○
大出委員 だから、そこが問題なんだというんですよ。旧来、東京だって全国に引き直して、それだけダウンするから、
公務員共闘なんかでも、そこがまことにけしからぬという議論が成り立つのだけれ
ども、その議論をしたってしかたがない、旧来その議論をしたのだから。しかし、少なくともここであげている、つまり東京をとっている標準生計費、十八歳で独身男子の場合には、それよりもダウンするんですね。もう結論を申し上げれば、行(二)の五
等級というのは、十八歳の独身男子がここにくるのですから、低過ぎるということを私は結論的に言っているわけですよ。もう少し上げてやらなければ気の毒じゃないか。とにかく十五歳で、一番不遇な人が同じですよ。あなた、いまの行(一)の八の二でいった場合だって、東京よりは高いんですからね。そちらの場合は、そうでしょう。片一方は東京より高くなっている。八の二はそうでしょう、試験を通っていった人は。そして片一方は、十五歳で中学を出て、上の学校に行けなくてつとめた、それが
制度上、行(二)にいかざるを得ないわけだ。そうでしょう。その
人たちが、三年たって十八歳になった。なったらこれだけの差があるというかっこうではおかしくないかということを言っている。標準生計費の使い方は、旧来からいろいろ論議しているので、どうもこの間の
勧告あたりから、あなたのほうは実情に合わぬものだから、四苦八苦して変えてこられたから、そういう言いわけを言ってもしようがない。
もう
一つ、
総裁に聞いておきたいのは、昇進のしかた、これは私は通産省の問題のときに、しみじみそう思ったのですが、今回の皆さんのほうの
勧告の付属資料ですが、これは
説明を聞きに行こうと思って行かなくて、独断で恐縮ですが、これを見ますと、
民間の場合の支店長というのがありますが、この支店長というのを見ますと
——官庁というのは、全く私はしかたがないものだと思うのですが、付属資料のまず三二ページ、これは
調査実人員が、支店長というのが五十三人いるわけです。これは五百人
未満で、小さいところですが、五百人
未満のところの支店長が五十三人おって、何と大学を出た人は十四名、それから専門学校、短大が九名、旧制中学、新高卒が二十六名いるのです。それから高小、新中卒が四名いる。五十三名の中で三十人は大学、短
大出ではない。中学、新高、小学卒、これが三十名で半分以上ですよ。ところが同じ支店長で、全規模の支店長、これで行きますと、二〇ページのところを見ると、
調査実人員が九百九十四名いる。その九百九十四名の中で、新しい大学、旧大学を出た人が四百二十七名いるんですね。短
大出が百八十一名、中学と新制高校と新中卒と小学校、これは出た
方々が三百八名プラス七十八名。高小、新中卒の
方々が七十八名いる。中学卒と新高卒が三百八名いる。九百九十四名ですから、四百人近い人がみな大学も何も出ていない。そうでしょう。これをながめて見て、皆さんは対応
等級で
比較してこられるわけですが、これが
公務員だということになると、それこそこういう支店長といわれるところに対応する
等級の
方々で
——これは五百人以上の規模のところも念のため申し上げておきますが、これは二八ページにありますが、支店長が、九百四十一人を
対象に調べているが、何とこの中では旧制中学、新高卒が二百八十二名もおる。高小卒、新中卒が七十四名ですね。そうすると、これは三百五十六名になる。
民間の
状況というのは、こういうことになっているのですね。そうでしょう。そうすると、いまの
公務員の昇進のあり方というものについても、さきの堀田事件じゃございませんが、力がいかにあっても、いかに熟練の度合いが高くても、頭がよくても、また
努力をしておっても、
あとから上級試験か何か通ってきた人はぽんぽん飛び越えて、
そこらで西も東もわからぬ者が
課長になってしまう。
国会で質問すると、マイクでみな残して、昇進できない人がそれぞれそこにおって全部手配をして、資料をこしらえて、西も東もわからぬ人がそれに乗っかって、そこに来て答弁している、こういうことになる。そういういまの官庁機構、昇進のあり方というものを、これでいいとあなたはお思いですか。
総裁、あなたは成績がいいから上級試験通って上がっていくんだなどと言うけれ
ども、この間私は通産省を詳細に調べてみた。そうしたところが、一人残らずみんな直近上位にぽんぽんと上がっていってしまう。ただその人が大学を出ていないということだけで、いかにできても、万年係長であったり、せいぜいいったって
課長補佐どまりである。ところが、
民間を見てごらんなさい。いま申し上げたように、半分近くみんな実力主義でいっている。こういうことにしておくところに、つまり今日の官庁機構のマンネリ化がある。これは一にかかって
人事院の
責任です。
総裁いかがですか。感触をひとつ述べてください。