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八木(一)
委員 この名前の問題が非常に大切な問題でございます。総理
大臣は、いろんな仕事についてたくさんの仕事を持っておられますから、いろんな論議をされておりますから、前の
経過の記憶が幾ぶん薄れられても、これは私ども、あまりそれをごちゃごちゃ言わないでいくのがいいんではないかとして申し上げておりますけれども、前から名前について、この
予算委員会で、同和という名前を使ってということで私も何回も御質問をいたしまして、総理
大臣からも御答弁をいただいているわけでございます。その点をひとつ、それは記録がたくさんここに全部入って載っておりますから……。
それからもう一つは、いまの四党協議会ができましたときも、同和
措置法を提出、成立するという約束で、いま隣にすわっておられます
福田さんが幹事長のときに、
福田幹事長も立ち会いの上で昨年四月にこの協議会が発足をいたしました。同和
措置法というのは、四党国対
委員長会談で文書で交換をいたしております。それからその次に、同和
対策協議会という内閣の機関で「同和
対策の促進に関する特別
措置法案」という名前で答申が出ているわけです。それから、その前の同和
対策審議会も、同和
対策という名前で答申をいたしておるわけであります。それから、いままで同和予算、同和地区、同和教育、同和
対策、あらゆるものに政府及び公共機関がその名前を使っておられるわけであります。また
関係の団体で、特に差別と貧乏で苦しまれた各団体、部落解放同盟も、また全日本同和会も、全部同和という名前でこの法律の施行を希望をしておられるわけであります。その苦しみを知った人たちが、この問題で、このことばで法律を制定していただきたいということを申し上げているわけであります。いろいろ観念的に、差別と貧乏を知らない、知らなかった方が頭で
考えて、先ほどのような御意見があるところがあることを知っております。また、その差別と貧乏を受けておられた方の中で、すでに財をなし、すでに自分は社会的地位を得て、差別と貧乏を実際的に脱却された、そのような人たちの意見を聞いて、眠った子を起こすなという思想で、そういう名前を使うなという意見の方もあります。この問題については十数年間の討議で、それを乗り越えてこの問題をやろうということが、岸
内閣総理大臣のときから、国会の討議になり約束になっているわけであります。熱心な方が新しく
考えられて、これはどうかなという
考え方を持たれることについて、その方の熱意については別に何とも言いませんけれども、長年の
経過を経、そういうふうになったものが、その方が熱意があろうとも、一時的に
考えられたことでその問題にブレーキがかかることは、非常に残念なことだと思うわけであります。そういうことで、ぜひ同和という名前を使う必要があろうと思います。
別な名前を使った場合に、ほんとうに同和
対策を解決するためのあらゆることをしなければならない、
部分的にそれがはずれるおそれがあります。たとえば、人口過密帯ということばを使えば、地区の改善、環境の改善だけにとらわれてしまって、就職の
対策とか、零細企業の
対策が抜けるおそれがございます。また、そうでなしに、それを包含する内容の名前をほかで
考えたならば、その名前が同じ意議を持つようになろうと思います。同和と同じ意義を持つようになろうと思います。そういう
意味で、
関係の団体がすべてこの名前でということを、特に全日本同和会の幹部の
方々が、ほんとうに熱心に与党に最近このことを申し入れられたことも、私は存じております。どうか、
関係の
方々が熱心にその名前を要望しておられるために、いささか学問的か何か知りませんが、そういう主観的な
判断をなさる方のお
考えでブレーキがかからないように、ほんとうに熟したことばで、各官庁全部使っているわけですから、そういうことで、その名前で御推進をいただくように、ぜひ総理
大臣もそのお気持ちになっていただくようにお願いをしたいと思います。それについてひとつ……。