○安福
説明員 お答えいたします。
まず、昨年度の六千万円余りの不明
事件が出ました点についての水産庁のとった
措置でありますが、一応第三次船で入りました一億枚について、その時点においてはっきりした
金額を私のほうでも確保いたしましたので、そういったものはやはり
消費者に還元すべきである、そういう見地から一億枚の放出の際に、それを価格に織り込んでもらって流した。そういうことで、強力な指導をいたしたわけでございます。その結果、概略的なことでございますけれ
ども、この価格の指導をする場合に、われわれとしましてそれを強制する力がないわけでございまして、あくまで行政指導の
段階にとどまるわけであります。したがいまして、強い指導をしたのでございますけれ
ども、必ずしもそれが一〇〇%行なわれたということには相なりません。
ただ、私
どもそれを中間的に追跡
調査もいたしました。私自身も
東京都の小売り末端まで歩いたのでございますけれ
ども、その結果かなりの分野、約半分以上のところは、これは韓国ノリであるという何らかの表示をいたしまして、それを直接に
消費者に還元するような努力をしてまいったということでございます。
価格的な面につきましても、私
どもが予測しておりました線よりも、われわれがつかみました
調査の結果では、まあ下回るという感じでございます。もちろん、中にはわれわれの指導に乗っからずにかなり高い、二十円がらみで売った、そういう結果も私
ども把握しております。しかし、私
どもは当初どこまでできるだろうかという不安もございましたが、そういった見地から見ますと、指導がかなり徹底したという結果を得ております。
それから第二点の、きのうおとといと開いた、韓国との本年度のノリの輸入の
会議でございます。これにつきまして韓国側は、向こう自身輸出の品物につきましてノリがかなり大きなウエートを占めております。韓国が
日本に輸出している
金額の約一六%ぐらいのウエートがあります。したがいまして、ノリについての輸出に非常に強い関心を持っております。したがって、話し合いは二日間にわたりまして熱心に討議されたわけでございますけれ
ども、わが国の生産と同じように、韓国におきましても、本年度は天候の条件あるいは降雨の条件、そういう問題で、同じような事態で推移いたしまして、生産量が大幅に下回っております。現在私
どもがつかんでおります韓国ノリの生産
状況は、十億を割り込むのじゃないか、こういうような
状況でございます。この点やはりきのう、おとといの討議の結果、向こうのほうも、率直に向こうの生産事情もはっきり申しております。
その結果、向こうとしましては、一応希望としては非常に強い希望もあったわけでございますけれ
ども、昨年三月に四十三年度の割り当てと申しますか、輸入量をきめた数字を
一つの限度としまして、品質を落とさずにわが国に輸出したいということで、四億八千ないし五億、そういったところで私
どもとしては輸入の割り当ての努力をする、こういうことで昨夜おそく合意を見ております。
それから、次の第三点でございますが、まず第一点はのり協会の
機構なりその運営の問題であろうかと思います。のり協会は、御
承知のとおり日韓の国交が正常化いたしました時点におきまして、御
承知のとおりいろいろ輸入ノリをめぐりまして、業界でかなりトラブルがあったわけでございますが、そういった過去の経験を踏まえまして、輸入ノリの問題と国内の
流通問題をどうすれば調整できるか、うまくいけるか、こういうことからかなりの議論を経て、現在ののり協会ができているわけでございます。私
どもやはりこののり協会自体が、いまの
機構が一〇〇%いいものだというふうに申し上げるつもりはございませんけれ
ども、過去の輸入ノリをめぐりますいろいろな問題からしまして、かなりの討議を経てできております現在の協会の
機構というものは、今後もやはりそのまま続けていっていいんではないだろうかという感じがいたしております。いろいろな角度からの
検討は、現在加えております。改革すべきところはやはり改革すべきだ、こういうふうに
考えております。
昨年の不幸なるあの
事件は、一応のり協会と輸入サイドとの値ぎめの
段階で起きた問題でございます。この点につきましてはわれわれも注意をし、それを指導することによってああいった
事件の発生は、いまの
機構でも食いとめられるだろう、そういうふうに
考えております。したがいまして、のり協会もこういった点は、やはり今後の運営上の問題として十分
考えるべきじゃないか。これは、もちろんそれを
監督する水産庁としての
責任もあるわけでございます。そういった
監督上の
責任も十分われわれとしては果たしてまいりたい、このように
考えております。
それから第二点は、いろいろ現在ののり協会をめぐりまして、現在入れております韓国輸入ノリの販売方法はどうなっているかということと関連するわけでございますけれ
ども、まず輸入商社が、向こうの輸出業者と話し合って入れるわけでございます。それで入れたそのものを、商社とのり協会の間で国内価格をきめる、つまり、のり協会が受け取るべき価格をきめるわけでございます。それを値ぎめといっております。もちろん、商社が輸入にからみますマージンと申しますか、それを幾らとるかという問題に限定されるかと思いますが、そのほかコスト的な問題がございます。そういったところの話し合いがその
段階であるわけでございます。それを引き取りました全量、これがのり協会に一応移されるわけでございます。のり協会がこれを国内に放出してまいります場合には、その上にのり協会といたしましてほんとうに必要な経費を加算して国内の問屋に渡してまいる、こういうようなことでございます。したがいまして、その
段階におきまして、のり協会で価格を
操作するとか、そういう問題はないわけでございます。
そういった販売方法がとられるわけでございますけれ
ども、販売方法について
一つの知恵がないだろうか、こういった問題の
指摘があったわけでございます。これにつきまして、われわれはいろいろな販売の方法があると思います。現在の販売方法も、やはり一〇〇%正しいものだとわれわれ
考えておりませんけれ
ども、しからばどういう方法があるだろうかという問題のいろいろな方法論を
考えておりますけれ
ども、やはりわれわれは、ノリの価格というものを安定的な価格で
消費者に出していく、安定するということが大事だろう、こういう問題があるわけでございまして、その場合に、たとえば入札制度という問題があろうかと思います。しかし、入札制度という形になりますと、現在の
機構なりいろいろな条件を
考えますと、やはり価格をつり上げる方向に作用するのじゃないか、こういった問題もございます。と同時に、そういった問題をとることによりまして、現在のノリの
流通全般の問題と関連してまいる問題があるわけでございます。したがって、入札制度だけを独立に取り上げる、こういう問題でもないだろうし、そういった問題を総合的にやはり
検討してまいる必要があるんじゃないか、こういうふうに
考えているわけでございます。
それからもう一点、国内の輸入ノリの取り扱いをめぐりまして、余剰が出た場合にその処理をどうするかという問題が、当然いまの販売方法とからんで出るかと思います。その場合に、われわれとしては現在の方法を当分の間はやはりとっていくべきだろう、こう思っています。余剰と申しますものは、一応のり協会がコストとして、必要経費としてとっておりますそれと、実際にのり協会が必要とする経費を差し引きましたものだけが余剰として出てまいる、これがいまののり協会の会計上の事情でございます。そのものはやはりはっきりした形で特別勘定として積み立てる、こういうふうに指導してまいっておりますので、それについては暗いと申しますか、不正な会計経理はなされないだろう。この決算につきましても、水産庁としては十分それを見ておりますが、そういった面で余剰金の処理を現在しておる、こういうことでございます。