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芳賀委員 これは、今後の日本の
農政を扱う
国会の当
委員会としては重要な問題ですからして、きょうだけでこれは論議するわけにはいきませんから、今後あらゆる機会にこの問題の
内容について究明をしていきたいと思います。もちろん、
政府が孤立してやるわけではありませんので、当然この
基本的な
方針を今後、あるいは
表現は総合
農政といたしましても何といたしましても、これは与党自民党といまの
佐藤内閣が一体にならなければ、このような施策を進めるわけにはいかぬと思いますので、ここで直接自民党に御質旧するわけにはいきませんので、いささか間接的にはなりますけれども、この点について
農林大臣から、率直なお答えを願いたいと思うわけであります。
これはことしの六月二日、武道館において
米価要求のための全国農協主催の大会が開かれて、約二万人の
生産者代表が
出席いたしまして、その際、与党自民党並びに社会党、民社党、公明党、各党が正式に代表を送って、そこでそれぞれの党の
方針を明らかにしたわけであります。その際、自民党におかれましては、政務調査会長の根本龍太郎君が正式に党を代表してあいさつを行なわれたわけであります。全部を取り上げるわけではありませんが、その中にこういう一節があります。「皆さん現在、
昭和四十四
年度予算の中で、農業予算は、七千六百八十八億でございまして、全体の国の一般会計の中で、六・六%を占めているのであります。そうして農民の皆さんが、四十三
年度に国税として国に納税しておる額は、〇・二%の百二億円にすぎないのであります。四十四
年度は納税額は百八十八億にすぎません。しかるに農業関係予算は、七千五百億円をさしておるのであります。」これは実態はなるほどそうかもしれませんが、ここでいう皆さん、農民はわずか国税を全体の〇・二%の百二億円しか納めていないではないか。しかるに、ことしの国の予算の中で農業関係予算は、これは食管特別会計の赤字負担の三千億を含めてでありますが、七千五百億円を計上しておる。ろくに税金も納めないで、
米価の
決定に
一ついてかっての要求をするのはおこがましいではないかというようなふうに、大会に
出席した全国の
生産農民はこれを受け取ったのであります。
これと、いまの
佐藤内閣の
決定した
生産者米価は、
物価が毎年五%以上どんどん急激に
上昇しても、あるいは全国の労働者の賃金が毎年、去年は一四%、ことしは春闘を通じて二八%、そうして日本の国の総
生産あるいは
国民所得が、自由諸国の中では第二位、第三位にのし上がったというような
状態の中で、一体なぜ全国の農民が、農業所得税等を中心にして年額にして百何億しか納めることができないかという点であります。これは、納められないおまえ
たちは貧乏百姓だと言うことは間違っておると思うのですね。いまの
政府の農業施策のもとにおいて、農業所得税を納めるだけの水準の所得がないから税金を納めることができないのじゃないですか。所得税さえも納めることのできない
状態に賢いて、何万人という大衆との
会議の中で、君ら農民はわずか百億円そこそこしか税金を納めていないじゃないか、それにもかかわらずえらそうなことをとやかく言うのはおこがましいというような、こういう全国の
生産農民をあたかも向こうに回すような冷酷無情の
発言を、与党である大政党の、しかも政策を担当する政務調査会長が公然と述べるこの姿勢、それと年当初から、ことしは何が何でも
生産者米価は絶対
据え置きするという
佐藤内閣総理大臣のこの冷酷の態度というものは、やはり相通ずるものがある、一体をなした農民圧迫の姿勢であるというふうに全国の農民が受け取っておることを、
農林大臣は一体御
承知ですか。この点を率直にお答え願いたいと思います。