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原国務大臣 ただいま畑さんから御
質問がございましたが、私のほうでも各方面から
婦人少年室の廃止の問題について反対の
意見をよく承っております。
もう戦後二十年以上になりますので、
労働省の機構も、この際、中央、地方もう少しバランスをとって、行政改革の線に沿うて一応やってみたい、こういう方針でやりまして、これによって
労働行政の伸展をはかる、また
婦人少年行政についてもこれをもう少し
発展させたい、こういう意向で、去年の十一月の二十六日、
労働大臣、自治
大臣、行政管理庁長官三者の間に話がまとまりまして、覚え書きというのができて、そのまま私も事務引き継ぎを受けたようなわけでございます。
ついでにちょっと申し上げますが、都道府県に
労働部というのを新設いたしました。これは、いままで全国の八都道府県には
労働部という独立したのがございますが、全部あるのじゃございませんので、残余のところにも全部独立した
労働部というのを新設してもらう。これは自治法の一部を
改正する
法律案によってやってもらう。これが非常に
労働行政を進捗させると思います。
それから
労働基準行政などは、各地方によってあまりやり方が変わるといけませんので、ブロックごとに地方の
労働局を新設いたしまして、それで本省と地方
労働局、それから県の
労働部が一体となって
労働行政を
推進いたしたい。私
どもの考えでは、非常に伸展はするが後退したりすることはまずない。
労働基準行政のほうは、
労働基準監督官
制度というのは置きます。いわゆる手当てのほうは現状のままでございます。
婦人少年室を廃止する、廃止すると申しますが、廃止でなくて、一応地方の
労働基準局と
婦人少年室とは県の
労働部へ入ってもらう。それで
先生も御承知でしょうが、私も実はびっくりした。都道府県にある
婦人少年室というから、かなりなものかと思っておりましたら、五人か六人しかおりません。これで
婦人と少年を両方やる。これははなはだぼくは弱体であると思う。何人もえらい人がおるでしょうが、こんな数では——多いところで七人、大体四人のところもあります。もう少しこれを
強化したいというのが私の本音でございます。これで
経費を調べてみましたら、給料は
政府からもらっておるが、事務費というのは年間九十万円、一カ月七万五千円。これは普通の家の世帯ほどしかない。これでは、実際有能な人がやっておられますが、
婦人少年室をそのままにしておくことは——もっとこれ
強化することが私は望ましいと思う。公平に申し上げて、やはり非常に貧弱でございます。この間、参議院の市川さんは、それならそのままでもっとこれを
強化しろと言いますが、これは定員その他があって、これを
強化することは
予算をよけいにとる。急激にやることは非常にむずかしいので、むしろ地方の
労働部へ入れますと、これは大きな県でありますと二けたになります。二十人。課にしてもらえば
労働婦人課。そうしてむろん地位は、国家公務員から地方公務員になるというのが非常にさびしいとおっしゃる方もございますが、
労働行政全体から見ると、その地方の府県の
労働部へ入っていただいて、その室長は県の
労働部の
課長とか室長になってもらう、
労働基準局のほうはその
局長が新設の府県の
労働部長になってもらう、こういう話も進めております。
それで、
婦人少年室の仕事といたしましては、勤労
婦人、
勤労青少年の地位の
向上、
福祉の
増進等々をやってもらうのはもちろんでございます。第二は
婦人の地位の
向上。
婦人が
社会的に男子との間に、いまでも依然としてギャップがございますので、ぜひ
一般婦人の地位の
向上、
社会的活動をよくさすとか等々、こういう二つの面に向かって
婦人少年行政を
推進していただきたい。それには、いま申したように、大きな県でも小さい県でも、四人や五人や六人ではとても手が回りませんが、地方の県の
労働部に入りますと、上には部長がある、さらには県知事がおる、各県全体に出張所とかいろいろな県の機関がありますから、これと
協力してやることにおいては、
予算もまた人も両々ふえて、かなり強力なものになってくる。その上には地方の
労働局もあって、連絡をとって本省とやる。こういうふうにやったほうがむしろこの
婦人少年行政を
推進するゆえんではなかろうか、私はこういうふうにいま考えておるのであります。現実に調べてみましたところが、かなりどうも貧弱であるので、ぜひこの機会に強力なものにすればよかろう、こう思っておる次第でございます。