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木村美智男君 どうも
委員長ね、ものさしつくるのは不可能に近いと、こういうことで、ケース・バイ・ケースによってと言われるんですがね、そうなると、どうも何というか、あぶなっかしくてしようがないんですがね。要するに公取のそんな、それぞれの
委員会の恣意的な判断なり、あるいはほかからの圧力によってだんだん雰囲気に、そういうムードの中へ入れられて、そうしてきまっていくという場合だってそれはできてきますよ、そういうことを言っていれば。やはりこれは
法律解釈だからね、明瞭な。だからもし、私がしいて言わんとすれば、
公正取引委員会は独禁法の解釈論に少し没入し過ぎたのではないかという気が強いんですよ。もっと独禁法政策全体の運用をどうやって日本
経済の民主化、あるいは
経済の成長を通して国民のしあわせにそれが貢献できるようにするかという、言ってみれば第一条の基本精神、ここからやはりこの問題は判断をすべき問題であって、それを具体的に言えば、それは市場シェアだって何も横田長官が二十八年に三〇%と言ったから、私は三十%でなければいけないと言っていない。いけないとは言ってないが、鉄鋼自体今度見て、新しい鉄鋼はそれは三五・六%なり七%と言われているわけですよ。だから、この前も物価の
委員会でそれは例を引き合いに出したのですが、ちょうど霞が関ビルが三十六階です。これまさに新日鉄会社を象徴しておるんです。
あとは川鉄にしろ、住金にしろみな
農林省の建物だとか、そこの
大蔵省だとかは十階ぐらいでしょう。一〇%ぐらいでしょう、シェアの。そうすると、ちょうどあそこを見ると、まさに新日鉄会社がいかに市場支配力を持つかということは、あの上
——展望台に上がってみなさい。全然じゃまになるものがなくて、はるか遠くまで見渡せるということ自体が、この支配力の象徴として考えられぬだろうかということを
——これ
一つですよ、何と言ってみても。つまり事業格差というものが、二番目はもう一〇%しかない。少なくともそこに三倍の開きがあるということは、これは価格の硬直化をもたらすことだけは、従来の経験から見ても間違いなく出てきているのですから、そういう点を考えて、全体のやはり寡占体制というものを、一体国民のしあわせのために、それからひいては安定した成長を続けるという一面と、逆な面では、USスチールみたいにあぐらをかかずに、ほんとうの意味で国際競争力を身につけていくということは、やはり競争の
条件のもとに置かれて初めて国際競争力も身につくのであって、何だかからだだけでかくすることだけが国際競争力を強化するのだというのが大体通産省の考えだけれども、これはもう少し甘いと思う。だから、もう
予算の総括質問のときにもお伺いしたのですけれども、流通段階にどんどんスーパーが入ってくる、自動車が入ってくるというふうに外資が来る。ところが、十五条を見れば、これは、この
法律というやつは、民族資本だから合併認めてやるけれども、外資はだめだなんということは言えないのですから、これは、
国内の会社はみなになっている。入ってきてしまえば、これはもう十五条の適用も公平にやらざるを得ないということになるわけで、ここら辺は経営者もあるいは住民も、あるいは日本のいまの財界の関係も、私はいまの独禁法に対する理解というものをある
程度間違えているのじゃないか。間違えているというよりも、もう少しみずからきびしくして、外国の資本の自由化に即応して、あえて外国
企業に太刀打ちできるみずからの体質をつくっていくという、そういうむしろきびしさと積極性を持つように、そういう意味で大局的に今度の合併問題はやはり処置すべきであって、十五条そのものの中における「
実質的に制限すること」になるかならぬかが、大体三品目が問題で、しいて言えば鋼矢板か何かが問題だという
程度のことで、言ってみれば、
委員長きれいに答えられているけれども、国民はもう大体これは、鉄鋼会社の合併は認める方針だなという印象を受けているのですよ。そのことは
委員長、やはり私は
公正取引委員会の何というか、名誉の上からいっても、それからいまや過度
経済力集中排除法というものがなくなった今日、ただ
一つ経済民主化を貫く
法律は、この独禁法だけなんだから、だからあなたに毎回毎回釈迦に説法みたいなことを一生懸命言いながら、がんばってくれということを言っているわけだ。これは少し公取
委員長、この辺でがんばっていただかなければ、ほんとうに
公正取引委員会は、あの古い壁を近いうちに私
たちは新しくりっぱな壁にしようと思っていたが、これは自殺行為で、あのまましぼんでしまうことになるよ。ほんとうにこれはそういう意味で私は、
委員長腹を割って、ここら辺については、いや、ちっと木村君、そこは理解が間違っているのだ、というのなら、間違っているところを指摘してもらいたいし、やはり解釈した上で、正しいとすれば初心どおりいってもらいたいし、私どもはその立場を貫きたいし、大事なところへきているものだから、ひとつ
委員長の所信を伺いたいのですよ。