○受田委員 この間の私の
質問の時間に、夜やらしていただいて、皆さんの御都合を伺って私一時間半で
質問を終わって、残余の
質問を残しておいたわけでございまするので、その残りをこの席でやらしていただきます。
最初に、外務省の
局長さんがおいでいただいておりまするので、
局長でけっこうです。お答えを願いたい。
私非常に不安を感じている外交上の問題があります。それは、有田
長官、この前あなたも宣言されたし、私も強く主張した、国防というものは単に軍事力だけでなくして、平和外交の外交努力、経済、文化、そういう国際親善関係を進めていくこと、あるいは平和教育を徹底させもしくは国民に国防の意識を高めていくという国民運動、こういうものを総合的に見る国防をほんとに
考えるべきだ、そういうことを私が提唱し、またあなたもそれを納得された。その中で、願わくは軍事力を用いないで国防の本務を果たすという道を選ぶのが賢明である、その意味で平和外交を推進するということが国防の重大な一環であることを私この機会にあらためて確認をしてもらいたい。
そこで、今度の
日米安保外交並びに沖繩
返還外交につきまして、いまからその国防の一環としての外交という立場からお尋ねをいたします。
この間から議論されておる沖繩
返還に関する核抜き本土並みというわれわれ民社党の多年の主張、それが大体
政府の取り守る原則のようになったことをわれわれは一応歓迎しておるわけです。それを今度
米側に示すための愛知外務大臣の訪米、さらにこの秋の
総理の訪米という段取りになるわけでございまするが、先般来の国会の
審議を通じて、私自身がいさきか
政府の意図がどこにあるかはっきりしない点を見つけ出しておるわけです。それは、事前
協議というこの条項、交換公文に現在されているこの条項は沖繩にも適用されるという意味で御
答弁をされておるわけでございまするが、しかし、イエスかノーかという大事な問題になったときに、それを従来のような方式でよいとするのか、あるいは沖繩という特殊の事情があるところであるから
合意議事録で、国会の承認を得ないで
政府で独特の判断でこれをやろうとするのか、どこかまだはっきりした答えが出ておらぬ。ただ、はっきり一応私が
了解していることは、事前
協議条項を特別取りきめで沖繩に適用するようなものを新しくはつくらぬという御意見のようです。ただ、
合意議事録につきましては、この事前
協議の
運用について、国益を勘案して、初めは弾力的な運営、今度は適正な運営と発展しておるが、その適正な運営をするのについて
合意議事録を用いるかという印象をわれわれ持っておったのだが、これも最近どうやら
合意議事録方式をお使いにならぬような御
答弁にも拝するわけです。
合意議事録というのは、国会の承認を得る場合も私はあろうと思うのです。国会の承認を得る
合意議事録というような形ということであれば、国民の意思を十分反映する機会があるから、そういう形をとるか、あるいは
政府がそういう形をとらぬ場合には、何か別に秘密外交の方式をとるようなお
考えがあるのか、どうも明瞭にうかがうことのできない節があります。外務省の御担当の
局長がそれぞれのお立場で、対米
交渉にあたって、事前
協議に関するいま私が指摘した問題点の中で、特別取りきめもしない、
合意議事録も用いない。しからばどんなやり方があるのか。秘密外交で片づけていただいたら、国民外交を念願するわれわれとしても承服できないわけです。こういう重大ないわゆる国益につながるものを秘密で、国民を無視していただいたとなれば、これは絶対に
承知できませんので、いま申し上げた点につきましていかなる方法があるのかを、専務当局の立場からでけっこうですから御
答弁を願いたい。