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政府委員(
蓑輪健二郎君) この前の当
委員会で、
建設省の行ないました
一般国道二十八号線の改築に伴いまして
立体交差をするところを平面にいたしまして
淡路交通を
廃止することに対する
補償をいたしたわけでございますが、この
補償の
金額について、実際と非常に違うじゃないかということで、私
たちその後現地にも人を派遣いたしまして、
調査してまいったわけでございます。非常にこの中で
判断に苦しむような問題が相当ございます。御
報告申し上げます。
まず第一に、
施設の
撤去費でございます。
鉄道を
廃止しますに伴いますその
撤去費でございますけれども、これは、その
あとの
鉄道の
残存施設の売却の評価、こういうものと一緒になりますので、これについては
あとから申し述べます。
次の
代替輸送施設の
施設費でございますが、私のほうの
積算の
根拠といたしましては、この
鉄道を
廃止することによりまして約二十七台の
バスが必要だろうということで、この
積算二十七台といいますのは、やはりそこの
鉄道を
利用している者をずっと調べまして、何時に何台、何時に何台という形で
積算したのが二十七台でございまして、それの
バスの
購入費といたしまして、私ども三百八十万という
数字を
積算したわけでございます。これにつきましては、当時の
近畿地方建設局でも
三菱ふそうにも問い合わせまして、それからの価格によって三百八十万という
数字を出したのでございます。実際に、いま
会社のほうで調べますと、それを三百四十万で買われているように思います。さらにもっと安く買われているという話もございますが、どうもそこまで立ち入りの
調査ができませんので、一応三百四十万ということを私
たち積算の
基礎にしております。また、その
台数につきましては、いろいろ
会社の話を聞きますと、この
廃止の協定ができましたのが四十一年の十月でございます。四十年の三月三十日に、二十四台入れております。また四十一年の九月二十日に十台、四十二年の三月三十一日に八台、総計全部で四十二台を入れているという
会社の話でございます。この中で
三菱ふそうが約三十両ございます。そのほか
三菱ローザだとか、そのほかいすゞだとかという車がございます。これを四十年三月三十日、二十四台入れたものがどれだけいまの
鉄道の
廃止に
関係あるか、非常にこれは問題があろうかと思います。いろいろその当時二十四台を入れまして運行を始めました
路線も調べてみましたが、これが直接
関係するかどうか非常に
判断に苦しむような次第でございまして、
会社に言わせると、
廃止することになれば、それに伴ったやはり
代用線もいまのうちにつくっておかなければならないのだから、この二十四台が当然
廃止に伴うものだという主張をしておりますが、この全体四十二台のうち
三菱ふそうの七十八人
乗りを一応三十台と、
三菱ローザ、これは市内の
循環線に使ったようでございますが、二十四人
乗りの少ないものでございます、これが二台。
単価といたしまして二百二万二千円。これを合わせまして一億六百四万四千円ということになっておりますから、私のほうの
積算が一億二百六十万ということで、私のほうの
積算よりは向こうは
台数はふやしておる。そのかわり
単価は安く買っておるというようなのが
現状ではないかと思います。
次に、やはりこの
代替輸送施設の中の諸
施設の
設備費でございます。これは私のほうでは総額千五百九十九万六千円を見積もったのでございます。これが実施の状況を言いますと、私のほうは車庫といたしまして五百四平米、
単価は二万円で
計算いたしております。実際につくられました車庫につきましては、六百三十七平米をつくっておりますが、この中には二百五十七平米がテント張りで非常に安い金で、その総計をいたしましても、約五百九十万くらいにしかなっておりません。また待合室につきましては、私のほうは百二十平米と、平米
当たり単価一万三千三百円と
積算いたしました。これに対しまして、現在できておりますのが四十五平米、六十五万でございます。また整備工場につきましては、これは私のほうは二百十六平米、
単価が二万円と
計算いたしました。向こうはいままでにつくっておりません。これを合わせますと、現在までにできております諸
施設費が、六百五十五万七千五百四十円ということになっております。ただ、
会社は、このほか四十四年の三月に福良に整備工場をつくりたい、これが約五百九万円。それから四十四年、ことしの八月に湊に車庫をつくりたい、これが六百九万八千四百円。さらに待合所として市の待合所の増設分をこの八月につくりたい、これが二百十万円見込んでおりまして、
会社側の言い分から言いますと、さらに千三百二十八万くらいの
施設を、これからやるのだというようなことでございます。
次に、道路の補修費でございますが、これはうちの
積算どおり八百万を道路管理者に渡しております。
次に、運賃の営業上の損失
補償金でございます。その中の定期運賃の差額の
補償でございます。これにつきましては、私のほうの
積算といたしましては、その当時定期券を
発行しておりましたその
発行の控えから人数を出しまして、それによって定期券が
バスになり、その定期券の運賃の差を二年を
積算した次第でございまして、総額が約五千三百四十五万五千四十円となっております。これにつきましては、
会社側がいままでに滅失いたしましたものといたしまして、四十一年の十月から四十二年の九月、まる一年ですが、まる一年の間に二千四百八十三万三千二百三十円、さらに四十二年の十月から四十三年の九月、昨年の九月、この間に千七百十三万三千三百四十円ということでございまして、この二つを足しまして、現在実際に四千百九十六万六千五百七十円ということになっておりますが、
会社の言い分といたしましては、そのほかに四十三年の十月から四十四年の三月までの予想が三百九十一万二千五百三十円、これが加わるというような話でございます。
次に、従業員の訓練
補償費というのが、私のほうは千八百四十六万九千四百四十四円を見込んでおりました。これにつきましては、私どもの
積算といたしましては、やはり二十七台の
バスが必要だ、二十七人の運転手が必要だということで、二十七人につきましては、二十七人の数、現在
鉄道に従事しております百十二人の平均の給与、これに賞与その他の率をかけまして、一・七二の倍率をかけております。それに仕事の
会社への寄与率でございます。これは約四〇%査定いたしまして、六〇%はこれによって
会社に寄与できなくなったものだということで、それの〇・六、これの二十四カ月、二年月分を出しております。これに対しまして
会社側の言い分では、その当時
鉄道に従事しておりました従業員百十二人につきまして、すぐ退職したものが十七人おる。さらに何もしないで、ほかに転換されたものが五十四人おります。それを除くと四十一人残っております。四十一人を運転手になるか、技工になるか、希望をとりまして、そのおのおの希望によって整備工場に入れまして、特別に訓練をしたという
実績はないようでございます。整備工場の手伝いをさせたり、整備工場で運転の練習をさせたり、そういうことで二年の間、出しました費用、訓練費といたしまして、いまのような考えで
計算した金が二千八百二十七万二千三十八円。さらに先ほど言いました退職金、すぐ退職した人につきましては、これは労働組合との協定に基づきます退職金の加算でございますが、この分を入れますと、四百六十九万三千七百六十円を入れますと、総額として三千二百九十六万五千七百九十八円かかったというような話でございます。私のほうの
積算千八百四十六万九千四百四十四円より約二倍弱になっております。この辺は、実は、こういうものを調べてみまして、これからこういうものの
補償の場合にどういうようなものを考えたらいいか、この辺、私
たちもこれを
参考にいたしまして、今後こういうものの
補償の際のいわゆる訓練費みたいなものについては、これから検討してまいりたいというふうに考えております。
次に、残存
鉄道の
施設の価格についてでございます。私どものほうの
積算といたしまして、現在の
鉄道を
廃止しますその
鉄道のいろいろ車両とかレールとかその他を売却する金といたしまして、
施設の
撤去費が二千九百十五万四千八百十九円かかる。そのほかに売却代金として八千九十七万七千円ぐらいは入るだろうという予測をしたわけでございます。これにつきましては、実は
建設省としても非常に
鉄道の問題になれておりませんので、大阪
鉄道管理局に依頼いたしまして、それによった評価をもとにした次第でございます。これの実際売られているのを見ますと、これは全部撤去づきで売られております
関係で、当然
——私のほうの
積算は撤去と評価が別になっております。撤去づきの売却をしているのを見ますと、撤去づきでも八千三百六十一万四千三十二円というような数学になりまして、私のほうの評価よりは
撤去費の分が約二千九百万、これがまるまるよけい
会社に入ったというような結果になりまして、これは非常に評価の時点もございますが、その当時の売却時の鉄くずの評価を一つとってみましても、評価のときより売却のときは約二割くらい上がっております。それにしても、かなりこういうものは私
たちの評価よりも高く売れているというのが事実でございます。どうもこの辺はよく検討いたしますと、問題はやはりこういう評価をいたします場合、スクラップとして評価するか、実際それを
鉄道としてすぐ使えるものとして評価するかによって、かなり値段が違ってきたのではないかというように考えております。
次に、残存の
鉄道の土地の価格でございます。私
たちの評価では約六万六千八百四十二坪につきまして、七千八百七十九万一千百五十八円という
数字を出しております。
鉄道の現在の評価した面積は一万五千七百四十二坪で、私どもの残存
鉄道の土地の面積の約二三・五%を売っております。その代金が、千八百五十四万八千九百二十五円、二三・六%の金が入っておりますので、残存
鉄道の土地の価格については、いままでのところは、こっちの評価どおりいったのではないかというように考えております。今後さらに売り分といたしましては、土地の値上がり、その他でふえるのではないかと考えております。
こういうものを全部足しますと、私のほうは六千七百九十万の
補償額を払ったわけでございます。向こうの言い分は、いま言いました
計算でいたしますと、九千三百三十七万九百五十一円を出している。さらに先ほど言いました待合所、その他の諸
施設の整備を今後やりたい、さらに定期券の運賃の差は半年分があるということもございます。それを差し引きましても、向こうの言い分では、私のほうの
補償金よりよけい金を出しているということになるわけでございます。この辺が、今後のこういう
補償の問題で、こういう
補償によって私
たち会社に損をするようなことをさせてはいけない、また不当な利益があってはいけないということになります。普通の
一般財産の買収と違いまして、公共
施設の機能を
補償するような
補償のしかたでございまして、まあ
一般的にいって、私のほうはなるべく安くしたい、
会社側はなるべく高くもらいたいということで、なかなか
一般的なそういうルールはできておりませんので、こういう
個々の評価については、多少は現実と違う姿が出たものと思いますが、これにつきましては、私
たち今後十分これをいい例にいたしまして、これからのことにつきましては、十分検討を重ねていき、こういう
補償をどうしたらいいのか、この辺の研究をしていきたいというように考えております。