○
美濃小
委員 私の尋ねておるのは、もちろん裸でほうり出したとは言っていないのですね。裸でほうり出してはいないが、いま言った、たとえば片や国際競争もいろいろな観点から見なければならぬと思うけれ
ども、しかし、置かれておる条件というものが、ガソリン
消費税だとか貿易カルテルから見ると非常に不正常な
生産費圧迫が加わっておるわけですね。そうすると、いま言ったように人間は欲望のかたまりですから、安
いものを希望するということは人間の本能で、
経済の原則ですね。しかし、高いか安いかということを検討する前に、いま言ったようにそういう不当な、不正常な、たとえば窒素肥料を中国へは二百七十万トンくらい輸出しておるで
しょう。私のもらった資料では、
政府資料ですけれ
ども、それは十七ドルも安いのです。あるいは衣料品を輸出してもそうなっておるわけです。そういう
関係で、入ってくるものが安いと言ったって、貿易状態から見ても
外国の
生産費が安くなるように日本の企業が協力して、それを
国内価格にスライドして
国内生産費が上がるようにしておいて、そうして高いとか安いとかそれを勘案して、片や安
いものもあるのだからというものの考え方そのものがおかしい、私はこう言っておるのです。
関税をかけております、あるいは
政府買い上げをやっておりますと言ったって三五%の狂いがあるわけです。それはあたりまえのことであって、
政策の責任を埋めておると言ったって、三五%以下の措置であれば私は不十分だと思う。それをこえておればどうなるかわかりません。まあ砂糖あたりは
関税全部ひっくるめると三五%こえておりますから、確かに砂糖には若干保護があると私自身も解釈しておりますけれ
ども、しかし、そういうことを全然加味しないで、いまのような状態でいくと農業をつぶしてしまうと思うのです。そうしてそういうことは全然裏に引っ込めて
政策の表に出してこないわけですから、
政策上責任があるからこれだけのことはやります、これは当然な措置なんです。ですからそういう姿勢でなしに、何かちょっと
政策をやれば
国内農業を保護しておるのだというような恩に着せた態度、そうしてアイデアで総合農政なんという変なアイデアを出しておるが、中身は何だといえば何にもないのです。かすみを食って生きておるわけにはいかぬわけですから。
この
価格をきめる直前ですから、他の面は他の面としてこれから論議をすればいいのです。ことしの
価格を決定する腹がまえとして、そこまでやはり考えを入れて
政策を考えないと、単に表面、
農安法で七万トンくらい
でん粉を買い上げておる、それを恩に着せてやっておる、裸でほうり出したわけではない、あなた方は私
どもにこう言われても、私
どもはすなおによく
政策としてやっておるとその功績を認めるわけにはいきません。さっき言ったように不十分なものがあるわけですから。潜在しておる、不当に
生産費が高くなるように
政策をもって圧迫を加えておるわけです。ですからどんなことがあろうと
——それからまた物価が上がるのも決してこれは、四十二
年度で出してきて、賃金が上がるから物価が上がるとか
農産物が上がるから物価が上がるとかいうけれ
ども、これとて四十三
年度のパリティの回復で
——これは余談になりますけれ
ども、これから行なう国家公務員のベースアップだって四十二
年度の物価上昇の回復で
しょう。賃金や
農産物が先行して物価をつり上げたという例がいままでにありますか。全部一年おくれの下積みなんですから、ものの上がる原因はどこにあるかといえば、ちゃんと別のところにあるのです。無
計画に紙幣を造出する、あるいはこの中から国際通貨の信用価値等の狂いをカルテルで調整する、物価が上がるという原因は、全然ほかのほうに大きな原因があるわけですから
——皆さん方だって公務員で
しょう、皆さん方だってその中にあって国政を十分やってくれておると私は思っておる。
局長の賃金が上がる、上がることが先行して物価をつり上げた、そうではないと思うのです。賃金も
農産物も全部一年おくれで下積みになっておるのです。その回復をしておるわけで、物価が上がるという原因は別のところにあるわけですから、その中からそういう問題が出てきておるのであるから、どうしてもこれはどんなことがあっても最低、やはり農業の総合パリティの上がった分は
価格で回復してやらぬで、
価格で
政策支持をしないで、そういう不当条件を農民に押し
つけて、そうして土地改良だとか
生産性の向上だとか変なアイデアで農民を愚弄したら、全部
国内農業というものは逐次破壊していくわけです。大豆はまず消えてなくなる、もう六%くらい、日本の唯一の繊維である亜麻繊維あたりも全然消えてなくなっておる、大豆も消えてなくなろうとしておる、
でん粉もだんだんなくなるのではないですか、一年間に
反別がこういうふうに減っていく。そうすると、日本の農業というのは何が残るのか。総合農政というのは、私がいま言ったそこにかなめを置かなければならぬと思うのです。全然ピントの狂った総合農政なんというアイデアは農民にはありがた迷惑です。それが農業
生産を減退させていくわけです。いやしくもあなた方は農林省ですから、農林省はもっとびんとしてもらわなければならぬ。きょうのような答弁でごまかして通ろうとすることは私は許されぬと思うのです。これから
価格の最後のそろばんをはじくのですから、そういう点は単に
——需給事情なんかは別ですよ。こうなってきたら
需給事情はわからぬわけですから、百二十万トン、五十万トンしかないのですから、農政の基本から見たら、
需給事情から言ったら、基本的に
国内生産が余った場合に問題が確かに出てくる。しかし減退していって
輸入が増大しようとしておるのだから、
需給事情からいったら高くはじかなければならぬと思うのです。どうですか。その
需給事情というのは、
生産を回復する
方向で
需給事情をあなたは私に言っておるのか。どういうことなんですか。
生産を回復するほうで
需給事情——価格は上がるということになりますよ。パリティは上がる。
需給事情は低下したのだから、それを回復するということになったら両方とも
価格を上げなければならぬ要素です。どうですか。