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高田分科員 それで、いまの代地の交渉の問題は本件の根本問題をなしております。そしてこれらの人
たちを公団側では、非協力者、反対同盟者なんて文書にも書いております。全然反対はしておりません。もう初めから、代地の要求を出して、協力するということに判こを押して市長に出しておりますよ。代地によって話し合いがつけば協力する。しかも代地についてはパーセントまで提起をしています。ですから、誠意を持って話し合いが進んでいく間には、具体的にないとかなんとか——これはないものはどうしようもないという話は出るんでしょうけれ
ども、初めから相談に乗ってくれない分には話のしようがない。
代地の問題の最後の結末はどうなっているかといいますと、収用
委員会の一番おしまいに和解をやっているわけです。これは収用
委員会のほうから和解しろということを要請しているわけです。その和解というのは何かというと、速記録を見てみますと、ずっと代地問題で争ってきているんだから、もう一ぺん和解のところで直接公団と話し合って代地のことで何とかならぬか、こういうことなんですよ。ところが、公団はこれを実質的に拒否しているわけです。和解も内容が代地のことならばごめんこうむりますとはっきり言っております。代地のことではもうだめでございますと、こういっている。しかし、いずれにしても地主側はその代地の問題でならば和解に応じますと言っているから、それでしばらく期限の余裕を置かれている。その間に形式的なことはやったんですね。
どういうことをやったかといいますと、市のほうから出させているんです。市のほうには
開発公社というものができておりまして、そこから代地を出してきた。ところが、これはもう決裂させるために出したということは一目瞭然なんです。なぜかといいますと、この山林を反当十八万円で買い取りなさい、こういうのが出てきた。ところが、その反当十八万で買えといって出してきた、要するに、買い取りをあっせんしたという形なんでしょうが、その十八万で出してきた
土地というのは——これは
開発公社なるものが非常に経理の乱脈、運営の紊乱をきわめて、一年ほど前に警察で摘発されまして刑事問題になったのであります。そのために監査
委員会を市で自発的につくりまして、慎重に監査をした。ところが、非常に乱脈をきわめておる。こんな監査報告が出ております。去年の三月に市議会に報告された監査報告書、正式の報告書によりますと、この十八万で和解のとき出されました
土地は、実は
開発公社が買い入れるときに大体時価五万円か六万円
程度のものというふうに見られておるというのです。これは証人なんか全部あげての報告です。市議会に出した監査
委員会の報告書に書いてある。五、六万円のものです。ところが、ふしぎなことに、
開発公社はこれを十一万円で買った。五、六万円のものを十一万円で買った。この事情は何だろうと、証人まで呼んでこれを克明に調べている。どうも怪しいということまで書いてあるんです。中にブローカーを入れて、
東京あたりの料理屋なんかで飲んだんじゃないかといううわさも出てきている。で、十一万円で買ったことはどうしても監査
委員は承認しないのです。これは背任行為であると断定をしたわけです。しかも、その買った
土地は、遠方でとんでもないところであって、代地の用をなす
土地ではないとも断定しているのであります。代地の用をなさないような
土地をうんと高く買った。これは背任行為だと明白に断定したその十一万で買った
土地が、十八万で買い取りを出してきたのです。これはびっくりして、やはり思ったとおり決裂させるためだなということになって、それっきり話が進まない。それですぐ強制執行、こういうことになる。これも公団のほうで一応事情については調べなさいとぼくが言ったところが、これは買い取り価格に利息と諸経費を足したものでありますという
答弁をしているのですよ。そんなばかげた代地がありますか。一方では五、六万で収用しておいて、うんと遠くの悪いところを十八万で買い取りなさい……。地主はこれをいま鑑定人に鑑定させたそうであります。そうすると、立木を含めて七万というんですね。
土地だけならやはり五、六万、この監査
委員会の報告どおりの値打ちのものだと現在いうんです。それを十八万で買えという。これは決裂をさせるために出したものです。形式的に和解させようと出したが、なりませんでしたと、手続を踏んで形を整えただけにすぎないのです。こういうやり方です。
こういうことで、いま残りの二十二人が、同じようにもう手続万般済んでおりますから、これを背景にいたしまして、判こを押せばいろいろな補償ももらえて得なんだよ、判こを押さなければもう
ほんとうのぎりぎりの
土地代だけでおしまいになるぞ、こういうようなことをいっていま交渉しておるわけであります。
そのほかに、まだこまかい点は、こちらに参りまして、公団の本社に皆さんがかけ合ったときも、公団の人
たちがやはり同じように、強制収用を二言目には出す。それから、当初来、この農地の接収に
あたりましては強制収用のことだけずっとやってきている。代地のことについては誠意ある話を一度も聞かなかったということは一貫しておるのであります。しかも、事は工場団地の造成でありまして、これは公共性といいましても、公共性にもピンからキリまでありますよ。だから、先ほどおっしゃったように、これはやはり慎重の上にも慎重にしませんと、今後もこんなことをやられたんでは、農民は有効な
用地の造成に協力するなんということは、これはとてもできませんね。ですから、この点は監督官庁におかれましても、農林省におかれましても、また自治省においても、十分真剣に洗ってもらいたいのです。必要ならば
関係者を呼んでお調べを願いたいのです。そうしなければ、第一今後円満に進みませんし、まだでき上がったわけじゃありませんから、その他の方面にもこれは悪影響を及ぼしますので、徹底的に洗い直す必要があります。いろいろなことを聞けば聞くほど不可解な問題が非常にからまっております。たとえばこんなこともあるんですよ。この市の助役をしていた人で、現在は自治省に戻っておるそうですが、石岡市に二年ばかり行っておった方なんですね。これが
連絡協議会の会長の青柳さんと水戸へ——これはほかの用事で行ったらしいのですが、水戸市のある料亭へ呼ばれて、そこで非常な強迫と誘惑を受けているのです。ひどいんですよ。これは酒色による誘惑ですよ。青柳さんは席をけって逃げ出しておるのですが、話にならないんですよ。この経緯全部を見ますと私は背後に何かあると見ている。この
建設公社なるものができて、そして監査
委員から最初指摘され、さらに警察から指弾され、そして自発的に監査
委員会を組織して、その結末はどうかというと、市長以下が全部懲罰になっているんですよ。市長は半年の減俸、その他依願免職とか勧告とか訓告とかいって全員を市でみずから処罰したんですよ。そういうていたらくなんです。それで代地をあっせんするためにつくった
開発公社なんですけれ
ども、こんなところでまともな仕事ができるはずはない。それによって
関係者でうまい汁を吸ってしまったんです。当時の
新聞をここへ持ってきておりますが、地主から時価の半分で買っちゃってお互いにもうけているんだという記事が出ておりますよ。非常に暗いことなんです。特に自治省には厳正に自治体のあり方を洗ってもらいたい。しかも、現市長は圧倒的多数で不信任案を議会で議決されて通過しておるのに、そういう人だけれ
ども、おれはやめないやめないと言っているらしいのです。普通の自治体の運営をやっているところじゃございません。そういうところだからこそ、私はこういうことが起こると思うのです。私のところでも工場団地の大きなのをたくさんつくっていますが、市長は、私のところでいいますと、熊谷や深谷でも団地をつくるときには
現地へ泊まり込むくらいの熱意を持っておりますよ。
現地の農民と話し合いますよ。ところが、この市長は
現地の農民と話し合ったことがありません。幾ら要請しても行かないんですよ。公団の人が行っているんですよ。こんなことじゃだめです。市長がみずから行って裸になってやるくらいでなければだめです。公団が買う金が安ければ農民のためには市から足してやるくらいのことでなければだめです。こういうとんでもない悪代官みたいなものがまかり通るようであってはたいへんです。しかも、これは
住宅公団としても初めてのことでありますから——特に工場誘致なんという問題はもうかりますからくるのです。もうからないならきやしませんよ。それはもうつくること自体は大きな目で見ますれば公共
事業であることは私も否定しませんけれ
ども、これはもっと慎重にしてもらいたい。最初に
大臣のおっしゃった趣旨がはたして公団の仕事を実際に担当している諸君に徹底しておるかどうか、私は、非常な疑問を持っております。どうかひとつこの際
大臣が先頭に立って、こういう権利の制限をやるという重大な仕事をしている第一線の係官等を十分取り締まられて、誤りは正すことにやぶさかであってはならぬと思っておりますから、今日は時間がありませんけれ
ども、なお今後もこの問題について
建設委員会等で公団の方にもおいでを願って、あるいは
関係者も呼んで、十分実情を調べた上で改めるべきことはいさぎよく改め、今後の円満な仕上げをはかられたいということを強く要請いたしまして、たいへん言い足りないところが多いのでございますが、ちょうど時間でございますのでこれで終わります。
大臣一言だけお願いいたします。