○柴田
委員 わが党の佐々君から、きめこまかい質問がされたわけでありますが、私は第二陣として、私は私なりの
立場から、この
農業振興地域整備に関する
法律案に対して、角度を変えていろいろと御質問を申し上げてみたいと思うのであります。
この
法律の目的を読んでみますと、なかなか名文でありまして、これについてはうなずける点があるわけであります。こういう目的を判断して、今日の日本
農業の実態という点を当局はどう把握しておるのかという、この点から質問に入ってみたいと思います。
まず、この
法案が出た動機です。昨年の国会でこれは継続審査になったわけですが、ことしの六月から
実施される、もう議決された新
都市計画法、この新
都市計画法に
関連をして、半ば
領土宣言的な
法案だということも一時耳にしましたし、なお、それぞれの党で建設部会と農林部会で合同
協議もしたように記憶をいたしております。そういう
関係でもって、
都市計画法が一方では進んでまいりました。それにおくれてはいけないという農林当局の
考え方から、この
法案が出てきたように私は解釈するわけです。
ところが、いろいろ
答弁を聞いておりますと、それが広範囲にわたって、この
法案を適用するのは多々ある。一方
都市計画法によって、そういう
市街化区域のほかにまた
調整区域というようなことばも出たということは、要するに、
都市計画法にもある程度盛られておるのではないか、こういう
気持ちがいたしますので、そういう点から、日本の
都市化というものについてどう理解をし、どう分析をしておるのか、その把握のしかたを、これからひとつ
お尋ねをしてみたいと思うのであります。
まず、
都市化の定義なんですが、これはいろいろ
地方地方において違うわけです。法的に基づく市なら市、町なら町を認定する場合には、連櫓戸数がどうだとか、公的機関がどうであるとか、金融機関がどうであるとか、町制を
施行する場合、市制を
施行する場合には、結局そういう基準があるわけであります。そういうことで、町村合併の促進法に基づいて、今日日本の市町村合併をしている。要するに、広域行政ということばで進めてきておる面が強いわけです。そういうことから、今日までその
都市化という問題についてはいろいろと
地方において解釈の違うところがある。ところが、
農林省は全国一律に、机上論で一本の解釈を出しておる。ところが、末端の実態か
らいうと、同じ
都市といっても
都市の実態が違う。そういうことから、
都市の定義というものが、多少
農林省と私たちは違うかもわからないけれ
ども、私は、要するに
都市の実態というのは三つに分類されるのではないかと思う。
一つは
都市化。これは市街地化され、また通勤圏の形成等いろいろな条件から見ての
都市化。それから
都市圏の拡大という場合の
都市、これが第二。それから都会化。これは
都市でなくて、いろいろ変わった解釈があると思うのですが、要するに、生活様式が都会的な生活様式、
都市的な社会
関係、要するに都会的な指向というものも含めてそういうような都会化、こういう定義になる。この三つが大体
都市化ということで、要するに農村の
都市化という面も含まりますけれ
ども、そういう面で、われわれは一応社会通念上
都市化というものを頭に置いて、やはり
都市政策なり、
都市付近の
農業政策というものを
考えなければならぬのではないか。要するに人口の密集地、居住者人口の集積数、こういうもののとらえ方というのは、たとえばDIDのあの三十五年に押えたときには、それ以前には大体全国で八百十九の市町村ということだったのが、三十五年には七百六十市町村になった。これは人口集中地区として半ば
都市であろう、こういう解釈で押えておると思うのですが、こういう点から、やはり
地域の分化現象というものがあらわれてきた。
こういう点で、やはり人口増の
都市、人口減の
都市というものが順次差がついてきた。
都市化の
都市というのは人口がどんどんふえてくる。たとえば、東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、大阪、兵庫というところはどんどん人口がふえておるわけです。この付近の
都市というものは、完全に
都市化されてくる。それから同じ
都市であっても、農村というような中途はんぱなところは、
都市という定義の中に入るけれ
ども、人口がどんどん減っておる。こういうものを数字的に拾い上げると、高度経済成長
政策というようなこの
政策遂行の中で、五カ年に相当の差が出てきておる。三十五年には七百六十市町村という
都市的な市町村が、五カ年後ではこれが三百町村く
らい減って、実質的には四百六十く
らいになっておると思うのですが、これらがほんとうの
都市化して成長してきておる。
この四百六十ほどの、人口増で完全な
都市として成長してきた
都市のその
市街化区域、または
調整区域、それにこの農振法で
地域指定をするとなると、この四百六十の完全
都市化したところの取り上げ方はどうするのか。同じ
都市であっても、人口がどんどん減っておるところの、半ば農村
都市といわれるところについての、この農振法の適用のとらえ方、採択方法というか、そういう点について二つの
考え方というものがなければならない。この点について御
答弁を願いたいと思うのです。