○
武部委員 若干
数字が違うようですけれ
ども、そう大きな開きはないですね。そうなってくると、さっき言ったように、
清涼飲料水の中に
カフェインというものがどのくらい入っておれば、子供にはどういう
影響があるかというような
実験ぐらいはやはりやるべきじゃないかというのですよ。私の言っているのはそうなんです。いま直ちに危険があるとかなんとか言っているのではない。
コーラ一本飲んでとん死したというような例はないのだから。そういうものがずっといって、健康に、からだにどういう
影響があるかということぐらいは少なくともお調べになることが必要じゃないかということを言っているのです。
アメリカでもイギリスでもどこでもそういうことについて
——あとで
燐酸について申し上げますが、そういうことについていろいろ研究しているのですよ。それだから
燐酸を使わずに
クエン酸を使っているのです。そういうようなことがあなた方になくて、心配ない、たいしたことはない、おまえの言うことは
数字が間違いだということでは納得できないのです。
次に、話が飛びますが、もう
一つお
伺いしなければならぬ。あなたは
燐酸についていろいろお述べになりました。これは
人体の栄養として必要なものであるということをお述べになったのです。これは議事録にちゃんとあなたがお言いになったことは載っておりますね。ところがそれならば、これは時間をとるので簡単に言いますが、ここにこういう本があります。この本の中に国立栄養研究所の岩尾裕之という人が「
カルシウムの摂取」という、論文とまではいかぬのですが
——これは調べてみますと応用
食品部長という
専門家です。この人が「
カルシウムの摂取」ということをここに大体八項目についてお述べになっておる。私はこれをずっと読んでみて、あなたの言っておることと全く逆なことをこの人は言っておるということがわかったわけです。それでおかしいから再度お
伺いいたしますが、あなたは
燐酸塩ということばをお使いになりました。
燐酸塩は
人体の栄養として必要なものである、こうおっしゃった。
日本薬局方によりますと、
燐酸は種々の形の塩やテステルとして人間の生理に非常に重要な役割りを果たしているが、
燐酸を栄養源として用いることはないとはっきり書いてあるのですよ。これはあなた、反論ができたら反論してください。私が、
燐酸が
コーラの中にはたくさんあると言った。そうしたところが、あなたは、たいしたことはない、ほかのものにもたくさん含まれておるというようなことをおっしゃったわけですよ。そうしてあなたと同じようなことをスポンサーの
コカコーラの
会社の方が言っておる。
厚生省とスポンサーの
コカコーラの方は全く同じことを言っておる。たとえばレモンジュースにもその他のオレンジジュースにも、
燐酸は
コーラよりもたくさん入っておりますよ、ということを言っておるのですよ。
それならば申し上げますが、私が申し上げたのは、
燐酸と
カルシウムとの比率が問題だということを言ったのですよ。確かにオレンジとかあるいはレモンとかというものの中に占めるところの
燐酸の数値は、御
指摘のとおり大きいのです。しかし、こういう例はどうですか。百cc中に、温州ミカンについては十二ミリグラムの
燐酸が入っておるけれ
ども、逆に
カルシウムは十四ミリグラム入っておるのですよ。レモンは二十四ミリグラムの燐に対して四十ミリグラムの
カルシウムが入っておるのですよ。そういう比較をせずに入っておる量が
コーラよりも、二十四だから多い。
コーラは十六・〇ですから、それに比べれば二十四だから多いですよ。それは
認めるけれ
ども、その逆に、
カルシウムの含有比はレモンが二十四対四十でしょう。
コーラは逆に十六の燐に対して四・六しか
カルシウムが入ってないということを言ったのですよ。三・五分の一しか
カルシウムがないのですよ。そういう片ちんばのような飲料を、
日本のような燐を非常にたくさんとるようなそういう環境や体質の中に、こういう燐のたくさん入ったものを飲ませることが、からだにどういう
影響を与えるかということをあなたに私は
質問したはずなんですよ。あなたは相対的な燐の入っておる
数字だけを言っている。レモンもミカンもよけい入っておるのだから問題はない。スポンサーの
コーラ会社の人と同じようなことを言っておるのですよ。そういう点であなたのお
考えは間違ってやしないかということを
指摘したわけです。
そこで、国立栄養研究所の人が言ったことを、これは簡単ですからちょっと読み上げてみます。
国民栄養
調査によると、
日本人の
カルシウムの摂取量は必要量の七〇%しかない。火山国の
日本の土壌中の
カルシウムが少ないため、
カルシウムは不足がち。
カルシウム吸収率の高い牛乳や乳製品の摂取が少ないために、
日本人の
カルシウム不足は著しい。
子供が慢性的に
カルシウム不足を起こすと、体格矮小のほか、正常な情緒を持った人間にならない。
この
カルシウムの体内利用を左右している燐が、
日本人は米、パンの多食により燐の過剰摂取で、体中で
カルシウムの利用をじゃまする。
少ししか
カルシウムをとらないのに、これをじゃまする燐を多くとることはまことに困ったことで、これの解決が栄養改善の第一の力点である。
ところが最近、燐の多い飲料が多量に飲まれるようになって、ますます体内での
カルシウム利用を悪くしている。これでは
日本人をよくすることはできない。困ったことだと思う。
あなたのほうの
厚生省の
専門家がこういうことをちゃんと発表しておる。あなたのおっしゃっていることと全く逆なことを言っておりますが、これについてどうですか。