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美濃委員 もうちょっとそこを大臣からお伺いしたいのですが、私の言っておるのは、現在でも、私の見方では、社会の職業構造として三次産業は過大ではないか。
農業だけをやかましくいうけれ
ども、その点どうでしょうか。
たとえば、牛乳
一つ見てもどうなんでしょう。牛乳の
価格を一例として申し上げてみると、農民の売る、いわゆることしきめた加工原料乳の保証
価格でも、西欧諸国、デンマークあたりと比較すると、デンマークは
農業国でかなり安いようですが、その他の国々と比較すれば、いま
日本の農産物が、世界のトップレベルで高い高いとマスコミに非難されるほどそう高くないですね。ただし、消費
価格となったら問題にならぬわけです。私は、これは
日本の流通と第三次産業に
原因があると思うのです。農民だけを何ぼいじめて
経営拡大しても、さらに一次産業の就業人口が減って三次産業が三千万にもなって、そして六〇%も三次産業だなんということになれば、社会構造というものはどうなるんですか。
たとえば、ミカンに一例をとっても、消費
価格は、東京でミカン
一つどこか食堂で買ったら六十円、七十円。消費者が食べる
価格は、生産者が販売した
価格の四倍ぐらいです。それを十ぱ一からげにして農産物は高い、こう言うんですよ、
価格保証には限度があるとか言い出すんですね。
ほんとうに高いのかといって調べてみると、それは一番大きい、特別の条件に恵まれた外国の農産物は別にいたしまして、普通国際水準のレベルからして、生産者
価格はそう高くないのですけれ
ども、いまの
日本の流通、特に食品流通というものは、われわれには了解できない現状にあると思うのです。そのしわ寄せを全部
農業に持ってくるわけです。
農林大臣は通産大臣と話し合って、流通面をもっと積極的に切り詰めて、消費者
価格を安くする努力をしたらどうです、農民だけにこんなやかましいことを言わぬで。最近になると、何か農産物の自由化あたりになると、農民がじゃまになるようなことを言うんですね、経団連あたりで。今度の
米価大会でも、農民の中からやかましく出ておりました、大臣は出席されてなかったけれ
ども。何か農協が、窃盗犯か何かの次に悪いことをやっているような、こういう風潮をマスコミがかもし出す。それを政治家が黙って見ているという
農政はあり得ないと思う。どうなんですか、その面をあれしないと、ただ
農業の構造改善、
自立経営といって
農業だけを刺激しても、こう中間経費が膨大であったら、これはどこまでいっても際限がないと思うのです。そして三次産業部門がふえていくということは、私は社会問題として大きな問題だと思うのです。その点の大きな
政策はどうお考えになっておるか。