○米内山
分科員 実はきょう、
質問の中に予定したのは、三沢の射爆場の安全性の問題について
質問する予定でいました。これを繰り上げて
長官のおられるところでお尋ねします。
一体、
防衛庁から見ると、安全度というのは抵抗のないところをもって安全なところだと考えるのですか。特に三沢の射爆場の状態は、普通の商業航空ならばともかく、高空から急降下する距離のきわめて近いところに二百戸近い人間の集落があるんです。これはきわめて危険性がある。私は二、三年前の内閣
委員会でこのことを指摘して、そうして進入方向を変えるか何とかして安全を保つという
答弁があったのですが、その後少しも改善されてない。きょう別にここで同じものを皆さんにお見せする必要もないのですが、これは三年ほど前にその
地区の郵便
局長さんの宅地にくっついたたんぼから出た品物なんです。いつ落ちたか、だれも知りません。十アールばかりのたんぼを整地をしようとしたら、そこからこれが七発出た。これはその一発です。知らぬ間に落ちているほど、おそろしいことはない。どこの人でも、人の命には変わりないはずなんだ。ただこの土地は抵抗がないからそっちに持っていこうというのは、これはきわめて国民の生命の安全を守るということと逆行することなんです。いずれこの問題に対しては
地元の住民が皆さんにおこたえすることになると思いますから、この問題についての今後の方針をあとであわせて御
答弁願いたいと思います。
実はきょうは時間も短いのでありますから、簡潔に御
質問します。
四点、六、七項目でありますが、
一つは三沢
基地所在市町村に対する
基地交付金の問題さらにはいろいろな防衛
施設周辺における整備に関する法律に基づく
事項、第二点は例の射爆場の安全性の問題であります。特に平沼
地区におけるいま申し上げたこの問題に対して、今後どういう改善の方法があるか、さらにこの射爆場に関連する
地域漁民が漁場の大部分、というよりもすべてを奪われておるわけです。これに対する補償がきわめて不合理だ。結局国の補償というようなものは一種の宣撫工作であって、実際の被害者に対しては薄く、被害の薄い者に対しても伸ばしていくから、そうして世論を押えて実際の被害者を、損害を受けている人を泣き寝入りさせるような、旧関東軍が満州国でやったような非常に悪らつな考え方がある。数年前からこれを要望しているが、事態は少しも改善されていない。この問題。
第三点は、同じ三沢
基地の
周辺に膨大な
米軍の通信
基地があることは御承知のとおりであります。この
周辺に接収後、戦後
米軍がただの一度も使用したことのない農地が百ヘクタールある。これに付帯した採草地になり得る、植森地になり得る土地が二十ヘクタールある。そうして今日農地にかかわる分は農民が使用しておるのであります。こういう種類のものはすみやかに
基地からはずして、元に返して、農民に耕作権を保障しなければならぬ。そうすればここに構造改善の仕事も適用し、あるいは畑が改善される、農業上の改善もあるんだ。ただ接収地だということだけで二十数年
基地にも使わず農民も自由に使えないでいる土地がある。こういうものはすみやかに国民のために自由に使えるようにすべきであると思う。
さらに
基地公害の問題であります。いま
基地公害を防ぐために法律を整備しようとしておりますが、その中において、
基地における公害に対しては立ち入りができないようにするという声があるが、実際、問題なんです。この三沢
基地から数千人のあるいは万に及ぶ
米軍のし尿というものがたれ流しの形で出ている。自分たちの衛生に危害を及ぼさない
程度の処理はしているかもしれないが、その汚水というものが漁業上必要な湖水に、ただたれ流しの形で入っている。これは非常に酸素を消耗する。深いところに沈でんして湖水の水質を悪化して、やがては漁場として用いられなくなる。
基地の滑走路から廃油などを洗った水が同じように流れてくる。これも流れる川でもないし、海でもないから推積していく。その結果そこで採れる小さな魚が油のにおいがして商品の価値を失う。われわれはこの原因を確かめるためにどう処理するかといえば、立ち入って、何人分のし尿が流れているかという量の問題も
調査しなければならぬ。こういうことが、将来ともできないとしたならば、国はみずから
責任を持ってそういう原因を探求して、あえて
要求をされなくても住民福祉のために、保護のためにやらなければならぬ。こういうものは常に騒がなければ対策が講じられない、こういうやり方は、むしろ
防衛庁自体が
基地周辺に騒げと言うているようなことだと私は受け取る。
防衛庁もこの点はもっと積極的に対処すべきであるし、こういう問題を国に対策を
要求するためには、一応筋道を立てた
調査が必要なんです。そういう
調査は
地元の農民、漁民では不可能なんです。専門家を頼んで科学的な
調査をし、そのデータに基づかないならば、あなたたちだって直ちにやることはできますまい。こういうことはみずから進んでやるべきものだと思うのであります。
第四点でありますが、これは三沢
基地の射爆場のために小川原湖という湖水から太平洋へ出る川が閉塞し、そのために大水害が起きた、その被害を防ぐために、
昭和三十七年に起きた災害でありますが、
防衛施設庁は相当な金をかけて着工した。だが、今日まだ完成していない。われわれから見ると、あと五年、七年で完成しようとは思われない。災害を防ぐという工事が十年たってもできないような工事をやって、これで対策といえるでしょうか、この問題について現在どう考えておるかということをお聞きしたい。
そこで最初の問題に移りますが、
基地の対策について、抵抗があれば逃げていったり、抵抗の弱いところには迷惑なものを持ち込むという考え方と同様に、黙っていて
要求が弱ければこれを冷遇する、何か政治力を背景にするとこれには厚い対策を講ずるということがあるような気がする。これはここに二月十四日の青森県における有力な代表的な
地元紙に三日間にわたって連載された記事があります。こう書いてある。「三沢と
基地交付金」というので「冷遇される三沢」と書いてある。「土地提供は全国一」、こういうことの見出しでありますが、実は三沢の
基地というものは、私は
地元ですから詳しく知っておるわけですが、この広さは、提供している土地は二千百六十万平方メートルです、
日本一これは提供用地が多いと思うのでありますが、ここで問題になったのは岩国市との対照なのであります。
昭和三十二年の
段階におきましては三沢市に対する
基地交付金が一千四百七十二万、当時岩国は九百十六万八千円であった。それが三十八年におきまして三沢が三千百万円、岩国は三千九百十九万ということで同額になっております。ところが四十三年度になりますと、三沢市は三千五百七十三万五千円とほとんど固定的であるにかかわらず、岩国には七千八百九十九万四千円交付金が交付されておるというのであります。これはいかなる根拠によるものか知りませんが、この新聞の報ずるところによりますと、書いた記事によりますと、「「こうした数字が示す現実に対して、三沢市民は「山口県には岸元首相、佐藤現首相、重宗参議院議長がいるからこんなに差をつけられるのだ」」と考えておる、こういう意味なんです。そうしてさらに
昭和三十八年に
基地の整備のために三沢市も岩国
基地からもそれぞれの要望
事項が
防衛施設庁に出されておるわけであります。その総額は三沢市におきましては二十五億三千五百万、ところが岩国市は百五十六億五千百万の要望
事項を提出しているというのであります。ところが、その後今日までのその進捗状態について、三沢市の場合は八項目のうち二つが達成された。岩国の場合、これだけの膨大な金額のうち、十二のうち八つまでできたと、こういわれるのであります。三沢市のことは、私は現地におりますから知っておるが、岩国については行ったこともないし、事実に当たっておりません。またこのことについて、
防衛施設庁とこの
資料と突き合わせたこともありませんから、はっきりしたことは言えませんが、一番わかっているのは
施設庁であると思います。なぜこのように差がついたのか、ここでひとつ、われわれ、あるいは私よりも、むしろ三沢市の市民なり市の当事者が
納得できるような御
答弁を得たいと思うのであります。まずこの点についての御
答弁をお願いします。