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小沢(貞)
分科員 最初に
大臣に、これは予算の総括
質問のときにもお尋ねをして、しり切れトンボになっておりますので、お尋ねをしたいと思います。
食管
関係であります。私は、食管を守るには、どうしても食管が維持できるような条件、こういうものをつくり出していただかなければならないのではないか、こういうふうに
考えます。いままで農民は米の増産をやってきた。それからもう
一つは、これは
政府の方針ですが、
外国食糧に依存をしてきた。この二つのことが原因となって、総括
質問のときに私は申し上げましたが、来年三月三十一日現在で、
食糧庁は千百万トンというし、私は、
昭和四十二、三年のような作柄になるであろうと想定すると、一千二百五十万トン、このくらい年越しをするだろう、こういうように
考えるわけです。これじゃ全く食管がパンクしてしまう、こういうかっこうになると思いますから、パンクしてしまうような条件をつくっておいて、幾ら食管制度の根幹を維持すると、こう言っても、私は不可能だ、こういうように
考えるわけです。
そこで、その対策としては、
政府もだんだんに進めていただいておるようなんですが、第一には開田の抑制、これもけっこうだと思います。第二には稲作の転換。これはつくっている面積を減らそう、こういうことです。第三には国内消費の拡大。そのためには学校給食とか、私がここで
大臣に
質問しようとする外麦の輸入の抑制、消費を減らして米に転換していく、こういう問題が必要だと思います。それからその次に、四番目としては
外国へ輸出する。あるいはまた後進国に援助をする。外へ持っていけ、こういうことだと思います。五番目には凶作に備えて備蓄しろ。それから六番目には、これはだれも主張しないかどうか知りませんが、私は立地条件のいいところで生産性の高い米づくりをやれば、いま倍の価格でありますが、十分
外国と太刀打ちできるようになるので、立地条件のいいところなら、輸出産業としても大いにやっていける、それが第六。以上六つぐらいの対策があろうと思いますが、これを全部きょう触れるわけにはまいりませんので、大事な問題から先にやりたいと思います。
そこで外麦の問題、これは総括
質問のときに
大臣に
質問いたしましたけれ
ども、これが私は一番大きな問題で、あまり大ぜい触れておらない問題だと思いますので、特に重点を置いて
質問をしたいと思うわけです。
大臣、これは
食糧庁で出した資料ですが、
昭和三十三年のときには、国内の米で百八億赤字、国内の麦で九十一億赤字、合計約二百億です。
外国の麦でもって約二百億黒字、差し引き食管会計への繰り入れはゼロ、これが
昭和三十三年度の実態でありました。それから約十年経過した今日の予算を見ると、国内の米で二千八百七十一億、国内の麦で二百七十八億、こういう赤字。
外国からの米麦でもって百七十五億の黒字、こういうことです。この趨勢は、大体国内の米、麦――主として米ですが、米で約三十倍近い、米麦合わせて十五倍近い赤字がふえてきた。こういう傾向だと思います。ところが、
外国からの麦によっては、この黒字が逆に下がって、二百二十三億から百七十五億に下がってしまっておる。こういうことになっておるわけです。米のほうは十五倍から三十倍も赤字になってふえていって、そうして麦のほうは逆に、黒字がもっとふえなければならないはずのものが、二百二十三億から百七十五億に減ってしまっている。この数字を見たときに、ここに大きな矛盾があるんではないか、私はこういうように
考えるわけです。
そこで、国内の来年度の予算の売り渡し量を見ると、国内の米で約六百十万トン、
外国の麦を約三百五万トン――この前も総括
質問のときに私、申し上げたが、
国民の三人に二人は余剰で困って、いる米を消費してもらうが、三分の一の一人については
外国からの麦でもってまかなっている、これが実態だと思います。そこで、国内の人に米の消費を拡大していくということになると、三分の一の人は麦を食べているのをどうしても米を食べてもらうように、政策上、価格上、そういう上から転換していかなければいけない、これが私の主張なんです。ところが、そういうことのできないように、
外国の麦ばかり食べろ、食べろと、こういうことを
政府がすすめているような価格政策をとっているわけです。国内の消費者米価はどういうように上がってきたかというと、
昭和三十三年のときに十八キロ八百五十円のものが、ことしは据え置きだというのですから、千五百十円。一・八倍に国内の消費者米価が上がってまいりました。ところが、
外国の麦を国内に売りつけるにはどういう価格で売ってきたかというと、単位がちょっと違いますけれ
ども、トン当たり
昭和三十三年のときには三万六千八百九十二円です。それがことしの予算では三万五千八百二円、
外国の麦を買い込んできて、
昭和三十三年のときには三万七千円近くのものが、ことしは三万五千円だ、こういうように安く
国民に売りつけているわけです。そういう数字になっているわけです。これを
国民が知ったら――しかもこれは貴重な外貨を払って、国内ではもう食管会計がパンクする、こういう現実の上でそういうことをやっているわけです。私がこの前聞いた数字は、来年の三月三十一日には一千二百五十万トンぐらい残ろう。来年の十月にはおそらくもうこれはどうにもしようがないようになっていってしまう。それだから、財政制度
審議会は、トン十六万もかかるものを二万五千円くらいでえさにしろとか、
外国へ半値で持っていってしまえとか、あるいは徳用米にして売るかとか、こういう深刻なことを提言せざるを得ないようなときになっているのに、米の値段は大体一・八倍に上がって、その間の物価指数を見ると、小売り物価指数が
昭和三十三年を一〇〇とすると、ことしあたり大体一・七から一・八倍ですから、ちょうど小売り物価指数の上がってくるのと、偶然かどうか知りませんが、消費者米価の上げてきたのとは一致しておりますから、これは私は傾向としては、上がるのはよくはないけれ
ども、とにかくいいと思う。ところが、その間に
外国の麦を買い入れて、
昭和三十三年には三万七千円で売ったものを、なぜことしは三万五千円で売らなければいけないか。ここに私は食管問題の一番ポイントがあるのではないか、こういうように
考えるわけです。これを上げることは、この前総括
質問のときに、
大臣は、物価の問題から国内の麦の売り渡し価格を上げることは押えなければいけないみたいな、物価
大臣みたいなことを言われましたが、私はそれを上げた分だけ消費者米価を下げる、これは食管会計の中で幾らでもできるわけですから。そういうことをすると、輸入の麦を抑制して国内の米の消費を拡大する、こうなるわけです。これを、食管会計の問題でたんぼから少し何とか転換しようなんということは容易なことではないけれ
ども、これをやらない限りはこの食管問題はなかなか解決しない、こう思うわけです。最初に
大臣に基本方針だけお尋ねしておきたいと思います。