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三木(喜)
分科員 ちょうど長官もおいでいただいておりますので幸いであります。
ちょうど特別史跡の中に姫山住宅という住宅が四百三十七戸、城の北側にございます。現在この地は公園緑地の予定地になっておりますが、これらの住宅の人は、その適用を除外して県市住宅を払い下げ、またはその
土地に建てかえをしてほしいと
要望しておるわけであります。県、市、文化庁は四十四年一月十一日、姫山住宅東中西の五自治会長に対しまして、改良住宅法の適用を受けて新しく建築する他の地区に移転してもらうよう計画の説明をしておるわけであります。しかし、私はこういうやり方に対して、姫山住宅の住民が承知しないということを聞いておるわけであります。なぜ承知しないかといいますと、この住宅の近くにあるその他の施設は一体どういう処理を受けるのかということが、この住民たちの納得のいかない大きな原因になっておるようであります。私は前々から、三十九年に、ここに初中
局長になっておられます宮地さんが文化財保護委員会の
局長をしておられたときに、こういうことがあるだろうということで心配しておったわけであります。住宅に対して立ちのきをもし言ったときに、自動車
学校と、この特別史跡の中で営業をするものを許して、その自動車
学校に対して国有地、後市有地になるのですが、市有地を三千五百五坪ですか、これを二百万円で払い下げる、その中で営業させる、これではいけないのではないですか。私は当時、こういうことがあることを非常に心配して、そういう許可をされないようにしてほしいということを強調したつもりであります。今日、やっぱりこの問題がガンになって住民は承知しないのであります。
そこで次長にお伺いしたいのですが、この弱い立場にあるこういう人を追い払う以前に、こういう点について明確にしていただかなかったらいかぬのではないかと思うのです。少し当時の模様を会議録によって、長官も御存じあるかないかわかりませんが、認識していただくために申し上げたいと思うのです。三十九年の五月十五日に、文化財保護委員会の
事務局長宮地君に注意を込めて
質問を私はしておるわけです。指定
地域内にそのような自動車
学校をつくるというような施設をすることは好ましくないというふうに考えて、先がた申しましたような許可をしないようにと申しました。しかし、当時この自動車
学校は、福祉法人の白鷺園というのがいわゆる福祉事業をやっておるために厚生省からも
補助金が出る。しかし自分の負担で残りの
金額を出すことができないので、一時的に、そういう社会事業をするための財源として自動車
学校をやりたい、これが主張だったのです。二番目に、年限を十年にし、つつましやかに十四、五台の内輪の形でやりたいからというので、厳重な条件を付して許可したというものです。
そこで問題は、こういういきさつでこの許可がされておるわけでありますが、次の点をどうするかです。厳重な条件とはいまから考えたら何かということですね。それから、宮地氏も言外に当時におわされておりましたし、今日でも県、市の役人にひそかに聞いてみますと、ここに自動車
学校を許可したのは政治家のあと押しがあったからだと言っておるわけであります。特別史跡の中で、将来緑地化する必要のある
土地をこういう払い下げをしてもよいのかということであります。それから、もしこの
土地を緑地化するということになるならば、二百万円で払い下げたその
土地を今度はどういうぐあいに買い上げるのか、この自動車
学校をどうするのかという問題をお答え願い、後私有地になった払い下げ国有地をどうするのかという答えなしに姫山住宅の住民の言い分をむげにしりぞけるわけにいかぬわけでありますから、この点についてお伺いしたいと思うのです。
まず文化庁の次長がおいでになっておりますから、この周辺にたくさん
学校だとか官庁だとか、ここにあげておるだけでも、私は当時変な言い方をして百鬼夜行だというようなことを言ったのですが、まず史跡からはずしておるのがありますけれ
ども、県立ろう
学校、神姫バス、建設省の工事
事務所、県総合庁舎、市営アパート、県営アパート、市営アパート、教育会館、白鷺中
学校、城南
小学校、市民グランド、姫路美容師組合、姫路酒販株式会社、農林省兵庫統計調査
事務所、社会保険姫路出張所、姫路米穀会社、姫路営林署、山陽石油、福祉児童
相談所、検察庁姫路支部、神飾税務署、西播米穀会社、国鉄住宅、白鷺住宅、姫路マート、市保健所、電電公社、大手前公園、宮崎酒
事務所、白鷺ノ宮、電電公社姫路電話局、公会堂、神戸新聞姫路支社、姫路郵便局、郵政省、電電公社無線中継所跡、関西電力姫路営業所、姫路商工会議所、姫路税務署、労働会館、神戸地方裁判所姫路支部、動物園、電電公社
用地、姫路警察分室、カトリック淳心会、カトリック淳心学院、カトリック賢明女子学院、市役所、国立姫路病院、四郷町他四ケ村伝染病
事務組合、姫路東高等
学校、姫路測候所、姫路消防署、電電公社兵庫通信部、法務省本町拘置所、市有地元国立姫路病院高等看護学院、宿舎
用地、市営住宅、県警機動隊宿舎、社会厚生施設白鷺園、国立病院宿舎、防衛庁宿舎、姫山授産場、厚生住宅、県営住宅、姫山市営住宅、姫路神社、姫山公園、三角堀、姫路パン、これが、
大蔵省からも見えておるでしょうが、もうまちまちの形になっておるわけですね。県に売り払ったのもあります、二十六年からこちらへ……。市に売り払ったのもあります。無償貸し付けもあるし有償貸し付けもありますし、いろいろなんです。この調べは、この前三十九年のときにこういう
状況になっておったんです。この地図はここにあるわけなんですね。その後、まあいろいろ立ちのきをしたりしたのもあるようであります。
当時私は、この問題については、住宅等、弱い立場にある人を責めるのはいけないと思う、それよりももっと、公的な立場の人がこういうところを使わなければならぬというのはしかたがないとしても、そうでない分についてはよくまず検討することから始めなかったらいかぬのじゃないか、こういうことを強調したのです。特にこの中で営利をやっておる。この営利なんかやっておるのはこれはいかぬのじゃないかということを主張してまいったんですが、その後、文化財保護委員会から文化庁になって、それぞれ整備計画を立られたようであります。その
状況を一ぺん聞かしてもらいたいと思います。