局は車両について、線路の部局は線路について、あるいは積み荷の部局は積み荷について、おのおのの部局においてやろうじゃないか、やってみて、そうして少しでも一歩でもその不明瞭な部分を消していくという方法以外に私はないのじゃないか、全体が解明されない限り手をつけないということではとても間に合いませんので、いいと思ったことを一つずつやるという、多少拙速になるかもしれませんが、そういう方向で競合脱線のブランクを少しずつ埋めてまいりたいというふうに方向としては考えております。  なお、詳細につきまして、もし御質問がございますれば、担当の技術者がまいっておりますので御答弁申し上げます。
  15. 森中守義

    森中守義君 この事故専門的あるいは技術的なことにつきましては、また後日ゆっくりお尋ねする機会もあろうかと思いますので、しかも時間もお急ぎのようでございますので、そこまできょうはお尋ねいたしませんが、いまお答えいただいた折損の問題ですね、これは要するに再生品だということがいわれているのですね、お話にもあったように。こういうものは大体リストをつくっておるのでしょう。しかも、この衛星都市の過密輸送の中にこんなものを置けば一体どういうことになるか。どうしてこういうものを取りかえることができなかったか。さっきのお話によれば、すでに徐々にそれをやっていると、こういうことなんですが、もしこれをやり始めれば大体三週間で終わるということですね。全部取りかえることができるということですね、三週間あれば。その点はどうですか。
  16. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 現在やっておりますことは、いま使っております先端軌条の中で昭和三十八年に出しました規則以上に加工してあるものがないかどうか、ということをいまとりあえず調べているわけでございます。もちろんこれは、取りかえる必要があれは、取りかえるものは、予備を持っておりますので取りかえますが、全部取りかえなければならないということではないと存じます。すなわち、規定以上の加工をしてないかどうか、たとえば焼き入れをしてあるとか、あるいはちょっと電気の関係で削ってあるとかいうようなことが間々あるわけでございます。そういうことがしてないかどうかということをとりあえずチェックして、もしそういうものがあれば、あるいはよけいな穴があいておるとか、そういうものは即刻取りかえるという、現在規則どおりの切削をしてあるものはそれは差しつかえないわけでございますので、規則以上に手を加えたものにつきましては即刻これを取りかえるという方針でまいるつもりでございます。  再生品につきましては、実はこれもこまかい具体的なことになりますけれども、この先端軌条と申しますのは、普通のレールを削るわけでございます。したがって、先端軌条として富士なり八幡なりでロールするものではございませんで、普通のレールをロールいたしまして、そのレールをある長さに切りまして、ポイントメーカーが削るわけでございます。したがいまして、新品でございますと、現在のレールが、少し、〇・何ミリか減っておりますので、その高さが違ってくるわけでございます。したがって、現在のレールと同じ高さのものを使うという意味で再生品を使うわけでございまして、経済的な理由等から再生品を使うわけではございません。したがいまして、再生品と申しましても、現在の本線と同じ程度の摩耗のものをチェックいたしまして、それを削りまして――これは材料は国鉄かメーカーに支給いたします、メーカーはそれを削るわけでございます。その削るときに、その支給する材料に再生品を支給する。それは大体摩耗何ミリということを調べまして、その何ミリ摩耗したものについて削っていく。そのほうが現在線とのなじみがよいと申しますか、そういう意味であれを使うわけでございます。たとえば、逆に、複線化して新品レールを使った線路がございます。そこのポイントには、新しいレールを支給して、そしてそれを削って、レールの高さを全く同じにするわけでございます。したがいまして、再生品云々につきましては、これは経済的な理由でなしに、むしろ物理的な安全性から、現在線とのなじみをよくすると申しますか、全く高さを同じにするという意味で使っているわけでございます。したがって全部が全部再生品でなしに、本線レールが新しい場合には新品の先端軌条を使うというふうな方向で進んでおります。
  17. 森中守義

    森中守義君 それから、競合脱線につきましては、何もしないということじゃないが手がないということのようですけれども、これは大体いつごろまでにおおよそぎりぎりの結論を出すつもりですか、あるいは出る予定ですか。それも研究してみなければわからぬということですか。
  18. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 実はその点につきまして、七月早々北海道でもって――いままでは単車、一両一両の脱線試験をいたしておりました。今度は、ことしは十両編成の脱線試験をいたすつもりでございます。単車の場合と編成車両の場合とでは、やはりおのおのの積み荷のぐあいあるいは前後の押しぐあい等が違いますので、やっと単車試験が終わりましたので、ことしの七月からは、十両編成の、しかも機関車を前後につけた場合あるいはつけなかった場合、いろいろなケースを想定いたしまして、七月に、編成車両による、編成列車による脱線試験をやりたいと思っております。で、これが約一カ月か一カ月半かかると思いますが、それでも必ずしも一〇〇%私は結果が出るとは思われません。しかし何らかのやはり得るところがあると。いままでのようにただ車輪を削る、護輪軌条をつけるということ以外に、やはり何らか得るところがあるというふうに、私は非常に期待しておるわけでございますけれども、結局なかなか、紙の上の、机の上の計算だけでは、うちの技術者がもう数年かかってやっておりましてもどうしても結論が出ませんので、結局実験によって何かの端緒をつかみたいというのが私ども気持ちでございます。
  19. 森中守義

    森中守義君 この前だれかの質問にお答えがあったような記憶もいたしますがね、今日の、ことに先般の改正以来の今日の過密ダイヤですね、これも加えて再検討する必要があるであろうというようなお話があったように記憶する。しかるに現今のこの頻発する事故というのは、おおむねその後なんですね。事故と過密がどういう関係にあるのか、全くこれは無縁のものとは思われないような、そういうことも十分考えられると思うんです。したがって、ふくそうする輸送需要に対応するために過密ダイヤ組んだのだ、また一つの見方からいきますと、いや過密ダイヤ組んだのは、それは収益中心に置いたんだ、こういう背景も私は否定できないと思うんです。しかし、一体運営経営方針の根本は何か。収益中心じゃなくて、むしろ安全を中心に置くという、そういうさっきのお答えからまいりますと、当然今日の輸送需要、それがだんだん増高するから、したがって、実際のことを無視してまでも過密ダイヤを走らせなきゃならぬという理由も私はないと思う。ですから、これらのことについては、一体どうお考えですか。
  20. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) ダイヤと事故の間にはもちろん関連が非常に深うございます。その一番深い問題は速度でございます。御承知のとおり、昨年の十月に本州におきましては、貨物列車の最高速度を六十五キロから七十五キロに上げたわけでございます。過般のこの一カ月間の事故の速度、そのつどそのつどの速度をいろいろ計数的に測定いたしますと、事故地点の通過速度が大体五十五キロというのが計算上出ております。しからば、それならば、五十五キロでそこを通っているならば、最高速度が六十五キロから七十五キロに上がったって関係ないじゃないかということになりますけれども、その事故地点の通過速度と申しますのは、一つの計算上の速度でございます。現在国鉄の動力車には、特急の電車、あるいは気動車以外にはタコメーターがついておりません。したがいまして、事故があった列車が、その事故地点を何キロで通ったかということは、乗務員の供述と、それからどの駅を何時何分に出て非常制動をとったのは何時何分だ、したがって、何キロでどうだという計算上の速度しか出ておりません。したがいまして、ほんとうにいつブレーキを使っていつ脱線したのかということにつきましての明確な速度が、実は計算上のものでございます。この点にやはり盲点が一つ私はあると思います。したがいまして、今後はこれは、年内にぜひ全貨物列車に、いま自動車で使っておりますタコメーターをつける。そういたしますと、たとえば、この間の三島の事故にいたしましても、ある駅からそのとまったところまでの平均速度はわかるわけでございます。しかしながら、その地点をほんとうに何キロで通ったかということにつきましては、若干不明確な点がございます。それはやはり、タコメーターと申しますか、速度の自動記録計による以外にはないわけでございます。これがまだ特急電車しかついてないということは、これは非常にいろいろな問題がございましたけれども、おくれている問題だということにかんがみまして、これはぜひ年内にとりあえず貨物列車につきまして、全部つけてしまう。そういたしますと、いま先生のおっしゃったダイヤと事故の間に速度があります、その速度が一体どういう実態だったかということがわかってまいると思います。  その点、きょうの席上で速度について明確なお答えができないのは非常に申しわけないんでございますが、正直に申しますと、いま正確に速度がわかりますのは、特急の電車と気動車だけでございます。あとは乗務員の供述と計算でございます。その点が明確になりますれば、一体何キロでもってそこを通ったときに事故があったかということがわかってまいります。  そうすると先生の御質問の、このダイヤがいいとか悪いとかということになりますけれども、いまは一番のポイントのところは推定が出ておりませんけれども、それも即刻工事に着手いたしまして、これはぜひ年内に取りつけを、約三千両の機関車に全部取りつけるということでいま工事を進めることにいたしております。これも予算をつけて、きのうの三十一億の中に入れて計上いたしたわけであります。それが明確になりますと、いま先生のおっしゃいましたダイヤと速度と事故とのこの関連が、結びつきができてくると思いますが、いま肝心のまん中がいろんな推定が入っておりますので、その点はもうしばらく時間をいただけますれば明確になってくると思います。
  21. 森中守義

    森中守義君 時間がありませんので最後にお尋ねしておきたいと思います。要するに社会に対する責任というものはこの際やっぱり明確にしなくちゃいけませんね。じゃ具体的にどうするか。大体二法の審議の過程において、ほとんど国鉄の今日内包している重要な問題点については摘出されていると私は思う。一例をあげれば、たとえば管理体制の問題、機構の問題、いつかも触れましたように全体の五%も管理部門に要するようなところはありません、こういう企業においてはですね。もう少し人材を現場にうんと出していく、これも一つの方法でしょう。まあいろいろあると思う。ですから、私は、財政の再建だけではない、いまや国鉄の体質の再建の時代ですよ。どこかにやっぱり体制的な欠陥がある。この点を、さっき妙な言い回しがございましたけれども、十字架を背負ったような新総裁として、とことんまでひとつ詰めてみてください。これが社会に対する私は責任を果たすことじゃないかと思う。  これらの内容についてはこれからしばしばお尋ねしたり、いろいろ機会もございましょうからこれ以上触れませんけれども、ただ赤字をどうするか、そのために十カ年間の再建計画をやる、財政再建だけじゃない。精神的な、体質的な、体制的な再検討の時期ではないか、私はこういうように思うんですね。要するに、一月の間に数件もの大事故が発生をして、ほんとうに多くの利用者はかなり私は神経を病んでいるんじゃないか。社会の指弾もひどいですよ。こういうものを一日も早くぬぐい去ってもらう具体的な努力を示してもらいたいと思う。  そこで運輸大臣にもあわせてお尋ねしておきますが、さっき総裁から運輸大臣にかくかくの報告がございましたと、お話はそれにとどまっている。一体運輸省としてその報告を受けてどうしようとするのか。鉄監局長は後日あらためていろいろ調査の結果を報告すると、こういうお話でございましたけれども、いまここで私どもが聞きたい、言ってもらいたいのは、技術的な、専門的なことだけじゃない。そういう意味で、運輸大臣はこの際総裁とよく協議をされて、不安を感じている国民に対し何らかの方法で両責任者は社会に責任を明らかにしてもらいたい。声明の形もありましょう、談話の形もありましょう。少なくとも利用者が安心をして汽車に乗れるように、電車に乗れるように、そういうことを国民の前に明らかにしてもらいたいのです。ただ報告の聞きっぱなし、二度とこんなことがないようにしてくれよというのでは、これはやっぱり世間は承知しませんよ。いま私は政治的に打たるべき方法はそういうことじゃないかと思うのです。したがって、そういう方法と、これから一体国鉄のすべての面における体制の確立というものをどういう方法で両者が促進をされようとするのか、その辺のことをもう少し具体的にお尋ねをして、ほんとうにこういうことが絶対ないように一生懸命やってもらいたい。そのことを最後にして、事故に対する私の質問を終わりたいと思います。
  22. 原田憲

    国務大臣原田憲君) 私といたしましては、国鉄再建のために法案を提案いたしました際にもお話を申し上げておりますが、国鉄の基本問題というものと現在取り組んで、今後どうあるべきかという根本の問題に対処しておる最中でありまして、このことが一番抜本的な問題である、こういうふうに私は認識をいたしております。したがって、これは国鉄との間に、お話しのように私ども考えておりますことを責任を持って実行をする国鉄側との間に、十分な連携というものがなければ実現ができないと考えております。わけても、今回のことについて痛感いたしますのは、貨物事故というものが相次いで起こっておるということに対しまして、私は、国鉄の体質改善の中で一つの大きな問題として、今後国鉄が引き受けるべき一つの使命として長距離の貨物輸送する、これは国鉄としての使命である、こういうことを再三申し上げ、またこれを今後実行していく上において、この今次の貨物事故というものは、先ほど冒頭に国鉄総裁が、私に賜わった天の試練であると受け取っておると言われましたが、具体的にこの問題と取り組んで、われわれ一緒に対処していかなければならぬ、このように根本問題として私はひとつ把握いたしておるわけでございます。  なお、この問題についていま森中さんから、国民に対して私がとるべき姿勢というものの御忠言があったのでございますが、私は競合脱線という一つ理由不明ということに対しまして、まあ正直に言いまして、この事故がまた次にあるやもわからぬということでございます。したがって、このことについて慎重に対処することが一番大事であると、こう考えまして、鉄監局長をして国鉄側にどうするつもりであるか私に対するところの報告をくれと、こういうことを申したのであります。  この渋谷駅の問題につきましては、これは明らかに原因がなにいたしておりますので、このようなことが一切ないように、先ほどからの話のように対処してもらうことが大事だろうと考えておりますが、私はこれらのことに関しまして、新しく就任された国鉄総裁も着任早々のことでありますから、国鉄総裁国鉄の職員と一体となって事故を防ぎ、国鉄再建のためにがんばる、こういう姿勢をまずとってもらいたい。それと同時に、この事故頻発するようであったら、その場合に私は私としてまたとらなければならぬ措置があるであろうということを考えておりますが、一応そういう措置が適当ではないか、このように考えまして閣議に報告をするとともに、国民の前に遺憾の意を表した、こういう態度をとってきたわけでございます。
  23. 森中守義

    森中守義君 ことばじりをとるようで悪いんですがね、これ以上頻発するようならという、そのものの考え方には所管の大臣として同意できませんよ。さっきから申し上げるように、わずか一カ月の間に五回ですよ。それを頻発と言わずして何と言いますか。私はもうこの段階では大臣として最終の決断をされるべきだと思う。さて具体的にどうするか。それは行政の責任者としていろいろ考えもありましょう。また経営最高責任者として総裁のお考えもありましょう。その辺のことをこの際は考えてもらわないと、国民はやりきれませんよ。いま配付してもらった総裁の「職員諸君に訴える」という中身を十分拝見しておりませんけれども、これは内部に対する総裁心境を披歴されたものであろうと思う。同時に、一般社会に対しても何かの方法がとられなければいかぬ。率直に言ったらいいじゃないですか。競合脱線はいま専門的に学術的に究明を急いでいる、いずれ近い機会に国民の前に不安や焦燥を感じさせないような完全な原因の究明と対応策ができるであろう、こういうようなことでもずばりと言っておかなければ、とてもこれは利用者はやりきれませんよ。ただ、乗る乗らないという問題ではない。そのくらい国鉄が社会に与える影響、社会の中に食い込んでいる、責任は重いということですよ。そういう意味で私は、大臣のことばじりをとらえるようで恐縮ですけれども、これ以上続くということじゃない、もうおそいそのときには。これを頻発と言わずに何と言うのですか。そのくらいのことは、こういう事故の絶滅を期する出発点として、私はお考えになっても決しておそくない、そういうふうに考える。これ以上申し上げませんが、その辺のことを再度お尋ねをして、ひとつ両者からぜひお答えをいただきたい。
  24. 原田憲

    国務大臣原田憲君) こういう事故が引き続いて起こるということを私は期待しておるわけじゃございません。しかも、絶対困ることであります。けさほども閣議で、この国鉄からの私ども鉄監局長に対する報告報告するとともに、まことに遺憾であるということを表明いたしました。記者会見をいたしまして、私から国鉄に対しまして今後も叱咤激励をするつもりであるということを申し上げたということは、国民の前に私の考え方ということを申し上げたつもりであります。いま国会を通じまして、森中さんの御質問に対しまして、冒頭において私の考え方を述べた次第であります。今後引き続きまして自戒をいたしますとともに、国鉄側とも常に連携を密にいたしまして、先ほどの国鉄に指示いたしましたように、問題が何かあれば必ず連絡をし報告をする、私どもも十分にまた連絡を密にして、再びかようなことの起こらないように十分に努力をいたしたいと存じております次第であります。
  25. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) ただいまの森中先生お話、私胸にくぎを刺される思いで拝聴いたしておりました。連日私のうちにも電報、電話で、先生のおっしゃったような同じような国民からの声が寄せられております。一々拝見いたしておりますが、まさに私の責任でございまして、そこにお配りいたしましたのは、これは職員に訴えると書きながらも、私自身に対する警告のつもりで、実は自分で筆をとったものでございまして、まだ私の心境といたしまして、新聞等に具体的な声明を出すまでの気持ちになっておりませんので、まことに申しわけございませんが、現時点では、内部におきましてとにかくしっかりやろうじゃないかという気持ちをそこにあらわしたものでございます。いずれ時期がまいりましたら、もう少し国民に安心していただけるという情勢のもとで、そういう別な手段をとりたいというように考えております。いまはとにかく内部を固めることが第一というふうに思っておりますので、いましばらく時間を拝借さしていただきたいと、重ねて私の不明をおわび申し上げます。
  26. 岡本悟

    委員長岡本悟君) 速記をとめて。   〔速記中止
  27. 岡本悟

    委員長岡本悟君) 速記を起こして。
  28. 江藤智

    ○江藤智君 国鉄総裁のお時間がないようでございますから、できるだけかいつまんで総裁に御質問いたしたいと思います。  ただいま質疑がありましたように、最近引き続いて非常に脱線事故が起こっている。これはもう国鉄経営の一番基本でございまして、こう脱線事故頻発するようでは、国鉄経営そのものが私は危殆に瀕するんじゃないかということを心配をいたしておりまするし、直接の責任にある磯崎総裁あるいは監督の地位にあられる原田運輸大臣のお気持ちも非常な御心痛であろうということは重々に推察できるわけでございます。これに対する対策につきましては、ただいま総裁が言われたように、国鉄においても全力をあげて対処しておられますので、私はしばらくその御努力に期待をいたしたい、かように考えますが、この事故報告を見ましたときに、私の心に浮かんだ一、二の点を申し上げ、また御質問いたしまして、いささかでも御参考になったらと思いましてお伺いいたしたいと思います。  それははたして車両なり軌道なり、あるいはそれに関連したあらゆる部門の国鉄の施設というものがいい状態に保守されておるかどうか、こういう問題なんです。競合脱線というのは、御承知のように軌道なら軌道だけをとってみて、あるいは車両なら車両だけをとってみて、あるいは車両に荷物を積んだ場合、その積みつけだけをとってみれば、それぞれ許容の限度内にあるわけなんです。しかしながら、そういうものの悪い条件がある時期において積み重なったときに起こる脱線競合脱線と言っていることは当然のことでございますから、そのときにそれぞれの面においての欠点ができるだけ最小限度になっておったならば、競合脱線の起こる可能性も非常に少なくなる、これはもう常識的に考えられるところでございます。したがって、鉄道のように生命財産を預かって運営しておる、安全を第一とするものにおきましては、その設備を最もいい条件に保つということが、国鉄としては非常に大切なこれは役目であろうと思います。また、そういう考え方で進んでおられると思いますけれども、私が感じますことは、そういういわゆる保守経費で申しますならば、これは修繕費の面なんですが、この修繕費の面と、それから設備を改良したり、近代化したりする、いわゆる工事経費の面との間において、国鉄自体の頭がどうも近代化あるいは設備増強というような方面に向き過ぎまして、この保守、修繕というような面に頭の向き方が多少でも少なくなっておるようなきらいがあるんではないかというようなことを、もう一度、ひとつ考え直していただきたいということであります。  そこでお伺いいたしたいんですが、修繕費というものの配賦、修繕費の使われ方、そういうような問題について、本社でどの程度に把握をしておられるか、この面をひとつお聞かせ願いたいと思います。
  29. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 修繕費につきましては国家予算で一応ワクがきめられておりますが、これを各保線、保電、運転等に分けるわけでございます。現在、数年前までは実は各支社に配分いたしまして、各支社が管理局に配分いたしておりましたが、最近の事務近代化、あるいはコンピューター化によりまして、本社がじかに管理局をコントロールするという体制に変えまして、本社から直接管理局に対しまして、各費目ごとの修繕費を配分いたしております。しかしながら、若干地方的な調整を要する問題もございますので、ある限度内におきましては支社長に融通する予算を与えておりますが、大筋は実際、その現地で保守の責任に当たっております管理局の直接の要求に基づきまして、本社がじかに管理局に配賦するということで、修繕費につきましてはほとんど支社を経由しておらないという形にいたしましたのはもう四年ぐらいになりますか、したがいまして、いままで支社でこういろいろ案分いたしておりましたが、それは一切なくて、本社でじかに管理局と折衝するという形にいたしました。
  30. 江藤智

    ○江藤智君 非常に私はいいことだと思いますが、その場合、本社で修繕費を取りまとめて配分されるときには、いわゆるそれぞれの主管局といっておりますが、そういう責任の局の意見をしっかり通しておられるんでしょうか。
  31. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) その点につきましては、主管は経理局でやっておりますけれども、各担当局の意見を聞きまして、もちろん相当、中にはいろいろ激しい争いもございますけれども、最終的には常務会でもって各費目ごとのバランスをとり、各主管局並びに各常務の意見を聞きまして配分をいたしておるつもりでございます。
  32. 江藤智

    ○江藤智君 それは非常にけっこうだと思いますが、以前は本社におきまして、そうしてそれぞれの責任のある部局がいわゆる工事経費――昔は改良費と言っておりましたが、改良費のほうも、それから保守の面の修繕費のほうも非常な力を入れて勉強をし、見ておりまして、そうしてその線を現場のほうに伝えますし、また伝える組織というものも非常にはっきりしておったわけですね。現場を把握するために事務所があり、あるいはその管理部になっておったんですけれども、そういう面において非常に本社の考え方というものが現場に通っておった。ところがいまお話があったように、途中におきましては、一番肝心な保守に関係のある修繕費について全貌を本社が握り得なかった時期もあったんです。そういうような事柄はいまはお直しになったかもしれないけれども、いまになって多少あらわれてきている面がありはしないかと、杞憂かもしれませんけれども考えますので、そういう点もあわせてお考えになる必要があるんじゃないか、かように考えます。  それから、いま一点は、これに関連はいたしますが、ある時期におきましては各支社あるいは各局が非常に独立採算制というような思想、すなわち営業係数ということに非常に頭を向けた時代があった。これは具体的に申しますと、ある局におきましては、非常に線路修繕費というものがその局だけが極度に悪い、もうはっきり見劣りがする、ところが、そのときの局長方針営業係数をよくするために修繕費を非常に落とした時期がある。これは長い目で国鉄経営し、あるいは安全という面から考えれば、これは行き過ぎであろうと思いますし、またその後直されました。直されましたけれども、この各局友におきましていわゆる営業係数ということを非常に頭に置いた経営がかって行なわれたことがある。その影響もやはりこの際考え対策をお立てになる必要があるんじゃないか、かように考えますが、総裁はどういうような見解を持っておられますか。
  33. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) たいへん江藤先生お話は私ども実はふだん中で言っている一番重大なポイントでございまして、一時やはり地域別に独立採算と申しますか、営業係数をよくしろということを非常に強く申しまして、各支社ごとの独立採算あるいは管理局ごとの独立採算ということのために、一番必要な部分をある程度削るということがなかったわけではないということを率直に私は考えております。最近は、私自身は非常に中央集権思想が強過ぎるといわれておりますけれども、私は徹底的にそういう問題は中央集権にすべきだと、いまのように電話が発達し、事務機械化ができればやれるんだということで、徹底的な中央集権という方向に現在変えつつございまして、その意味で、たとえば何線はどこまで保守できておるということは本社ですぐわからなければいけないというところまで大体持っていきつつあるつもりでございます。車両につきましても線路につきましても、本社でもって大体全国のおもなところが全部わかるというところまで持っていくということがやはり安心して経営ができ、安全性を守っていけるというふうに思いますので、私はぜひただいま先生のおっしゃいましたような方向で今後の大きな仕事のつかみ方をしていきたい。いままでの姿勢はやはり地域別の何と申しますか、採算を重視いたしました。それはもう一切考えないでよろしいというような方向でまいりたいと思っております。
  34. 江藤智

    ○江藤智君 お急ぎでございますから、あと一点で質問を終わりますが、いわゆる現場指導ですね、一番大事な運営に関連する現場指導の体制についてやはりお考え直す必要があるのではないか。ただいまの国鉄の現場、ほんとうに第一線で責任を持っておりますのは駅あるいは区ですね。以前は、この駅あるいは区について非常に強い指導監督をし、また場合によっては温情をもって世話をやく機関があったわけです。御承知のように運輸事務所、保線事務所、電力事務所、そのあとは管理部というものがある、その上に管理部門として局があり、本社があった。ところが、御承知のような体制で現場第一線は駅・区が第一線である。局はございますけれども、これは管理面とそれから現場の面とが半々でどっちを向いているかあまりはっきりしない。こういう機構になっておるわけでございますが、こういうふうに国鉄運営というものも高度になっていき、非常に大量の輸送をするようになってくれば、いよいよ駅・区というものに対しての指導監督、助言というような機関というものが必要になってくるのではないか。これは機構改革にからみまして非常にむずかしい問題だと思いますけれども磯崎さんが新しく総裁になられましたこういう機会に、この点も非常に困難なことでございますけれども、勇気をもって御検討になりまして、改めるべき点があったなら改める必要があるのではないかと思いますが、それについての御感想を承りたいと思います。
  35. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 私どもは何といいましても現場でもっておる仕事でございますので、やはり現場の指導、それはやはり現場の第一線にある現場職員との接点の現場長あるいは現場の全スタッフが一番問題だと思います。たとえば悪いかもしれませんが、これは軍隊でいえば下士官あるいはそれの少し上のところあたりがしっかりするかしないかが現場体制の中心になると思います。私どもといたしましては、最近非常にその問題にも重点を置きまして人選あるいは任期等につきましていろいろ検討いたしておりますが、やはり管理者の管理、管理者をどう管理するかということが一番問題だということを私しみじみ最近考えまして、率直にいろいろと現場の諸君の意見を聞いたりいたしまして、具体的な方向を考えておりますが、やはり管理者の人選だけではだめで、その管理者をどう管理するかというその管理体制が一番私は問題であろうと思いますので、これから具体的にいろいろな点を伺ってまいりたいというふうに思いますので、先生の御意見も十分参考にさせていただきたいと思います。
  36. 岡本悟

    委員長岡本悟君) 本件に対する質疑は、本日はこの程度といたします。     ―――――――――――――
  37. 岡本悟

    委員長岡本悟君) 道路運送車両法の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑のある方は順次御発言を願います。
  38. 加瀬完

    ○加瀬完君 車両法の一部改正の内容を検討してまいりますと、いま問題になっております次陥車なんかの対策につきましても、はたしてプラスなのかマイナスなのかという疑点が持たれるわけでございます。そういう意味合いから、もう少し欠陥車の現状というものについて伺ってみたいと思います。  そこで、先般欠陥車の全容を御当局は発表なさったわけでございますが、わが国の自動車メーカーは十二社、欠陥車はこの十二社全部出しておる。延べ台数にすると二百四十五万六千五百四十四台、実数で見ても二百二十五万台をこえておる、こういうように受け取ってよろしゅうございますね。
  39. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) 御指摘のとおり欠陥件数は五十八件でございます。ここで対象車両数が国内車の四輪車につきまして二百四十五万六千五百四十四台、それから国産の二輪車につきましては、件数が五件でございまして対象延べ車両数は六千九百三十六両でございます。次に輸入車でございますが、この件数は七十七件の対象車両数は八千四百二十七両でございます。
  40. 加瀬完

    ○加瀬完君 国産車に限って申し上げますと、欠陥個所は全メーカーで五十八カ所、車種は五十五車種、いま御説明になりました二輪車は含んでおらなくて、以上だと承ってよろしゅうございますね。
  41. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) 欠陥の件数が五十八でございます。それから車種の数は合計いたしまして百八十一車種でございます。
  42. 加瀬完

    ○加瀬完君 それから欠陥車種と回収状況を御発表になりましたものによりまして拝見をいたしますと、日産ディーゼル、日野、ダイハツ、鈴木自動車、これらの回収率が非常に低いわけですね、この理由は何ですか。
  43. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) この欠陥車の対策を開始いたしましたのが、会社によりましていろいろまちまちでございまして、おおむね過去三年来のものでございます。したがいまして、前に発見されて対策を講じたものはその回収実施率が非常に高い、最近のものにつきましては回収を始めたばかりのものがございまして、それらについては実施率が低いというふうな結果になっております。
  44. 加瀬完

    ○加瀬完君 トラック類が回収率が非常に低いというようにも受け取れるわけですが、そういうわけではございませんか。
  45. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) 私は、トラックだから低いということでなくして、やはり時間的な問題が一番の要素かと思います。
  46. 加瀬完

    ○加瀬完君 欠陥車の車種並びに欠陥個所を、今日各メーカーが発表しているところから見ても、メーカー自身が事前にわかっていたはずですね。そうすると欠陥車が大げさに言えば横行しておったにもかかわらず、メーカーはそれがわかっておって、その欠陥車の横行をそのまま許しておった、しかもそれは監督官庁だってわかっておらなかったはずはないと思うが、監督官庁も今日問題になるほどの結局対策というものは何ら立っておらなかったというようにも受け取れるわけでございますが、メーカーはとにかくとして、どうして監督官庁は、すでにメーカー自身が欠陥車が走っておりますことを認めておったにもかかわらず、監督官庁として十分今日のような事態にならない前の取り締まりあるいは行政指導というものを行ない得なかったのか、この点はどうですか。
  47. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) ここで欠陥車と申しますのは、メーカーのほうが発売後におきまして欠陥個所を発見する、あるいはユーザーのクレーム等によりましてそれがわかった場合に、メーカーが自発的に回収をし点検をしてその悪い部分を直して返すというものでございます。したがいまして、そのものは運輸省令でありますところの型式指定規則というふうなものに直接違反をしておるものではなくて、一部欠陥個所があとで発見せられまして、将来放置すれば危険のおそれがあるというものを回収するものでございまして、従前からその措置はやっておるわけでございます。ところでその措置の場合に、これを一般的に新聞その他の方法でもって公表という制度をとっていなかったというわけでございます。したがいまして、役所で発見したものにつきましては、その欠陥がありました場合には事故警報等によって周知する方法をとっておりますが、メーカーのほうで発見をしたものにつきましては、自発的に回収をして、その部分を点検するという措置でございまして、規則に違反をしておりませんので、役所に報告する義務は従来はなかったのでございまして、欠陥車を放置しておるということでなくして、いわゆるリコールの方法は従来からやっておったけれども、その公表の制度等が従来わが国においてはなかったという結果でございます。
  48. 加瀬完

    ○加瀬完君 それはわかるんですよ。ですから、メーカーの法律責任というものをいままでこれは追及するというわけにはいかなかったと思うんです。しかし、外国車と比べて完全車でないということは、技術関係監督官もおられる運輸省がわからないはずはないわけですね。しかも、各メーカーはいままで誇大な宣伝をし、猛烈な販売競争というものをして、利用者、需要者というものをあおってきたというような実情ですね。しかし、その内容であります、あるいは対象であります車そのものは欠陥があるのではないかと予想しなければならないような急造乱造のものもないわけではない。こういう監督官庁としては、生命財産というものを保護するという立場からすれば、疑いの目をもって見るわけではありませんが、業界そのものがまだ浅いわけですから、輸出というようなことになって外国車と競争すれば今日のような事態が生ずることは当然なことなんですから、これは行政指導としては、そういうメーカーの義務があろうがなかろうが、ほんとう意味でメーカーにいい車をつくらせるという意味においても、監督官庁の責任というものがいままで十分であったとは言い切れないと思うんです。逆に言うならば、もっと積極的に、通産省も含めて、運輸省なり通産省なりというものがメーカーに対して指導監督というものをきびしくしてもいまのような欠陥車というものが外国から指摘されるように多量に出てきたかということになりますと、私はそこに監督官庁の責任というものを若干感じてもらわなければいけない節があるのではないかと思うわけでございますが、そういう意味で、特に通産省は、業界を育てるということはけっこうなことですが、利用者生命の問題にもかかわるし、粗悪品をつかませられれば、これは財産の問題にもかかわるわけでございますから、そういう生命財産の保護というものが業界の育成ということよりも先行して優先されているという状態では、運輸省、通産省含めて、なかったんじゃないか、そういう疑問を持つわけですが、その点はどうでしょう。
  49. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) いまの欠陥車というものは、いわゆる欠陥のおそれがあるという車でございまして、今回の五十八件に相当する外国輸入車につきましては、さらにそれよりもたくさんの七十七件というものが指摘されておるわけでございまして、わが国に動いております車につきましても、わが国の生産の車だけではないわけでございます。それからさらに、アメリカにおきましても多くのリコール問題がございますが、四十一年の九月ごろから本年の春にかけまして約一千万台前後のものが回収をされておるということでございまして、わが国のみの問題ではないということでございます。しかしながら、欠陥車をなるべく出さないようなことで事前にチェックする、かりにあった場合におきましては、これの公表制度を完全にやりまして、すみやかに回収するということはもちろん必要でございます。運輸省の行政は、この問題に対する仕事は道路運送車両法に基づく仕事でございまして、道路運送車両法というのは保安を規定しておるものでございます。メーカーに対するわれわれの仕事というものは、保安という点で行政権があり、監督をしておるわけでございますから、従前ともそうでございますが、今後さらに一そう道路運送車両法中心とした保安行政の完ぺきを期していく必要があると思います。それで、型式指定を行ないます場合におきましては、現在年間百二、三十型式のものがございますが、従来大体一車種につきまして一・二ないし一-三件の欠陥個所を前に発見いたしましてこれを直さしております。今後はさらにこれらにつきましても十分完ぺきを期していくとともに、先ほど来申し上げましたような、これら欠陥車問題に対する総合的な対策を推進いたしまして、事態に対処していきたいと思います。
  50. 加瀬完

    ○加瀬完君 外国車にも欠陥車が多いんだと、数からいえば国産のものよりも欠陥の個所が多いかもしれぬと、こんなことを幾らあげたって、だから監督しなくていい、監督責任がないということにはならないと思う。  それから、あとで触れますけれども道路運送車両法の改正点のようなことをやっていけば、一体車検はいまよりもきびしくなるのかゆるくなるのか、あるいは整備工場の監督というのはいまよりもゆるくなるのかきびしくなるのかというような問題が残されている。整備の問題とかあるいは車検の問題とかいうようなものがもっと厳格であるならば、欠陥車というものももっと数が少なくて押えられたのではないかという意見もあるわけですね。そういう点から考えますと、どうもあの車両法の改正そのものを見ても、こういう欠陥車が多量に出るだろうから車両法をきびしくして欠陥車が出ないようにもっと監督や取り締まりをしようじゃないかというような腹がまえであの改正案がもくろまれたというようには考えられない。それから、型式指定をいろいろ厳格にやっているとおっしゃっても、あなたのほうで出した総合計画も、型式指定や何かの問題で人員が足りない、施設も足りない、期間も不足だということでその対策を立てているじゃありませんか。あなた方のただ責任を追及するんじゃない。われわれはそれぞれの立場から、やはり欠陥車というものに対する責任も尽くしていかなければならないと思う。われわれただ攻撃すればいいということではなくて、われわれ立法府でも、じゃどうすればこの欠陥車というものが十一分に問題の個所が解決されるかということに対して努力をしなければならないと思うんです。これはあとで委員長にもお願いしようと思います。しかし当面、行政の監督の立場のあなた方に対しましては、もっと、一体欠陥車の監督上の行政上の反省というものがなかったかということを聞かないわけにいかぬです。  そこで質問を移しますけれども欠陥車の監督上の反省というものについて質問を移してまいりますが、行政指導として、届け出や公表指導というものを強力に推進していくということでございますが、それだけでこの購入されている欠陥車の問題が解決されるとお思いになりますか。業者に対して届け出あるいは公表制度というものだけを義務づけたところで、この問題が簡単に解決されるというお見通しにお立ちなんですか。
  51. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) 欠陥車はこれを出さないというための施策、それからかりに出た場合におきましてすみやかに回収するということ等でございますが、この問題は総合的な方策が必要でございます。したがいまして、運輸省といたしましてはメーカーサイドにおきます措置、それからディーラー、整備業者におきます措置、それから役所といたしましても従来の諸規則等を改正、改善いたしまして対処するための措置、それからさらに機械でありますから、ユーザーの側におきましてもいろいろ協力をいただくというふうな四者がおのおの努力いたしまして、この問題に対処していく必要があると思うわけでございます。届け出あるいは公表の制度はメーカーにおける措置一つでございまして、それのみで決して解決するとは考えておりません。総合的な施策をこの際遂行することによってこの問題が解決できるのではないかというふうに考えております。
  52. 加瀬完

    ○加瀬完君 総合的施策をこれからおやりになっていくという前に、御説明によれば、欠陥車を出さない、不幸にして出たらすぐそれを回収したい、これはお説のとおりですがね。出したくない欠陥車がたくさん出ている、回収したくも十分な回収が行なわれておらないというのは、一体行政的にどこに欠陥があるのか、こういう行政上の反省というものに立って総合対策というものが立てられなければ意味がないじゃないか。総合対策、総合対策と言うけれども、その総合対策を立てる基本的な態度としての、いままでの行政当局の行政上の反省点というのは一体何だというものに私は御回答をいただきたいんです。  たとえば警察庁の調べによりますと、人身事故者のうち、現在判明しているものでも、昨年中ブレーキ等の故障によるものが三千百十三件、こう言っておりますね。それでは警察庁にもお尋ねをしたいんでありますが、人身事故原因ともなるべきものは単に三千百十三件であろうか、欠陥車による事故ではあるまいかという再調査をした場合、この件数というのは一体上がらないか、こういう問題を私どもは感じます。それから、それならばですよ、警察庁はその欠陥車の欠陥個所というものについて、一体運輸省なり通産省なりに行政上の立場として十二分な連絡をして、対策を立てるような措置が講じられておったかどうか、こういう点はどうなんでしょう。あなた方の御説明を承っておりますとね、役所のほうにはたいした責任はないようなどうも結論のようなお話ばかり承っておりますけれども、そんなら、これだけの事故があった、事故原因は車の欠陥だということをはっきり言っている、それなら、その欠陥について車の監督をする運輸省なり、あるいは生産の監督に当たる通産省なりにどういう連絡をして、どういう対策を立てたか、あらためて伺います。
  53. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 第一番目の問題は、数字上の問題でありますが、昨年の三千百件というのは、整備不良の車両を気づきながら運転をしておったということについての道交法違反ということで、運転者が違反を問われたという件数であります。したがいまして、三千百件の内容の車が何らかの故障をしておったということは間違いがないわけでありますが、それがイコール構造上の欠陥であるということは調べられておりません。  それからその数だけかどうかということにつきましては、これをこえることがあります。なぜかなれば、車両側の原因によって事故が起きた、運転車側には責任がなかったというものにつきましては、軽微な事案は警察署限りで処置をいたしておりますが、やや大きな事案になりますと検察庁に送るのでありますが、検察庁ではその捜査、内容が運転者には責任がなくて軍側に責任があるということになっておりますので、これは起訴をいたしません。ただこの数がどのくらいになるということは、私どものほうで数字をとっておりませんのでわかりませんが、三千百件プラスアルファということになることは間違いはありません。  それから、車両側の問題について運輸省のほうに警察は連絡をしておったかという問題でありますが、警察庁から運輸本省のほうには連絡をするようにはなっておりません。ただし、車両側の問題がある場合は、これは警察では十分な捜査ができませんので、必ず陸運事務所の御協力を得て、その御協力を得られない場合は鑑識課でありますとか、あるいは町の整備工場の二級整備士以上の技術者の鑑定を受ける場合もありますが、いずれにせよ車両側に問題があるという場合には、鑑定書をつけまして検察庁に送るわけです。鑑定書をつけなければ検察庁に送れませんので。したがいまして、その際に陸運事務所のほうで事件概要を調べられて、そして必要があれば運輸本省のほうに御連絡になっているということであろうと考えます。したがって、全部が全部陸運事務所の知るところとなっているかどうか疑問がありますが、おおよそのところはその辺で御存じになっておったかとも考えます。
  54. 加瀬完

    ○加瀬完君 少なくも車の問題から起こった事故については、車そのものを鑑定をして、鑑定書をつけて検察庁に送ると、したがって、その鑑定書は陸運事務所を経て当然これは監督官庁である運輸省に送らるべき筋合いのものですね。
  55. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 鑑定書は陸運事務所の整備士の方に鑑定をしていただいたもの、その鑑定書そのものは検察庁に参ります。したがって、その内容を陸連事務所のほうで判断されて、必要があれば運輸本省のほうに御報告になっているのではないか、私のほうわかりませんが、そう想像するのです。
  56. 加瀬完

    ○加瀬完君 万全な行政措置ということになれば、たとえば鑑定書によって有罪になるという鑑定の内容については当然陸運事務所がこれはそれぞれ上司に報告されてしかるべきものですね。そういう報告は一体何件くらい運輸省は受けておるか、受けておったことについてどういう措置をされたか。
  57. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) 陸運事務所で、事故がありました場合に、車両欠陥によります事故というものを発見した場合におきましては、本省に報告をしてまいりますし、またものによりましては陸運局等が直接調査をいたします。それでこの三十九年から四十三年、昨年の秋までに事故によりまして発見をいたしましたものが十七件、車両欠陥事故として運輸省が把握しております。
  58. 加瀬完

    ○加瀬完君 その十七件というのは、一体実際の報告さるべき数というものから見て適当だとお考えになりますか。十二分に報告されている数だと  いう御認定ですか。
  59. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) これは事故によりまして直接つかんだものでございまして、事故が起きました場合に直接役所で把握したものでございますので、この事故原因としたものでは、わかっておるものではこれだけだと思います。で、メーカーのほうで発見をする場合におきましては、事故が起きる場合もありますけれども、通常の場合におきましては、メーカーがある製品を出した後において工場内でさらに実験等をやっている間に発見される、あるいはユーザーのほうで変な音がするとか、ハンドルの調子が悪いということで、これをディーラー等にクレームの形で申し入れをしてくる、それを調べてみますというと、その部分において欠陥がある、もしこれをかりに放置しておけば将来事故にかかわるような心配もある、ということで事前に処置をするものもございます。われわれのほうで従来把握いたしておりますものは、車両欠陥によりまして実際に火災が起きたとか追突事故が起きたとか、そういうものを契機としてつかんだものでございまして、このつかみ方には間違いはないと思っております。さらにメーカーのほうのものは、先ほど申し上げましたように、規則に直接触れる面を改良する場合には、運輸大臣に届け出いたしましてその指示を受けなければならぬ、承認を受けなければならぬというふうになっておりますが、今回の五十八件につきましては、直接規則に違反をしておるものではなくて、メーカのほうで発見いたしまして回収し、直したというものでございます。
  60. 加瀬完

    ○加瀬完君 私がいま問題にしておりますのは、欠陥車全般の問題ではない。少なくとも警察庁の報告によれば、整備その他の問題点がある車によって起こされた事故は三千百十三件プラスアルファであろうと言われておる。整備不良ということであれば、これは車検の問題であり整備工場の問題ですよ。これは車両法の問題です。ところが運輸大臣は先般の談話で、トヨタで半分近く、日産で三割以上欠陥車がまだ走っているということを聞いて驚いたというお話を発表なさっておる。そうであるなら、運輸大臣は一体どういう報告局長なり担当官から聞いておるのかという疑いを持たざるを得ない。しかも警察庁では三千百十三件プラスアルファの、大ざっぱにいえば、欠陥車が事故のもとになっているということを指摘しているわけだ。欠陥車が多いことは、先ほどの御説明でも、運輸省は、数はわからなくてもある程度あるであろうということは予想されると。そうであるならば、むしろ運輸省から警察庁に整備不良等による事故というものは一体どのくらいかという問い合わせがあって、車両法の厳格な施行というものをはかるのがこれは当然じゃないですか。おたくのほうの大臣は、安全はかけがえのない問題だと、欠陥車のメーカー側の責任を重視しておられる。これはけっこうなことです。しかしその前に、欠陥車を生じないように十二分な配慮が行なわれておったかどうかという行政的な反省というものがもっと問われなければおかしいのじゃないですか。これだけ欠陥車が横行しておっても大臣が内容を少しも知らない、報告されてない。しかも同じ国の官庁の中でもって警察庁の結果を運輸省は十分知っておらない、あるいは知ろうとつとめておらないと、極言するならばそういうふうに受け取れるようなことでは、どうも私は、欠陥車が出たからどうこうということでなくて、そもそも車両法を確実に施行しようという責任に欠けているのではないかという疑いを持たざるを得ない。歯にきぬ着せず言って恐縮ですが、どうももっと反省点をはっきりときめて対策を立てるということのほうが先じゃないか。いままでの行政的な扱い方を見ているというと、どうも十二分に行政能力を発揮しているとは思われない。私はそう思いますので、ひとつその点御回答いただきたい。
  61. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) 先ほどお話がありました点は、欠陥車がさらに動いているという点は、五十八件の欠陥部分を持っておる車が、その部分を持っているので、欠陥として将来放置すれば危険性があるというものが二百四十五万両ございまして、その中で措置済みのものが百十五万両で差し引き残りが約百二十九万両であります。この点につきましては大臣にも御報告申し上げております。それから先ほどの三千百十三件は過去に、たとえば四十三年度におきます車両欠陥による事故ということでございまして、その中には整備不良によります事故、車両の構造装置には問題はないけれども、整備が悪かったために起きた事故、それから車両の構造装置に欠陥があったために起きた事故等が含まれているわけでございまして、警察のほうでは毎年年報を発行されております。われわれもそれをいただいておりますし、必要な点については、警察からもお知らせを願っておると同時に、現場におきまして事故が起きました場合に、車両欠陥による事故のおそれがあります場合には、これはわれわれのほうの車検の問題あるいは整備の問題にも触れてまいりますので、係官を事故現場に派遣する、あるいはあとで所在の場所におきまして内容等を技術的に検討をいたします。その結果、三十九年から昨年の十一月までに調べました結果、これは車両のいわゆる構造装置に欠陥があったために事故が起きたというものを、先ほど申し上げました十七件発見を実はいたしておるようなことでございまして、警察との関係におきましては、現場あるいは地方におきましては、事故防止というものを、われわれのほうは車両に対する防止、警察のほうは運転手の方面の事故防止を担当されておりますので、連絡を密にしてやっておるつもりでございます。  それからなお、この問題に対します対策といたしましては、従来十全、万全であったということを申し上げておるわけでもございませんで、将来に向かいましては、施行規則の改正それから検査その他の体制を整備いたしまして、欠陥車がないようにしたい。しかしながら、全然絶滅というわけにもいきませんから、起きました場合には、すみやかにこれを公表して回収するというような方法でもって対処するということは先ほど申し上げたとおりでありまして、われわれといたしましても、今回の件にかんがみまして、将来に向かいましては総合的な対策をさっそく実施をしていきたいというふうに考えております。
  62. 加瀬完

    ○加瀬完君 私は謙虚にやはり行政的反省というものをもっとしてかからなければ、この問題の解決はできないと思うのです。それは私のみがいまのような疑問を持っているわけじゃない。六月の二十二日、ある新聞の投書欄に、団体役員の南謙吉さんという方から次のような意見が発表されておるのです。当局のこれに対して御所見をあとで承りたいと思いますが、一つ欠陥車については、監督官庁の責任が大ではないか、いままでにおいても欠陥車の摘発はできたはずではないか、それをやっておらないのじゃないかという点が指摘されております。第二点では、運輸省欠陥を当然チェックし公表できたはずであるのに、それを十分果たせなかったのは型式認定を十分にする検査機関を持っていなかったということのためではないか、一体、この検査機関を充実させるという考え方を当然運輸省は持つべきなのに、それが確立されておらないという点については反省はないのか。第三は、警察庁も交通事故の場合、原因調査をしているはずである、しかも、ときには科学研究所もこの調査に加わっているわけであるので、いままででも欠陥の個所はわかっていたはずだ、どういう行政官庁間の連絡が行なわれたのか、行なわれておれば、いまどき初めてのように大騒ぎをする必要はないではないか。こういう点を指摘をしておるわけです。これらの点について、私の疑問だけではなくて一般の方もこういう疑問を持っている、どうお考えになりますか。
  63. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) まず第一点でございますが、欠陥車という名前が、あたかも規則に違反をして保安基準に違反をしておるものが動いておるというふうな印象を持たれておりますけれども、保安基準に違反しておるものは動いてはいけないわけでございまして、ここでいいます欠陥車というものは、その車種の中で数件事故がありますとか、あるいはメーカーのほうで発見したから、それを放置すれば将来事故につながるようなおそれがあるということで回収するというものを、いわゆる欠陥車と言っておるわけでございます。その種のものにつきましても、事故が起きた場合には、われわれのほうで把握したものが先ほど申し上げました十七件でございますが、これにつきましてはいわゆる事故警報というものを出しまして、自動車のユーザー、それから整備会社、メーカーに注意を喚起いたしております。これを秘密裏にやっておるものではございません。ただ、メーカーのほうで発見いたしましたものが、メーカーのほうで自主的に回収する場合に、アメリカ等で行なっておりますいわゆる公表の制度というものが従来わが国にはなかったというわけでございます。  それから、検査と型式指定の場合の審査、それから車両検査等は非常に技術的な問題でございますから、技術レベルを向上いたしまして対処するという必要性は御指摘のとおりでございます。で、われわれのほうの研究機関といたしましては、船舶技術研究所に自動車関係の研究の組織を持っておりますけれども、これの技術研究者の量と質におきまして万全なものではございません。したがいまして、これを充実するということで従来からいろいろ検討いたしておりましたが、今後はこの技術研究組織を充実、強化いたしまして、技術陣の技術力の向上、そしてまたこの欠陥車等に対処いたしましては、審査いたします場合の技術的な力を向上することによりまして、少しでも防ぐという方向に努力いたしたいと思っております。研究所の組織の改善につきましては、現在案をつくりまして、将来なるべく早く実現するように努力をしてまいりたいと思っております。
  64. 加瀬完

    ○加瀬完君 どうも聞き捨てならない御説明を承ったわけですけれども、人身には危検がある欠陥車であるけれども、保安基準からいえばはずれておらない、こういう御説明でありますが、それでよろしいですか。いま、いわゆる問題になっている欠陥車というのは、人身については影響があると見ているわけですね。しかし保安基準にはそれははずれておらない、このような御説明でありましたが、そうですか。
  65. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) 保安基準に適合しておるかどうかということを型式指定のときに検査をいたしまして、書類検査と実物につきまして検査をいたしました結果、合格するということでございますから、当該車両はそのときにおきましては、保安基準に適合するものでないと指定をしない。で、そのものが普通動いておるわけです。ところが、さらに、保安基準に適合するかどうかにつきましては、型式指定規則という省令がございまして、それに詳細に規定されております。主要諸元といたしまして約三十種、それから細目諸元といたしまして二百八諸元がございます。その諸元につきましての審査をやりまして、保安基準に適合しておるかどうかということを調べるわけでございまして、それで合格さす。ところがそれ以外の点につきまして、使用しておる最中におきまして欠陥部分が発見されてくるということでございます。それにつきましては、なるべく早く回収をする。しかしながら、中にはその諸元に触れるものがございます。諸元に触れるものがありますというと、これは役所に届け出をいたしまして、その部分を直すためには承認を要するわけでございまして、それはいわゆる今回の欠陥車という俗称でもっていわれておるものではございません。今回のいわゆる欠陥車という名前でいわれておるものは、厳格に言いますというと、欠陥のおそれがある、いわゆるリコール車と言っていいのかと思いますが、それにつきましては、それが直ちにそこで保安基準に適合しないというものでなくして、放置しておけば事故につながるというおそれのあるものでございますから、すみやかに回収するというふうに考えております。
  66. 加瀬完

    ○加瀬完君 今度の総合対策案の中にも二、三万キロ走ったものを型式指定の場合検査をしようというような案もありますね。ということは、いままでの保安基準なり、あるいは保安基準に即した検査なりが必ずしも万全でなかったというために新しい方法が考えられておるでしょう。あなたは、いまいう欠陥車というのは、これからその欠陥のために問題が起こりそうだと予想されるものだと言いますけれども、火を吹いたり、ブレーキがきかなくなったりという、現在完全に保安基準にはずれておるものが欠陥車の一部にはあるのです。だから問題になったのです。だから保安基準がいまのままでよかったのか、あるいは保安基準に適合させる検査が現状でいいかどうかという反省は当然なければおかしいですよ、その前提に。まだまだ日本の車は外国の車に比べて自由に市場での競争に十分勝つという材料は少ないわけですから、もっと車をよくすることは、これは少しも悪いことではないわけです。そういう点で、保安基準なり保安基準の検査なりというものにくふうがあってしかるべきではなかったのか。それをただ形式的に、保安基準に適合しておりますけれども欠陥車でございます。しかし人身事故を起こすおそれはありますということでは、これはうなずけないのは私のみではないと思います。もう一回そこのところを御訂正願いたいと思います。
  67. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) 従来の型式指定の審査をやりました場合におきまして、試作車の走行実験、それの距離的なものは明白なものをきめていなかったわけでございます。ところが、自動車は機械でございますので、出るときには完ぺきなものであっても、一年なり一年半使用しておる間に欠陥部分が発見されるというふうな場合、それとまた、使用者の点検整備の不良等がそれに加味されまして危検になってくるというふうな場合が相当多いわけでございます。したがいまして、今後は二万ないし三万、これは車種によって違います、軽自動車の場合とそうでない普通の自動車の場合と違いますけれども、二万ないし三万キロの耐久試験をやりました試作車について型式指定の場合に審査をやったならば、その欠陥部分が事前に発見しやすいのじゃないかということでございまして、従来のやりました点をその点におきましても改善をいたしていきたいということでございまして、さらに諸元の内容につきましても、従来の焼則以上にこういう今回のことにかんがみまして、さらにふやしまして見るというふうな点を現在検討しておるわけでございます。
  68. 加瀬完

    ○加瀬完君 そこで、警察庁にはこれ一つで終わりますからお引き取りいただいてもけっこうですが、いままで警察庁のほうで事故原因調査に基づいて欠陥個所が発見されても、これを運輸省に必ず連絡するという方法はとらなかったわけですけれども、こういう問題のときでありますから、今後は運輸省なり通産省なり関係の筋に、大きな問題については具体的な連絡をしていただくと了解してよろしゅうございますか。
  69. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 従来は、警察は用の構造上問題があるということについては認識をしておらなかったわけでございます。そこで今回初めてそういう認識ができたわけでありますが、運輸省と相談いたしまして、車の構造上の欠陥に基づいて事故が起こったということが明らかになった場合には、各県から陸運事務所のほうに通報するように今週中に連絡したいと思います。
  70. 加瀬完

    ○加瀬完君 構造上の問題ではなくて整備上の問題でも、これは運輸行政の上から整備のずさんなことから欠陥が起こるという場合もありますから、はなはだしく整備上のずさんな点が認められた場合も御連絡をいただきたいと思いますが、この点はいかがですか。
  71. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 車の構造上の欠陥に基ついての通報は私は決心いたしましたが、整備上の問題についてはその必要度に応じて運輸省と相談してみたいと思います。
  72. 加瀬完

    ○加瀬完君 運輸省に伺いますが、この欠陥車の問題については、通産省との間にいままでどのような行政連絡をおとりになりましたか。
  73. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) 本件がいろいろ報道されまして、その対策が必要であるという点につきましては、大臣から大臣に直接御連絡がありました。われわれ事務当局といたしましては、この対策等につきましては、あるいはメーカーのほう等に出しました通達につきましては、われわれといたしましては今後こういう考え方でもって対処したいということを通知をいたしております。
  74. 加瀬完

    ○加瀬完君 将来さらに通産省と運輸省の間では、特に行政上の連絡を密にして、この欠陥車等の問題の根本的な解決をはかるというように御努力をいただけるものと了解してよろしゅうございますか。
  75. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) 自動車の問題につきましては、運輸省、通産省、それから警察庁、あるいはその他の各省にまたがっているわけでございますが、事保安に関しましては、特に通産省、警察庁と連絡を一そう密にいたしまして遺漏なきを期していきたいと思います。
  76. 加瀬完

    ○加瀬完君 大臣に伺いますが、この欠陥車、とりわけ人身に事故を生ずるような危険な車の責任について伺いますが、危険な車を野放しにしたのはだれかという、ある週刊誌はメーカー側の責任を追及する特集を出しておりましたが、大臣は欠陥車の最大の責任者をやはり自動車メーカーだとお認めになりますか。
  77. 原田憲

    国務大臣原田憲君) 私はあまり言いわけみたいなことを答弁したくないのですけれども欠陥車というのは森中さんにも申したのですけれども、私は、人間のからだで言うと虫歯みたいなものだ、それはすぐに命があぶないということはないから、虫歯を持っておる人は医者へ行く人もあれば、そのまま毎日過ごしておる人もある、だから人間の命というものが大事であるということを考えると、この人たちは必ずやはり医者へ行ってこの虫歯というものに対する処置をする必要がある、こういうことが今度の欠陥車の問題の考えの基本にあるわけであります。だから、虫歯ができてきた原因はどこにあるかということを言われますと、非常にむずかしい問題である。いかぬのに甘いものばかり食べておると虫歯になる、そういうときに医者へ行けばそれはすぐに処置できるのに、放置しておると命をとられるということになる、そういう問題でありまして、何がその欠陥の一番原因になっておるかということについて、加瀬さんはつくっておるのはメーカーであるからそれが責任であるかと、こういうことをお尋ねであろうと思いますが、私はいまのメーカーがそういう欠陥車を初めからつくろうという意思はないというふうに認識しておるのであります。と申しますのは、自動車というものはこれは最高の技術の結集であるところの製品でありますから、これが不安全なものであり、危険なものであり、すぐに命があぶないというようなものだったら、売れるはずもないし、ましてや今日の日本の自動車が、世界一であるといわれているアメリカへ行って堂々と売れておるのでありますから、初めから欠陥車をつくろうというようなことは考えておらない。だからもとは、欠陥車の責任はどこにあるかと言われると、非常に答弁のしにくい問題である。そういうことが起こらないようにするということが肝心であって、そのことについてアメリカでは公表制度という制度をとっている、日本のような車検制度をとっておらない、まず公表制度というものをとっておる。日本では車検制度ということによって欠陥車を発見して、事故につながらないようにしようというやり方をしておった。だから、欠陥車ができてきた、その原因というものはどこにあるかと言われると非常にむずかしい問題でありますが、私どもは行政を法律の上で預かっておるという点からいきますと、先ほど局長が言いましたように、法律にのっとってある一つの保安基準というものをきめた。これはこれで心配ないという一応の制度をつくっておった。それにのっとって自動車をつくったということになりますから、その時点ではそれはそこでよかったけれども、人間のからだに虫歯ができてくるように、機械でありますから使っておる間にある一つのところに欠点が生じてくるということは、こういうことがあるからそれを起こらないようにしようという努力を続けるのであって、その起こってきた原因がどこにあるかということを言われると、私も正直に言いましてメーカーにあるのだとか、あるいは役所にあるのだとか、断定できるものを私は実際持ち合わせておりません。ただ日本の国で、私の常識的に言えることは、やや、物をつくり出すというときにそれを保護する傾向が強いから――たとえばヨーロッパなんか歩いてみて、あるいはアメリカを歩いてみても、人間がまず先に立っています。歩行者優先。ところが日本の国では、歩行者がおろうが機械優先。ダンプの取り締まり法をこしらえたり、いろいろなことをやって人間の生命を守ろうとしておりますが、その傾向なきにしもあらず。そういうことは私は行政上注意をしていかなければならぬし、これをこしらえておるメーカーの人たちにも十分考えてもらわなければならぬというふうには考えておりまして、そのための施策というものは必要であろうと思っていますが、今度の欠陥車の責任がずばりメーカーかとお問いになられますと、そうだとは正直言って言いかねる部分があるということを申し上げます。
  78. 加瀬完

    ○加瀬完君 どうもそういう点が運輸省責任の自覚が足りないと思うんです。その時点ではよかったとおっしゃるのは型式指定なんかのときには問題はなかったということでありましょうが、結局ある会社の製品は、「運転者まるで試験台」発売急ぎ欠陥車、二十八万台を回収という大きな見出しで書かれたって文句のつけようのないものを売り出しているわけですね。しかもこれは、その時点ではあなた方がよかったと認めたものです。そこで、その時点ではよかったと認めるその認め方がはたして妥当であったかどうか、結局検査機関というものがもっと人員も、設備もよくして十二分に材質でもあるいはある程度の耐久力でも、いまよりも検査を厳密にして合格、不合格をきめるべきじゃないかという議論が起こっているわけです。そうすると逆に言うならば、いままでのその時点ではよかったというくらいの判定で合格をさせてもらっては困る、その困り方が虫歯ができましたら医者に行きましょうか、うちで薬をつけましょうかという問題ではない。あなた方は欠陥車を虫歯扱いにしている。中にはガンもある、同じ病気でも虫歯とガンの扱い方は当然違いますよ、常識からいっても。それをわれわれが見て、健康診断の結果合格したのだから、大体出たといったって虫歯程度だという考え方で欠陥車というものを扱ってよろしいか、ガンを見そこなっている。少なくとも構造上の、材質上の欠陥なんというものが初めからあって欠陥車になったもの、これはガンでしょう。それも、私どもが見たときには虫歯でございましたでは済まされない問題がある。  そこで、これは大臣に、いまおっしゃる大臣のほんとうのお考えは人を大事にしたいというお考えですか、人を大事にしたいというお考えであるならば、虫歯でなくてガンもあるんだから、これは検査を厳密にしなきゃならないというお考えに立ち返っていただかなければならない。なぜこういうように結局その時点ではよかったと済ましておるかということになりますと、やっぱり業者にちょっとかまけて、行政の監督官庁というものが力が弱いということにはならないでしょうか。  そこでそれぞれの構造は、激烈な過当競争にも問題がある、あるいは安全を犠牲に乱売合戦が行なわれておる、それが欠陥車の原因だというような指摘もあるわけです。そこで激烈な過当競争が問題だという指摘については、これは局長でけっこうです、どういう御所見をお持ちですか。欠陥車が非常に出るのは激烈な過当競争が問題ではないか、こういう指摘が一部に行なわれておりますけれども、この点はどうお考えになりますか。
  79. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) メーカーの業態に関する直接の監督行政は通産省の所管でございます。しかし、われわれといたしましても、メーカーが自社の製品を販売してユーザーに使ってもらうためには安全でなくてはいけないわけでございまして、メーカーがユーザーを試験台にするというふうな心がけではやってないというふうに思います。しかしながら、現にこの種の問題がありますから、メーカー側におきましても十分反省自戒していただきまして、ユーザーが安心して乗れる車を出していただきたいというふうに考えます。
  80. 加瀬完

    ○加瀬完君 この安全犠牲の乱売合戦という点を指摘されておりますが、通産省、この点はどうお考えになりますか。  そこで、あわせて伺いたいのは、各社の自動車メーカーの広告費、宣伝費、一台の価格にどのくらいのパーセントを占めておりますか、これもひとつお答え願いたい。
  81. 山下英明

    説明員(山下英明君) 私どもの官庁は、自動車産業の生産、流通、販売等あずかりまして、御承知のように、日本の自動車産業の育成と輸出振興につとめてまいったわけでございますが、そのためにときおり誤解される向きもございますが、終始、乗りものでありますから自動車の安全については人一倍注意を払ってきたつもりでございます。  前にもこの委員会で御説明しましたように、そのための私ども措置としては、通産省みずから自動車安全公害研究センターを設置し、また業界の自動車研究所その他を奨励し、再三にわたって安全問題について勧告してきたわけでございます。競争によって安全が犠牲にされたかという御質問でございますが、古くから自動車業界は自分の製品を自分のマークをつけて売りますが、その際にその車が安全であるということをモットーにする、またかりに事故を起こしたり安全でなかった場合には、非常に販売に影響するという事態でございますので、競争そのものの中で安全には一段と注意を払うという慣習にあるわけでございます。しかしながら、ややもすればその安全を大事にする反面、事故が起きた場合にはそれを世間にわからないように処置したいという気持ちも動きがちであります。今回の欠陥車については、一部そういう弊害が出てきたこともおおい尽くせないものがございます。そこで、先刻来御説明しましたように、通産省としましても今回を契機として一段とそういう事故の、あるいは欠陥の処置については正々堂々とやるようにという趣旨で対策を講じた次第でございます。  次の点の、広告費につきましてはただいま資料を手元にございませんので正確な数字を申し上げられませんが、売り上げの一、二%という通常の比率からはずれていないと存じます。いずれ正確に資料をお見せしたいと思います。
  82. 加瀬完

    ○加瀬完君 あとのほうは正確な資料をお出しをいただきます。  そこで、あなたはそうおっしゃいますので、重ねて伺いますが、業者の責任、自動車メーカーの責任ということについてこれから通産省に二、三点伺ってまいりたいと思います。  読売が、「走れ完全車」という特集をいたしましたね。その中ではなやかな販売合戦の陰に何かが忘れられているという、晴海のモーターショーの写真に説明をつけておりました。あなたのほうはこの説明をどう受け取りましたか。
  83. 山下英明

    説明員(山下英明君) たいへん恐縮でございますが、その説明を見せていただいてよろしゅうございますか。――いまおっしゃるのは、そのはなやかな、それだけのあれでございますか、それ以上……。
  84. 加瀬完

    ○加瀬完君 ええ、それだけ。
  85. 山下英明

    説明員(山下英明君) それではわかりましたのでお答えいたしますが、その見本市、これは自動車のような大衆製品の場合には、近年、世界的な慣行になっております。私ども直接見本市を許認可等によって監督しておるわけじゃございませんが、流通販売のしかたとしては弊害のないようにということで、しばしば、業界に打ち合わせ、監督等してまいった次第でございます。一時は、その宣伝効果、特に若い人たちの関心を呼ぶためにスピードあるいは色、新しいデザイン等に重点を置いた宣伝になりがちでございましたが、昨今は、性能書き、これにそういうスピードその他を明示することは差しつかえないけれども、それを越えて一部の点を誇張しないようにということで、徐々に浸透してきたと存じております。  なお、先回御質問に答えましたように、森中先生だったと思いますが、私どもとしては、さらにそういう展示の場合に安全性をも強調するようにということを今後指導してまいりたいと存じております。
  86. 加瀬完

    ○加瀬完君 運輸省が、報告、公表を怠れば販売停止もという御発表をなさっておりますが、具体的に、もしも報告なり公表なりというものを怠れば販売停止をするというお考えか、それが一点。  それから本気でそれを考えるなら、いままでそれをやらなかったのはどういうわけか。状況は、ただ新聞などによって、報道機関によって国民欠陥車がたくさんあるということを知らされたのと知らされなかったのとの違いだけで、運輸省が事実関係を知っておったことはいまも前も同じ。これから報告、公表を怠れば販売停止をすると言うなら、いままでなぜやれなかったか。欠陥車についての取り締まりというものをなぜやれなかったか。この二点ひとつお答え願いたい。
  87. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) 型式指定規則に違反しているかどうかといいますのは、型式指定規則によりまして、型式指定を受けた車につきましてその内容を――規則に規定いたしております内容につきましてこれを変更しようとするときには、その規則の十一条によりまして、運輸大臣に届け出をして、その内容を変えます場合には承認を求めねばならないことになっております。で、その規定に違反するような場合におきましては型式指定を取り消す。型式指定を取り消されますと、一両一両検査を受けるわけでございます。いまの公表の制度は、直接この型式指定に触れないけれども、放置すれば危険性につながるということにつきましては御説明を申し上げたとおりでございます。で、それらの車につきまして処理をした場合におきましては、今後は運輸省に届け出をしなさいということを通達いたしたわけでございまして、これは行政指導といたしましてさような点を指示したわけでございます。したがいまして、今後におきましては、メーカーサイドにおきましてはそれを厳格に守ってくれるものと期待しておりますし、またわれわれといたしましても、本件の問題につきましては、監査その他におきましても十分監視をしていきたいと、さように考えております。
  88. 加瀬完

    ○加瀬完君 その答えははなはだ不満足ですがね。次の質問内容的にまた重ねてまいりたいと思います。  運輸省は先般総合対策というものを発表いたしましたね。それによりますと、メーカーに対しましては、原材料の品質をよくする、新型車は耐久テストの後に販売をさせる、欠陥車を発見の場合は届け出と公表の義務を負わせる、定期交換の保安部品は交換時期を明示させる、整備販売業者については届け出、連絡、修理をした点の記録、安全性について家庭医の役割り、こういう義務を負わしていますね。それから運輸行政については、型式指定規則の改正をする、二、三万キロ以上の耐久試験をした車について審査をする自動車審査センター、交通安全公害研究所というものを設置する、専門調査官の設置、点検基準の改定、自動車登録の実施――自動車登録の実施は今度の法改正の中にも入るわけでございますが、こういう点が大体重点になっておると解してよろしゅうございますか。
  89. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) さようでございます。
  90. 加瀬完

    ○加瀬完君 以上の点で問題は解決できるとお考えですか。
  91. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) 現状におきましては、われわれといたしましては以上の点を総合的に実施をいたします。同時にまた、メーカーのほうの関係の部品工場、下請工場等の関係等につきましては、通産省のほうでもその対策をいろいろお考えになりましてきめられたようでございます。したがいまして、各省の対策を総合的に実施していけば、今後はこの欠陥車問題に対しましては適切に対処できるのじゃないか。しかしながらわれわれといたしましては、さらにこれは日常の仕事でございますから、一段と努力をいたしまして遺憾のないように期していきたいと思っております。
  92. 加瀬完

    ○加瀬完君 これは運輸省、通産省いずれからお答えをいただいてもけっこうです、かね。原材料の品質が低い現状の原因は何であると御認定ですか。
  93. 山下英明

    説明員(山下英明君) 自動車の材料、部品の品質向上はかねてより、また現在も大切なポイントでございます。その原因は幾つか私はあると思いますが、日本の金属材料の技術水準、また自動車産業全体の構造的な問題、その他多々原因があると思います。
  94. 加瀬完

    ○加瀬完君 それはお答えになりませんよ。私が伺ったのは、総合対策というものを運輸省が発表した中に、メーカーに対しては原材料の品質をよくするということを第一条にうたっている、それならばいま原材料の品質が低いのはどういう原因によるのかと、こう聞いているわけです。なぜ低いかというのがわからなければ品質を向上させるという方策も立たない。品質をよくするというのはこれは常識の話だ。品質がよくないのは何だということが分析できなくて品質をよくすることができるか。そこで、品質をよくするということは、これは工場の過程の問題、あなたのほうの担当だ。いま品質を低くしている現状は一体何によるのかということを端的にお答えください。
  95. 山下英明

    説明員(山下英明君) 多少一般論で恐縮でございますが、私どもは従来とも自動車メーカー、つまり組み立てメーカーでございますが、それの品質管理、自社検査、これをやかましく言ってまいりました。また、部品その他はそこから下請に出る場合がたいへん多うございます。日本の場合は、特に外国に比べて下請比率が高うございます。そこで、その下請メーカーと品質について十分打ち合わせる、かつそれを指導すること、これを常にやかましく言ってまいりました。しかし、最終的には日本の材料及び部品の一般的な技術水準を上げざるを得ないということで、外国企業、これも世界的な企業が十指ございますが、そういうところの技術導入、あるいはそういう企業に負けない技術の開発、この点を強く指導してきたわけでございます。
  96. 加瀬完

    ○加瀬完君 あとで伺いますが、材質そのものをよくするとか、技術を向上させるということは、いますぐの問題にはならない。しかし、いますぐの問題として、品質を低下させている大きな問題は、結局下請の工賃を値切ること、下請をいためてコストを下げるというメーカーのやり方が品質を低下させている一番の問題でしょう。しかし通産省は、下請の保護なり下請でつくる部品の厳格な品質の維持なりというものについては、具体的な行政は何にも行なわれておりませんよ。これはあとで触れます。  そこで第二に、届け出や公表の義務を現状の過当競争の中で確実に業者が、自動車メーカーが守ると運輸省はお考えになっていらっしゃいますか。届け出をしなさい、公表の義務がありますと言ったところで、この過当競争で、いまはやる、しかしのど元過ぎれば、これは売り込み競争と届け出の義務というものを並べたときに、売り込み競争で負けても公表の義務は守りますという状態に、それほどモラルが高いと御認定になりますか、いまの業者が。
  97. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) 先般、御指摘の点につきまして通達をいたしました。それに対しまして、メーカーの集まりであります自動車工業会、それから輸入自動車組合から回答がまいりまして、指摘の点については十分これを守っていくということを、書類もまいっております。今回の措置を行ないましたについては、この際、将来改善をするために、これを契機として善処するということは文書あるいは会長等がはっきり公約いたしておりますので、われわれのほうといたしましては、それを十分監視をしていきたいと思っておりますけれども、守ってくれるものと期待いたしております。
  98. 加瀬完

    ○加瀬完君 期待だけで行政は進みませんよね。初めから車をつくるメーカーは完全な車をつくってくれるものと期待をするのは当然でしょう。また利用者にすれば、完全な車が売り出されたものだという期待感でこれは購入するわけですよ。しかし現実はいまのような問題が起こっておる。だから、公表義務というものを与えるなら、公表義務を怠った場合は、むしろそのメーカーそのものの利益がそこなわれるという、やはり何か裏打ちをするものがなければこれはざる法ですよね。その次の問題だって同じことが言えると思います。修理記録を書かせるという。これはあとで触れますけれども、なるべく修理をしないで、説得してユーザーを帰せ、修理をすれば、その修理費の二五%なり三五%なりを減じて支払うというやり方をしているから、修理をしないで修理をしたかっこうをとらざるを得ない、こう業者は言っているわけです。したがって、修理記録を書かせても、修理をしたということを書きますよ、しかし、実際の車は修理をしていないという点が全然払拭されるという保証はどこにもないわけです。あまりに現状を知らな過ぎる対策だと言わざるを得ない。  申し上げましょうか。整備工場の問題になりますが、欠陥車問題はわれわれの間じゃこと新しい話ではない、こういう整備工場関係の者の発言が新聞に載っています。メーカーと直系ディーラーは、構造とアフターサービスの両方に大きな欠陥をかかえている、メーカーとディーラーが一番しつこく要求するのは、ユーザーのクレームはそのまま受け付けないでなるべく説得してくれということだ、したがって、技術者の良心に従って欠陥部品を交換、修理をするとしても、二五%程度を工賃を引き去られ、払ってくれない。指定協力工場というのは欠陥車の五〇%近くを扱わせてくれますけれども、したがって、指定協力工場にならないと仕事がありませんから、指定工場にしてもらう、協力工場にしてもらう。しかし、いま言ったように二五%なり三五%なりという工賃をこれは初めから引き去られるのだ。一万円かかったものを七千円しか向こうで払ってくれない。したがって、手抜き整備をせざるを得ない現状というものは、われわれの間では常識だ。こういう事実に、修理記録をつくってくれと言っても、これは修理記録がほんとうの修理記録になりますか。修理工場の現状がこういう状態だ。特に協力工場あるいは指定工場というものが、こうして結局大きなメーカーあるいはディーラーから七掛け八掛けということで修理費をぶった切られている。だからほんとうの修理ができない。こう関係業者が言っているのです。この実情を一体運輸省は把握なすっておって、そうしてまあとにかく修理記録を書きなさいよ、こういうことをおきめになるのですか、行政指導をなさるのですか。この実態をどうお考えになりますか。
  99. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) 整備事業者が自動車の定期点検整備あるいは分解整備をいたします場合におきましては、その旨を記録簿に記入する義務があります。で、それらの点の実施状態につきましては、従来から団体を指導いたしまして、間違いないようにいたしておりますけれども、いま御指摘のような点につきましては、われわれといたしましては整備事業者に対する監査等の場合、あるいは車両検査におきましてこういうものの提示をさせることになっておりますので、そういう場合におきまして、監視というようなことによりまして十分見ていく必要がある。整備事業者の整備の状況、やり方等につきましては、従来からいろいろ御批判がございました。たとえば料金の問題、あるいは手抜きしているのではないかというふうなことがあります。いま全国に五万軒の分解整備業者がございます。その中で約二千軒は指定整備ということで車両検査にかわるような仕事をさせておりますので、それにつきましては国と同じような関係でその検査員等は公務員と同じような法律的な規定もございます。これは十分監督をする必要がございますし、その五万軒につきましても保安という仕事を担当しているわけでございますから、非常にたくさんの中小企業ではございますけれども、その企業をなるべく協業化その他によりまして育成すると同時に、役所の立場におきましては監査の場合等におきまして厳重に監視していくというふうな体制をさらに今後強化をしていく必要があるというふうに思っております。
  100. 加瀬完

    ○加瀬完君 厳重に監視する一つの方法として修理記録を見るわけでしょう。修理記録を見たって、修理そのものがうそっぱちにやらなければ採算が合わないという現状では、修理記録をどんなに点検したってどうにもならない。しかもあなた方のほうでは、今度の車両法の改正で車検なんかももっと民間に委嘱するでしょう。現在五万幾らある、それがあなたのおっしゃるように期待できれば、欠陥車、少なくとも整備不良などという欠陥の問題というものはもう二分の一、三分の一に防げるわけです。ところが現状は、欠陥車の大きな問題である整備の不備というものは、メーカーなり、ディーラーなりが十分な修理の費用というものを弁償しないところに問題があると、その関係者は言っているわけです。それが修理記録をどんなに書かしたって解決できる問題じゃない。それから車検は厳重に国の機関なり、あるいは都道府県に委嘱した機関で検査をするというならまだしも、もっと民間の検査というものを幅広くふやすわけです。そうしたら欠陥車は、欠陥車をつくったものが今度は自分で認定できるような権能を持たせられるわけでしょう。これは欠陥車の整備不良をチェックすることにはならないでしょう。そういう総合対策を幾らつくったって、欠陥車の総合対策としては、私は不備ではないかと、抜本対策にはならないと思うんです。  もう少しつけ足しますと、二、三万キロ走ったものを検査するというのです。検査する車だけを、ちょうど競争に出すように完全なものにして二、三万キロ走らしたって、その車とあと検査しなかった同様の車が、型式指定の場合同様の能力なり、完全度を持っているとは言われない、抜き取り検査ではないわけですから。そうでしょう。特定車だけを十分に準備をすればテストにはパスをするという結果にもなりかねませんわね。また、いまのメーカーはそのくらいのことをやりかねませんわね。だから、こういう対策では抜本的な対策にはならないと思うんです。  もう一度申し上げましょうか。指定協力工場は欠陥車の五〇%近くを扱っておりますが、少なくも二〇%、三五%労賃を引き下げられる。したがって、手抜き整備をしないわけにはいかないと業者は言っているんです。何ならこうおっしゃっている業者、出てきて証言してもらってもいいですよ。こういう実態でありますので、今度はその業者にうんと権力を付与して民間業者限りで検査させるわけでしょう。今度の改正法ではますます欠陥車がはんらんするというもとをつくることにもなりかねないじゃないですか。だから、抜本対策というなら、整備工場がいい整備をすればもうかるという、こういう対策を一体どうして法的にもあるいは規則のほうでも運輸省はお考えにならないのか、それがなければ対策にはならない。通産省は通産省で下請にうんと流して、流すだけ流してあとは知らぬ顔、技術を導入すれば品質がよくなるでしょうなんてあさってみたいな話です。どっちを向いているのですか、一体。大臣は、人間の生命が大事だから、これを第一にすると言うが、人間の生命第一というやり方じゃないでしょう。通産省にしても運輸省にしても。納得いきませんよ、こういう総合対策は。もう一回御説明いただきたい、いまの問題を。
  101. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) まずメーカー側の点でございますけれども、型式指定をやります場合に、それの審査をさらに今後は厳重にするということにつきましては、先ほど申し上げたとおりでございます。それからメーカーが車を工場から出します場合には、メーカーとしては完成検査を一両一両の車についてやっているわけでございまして、その完成検査の体制につきまして、それの機械設備、それから人の問題等が重要な点でございまして、そこで一両一両の車をチェックするわけでございます。したがいまして、それらの点に対する体制というものが十分であるかどうかということを、今後監査におきましても重点的に監視をいたしたいと思います。  それから整備事業者でございますけれども、整備事業者の中には、メーカー、ディーラーの系列ではなくして、独自のものもございます。御指摘のものはディーラー、メーカーの系列の会社でございまして、これに対しましては、特に指定工場というものは国にかわる重要な仕事をやるわけでございますので、それに対する指定基準というものは従来規定をいたしております。整備工場は現在分解整備事業者が五万軒ございますけれども、その中で設備等優秀なものは認定工場という制度を持っております。認定工場の中で、これは一定の要件をそろえたものが指定整備工場ということになるわけでございますので、五万軒の中の二千軒でございます。将来指定整備工場はふえてまいるわけでございますけれども、これの指定につきましては従前の指定の基準の運用につきまして、十分間違いないようにいたしたい。  それからメーカーに対する監督監査でございますが、従来一メーカーに対しまして三年に一度の監査をいたしておりました。今度は少なくとも毎年監査をするように体制を整えていきたいと思っております。  それから整備の、指定整備等に対する立ち入り検査でございますが、四十二年度におきましては年に一・二回、四十三年度におきましては一・五回という監査をやっておりますが、いま御指摘の点等はやはり監査を厳重にやる、その場合におきまして、整備工場は、整備をしたものと車検との場合のチェックというものを十分関連してやる。すなわち、ある整備工場では、整備をしているのにもかかわらず役所で受けます車両検査のときにパスしないことが多いものがございます。それらは明らかに整備という作業が不十分でございます。それからなお、自社で検査をいたします指定整備の場合におきましては、自社の整備と他の会社で行なわれます検査というものの関連について具体的なものを今後チェックしていく。監査のときのやり方に対しまして、技術的なものでございますから、具体的なものをトレースして監査していく。そういう方法等につきましても技術面の検討をさっそくしているわけでございまして、われわれといたしましては、必要な規則を発すると同時に、それの実行につきましては、監査の場合におきまして重点的に行なっていく、そしてまたその監査の頻度を従来よりもふやしていくというような方法でもって対処をしていきたいと思います。
  102. 加瀬完

    ○加瀬完君 それは一番いい条件のものを例に出してこういうふうにやりますと言ったって、それは欠陥車のとき、欠陥車でない車を出して、欠陥車はありますけれども、ここにいい車がありますということでは、欠陥車の説明にならないと同じことです。実情は私どもよりあなた方は御存じでしょう。ディーラーから車を買うでしょう。そうすると、半年なり一年なりは大きな損傷でない限りは無料で直すというようなアフターサービスがつくでしょう。そうすれば、金を払う整備工場と金を払わなくてもいい整備工場とどっちに持っていきますか。金を払わなくていいところの指定工場なり協力工場というところに持っていくでしょう。あなたのおっしゃる認定工場に持っていくでしょう。そうすると、そこではメーカーなりディーラーなりは、なるべく利用者には説得をして直させないようにして返しなさいという第一条件がくるわけだな。しかしながら、非常な故障やこわれたものは直さなければならないものですから直します。それが七割か八割しか払えないということになるわけですね。しかたがありませんから、やはり七割か八割でもうかるような程度に直して、整備不足のまま町に車をほうり出すという形をとらざるを得ないと言っているのです。これでは欠陥車がいつまでたってもなくならないのです。ですから、対策ということになれば、整備工場というものが確実に整備をするということの保証ですね、整備工場に対する保証対策というものを、行政指導でも、あるいは何か法令をつくってでも、はっきりお立てにならないと、この問題の解決はつかないですよ。無料で直してくれるところにみんな持っていきますよ。ところが、無料で十分サービスをすると言っておりながら、なるべく直させないで説得して返しなさい、直したものは、おまえのほうの責任で直したのだからとは言わないでしょうけれども、七割か七割五分しかかかった費用を払えないということでは、これは七割五分程度しか直せないということにならざるを得ないんだ。これでは欠陥車が幾らでも出るということの悪循環じゃないですか。今度の総合対策一つをとってみても、整備工場に対して完全な整備事業をさせるという保証はどこにもないと思いますが、いかがですかと伺っているのです。
  103. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) 先ほど申し上げましたように、整備優秀なる整備事業の国の一つの証明の制度といたしまして、優良整備事業の認定の制度がございます。さらにその中に、国にかわって検査もし得るという指定整備工場の制度があります。で、それらの工場は従来からも相当監視しておりますし、かりにまずい点があって認定あるいは指定を取り消されますというと、これは非常に商売上大きな悪影響がありますので、それらの工場はユーザーに対しまして十分なる注意をいたしまして信用を博していくというふうな体制に相なっているわけでございます。したがいまして、そういう体制のものをさらに監督し指導していきたい。  それから、メーカーとディーラー、整備工場の系列の関係につきまして、これをどういうふうにすれば一番よろしいかというふうな問題につきましては、直接一つの制度を規定するということも問題でございますけれども、そのあり方につきましては、いろいろ御意見もありますので、通産省とも十分連絡いたしまして、今後対策として――対策といいますか、あるべき姿というものを検討して指導するようにしたらどうかというふうに考えます。
  104. 加瀬完

    ○加瀬完君 それでは、同じことを蒸し返しておっても恐縮ですから、私が指摘したような事実は現状においてはあるだろうということは御認定になりますか。整備工場において、私が先ほど申し上げたような点があるだろうということは御認定になりますか。
  105. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) 一部の関係の人から直接書面等によりまして御指摘もございました。で、われわれといたしましても、それが皆無だろうということを申し上げるわけにもいきませんので、それらのものにつきましては、その実情につきまして詳細に今後見ていきたい、検討をいたしたいと、かように存じます。
  106. 加瀬完

    ○加瀬完君 そういうことだからだめだ、もう一回繰り返さざるを得ない。そんなことは自明の理だ。それをいまさら調査をしなければ、検討しなければ事実がわからないというようなことは、私は怠慢以外の何ものでもないと指摘せざるを得ませんよ。そういうものを野放しにしておくから、欠陥車の製造元を野放しにしておくようなもんで、欠陥車は幾らでも出ることになる。これは将来十二分に対策をお立ていただくと考えてよろしゅうございますね。
  107. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) ことばが不足いたしまして申しわけございませんが、そういうふうな問題につきましても、具体的な申し出等がございますので、そういう具体的な申し出につきましてはさらによく調べるということでございます。  それから将来の対策といたしましては、もう御指摘のように、これは当然事故の問題、保安の問題に触れることでございますから、積極的に取り組んでいきたいと思います。
  108. 加瀬完

    ○加瀬完君 その総合対策の具体的な問題として、この次にいまの問題、どういう対策をお立てになるかを聞かせていただきます。そのときにあらためて質問することにします。  そこで、安全度の保証について車両検査というものを一応しておるわけですね。いままでの車両検査が安全度の保証に十二分に役立っておったとお考えになりますか。
  109. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) 車両検査の制度はいわゆる定期検診、定期検査の制度でございまして、乗用車ですと二年に一度、それからその他のトラック、営業用車につきましては一年に一度の検査をいたしております。で、その検査を受けます場合におきましては、完全に保安基準に適合するものでなくてはなりません。したがいまして、その時点においては完全に安全なものということで検査証を渡すわけであります。しかしながら、自動車は機械でございますから、使い方によりまして、また運転のしかたによりまして、整備の問題等の原因で悪くなることも予想されるわけでございますので、運輸省といたしましては、検査において確認すると同時に、その中間におきまして、自動車のユーザが定期的に点検整備するということが必要であると考えまして、定期的に点検いたします場合の内容の問題等を規則でもって出しているわけでございます。  で、さらに高速の道路を走ります場合においては、通常の点検以上の特別の点検が必要でございます。たとえばタイヤの面でありますとか、油の面でありますとかというふうなものがございます。ブレーキもそうでございますが、それらの点につきましては、高速走行点検要領というものを出しております。で、われわれの年に一度、二年に一度の検査でもって完全に常に保安が確保されるとは考えられないわけでございまして、ふだんにおきますところの点検整備を完全にやってもらうということによりまして自動車の保安が確保できる、そうしてまた次に運転というものに対しても十分な注意を要する、かように考えております。
  110. 加瀬完

    ○加瀬完君 この際とばかり、個人的な注文や不平というものを取り上げるということはどうかと思いますので、私はいろいろ関係者に意見を聞きましたが、それは省きます。  そこで、新聞の投書欄に問題を提起した方の問題点だけをここで一、二加えてみたいと思います。東京都の清水博さんという方が、「新車にも“車検”が必要」、『「整備ミス」「当りはずれ」なくせ』、こういう投書をしております。内容は、クラッチのバイブレーションと、回転軸のジョイントの遊び音があるので、これはこれでよろしいのか、それから、ハンドルを一ぱいに切ると何かに融れて音がする、新車でこういうのはおかしいじゃないかと持っていきましたら、それは国産車全体の欠陥だからしかたがありません、ということであきらめさせられた。それで、整備ミスはあるんだと、整備に当たりはずれが当然あるんだ、だから、それを一々こっちへ持ってこられても困ると言われたけれども、もっとディーラーにきびしく監督官庁は臨んでくれなきゃ困るじゃないか、こういう御意見でございます。新車そのものがあらためて検査をするなら車検に受からないというようなものがないわけでもないということをこれは含んでおりますね。それから整備をしてもうまく整備されない、ミスが出ている。しかし、当たりはずれはしかたがないということでうっちゃりばなしにさせる。買わせるだけ買わせればあとのアフターサービスは、それはわれわれの必ずしも責任でないという扱い方をされておる。こういうディーラーを取り締まらなければ、不完全車というのは直らないじゃないか、あとを断たないじゃないか、こうこの方は言っておりますけれども、行政的に見て、こういう欠陥が現状の車検制度ではあるとはお考えになりませんか。
  111. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) 車検の制度につきまして、諸外国の例等を見ますというと、アメリカにおきましても、州によりまして車検の制度がない州もございます。ヨーロッパを見ますと、国がやっております国もございますが、協会とかあるいは整備事業者がやっている。そしてまた、ある車につきましては、車検のそれらの制度がない国もございまして、総括的に申し上げますというと、わが国の車検の制度、それから保安基準の内容等につきましては、諸外国と比べて遜色はないというふうに考えます。しかしながら、いま御指摘の点でございますが、メーカーのほうで型式指定を受けました車を工場から外へ出して販売する場合におきましては、いわゆる完成検査というものをやっておりまして、完成検査内容は役所がやります、車検場におきます検査内容とおおむね同様でございまして、これに使っておりますところの検査設備につきましても、一定のレベルのものを強制いたしております。型式指定の場合に、その内容が規則どおりになっているかどうかということを見ておるわけでございまして、そこの工場を出るときに、それは十分チェックする義務があるというわけでございます。  それからもう一つ、御指摘の整備事業者等が整備にいろいろミス等があるのはあたりまえであるということでは、それは事業者としての義務を果たしてないわけでございまして、整備をやりまして、その車が車検を受けるという場合におきましては、保安基準に完全に合格をするものでなくては整備をしたと言えないわけでございますので、いま御指摘の点は、整備事業者として非常に好ましくないまずい点でございますから、いまのような点は十分監督をしていかなければならないと思います。
  112. 加瀬完

    ○加瀬完君 完成検査やっても、その完成検査の目的のとおりにはパスしておらないわけですね。完成検査そのものがずさんだという点がまた出てくるわけです。それほど欠陥車の原因というのはいろいろある。複雑怪奇と言っても言い過ぎじゃないというように感じられるわけです。そこで、日立市の安藤三男さんという人が、「いまの車検制度に疑問」ということで、この方は運輸会社の社員でありますから、経験者ですね、こういうことを言っている。車検が、認定工場の資格を持つ各ディーラーで完全な点検もせずに合格とされている。営利を目的としたディーラーが客となれ合いで不完全整備のまま合格させているという点がある。したがって、国の車検場をふやさなければこの問題は解決しない、こういうことを言っている。認定工場のお話が先ほど出ましたが、認定工場の資格を持つディーラーで、そのものの完全な点検もせずに合格させているということでは、不完全車をチェックするところがないでしょう。今度の総合対策でこういう問題は何も解決されておりませんね。こういう点どうですか。要は、もっと国の車検場というものをふやして、国の責任検査をしていく以外にこの点を除去する方法はないのだということを言っているようであります。しかし、今度はそうじゃないのですね、民間にもっと移すような法律ですから逆じゃないですかな。
  113. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) 自動車の車検の件数は年々ふえてまいっておりますので、役所の事務としての車検制度を拡充して充実する、これまた必要ではございますけれども、多量な事務量に即応して民間の能力も活用することによりまして、車検を受ける人がなるべく近いところで短時間に車検を受けられるというようなメリットはこの指定整備工場の制度にあるわけであります。しかしながら、そのために保安が低下するようなことがあっては絶対にいけないわけでございますので、指定整備工場に対する監督につきましては絶対に問題がないようにしていかなければならないというふうに思います。  しかしながら、全然従来問題がないかといいますと、そうではないわけでありまして、この制度ができます六年間の行政処分ですが、指定整備事業の取り消しが一件。それから保安基準適合証の交付を停止する、すなわち、保安基準適合証というものを整備工場が発行して、それを見て役所の車両検査証を渡すわけでありますが、その整備工場のやり方が悪いためにその交付の停止処分をする。それから指定整備工場の検査員であれば国の公務員と同じような責任を与えております。したがいまして、それらが不正をやるという場合には法律が適用されるわけでございまして、その検査員の解任二件。こういうふうになっておりまして、合計十六件の行政処分をいたしております。先ほど申し上げましたように、これらの工場に対する監査の頻度というものもこれから上げていかなければならない。制度としては確立しておりますけれども、それを監督し、実施いたしますためには、やはり人を要するわけでございますから、量質ともに優秀なる技術官を養成いたしまして、この方面の監査、監督にさらに充実して当たりたい、かように考えます。
  114. 加瀬完

    ○加瀬完君 保安確保を何で保証するかと言うのですよ。現状の認定工場あるいは指定工場というものに整備なり車検というものを取り扱わせておいて、どういうチェックの方法で保安確保というものをするか、その保証が何にもないじゃないか。いま取り消しと言いましたけれども、それならばその取り消し基準というものを、あるいは責任基準というものをさらに今度の総合対策で明確にする考えがあるかどうか。いままでの取り消されたというのはそれはよほどのことで、ほとんどの認定工場がなれ合いで整備しておって取り消しも何も受けておらない。それは現状を許しておくならば欠陥車は相変わらず出てくるのじゃないか。いまのようなままでは認定工場はつとまりませんよという、認定の新しい保証の方法を立てるかどうか、その点をお答えいただきたい。
  115. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) 先ほど申しましたように、この指定整備事業者が御指摘のようなことを起こすということは、もう問題にならぬわけでございまして、それらに関する監視というものは、監査でもってやるというのが一番早道であると思います。そのときのやり方といたしましては、具体的な車をトレースいたしまして、もう少しきめこまかい監査の方法を考える必要があるというふうに考えておりますので、それらのやり方につきましては、今後十分この改善をしていきたい、さように考えておる次第でございます。で、整備工場につきましては、やはり中小企業が大部分でございますから、事業基盤の確立ということにつきましても監督行政としてはつとめる必要があるということで、先年近代化促進法の対象業種にもなっておりますので、それらの工場のいわゆる近代化、合理化につきましては、従前にも増して援助もしていく必要があるということを痛感いたしております。
  116. 加瀬完

    ○加瀬完君 ですからね、メーカーなりディーラーなりの直系ひもつきの認定工場なり指定工場なりだけが大量に修理や整備をするといういまの制度そのものを黙認しておっては、この欠陥はなくなりませんね。もし、ひもつきの現状というのを認めるというなら、先ほどのことを繰り返すようでありますが、完全な整備をした場合は、それに見合う完全な報酬が支払われるという条件も整えなければ、この問題の解決にはなりませんよ。そこで、総合対策に示します整備販売業者についてのもう少し対策というものを明確にしていただかなければならないと思うんですが、いかがでしょうか。
  117. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) この総合対策につきましては、欠陥車整備不良という点は、御指摘の点があるかと思いますが、欠陥対策といたしまして直ちに整備事業者、販売事業者が処理すべき点をそこで指示しておるわけでございます。しかしながら、整備事業の仕事のやり方全体につきましての監督改善につきましては、先ほど来いろいろ申し上げておるわけでございますけれども、われわれといたしましても、さらに必要な監督の体制、仕事のやり方に対する適切な指導というふうなことを、今後一段と推進をしていくべきことを痛感いたしておりますので、努力いたしたいと思います。
  118. 加瀬完

    ○加瀬完君 それね、そうばらばらに、欠陥車の対策はどうだ、整備工場の対策はどうだということでなくて、まあ幸か不幸か欠陥車の問題というのがクローズアップされたわけでありますから、それの原因を尋ねていくと整備工場の整備の方法なり修理の方法なりというものに問題が出てきたわけですから、ここでその整備なり販売業者というものに対して、欠陥車をなくする責任なり義務というものをどう明らかにさせるかというものを対策として考えていただきたいと思うわけでございます。  それから、車検、検車の制度というものがやっぱり欠陥がありますね。今度の欠陥車をなくする一つ対策として、車検制度あるいは検車の方法というものについて、もっと具体的に対策を研究しようというお考えはございませんか。
  119. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) 従来いわゆるこの欠陥車というものの発見は、事故が起きました場合において、その調査によって発見をする、それからメーカーのほうで発見をする、ユーザーのクレームを受けまして調査をして発見をするというふに分かれております。しかしながら、例外的には、車両検査の場合におきまして欠陥車を発見をするのがございます。で、いまやっております車両検査というものは、その検査のときにおきまして十分この保安基準に適合しておるかどうかということを中心に見ておるわけでございまして、ブレーキであるとか、ハンドル面、それから走行装置、それらにつきましては機械によりまして検査をいたしております。さらに下回りにつきましては触診あるいは視覚――目で見るというようなことでもって検査をしておるわけでございまして、材質の良否に立ち至って検査をするという方法ではございません。で、材質につきましての向上をやりますためには、やはりメーカーサイドにおきますところの材質向上の方策によって、悪い材質の車をつくらないということのほうが、一番根本的に必要かと思うわけでございます。しかしながらわれわれとしましては、検査というものはいろいろな面をチェックする、より重要なチャンスでございますから、検査内容につきましては、また、そのやり方等につきましては、十分今後指導をしてまいりたいと考えております。
  120. 加瀬完

    ○加瀬完君 質問に的確に答えてくださいよ。  整備不良のための人身事故が、四十三年で三千百十三件あったと警察庁はおっしゃるのでしょう。材質とか構造上の欠陥によるいわゆる欠陥車の被害というのも多いわけでございますが、むしろ不良整備のための欠陥による事故というのも数多い。そうなってくれば、車両検査というものの制度なり方法なりというものを、もっと欠陥車をなくすという上で対策を立てるべきじゃないかと、こういうつもりで私は伺っておるわけです。たとえばですよ、小さいことで恐縮ですがね、いまは一年とか二年とか期限で検査をしていますね。しかし二年に一万キロしか走らない車もあれば、半年で七万キロも走る車もありますね。七万キロ走ったって車検受けておれば二年間もつわけです。しかし実際の車そのものの実態というものは一万キロ走ったのと七万キロ走ったのでは、同様に車検を受けさせるとすれば、同一条件ではありませんよね。走行キロというのは、いま車検では何も問題になっていない。だから、走行キロというものを、車検の内容として入れたほうが、欠陥車をなくす一つの問題の解決になるのではないかという意見もある。そういう具体的な問題をもっと研究してもらいたいということです。  時間がきたようでございますから、法務省の方、おいでいただいたようでありますけれども、まことに恐縮ですが、質問を後日に譲りたいと思いますから、お許しをいただきたいと思います。  そこで欠陥車の背景として官民のくされ縁があるということが、極端なことばですが一部に伝えられております。私も前に公社、公団、事業団あるいはいわゆるお役人の各関係会社等への転出を調べたことがございます。きょうもその資料を出してもらいたいとお願いをしましたら、通産省関係運輸省関係、きました。その他のほうは出ません。この次、これを伺いますから、これは、自動車メーカーに対する通産省運輸省だけでなく、その他から、何名いわゆる転出をしておるか、これを出していただきたい。私は資料を持っていますが、一番多いのは防衛庁です。防衛庁からはたくさんの者が、将官級が、防衛庁に購入するメーカーのところにみんな天下りだか横すべりだか知りませんが、行っていますね。これで監督ができないとは言いませんが、その他、陸運事務所の所長だとか、陸運局関係の旧お役人がメーカーではありませんが、自動車関係の会社、ここに出ているだけじゃありませんよ、転出しておりますのは……。それを今度出してください。この次にそれらの点について伺いたいと思います。  それから通産省に……。下請問題についてもっとはっきり答えられるように資料をお持ちいただきます。これは中小企業庁関係かも存じませんが、自動車メーカーが下請コストを切り下げているその実情、労賃が上がって工賃が下がっているその具体例をこれは通産省としておまとめをいただきます。それから下請の経営保証というものをどう立てているか、この対策があったら、これは参考人が参りましたときあわせて伺いますので、御用意をいただきます。  きょうは、以上で保留いたします。
  121. 谷口慶吉

    ○谷口慶吉君 資料だけお願い申し上げておきたいと思います。この前、型式の審査の人員が十名じゃ足りないということが大体わかりましたが、たとえばこの免許業務に従事する人たち、ハイヤーとかタクシーの免許の事案が一体どういうふうな状況にあるかということが知りたいのです。できますならば、個人タクシーが年間一体幾ら申請して、どれだけ審査が行なわれておるかというようなそういう資料。なおまた、トラックのほうでは限定とか区域とか路線とかございますから、それの免許申請事案が年間何件くらいあるものかどうか、またそれを審査される職員が自動車局で何名くらいで扱っておられるものかどうか、こういう内容を知りたく思いますから、資料をお願い申し上げます。  なおまた、先ほどから質問のやりとりの中で出てまいりますが、整備工場などの監査とか、あるいは指導とか、こういう方面にどれだけの人員が投入されてその任務に当たっておるのかどうか。それからこれはもうタクシー会社でも、あるいは運送会社でもそうでしょうが、運輸省としては、許認可の権限を持っておられるために、経営がどういうふうな状況であるかということについて、それぞれ調査をされておられるはずであります。それに要しておられる人員は一体何名でやっておられるものかどうか。それと、毎年毎年自動車がふえてまいるのですが、過去五年ぐらいでいいと思いますけれども、ふえた台数と、これに従事する車検あるいは登録の人間のふえ方がどういうふうにふえていっているのかどうか。いろいろとわれわれが運輸のことに携わっておりますと、やはり運輸省自動車局の職員の数が少ないために、いろんな面で苦情があるようなことをわれわれは察知せざるを得ません。  それともう一つ、これは大臣、一度御検討いただきたいと思いますが、私どもがうかがい知るところでは、何か閣議了承という名において三カ年間五%ずつ人を減らしていくんだと、これが一律にやられて運輸省はさぞ御迷惑だろうと私は思っております。で、これはいずれこの法律審議にあたって行政管理庁からも来てもらおうと思いますが、ひまであくびしておるところもあるかと思えば、抜き差しならなく追い詰められておる役所もあるのを一律に五%に減らしなさいということは、あなたが大臣でない前の決議事項のようでありますけれども、そういうことを了承すること自体が私はおかしいと思います。どういう事態の取りきめになっておるのか、それも資料としてひとつお示しをいただきたいと思います。  以上、お願い申し上げておきます。よろしゅうございますね。
  122. 黒住忠行

    政府委員(黒住忠行君) いま先生指摘資料をなるべく早く整えまして提出させていただきます。
  123. 岡本悟

    委員長岡本悟君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度といたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後四時四十六分散会      ―――――・―――――