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原田国務大臣 先ほどから伊能さんが
経済企画庁長官と問答されておりました。私もそばで聞かしていただいておりました。この問題、締めくくりのようでありますから、ちょっと時間を拝借してお答えしておきます。
私は、この国会中にたびたびこの問題について各
方面から御
質問を承ったわけであります。その点について私の結論は、公共料金のらち、いろいろな形がございまして、私鉄の場合は大手十四社といわれ、それからバス、ハイヤー、
タクシーの場合は七大都市といわれ、それらの
ものが
運輸大臣だけでなしに、
関係の
閣僚の
会議でもって了解をしなければ決定をしないということを閣議でもってきめておる、こういうことでございます。したがいまして、先ほどからお話のあった地方の問題はケース・バイ・ケースとしまして、一番最後の問題については極力これを抑制するという態度を貫いてきておるわけでございますが、それでは、不合理な点は一体どうするのだというお問いの中に、いまあなたがおっしゃったような問題があったわけです。私
自身も実は大蔵
委員会に所属して、LPGの値上げという問題にタッチをいたしましたときに、われわれはこのLPGの税金は取るべきである——もちろんこれは
ものですから賛成、反対の
意見があって当然のことですが、私はそれは取るべきだという態度をとって社会党と話をして修正決定をしたいきさつがあるのです。そのときに
業界の
人たちに、その当時はただなんですから、あなた
たちは払うべき
ものは払って、上げるべき
ものは上げてもらったらいいじゃないか、また、こうしたらよいという方法は考えたらいいじゃないか、ただ集まって、大会を開いて、わっと値上げだとか、値上げ反対だとか、そういうことだけでなしに、もう少しほんとうに考えたらどうでしょうかということをわれわれで話をしたことがあるのです。私の記憶では、たしか附帯決議でそのことをつけたんじゃなかろうかと思って調べてみた。ところが、大蔵
委員会で運輸
委員会のことまでやるような不見識なことはしません。ただ、修正案の説明に立った山中君が中で言っております。その中で、
外国でも現に時間制、メーター制という
ものをやっている、特に走れなくなっている大都市、そこらではそういう
制度を取り入れたらどうかというようなことをそのときすでに言っておるのです。私はしろうとではありますけれども、私どもが考えてもそういうことはやるべきではないかと思っておるということを国会でも
答弁をいたしておりますし、指示をいたしております。それが、あなたが
お尋ねになったときに、近々に外へ出したいと言っておることであろうと思います。したがいまして、近いうちに事務当局から話があれば、詳細に私も相談をし、料金という問題はまた別といたしまして、料金問題とは当然関連はありますけれども、今後の
タクシー、ハイヤーという
もののあり方、この間もここで
質問がありましたときに申し上げましたが、
乗車拒否、
乗車拒否といわれるが、
乗車拒否すべき
乗車拒否もあるのではないか、たとえば運転手の身分からいうと、乗せていったために殺されたという事件もあるわけです。そして、そのために
タクシーの中にこんな仕切りをこしらえて危険防止ということをやっておる。運転手だったらだれでも乗せなければならぬのかという、今後は乗せるほうの立場に立って考えなければならぬ点も私はなきにしもあらずと思っております。
そういうことを総合的に考えて、
タクシーという
ものをどうしたらよいのかということを私は近々のうちに出したい。まあ十分であるかないかはまたそのときにも御検討を賜わりたいと思いますが、一応これは先ほど言いましたように、大都市と申しましてもあなたがおっしゃっておるように、特に東京、大阪、二つくらいに限っても、そこで一ぺんやってみる、そこまで踏み切る。そのことについて検討を加えて、やったはいいがいかなんだということではいけませんので、やはり新しい
制度をやるためには慎重に実施をしていかなければなりませんから、
業界の
人たちとも話を詰めていかなければならぬと思う。もちろんそれはやっておると思いますが、それらのことを勘案して近いうちに断を下したいと思っております。
料金の問題に対しましては、私
自身たびたび申し上げておりますように、運賃というのは世界じゅうで特に
日本は安い、これは事実であります。米は
日本が世界じゅうで一番高いわけです。その上に米はみんな上げろ上げろとおっしゃるが、一番安い運賃は上げたらいかぬとおっしゃる。だれも味方がないわけですね。もしもこのままで何にもなしにいってしまったら、先ほどおっしゃるような経済の大きな問題になりはせぬかということを考えなければならぬと私は職務上考えておりますが、私が就任いたしまして、ことし四十四年度の予算案を編成するにあたりまして
政府が
方針を立てたときに、いまの
日本の国の経済は——あなた方から見られたら批判の的になっておるわけですけれども、われわれの立場でいうと、この四十四年の三月、まだいかぬと思っておったのが順調にいっておる。そこで、一番問題は物価の問題だというので、極力これを抑制しよう、こういうことを言った限り、私も国務
大臣としてこの態度を守らざるを得ない。しかし、問題は経済上の、先ほど話もありましたように、物価という
ものに統制をかけてやったことが終戦直後にぎょうさんありますよ。あの時分は法律できめたのですから。金はあるけれども物はない。これでは経済は死んでしまっているわけです。そういうことを考えますときに、私は十分検討をして対処しなければならぬということを考えておりますが、いまのところは極力抑制をするという態度——まことに大出さんの
質問に対して
もの足りないなにでございますけれども、そういうことを申し上げたいと思います。