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江田委員 私は、時間がありませんから、いずれそういう問題については同僚議員がそれぞれ専門的にまた御
質問すると思いますから、最後に
大学問題について一言聞いておきたい。
政府は
大学の自治を尊重するといっておりますけれ
ども、しかし、たとえばあの問題になりました東大の十項目の確認書などの扱い方を見ると、どうも
大学の自治というものを尊重しようとしていないのではないかという感じを受けるのであります。法制局の見解が発表されましたが、まことに意地の悪いやり方だと思います。まあ、言ってみれば、しゅうとの嫁いびりのようなものであります。重箱のすみをつついたような問題を出して、そうして、しかも最終的には、違法であるとも言えるし、違法でないとも言える、違法であるとも言えない、違法でないとも言えない。ああいう問題の出し方というものは、ほんとうに
国民に対して親切な出し方かどうかということであります。すべてに問題があるような出し方をしている。私は、今度一月二十八日に「七学部代表団との確認書について」という加藤代行のこの見解が出ていますが、少なくともこういうものが出てから時間をかけて検討したらいいと思う。それを一片の文書だけ出して、部分的な筋書きだけを見てあわてて結論を出すというようなことはやめてもらいたいと思う。
大学というものはそれぞれが自主性を持ってやればいい。全国の
大学が一色になる必要はない。それの自主性を尊重していくということが一番の肝心なことだと思うのでありますが、文部大臣はこの本は読まれたかどうか、これでもまだ問題があるというのかどうか。まあ、
答えはあとでもらえばいい。私に対する
答えは要らない。
さらに
総理は、
大学問題については中教審の答申を待ってということを盛んに言われますけれ
ども、一体いまの中教審のメンバーというものを妥当なメンバーと
考えておられるかどうか。会長八十歳、副会長七十九歳、全員明治生まれ、平均年齢六十七歳——私は、年をとったからだめだとは言いません。しかしながら、ほんとうに
日本の
大学をどうしようということを
考えるならば、こういう人だけでいいのかどうかということは、もっと
考えるべきじゃないかと思う。副会長の七十九歳の人は元文化財保護
委員会の
委員長だ。全部文化財ですよ、これは。こういうものを一体このメンバーにまかしていいのかどうか。ここにあげられるような人々がつくった
大学がいま価値を問われているのじゃありませんか。いまの
大学はあまりにも古過ぎるということは、だれでも認めることなんでしょう。それを依然としてこういう連中にやらすということで済むのかどうかということなんであります。
さらに私は、
大学問題というのが、いまはただ紛争という治安的な側面だけがクローズアップされておりますけれ
ども、実は、
大学問題というのはもっともっと広範な問題じゃないのか。そのことをもっと積極的に手をつけなかったら問題の
解決はできぬということを申したいのであります。
たとえば講座
一つとってもそうでしょう。いまのこの都市をどうするかという都市工学の講座なんていうものは、どういう内容を持っているか、
総理もあとでよく聞いてみていただきたい。とても実情には沿わない。
さらに、私学と国立との差の問題があります。
学生の七二%が私学に集まっている。その人々が払う授業料、入学金。これと国立とで、この違いを一体どうするのか。これで教育の機会均等と言えるかどうかということなんであります。
昭和十年の授業料をもとにして現在の授業料を見ると、国立は百倍上がりました。ところが私立は五百五十倍になっておるのであります。そうして、今度の予算を見ても、国立に対する予算は一二%伸びておりますが、私学に対しては八%しか伸びていない。ところが
佐藤総理、勤労
学生のことを
考えてごらんなさい。いま四年制の
大学に十二万六千名の勤労
学生が夜間通っておるのでありますが、その中で国立
大学が受け持っている部分は幾らかというと、わずかに四・二%であります。恵まれないこの勤労
学生が行っている学校はほとんど私立じゃないか。その私学というものを真剣に
考えているのかどうかということなんです。教育の
改革というものは、確認書がどうとかこうとかいうことだけじゃない、こういうところにあるということをもっと
考えてもらいたい。
たとえば奨学金の問題なんかはどうです。わずか六%しかふえてはいないじゃありませんか。全体の予算規模を大蔵大臣
考えてごらんなさい。六%の伸びでいいのか。しかも私はこっけいだと思うのは、育英会の事務補助金は一一%伸びておるのであります。育英会の事務補助金は一一%伸びても、肝心の育英資金は六%しか伸びない。育英会というのは何のためにあるのかと言いたいのであります。
われわれはこういうようなことを
考えるときに、
大学の問題についていままでやってきた、その人たちがやったことが価値が問われている古いメンバーの中教審だけにまかしておいて
解決がつくかどうか、そこのところを
総理に
答えていただきたい。