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坂田国務大臣 お答えを申し上げたいと思います。
昨年来の
大学紛争の一番激しいものとして東大があったわけでございますが、昨年より
加藤執行部におきまして紛争解決に対して非常な努力をされて、本年になりましてから、一月の十八日、十九日には機動隊をも
導入して占拠
学生を排除するというような異常な
措置をとられました結果、まだ一部には、医学部であるとか、文学部であるとかあるいはまた駒場等におきましては、授業再開ということにはまいっておらないようでございますが、しかし、東大全体といたしましては、昨年の
事態から
考えますと一歩前進をし、そしてただいま申し上げましたような学部以学の学部におきましては授業再開をし、かつ、ある一定のスケジュールのもとに四月、五月、六月ころまでには卒業の見込みありというふうに聞いておるわけでございます。また、東大の改革ということにつきましても、これまた一月の中ごろから、
加藤執行部の諮問
委員会でございますけれ
ども、
大学改革準備
調査会というものを設けまして、各専門
委員会を設けまして、その
答申も得、本来的な
大学のあり方についても検討をいたされておるように聞いております。また、
発表になっておるわけでございます。ただ、これはあくまでも準備
調査会でございまして、本格的な東大の再建計画については、新しい総長を選んで、そしてそのもとにおいて
国民のための
大学、これにこたえる東大の姿というものをつくり出そうという意欲が見られるわけでございます。また、東大のこういった
措置に対しまして、各
大学におきましても、むしろ勉強しよう、学問をしよう、研究をしようという
一般の多数の
学生あるいは教授
たちを守るために、その学問の自由を守るために、
自分たちの手で
暴力を排除できない場合においては、
警察権の
導入もまたやむを得ないというような気分が、
大学の
管理を扱っておる
責任者の間にも非常にゆるやかな速度ではございますけれ
ども、醸成せられておるのではないかというふうに思うわけでございまして、その結果として、たとえばわれわれが非常に心配をいたしました一期校の入学試験の実施につきましても、私
どもは相当の不祥な
事態があるいは起こるのではなかろうかと思って心配をし、また私といたしましても
指導、助言を続けてまいったのでございますが、幸いにいたしまして、若干の事件はあったわけでございますが、全体といたしましては、私
たちが最初心配しましたような
事態が起こらずに済んだことを、
皆さま方とともに一安心をしておるような
状況でございます。ただ、二期校の試験が二十三日から開始されるわけでございます。数の上から申しますると、一期校よりもこのほうの
大学が多うございます。そういうわけでございまして、これにつきましても一期校と同じく深い
指導、助言、また慎重なかまえでもって、全国の各
大学とも
連絡をとりつつ
国民の期待にこたえたい、かように
考えておるわけでございます。ただ一部、たとえば千葉
大学の工業短期
大学部におきまして、自衛隊員の入学をめぐりましてトラブルが起こっておることはまことに遺憾なことであると思っておりますが、全体といたしますると、昨年の
段階と本年の
段階では相当に教官の意識の変化があったのではないかと見ておるわけでございます。
ただ、長期的な問題に関しましては、ただいま第二十四特別
委員会におきまして御検討を願っておるわけでございます。しかも、その第二十四特別
委員会の課題は、繰り返し申し上げるようでございますが、第一には
一般教育の問題第二番目には
学生の地位の問題、三番目にはそれに伴いますところの
管理運営の問題、第四番目には紛争の処理に関する問題この四つの課題については、四月の中旬ごろには中間
答申が行なわれるのだと期待をいたしておるわけでございまして、その
学生の地位の問題については、中間草案が
発表されて、ただいま世間の方々の間でこの草案についていろいろ
議論がございますし、また、各
大学におきましても、これに対しましての
批判も出てまいっておるわけでございます。また、各
新聞の論説等におきましても、この草案をめぐっていろいろ
議論がなされておるようでございますが、新しいこれからの
大学、またその上における
学生の地位、
管理運営というような問題をどうするかということが広く世間におきまして、
大学当局はもちろんのこと、いろいろな方面において
議論がなされるということは、私はきわめて大切なことであると思うわけでありまして、そういうような
議論を踏まえて、それに率直に耳を傾けつつ、この中間草案というものがさらにそれらの
意見を総合されまして、修正すべきところがあるならば修正をされ、そして本
答申に盛られて、われわれの期待するような
答申がなされるように願望いたすわけでございます。
また、それは当面の
大学問題の課題でございますけれ
ども、さらに根本的な、基本的な
大学というもの、
国民のための
大学というものにつきましては、それを包みます
大学問題特別
委員会というようなものをもさらに設けまして、相当時間をかけて検討をしなければならないのではないか。そういうふうになってきておるわけでございまして、ただいまのところは、私は中教審の第二十四特別
委員会の中間
報告をまちまして、必要とあらば立法
措置を
考えたい。また、立法せずして、むしろ
現行法で
指導、助言についてこういうような
指導、助言をやるべしということでございましたならば、その点につきましても十分これに耳を傾けて、私の参考にいたしたいというふうに
考えておるわけでございます。