○大出
委員 これは了承できないのでしてね。
恩給審議会の
答申というのはたくさんありますが、私はこれが出たときに各項をほとんど全部
——必要ないところは幾つか抜きましたけれども、矢倉さん相手にここで
質問しまして、日にちもだいぶかかりましたが、こまかく聞いておりますから、いまの話を知らないわけではないのですよ。知らないわけではないのですが、これは確かに最短年限を在勤した人で下士官になっている人もある。あるいは私どものクラスの中でもやむを得ずそうなってしまった人もいる。もっとも私どもの場合には、ほとんど沖繩に行って死んでしまいましたけれどもね。しかし中にはそういう人もいる。それも知らないわけではない。つい四、五日前も一人出てきましてしばらく話をしたのですが、その人も該当者ですよ。だけれども、ここでどうしても見過ごせないのは将官、佐官というところがたいへん上がってしまう。これは本来十一万人の中で、兵隊まで入れて軍人と名のつく
人たちの中で将官、佐官というのは、それこそ全く数少なくしかいないのですから。そうでしょう。この方々はみんな最短所要年限くらいつとめなければ将官にも佐官にもならぬのですから。そうでしょう。だからこれはほとんど全部ですよ、この
人たちは。ところが兵というところは十一万人の中で千人だという。たいへんな矛盾ではないか。どうせ
格差是正をやるならば、こういう
是正のしかたをしなくたっていいじゃないか。つまりそこのところは軍人
恩給の基本に触れるけれども……。
あなたそんなことを言うけれども、抑留されていた旧戦犯の皆さんだって、みんなこれはもらってしまうようなことになってたいへんふえてしまうようなことになっているのですよ、この
恩給審議会の
答申というのは。何から先に出してくるかと思ったらこれから出してきた。まだこのあとにとんでもないのがありますけれども、そっちのほうにはさすがにまだ手を触れていない。肝心かなめの一番最初に申し上げた
恩給改定そのものの基本に触れる問題を
答申どおりにおやりにならぬで、一番
基準になるべきスライド方式については基本どおりおやりにならぬで、こういうところから出してくるというのはどうも私は納得できない、
是正のしかたについても。だからやはりこの辺は、
ほんとうを言うと、軍人
恩給のあり方というものを各種公的年金にそろえようといったってそろわぬのです。軍人
恩給というのは政策的に今日まで進めてきてしまったものだから、そういう意味では別な切り離し方を考えて、どう処理するかというところに向かわないと老人の声というものがたくさん出てきてしまう。さっきここで読み上げた各新聞の書いている記事のとおりになってしまう。そこのところをもうこの辺で考え直さなければいかぬのじゃないかという気がするので、先ほどああいうものの言い方をしたということです。
なお、きょうは、
理事さんのほうから十分過ぎで終われと言われて、もう十分過ぎましたけれども、実はこれから中身に入って
ハンセン氏病の
問題等についても触れたいと思ったのです。これは隔離をされる前に船で送還をされる、戦地でかかっていますから。私はそれを調べて、だいぶ前に
質問したことがあるのですが、まず断種をするのですからね。そうすると、単に
ハンセン氏病で手がなくなったとか足首がなくなったとかいう意味の身体
障害だけでは済まぬのですよ。だから五
項症などというところに置いておくということではなしに、やはり何とか別な角度から
制度として確立していかなければいかぬというふうに思っておりましたが、当時は、皆さんのほうの主張は、いろいろやりとりをしてみると、どうも表に出したくないというのですね。そういう思想が背景にあるということを強調されるので、実はがまんしてきた。だからもうここまでくると捨てておけない。昔からその面にお詳しい
八田さんが
——八田さんはお医者さんでもございますからね、さっき言っておられましたが、また
塩谷さんも冒頭からしきりにおっしゃっておりましたが、まさにそのとおりだと思うのです。また
答申の中で、内臓疾患については非常によく見ていますが、外科的疾患というのはぼくらが見てもずいぶん落ちている。
ほんとうを言うとそれを一緒に直したいのです。だけれども、何もかも持ち出して皆さんのうしろ側のほうが通らぬということになるとこれから困るので、また
恩給局の皆さんのいろいろな御
意見もあるでしょうからね。満目
ケースのやつを強引に修正したら、
恩給局のやったしわざではないと思うけれども、大蔵省で門外不出の数字をどんどん新聞に書いて、内閣
委員会はけしからぬというのでたいへん私もたたかれたことがある。このあたりはたいへん複雑ですから、その辺はひとつ
理事会であらためて提起をさせていただいて、うしろのほうの方々ともそれなりに御相談を申し上げて、せめて今国会において
ハンセン氏病ぐらいのところは、一番大きなまた悲惨な問題ですから、何とかこの
委員会で手直しさせていただきたいと私は思っております。これはだいぶこまかくありますけれども、そこらの中身等について次の
機会に継続をさせていただきたいと思います。
今回出されておる中にまだ問題が六つ、七つある。たくさんはございません、提案項目が少ないですから。また最近満目
ケースに類するようなものでどうしても考えていただかなければならぬ
問題等もありますし、それからいまだに各府県におきまして、
増加恩給なんかの申請をする、三年前に出したやつが宙に迷っちゃって、引き出しに入れたままなくなったというようなことまであるわけですね。いろんなことになっておるわけですね。こういうふうな
事務的な、非常に不完全な処理のしかたということについて、何件か私の手元にもありますしするんで、そういうことで実は支給できないでいるなんということはあっては困るし、そういうふうなことも含めてだいぶ実は問題をかかえておりますので、
委員長、ひとつきょうのところは、このぐらいでという
お話でございますので、保留をさせていただきまして、あらためて御
質問したいと思いますから……。基本的なところだけになりましたが……。