○高田
委員 総理がそういうお約束をされるのですから、念のため申し上げておきますが、これはもう製薬会社というものは、いま言いましたように、利益率からいきましても、他の産業に比べて飛躍的に利益率も高いのです。非常にもうかっております。そうして交際費、宣伝費、こういうものもぬきんでて多いわけですね。それだけに、非常に力がございます。これは言論界に対しても、相当のスポンサーでございます。広告主です。それから大学の教授連中、いまは大学の研究室は金が足らないですから、製薬会社からみんな寄付されているのですよ。おそらく三分の一くらいは製薬会社やなんかからもらわなければ、やっていけないのですよ。ですから、大学の先生も相当の恩恵にあずかっておるのですよ。厚生省のことは御遠慮申し上げておきましょう。御想像にまかせます。しかし、これは人的な連絡は相当あるということは皆さんが指摘している。これはやはりえりを正す必要があると思うのですよ。こういう中で、いまの薬を洗い出して、これはだめだ、これはだめだとやるのは、これはよほどのことなんです。なかなかこれはできないです。
日本の学者のうちでは、ほんとうに骨っ節のある良心的な人は数えるほどしかあるいは出てこないかもしれないですよ、
政府が呼んでも。これはぼくは外国へ頼んだらいいのじゃないかと思っているのです。外国の権威ある病院、権威ある薬学者、医学者に
日本の優秀な
人たちと一緒になって検討させたら、これは大胆な結論を出してくれるのじゃないかと思うのです。これはひとつ私は提案しておきます。これはぜひやっていただきたいのです。
それと同時に、消費者にとって東京都のこれは非常にいいことだと思うのです。こういう啓蒙もやはり足りないのです。めしを食わずにビタミン剤を飲んでいるなんて、話にならないのです。ですから、どうしてもこういうふうないわゆる消費者行政の強化ですね、これはまだまだ足らないと思うのです。これは薬ばかりに限らないですよ。ですから、へたな宣伝広告に惑わされて、どうしても消費者行政が非常に足らないと思うのです。
ですから、時間もだんだんたちますが、私は、いままで申し上げたことで、独占価格、独占的な商品の価格というものを下げる、それには独禁法の厳格な適用、これは申し上げておきます、ぜひ厳格に適用
——いまの独禁法は大体もう
改正されたのですから、あれは
改正前のものぐらいに戻さなければいかぬです。もっとりっぱな独禁法に直して、厳正に適用する、これが一点です。
それから、公取の機構が足りません。さっき申しましたように、せっかくこれは怪しいぞと三百六十六品目も重要品目を押えても、調査の手が足りないのですね。この問聞きましたら、そのうちに不況になったら不況カルテルがあっちからもこっちからもきて、それのほうへ全員総動員になっちゃって、調査ができなくなっちゃった。もう一年も二年もおくれちゃう。これじゃしようがないです。やはり
公正取引委員会のようなものは、もっともっと機構を拡充していただく。そうしてやはりそこには消費者の各階層を代表するような者を何か
委員にでも入れて、絶えずそういう人の意見は反映できるようにして、業務を一そう厳正にかつ強力に遂行する体制をつくってもらいたいのです。これが第二であります。
それから、いまは公取がこれは不問に付しちゃったとか、ある決定が出ちゃうと、それっきりなんですが、これでは私はいけないと思うのです。やはりいま申しましたような勤労者や農民、中小企業者、学者、いろいろな
人たちの
委員会でもつくっておいて、これはもう一ぺん審査してもらいたいというようなときには、民間から再審査を要求できるというような機構を開かなければだめですよ。そういうふうにして、公取の決定にももっともっと念を入れ、権威あるものにしてもらう。
それからいま独禁法の適用除外は、たくさんあります。これは一々もう一ぺん再検討して、整理する必要がある。
それから管理価格につきましては、やはりこれは何と言いましても世論というものが相当な役割りを果たすと思いますので、管理価格の、名前はどうでもいいですが、監視
委員会のようなものをやはりつくりまして、そうしていろいろな情報を集め、世論を反映させ、そうして資料の提出などを要求したり、必要あれば勧告したり、発表したり、そうしてこういうものを押えていくという機能を果たさせるような
委員会のようなものをつくる必要がある。おそらく諸外国にはそういう例もあると思うのですが、ぜひこれをつくってもらいたい。
それからもう一つ重大なことは、最近は品物そのものの値を上げるとすぐわかりますから、だからそのものの値を上げないで、新しい型のものをつくるのです。いままでは五十万円のものだった。今度の新しいものは五十五万円のものだ。けれ
ども、形も違うし、名前も違うのです。これは値上げにならないのです。新製品が出たことになるのです。だから、こういう値上げも相当あるだろうと思う。これは物価指数に乗ってこないのですよ。ですから、そういう点では製品の規格化、標準化というものを
——これもぴゅっと統制経済みたいにしろというのではありませんが、ある程度で標準化、規格化というものを推進しなければならぬ。これをぜひやってもらわなければならぬ。そうしないと、物価に対して逃げ道ができちゃうのですからね。それをやっていただく。
それから、誇大な広告を規制する。一定額以上の広告には、相当の重い税金をかける。広告費は、おそらく交際費とあまり違わないぐらいの額なんです。六千億ぐらいあるのです。ですから、こういうものに対しましては、相当厳格に規制し、課税の対象にもしていくということをひとつお
考え願いたい。
交際費については今度幾らか課税があるようですが、これもあまりちょっぴり過ぎるので、もっともっと思い切って課税をする。財源は幾らでもあるわけです。七千億もあるのですからね。これはほとんど飲んだり食ったり、あるいはこれが不当競争の手なんですからね。つまり価格は下げないで、中間の卸屋さんや問屋さんを招待したり、それの獲得競争にあるいはリベートに使ったり、こんなことにみんな使ってしまう。生産性が上がっても、消費者にちっとも還元されない。だから、こういうものを相当厳密に洗って、ある程度以上のものは相当の重税を課して、こういうものは使わないようにさせてしまわなければいけない。税金によってストップさせるぐらいの税金をかけていいと思うのです。そういう点を広告費や交際費についてはひとつ
考えていただく。
それから、広告費、交際費なんて名前を使わないのもあるのです。販売促進費であるとかなんとかと、いろいろな名目ですから、これは専門家が見ないと、われわれが見てもちょっとわからないのです。しかし、実質的にはいまのような中間のむだな費用
——社会的にはむだな費用です。こういうものをひとつ規制することをお
考え願いたいのであります。これは要望ですから、申し上げておきます。
そこでもう一つ、物価問題で、今年度
予算の中でも、さっきも問題になりました国鉄の運賃ですね、この問題をひとつお聞きしたいのです。国鉄の問題については
総理も専門家でいらっしゃるし、私思うのですが、国鉄の運賃を思い切って上げないというのが、私は今度の物価対策に対する姿勢を
国民によく知ってもらうには一番いいと思うのです。どうしても上げるという場合にしましても、私は、旅客運賃を上げるのは、ここへきてはもういかぬと思うのです。大体あれじゃないですか、国鉄の運賃のあれを見ましても、貨物のほうではえらい損、旅客のほうで膨大なもうけをしているのですね。これはあまり正しいあれじゃないと私は思いますね。特に貨物の中でも、いま問題にあげましたような、いわゆる管理価格をなしていると思われるような物資が、運賃は一番安いのです。つまり生産財、基礎資材、大企業の製品、これはみんなうんと安いのだ。そうして同じ貨物の中でも、農産物であるとか中小企業製品だとかいうものは、これは比較的高いのです。同じ一トンでも、鉄鋼の輸送料とミカンの輸送料は、何だか六分の一ぐらい違う。ミカンのほうが六倍も高いというのです。ですから、私は、そういう同じ貨物の中でも、生産性がどんどん上がっているものについて、利益率はそういう会社ほど多いのですから、運賃を上げて、そういうところに吸収させていくようにしたらいいのです。そして旅客につきましては今回は値上げをやめる、こういうことにしなければ、
国民の物価に対する
考え方にしましても、とうてい
政府を信用することはできないと思うのです。この点については、
総理、いかがでしょうか。