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岡沢委員 杉井さんがなくなられてから約一月たつわけでありますが、御
出席の皆さんの中では、この杉井さんの遺族の方に、国なり大学という
立場からの慰謝、弁償の措置はなされていないようであります。先ほど民事
局長のお答えで、これは不法行為が成立すれば、第一の責任者である笠貫医師とか多田看護婦が損害賠償の責めを負うのは当然でありますが、笠貫医師の場合はいわゆる無給医局員でございますし、看護婦さんの多田さんはそれだけ弁償の能力があるとは思えないわけでございます。実際問題として、使用者責任であるか国家賠償責任であるかは別にしまして、国立大学でありますから、千葉大学なりあるいは国なりが積極的な
誠意を示すということが、やはり大事な政治的な義務ではないか。先ほど無責任ということを言い合いましたけれ
ども、しかし、まず他人の無責任を責めるよりも、国自体が
誠意を示すということも、無責任時代を解消する第一歩ではないかという意味からも、
被害者の遺族が
納得されるような措置をタイムリーにしていただきたいということをお願いをいたしておきます。
時間がありませんので
最後の質問でございますが、いわゆる学生台風というのですか、デモの被害、この被害の中身も、当該の大学自体の被害、
警察の受ける被害、あるいは国鉄の受ける被害、いろいろ考えられますけれ
ども、きょうは質問の性質からいたしまして、先ほど申し上げましたように、善良な一般市民、何の縁もない一般市民が、やはりこのデモ被害によりまして、きわめて切実な生命、身体、財産の被害を受けておるわけであります。きのうも青山学院大学で、正門のわきを通っておった民間の人四人がいわゆるゲバ学生に監禁をされ、集団暴行を受け、三人が負傷するという
事件もございました。彼らの羽田闘争、神田の解放区の闘争、新宿
事件、王子
事件、京都では立命館大学周辺の被害、数え上げれば切りがないと思います。俗にいわれる台風として、これはやむを得ない自然的な災害と私は見るわけにはいかないと思う。しかし、実際問題としては、大部分の
被害者は泣き寝入り、これは性質上
加害者が特定できないというような法律上の難問もありますけれ
ども、しかし、もしこういうことを放置しておいた場合、一般市民の政治に対する不満というか、これが起こってくるのはあたりまえのことでございますし、一九七〇年闘争ということを控えまして、こういう
ケースは、私は政治課題として看過できないのではないかというふうに感ずるわけであります。ここでちょうちょう
指摘することは避けますけれ
ども、民家がガラスを割られ、商売ができない、車がとりでに使われる、非常に大きな被害が広範に、しかも繰り返されて行なわれているということは、これは事実として認めざるを得ないと思います。これにつきましては、千代田区なんか、災害対策費から見舞い金を一件当たり三千円出されておる例もあります。羽田
事件のときは、東京都がやはり三千円災害対策費から出しておられるわけです。おもしろい
ことばがございますけれ
ども、王子病院の
事件に関連しては、防衛施設庁が王子病院周辺整備費ということで百三十五万支出をされているという事実もございます。これはやっぱりこれだけ
事件が続発しておるときであるだけに、こういう一般善良な何の縁もない市民に対する生命、身体、財産の被害について、実際の解決策として、補償関係あるいは国の責任について明らかにするべき時期にきているのではないか。現行法あるいは立法、両面から考えてみる必要があると思いますが、この辺について、
法務省民事局長のお考え方、あるいは法制局のお考え方、
最後に小津政務次官のお考えを伺います。