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畑委員 そうすると、
申し立てした者あるいはその
被疑者というような
立場におるのは
前田本部長以下であるから、その人の自由であると
考えて、特にどうこうという指図はしなかったけれ
ども、
警察官の
立場にある
前田本部長がやることであって、そういう意味であなたの本庁のほうへ逐次連絡はしてあった、こういうことですか。――わかりました。
そこで、実は先ほ
ども私申し上げたんですが、これがなかなかの大きな問題になり、さらにはまたその後フィルムの提出命令その他の問題になって、いずれ
川上さんにも
あとでお聞きしなくちゃなりませんが、そういった問題にもいろいろ波及して
注目を引いている
事件でありまして、そこで私この間
博多へ行ってまいった、先ほど申しましたが。私と、それから護憲連合の代表の方、それから
現地の社会党の人、それからこの
事件、
学生の
博多駅
事件の刑事
事件を担当した弁護士であると同時に、われわれの告発、それからまたさらにいまの準
起訴手続、それらの代理もやっております
福岡清弁護士を一緒に帯同いたしてまいりまして、そしてその
事情をいろいろ各方面から聞こうと思いまして、
真庭裁判長以下にも会い、
井上正治教授とも会い、それから
最後に
前田本部長ともお会いをする
機会を得たわけであります。そこで
調査をした結果について、さらに私の危惧というか、そういった印象を得たものでありますから、それについて
一体国家公安委員長はどうお
考えになるだろうかということについて聞きたいのですが、結局は、私は公務員としては適格性に問題があるのじゃないかというような、結論的に申しますと、そういう印象を受けておる。というのは、私が七月の三十一日に参りまして
本部長に面会々求めたんですが、
本部長は、私は衆議院議員である、それと同時にまた県会においてこの問題を取り上げた浦川君という県議会の議員、その方の二人だけとは会うけれ
ども、ほかの人とは会えない、こういうことで入り口で押し問答をしましたが、いつまでそれではらちがあかぬので、私と浦川君で
前田本部長とお会いしました。ところで、だいぶかたいことを言うじゃないかというような話等もしたのでありますが、
前田君が言うには、
警察関係の記者を同席させてください、こういう話だったのです。いままでかつてそういう申し出があったようなことは経験をしておりません。私は、全部の
調査を終わってから、
新聞記者の
人たちと会見を予定しておりました。
裁判所で、司法記者クラブが中心と思いますけれ
ども、そこでわれわれの
調査結果についての
考え方を申し述べたいということで打ち合わせしてありました。ところがいま言ったような申し出でありますから、それは困るということで
意見が対立いたしましたのでありますが、どうしてもたってそうしてもらいたい、そういうことで、そこで私も
考えました。それじゃ、君はさっき拒否した弁護士
福岡清君を立ち会わせるか、一緒にわれわれの一員に加えるか。そうしたら、困ると言っておりましたけれ
ども、それじゃよろしい、ただし
発言をさせないということで
了解願いたい、こういうことであるから、せっかくわれわれの一団として来て、
本人が拒否して、ようやく
新聞記者の会見の問題、立ち会いの問題を一まとめでまとめて話をするということについては、その弁護士が
発言をしないというようなことはあり得ない、困るということで、結局は
発言をさせるということで、
福岡弁護士もその会見に参加をさせると同時に、また
警察関係の記者の方々にも立ち会いを許すということになりました。それで会見が始まったのでありますけれ
ども、その途中におきまして、特に
福岡弁護士が、私の発問した問題から、
忌避の問題について、準
起訴の問題について、
真庭裁判長とお会いしましたときに私たちが聞いた話でありますけれ
ども、当日の実情を明らかにするために、当日
博多駅の
集札口を中心とする警備体制、その編成や人名、こういうものをひとつ明らかにしてもらいたい、通知してもらいたいという官公署の照会を、
裁判所から県警
本部長のもとに、特にそういう点も配慮をして名前を入れず、官名、官職名だけで出したそうであります。
〔
委員長退席、進藤
委員長代理着席〕
ところが、それに対して協力が得られない。それで実は
調査がなかなか困難をきわめておる、こういうような話等がございましたので、その話を申して、県警
本部長としては、官公署の照会には、
本部長として官公署であるから当然答えるべきではないか、その結果どうこうということは別問題である、自分が
被疑者というような
立場に置かれておるという問題は別問題であるから、そのときには当然それに応ずるべきである。それでなければ公務員としての要請にこたえてないことになるではないかということを申しましたところが、君たちは
裁判所の使い走りか、こういうような
発言があった。そこで実は
福岡君も私もおこりましたけれ
ども、
福岡君は特にハッスルして、その
発言を取り消せというようなことで迫った。その後、片岡照征巡査――当時被告の
学生を逮捕した巡査でありますが、その人が公務執行妨害を受けたということで問題になっておるのですけれ
ども、その人がその当時おらない。
裁判所も実はその行くえを追っているけれ
ども、なかなかわからないというようなことだったから、その問題などを取り上げました。ところが、その片岡さんがその後に復職をいたした。一たん辞職をして、それから今度は機動隊に復職をしております。こういうような話等がございましたが、それで、それじゃ証拠隠滅じゃないかといったようなやりとりなどあって、黙れ、黙らぬというようなことなどあって、その会見は、そのまま、とうとう
最後にはこの弁護士をつまみ出せ、こういうのでほかの人に指図をするというようなハッスルする場面までありまして、私も、みっともないからそんなあなた興奮しなさんなということでたしなめたのでありますけれ
ども、なかなか一向おさまらぬというようなことで、そこに、すぐ目の前に、ちょうど
大臣のおられるくらいのところに記者連中が十数人放列を敷いて写真をとったりなどいたしておりました、その前でのできごとであります。こういうことから、いろいろ
考えまして、実は私の
心配がやはりそういうところにあるわいというような感じを受けたのであります。そうして
被疑者であるから、われわれは君らとも話はせぬのだ。
国会議員の畑さんとだけはしようがない、会う。だけれ
ども、ほかの連中と、おれは
被疑者で、おまえら相手だから会えないといったようなことだった。あるいは
最後のいろいろな暴言等にも発展する、こういうようなことで、私はどうも
前田本部長が、そういう意味でも、
裁判所からの照会にも応じないといったようなこと等からいたしましても、どうも公務員としての適格性を欠くのではなかろうかというふうに
考えたわけでありますが、その点でその後にも「週刊ポスト」というような週刊誌にも、この「タカ派県警対ハト派地裁」といったようなことで、マスコミから取り上げられた。「七〇年安保に追われた? 良識派
裁判長」こういったような見出しで「週刊ポスト」にも出ておりますけれ
ども、その「週刊ポスト」に書いてある県警記者クラブのある記者の見方として、
前田本部長「気が強くて親分肌。推理小説を書いて一人エツに入ったりする“文才”もあるが(『グランジェ氏の激怒』という自費出版の推理小説集がある)、政治的な
判断もなかなか鋭く、
真庭裁判長の
忌避申し立てに当たって『大将がフラフラしていては部下の士気にかかわる』といった言葉が彼の性格をいちばんよく表わしているだろう」こういうような批評もあるくらいであります。さらにほかの
新聞、フクニチ
新聞でしたか、には、「
裁判官忌避問題」ということで相当大きな
記事で「ねらいは部下の士気高揚か」、こういうような見出しでいろいろ記者の連中の匿名での対談が載っておるわけです。そういうことで、私としては一連の
前田本部長の
忌避の
申し立てが、公務員としての適切な処置ではないのではないか。むしろ
付審判の
事件の引き延ばしをやっておるというような感じを持っておるわけです。そういった全般の点から
考えまして、
前田本部長に対して、国家
警察のほうの
大臣を担当されておる荒木
大臣として、どのようにお
考えになっておられるか、それをお伺いしたいと思うのです。いま対立したような形になっておって、どうもうまくない。この辺に対する
大臣の
見解をひとつ承りたいと思います。