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小渕委員 短い時間でありますので、この
取引所の問題をここで究明することはできませんけれ
ども、
ほんとうに、現在
取引所の中における
価格の
暴騰、
暴落というものが、その
影響するところまことに多大でありますし、それによって、現在二百万をこえる
養蚕農家をはじめとして、
蚕糸業に携わる数百万の方々に、まことに
影響することが大きいという事実を勘案しながら、政治の目標が、少なくとも
最大多数の
最大幸福ということであるとするならば、この
市場において、一部うわさされるような、
相場の動きを操作する力があるなら、きわめて問題があると私は
判断しておりますので、この点につきましても、十分な
検討をされることを強く要望しておきます。
時間がありませんので、その他の問題につきましてもいろいろ申し上げたいのでありますが、
蚕糸政策の中で私は
農林省に希望をいたしておきたいと思いますが、今日、
日本の
蚕糸業に
関係するいろいろな、
技術をはじめとして
機械その他が
外国に
輸出をされておる
現況については、御
承知だろうと思います。最近の例だけでも、
農林省の
担当者が、
タイ国へ
養蚕の
技術指導に行かれておる。あるいはまた蚕種の
輸出については、過日来問題にもなっておる。さらにごく最近では、
ソ連に向けて
製糸プラントが、約十億でありますが成約されて、これも
輸出されると聞いておる。
私は、
日本がこれだけ高い
技術水準を持っておるのでありますし、こうしたものが
世界の多くの、これから発展されるべき各国に提供されて、そうした
国々もこれまた繁栄されることを、決して否定するものでもありませんし、そういうもの一切がっさい
輸出してはいかぬというような
こそくの
見解をとるものではない。しかしながら、こうしたものが多くかつ無
制限に、
日本の
現況を観察しないで
輸出されるという
事態に相なりますると、
蚕糸業に及ぼす
影響これまた大きいといわざるを得ません。
そこで、
ソ連向けの
輸出については、過般お聞きしたら、あなた方はまだフォローしていなかったようでありますけれ
ども、少なくともこうしたりっぱな
機械が
輸出されるにつきましても、
機械そのものができたことは、その会社のきわめて高い
技術水準のたまものであろうかとは存じまするけれ
ども、それが成り立ってきたゆえんは、
日本の
製糸業者各位がそういう
機械を使ってきたということをはじめとして、その底辺には、
日本蚕糸業のすべてが存在をしておることを
考えまするときに、やはり十二分な
検討をされておくことが当然だろうと思います。
そこで私は、こういうものが今後さらに、
技術を含めて
輸出されるという動向は、
日本の将来にとって当然なことであろうと思うと同時に、それが
日本の
蚕糸業に及ぼす
影響もこれまた大きい。したがって、この間をどういうふうに
考えていくか、この間の問題に
答えを出してくる、ここに
蚕糸園芸局の重大な
課題がある。また、これに
答弁ができるようでありますれば
日本の
蚕糸業も繁栄し、同時に、これから
世界の中で
蚕糸業にいそしんでいこうという
国々の期待にもこたえ得る。
日本が
先進国として何十年来
蚕糸のために果たしてきた
努力そのものも、
国際社会の中に生かし切れるということなんです。したがって、この間の
答弁を見出すということが、今後
蚕糸園芸局に与えられた
最大の
課題であろうとも
考える。ここで
答えをお聞きいたしませんけれ
ども、十分な
検討をはかりつつ、この
技術の
輸出、
機械の
輸出という問題について、御
検討されることを強く期待をいたしておきたいと思います。
それから、希望でございまするけれ
ども、私は、今日の
蚕糸業の全体をながめてみまして、このままで推移をいたしていきますれば、これは率直に申し上げて、名誉ある撤退の不安を感ぜざるを得ない。したがって、この
状況を乗り越えていくためには、私は、せっかくできた
日本蚕糸事業団というものを今後きわめて強力なものにしていって、
日本の
蚕糸事業団が、
日本の
蚕糸業のみならず、
世界の
蚕糸業についても重大な
影響力を持つという形にしていかなければならないと
考えております。
私は、国会に入りまして以来中共、
ソ連、
韓国その他
蚕糸業についてつぶさに視察をしてみまして、そうした
国々が労働力の面、あるいはまた、特に
政府として第一次産業に対するてこ入れその他から、今後そうした
国々の
蚕糸業も、大きな発展を遂げていくであろうということも予想にかたくない。したがって、そういう
段階にあって
日本の
蚕糸業をこれからさらに推進していくためには、私は、事業団の活躍にまつこときわめて多大であるという
見解をとっておるわけであります。
そこで、事業団につきましては、時間がありませんから、幾つかの御要望を申し上げて終わりまするけれ
ども、事業団につきましては、これから中間買い上げをいたしまするけれ
ども、こういう買い上げなんかにつきましても、さらに大蔵省と緊密な接触を保ちつつ、いままでのように最悪の
事態になって買い上げるというような、こういうことでなくして、弾力的に、機動的に仕事ができるような体制をひとつ強く期待をいたしておきたい。
それから、
輸入の問題につきましても、
輸入をできれば一元化して取り扱って、
輸入については
蚕糸事業団がこれを一括して扱う。それから
輸出についても、同じような
仕組みにするというようなことについても
考えてほしいと思うのです。
さらに、これは若い者が大きな口をたたくとお聞きになられるかもしれませんけれ
ども、
韓国の
生糸の問題につきましても、中共の
生糸にいたしましても、この事業団を通じてそういう
生産国と今後緊密な連携を保ちつつ、国際
市場における
生糸の存在価値というものを高めていくような
努力すら、今後に私は期待をいたしておるわけであります。
今後、この
蚕糸業界というものは、なかなかいろいろむずかしい問題もありますし、多くの
業界が存在をいたしておりまするので、簡単明快に結論はできませんけれ
ども、お互い
業界自体がそれぞれのエゴイズムを排し、
日本の
蚕糸業は一体であるという、こうした観点に立って前進のできるように、私は期待をいたしておるわけであります。
蚕糸業そのものは、どの
業界がなくなってもこれは成り立たない産業でありまするので、そういう観点に立ちまして、これからは各
業界がばらばらで行動するのでなくして、一体となっていっていただきたいということをお願いし、事業団がますますその機動力を増加して、一段と活動していただきたい。
さらに、行政的な立場からも、こうしたものを適切に指導、助言その他を行ない、さらにまた、でき得るならば財政的にも大きな
措置をとることによって、この
蚕糸業が一段と飛躍されることを、私は期待をいたしておるわけであります。
時間が参りましたので、まことに中途はんぱに終わりましたけれ
ども、
政府当局の適切な指導によってこの難局を切り抜けて、過去持ってまいりましたその実力を、さらにこれから引き続いて持ち続けることのできるように期待をいたしております。これに
関係する方々は少なくなったといえ
ども、まだ三、四百万人おるわけでありますので、そうした方々の生活の問題も
考えつつ、適切な指導があられんことを期待してやみません。
幸い、大臣におかれましても、また
局長も、産繭量並びに製糸の
生産量を最も誇る県の御出身でありますので、きょうは大臣おりませんけれ
ども、ぜひ政務次官からその旨をお伝え願って、一段の御
努力を願うことを期待いたしております。
時間が超過いたして申しわけございませんが、
委員長並びに各位に、質疑の時間を与えていただきましたことをお礼申し上げて終わります。