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角屋委員 統計は、一つは非常に迅速をとうとぶ場合があると思います。これはたとえば生産統計にしても、あるいは場合によっては米審に合わせるための生産費調査の問題にいたしましても、これはやはり迅速をとうとぶという性質があります。
地方農林局という中二階が入ることによって、書類が第一線におりるのは四段階を通って第一線の出張所にまで行く。そしておそらく通常の場合には、報告としてもこの四段階のルートを通じて本省に上がっていく。従来は中二階が一つ欠けておったわけであります。
運営の問題としては、上からおりるときは四段階でおりてくるのだけれども、上へ上がっていくときには
地方農林局に報告すると同時に、その事務所から統計調査部にも報告するんだ、こういう運用をやろうとしておるように承るわけですけれども、いずれにしても、この中二階を置くことによって、一方ではそういうブロック別の
地域の
要請にこたえようとするのだという
説明をされようとしておるわけですけれども、統計の本来ねらっておる迅速性とかいろいろな点から見ると、非常に煩瑣になるという点がどうしても出てくる。しかも、統計が発足してから二十年以上たった今日、この
地方農林局に入るということを、やはり統計調査部長、
大臣の前で
説明をしなければならぬものだから、二割を下部にまかしているんだけれどもなかなかうまいぐあいにやってくれないというけれども、これはいささか強弁じゃないかと思うのですね。一つの一貫的な機構をもって二十年もその道でやっておれば相当に習熟もしてくるし、末端の
事情については、第一線で仕事をしておるのだから実態は十分把握しておる。何をその
地域は要求しておるか、あるいは
地域の構造改善でも第一線が農民から何を
要請されておるかは、全然わからずにいける問題ではない。したがって、そういう点は統計調査部が
地方農林局にできて、そしてそれが四つなり五つなりの事務所を総合的にやっていくということによってより効果的になるのか、あるいは中央が全国所長
会議その他支部の担当課長
会議等を通じて、あるいは第一線に出かけていって
指導することによって、そういうことがより迅速に適切にできるのかということについて、一がいに私は言い切ることはできないと思います。
何が
地方農林局にいこうとする
理由になっておるのかという点は部長からいろいろ言われたけれども、やはり私をして率直に言わしむるならば、その理屈は全然筋道が通ってないとは申しませんけれども、
農林省の林野を除いた五万人くらいの世帯のうちで統計が一万人以上の
人員を持っておる、この
人員をもう少し全体的に有効に使いたいという
農林当局や政府のお考えがあって、そしてそれをやるためには統計調査部、第一線の統計調査事務所、出張所という段階よりも、末端のやつは
地方農林局に入れれば、他の部への異動やあるいは他の局に向けるのも、より配置転換その他が円滑にいくだろう、こういう
理由というのはちょっと隠しておいて、そして先ほど来の御
説明のように、いや実は従来やってきたについては、こうこうこういう、反省をしなければならぬ、したがって、それに即応するためには
地方農林局に入れるといかにもうまくいくような形で言われるけれども、入れる入れぬの問題にしても、これは
運営をしてみなければわからないということもひとつ言えるかもしれませんが、私は
基本的には統計調査部と第一線の統計調査事務所、出張所の段階の中で、二十数年の長年の経験を経てきた中で、そういうことはできないということはあり得ない。これは
地域統計の問題にしても市町村別の統計作成の問題にしても、あるいは必要に応じてブロック別統計をつくる問題にしても、これはそういう周辺調査をするにしろ悉皆調査でやるにしろ、どういうプランでやるか精度はどの
程度のものが
要請されておるかというような形の中で、十分中央、
地方を通じてこなせる問題である。そのことだけではやはり末端の
要請にこたえる統計調査が
地方農林局に入らなければできないという
理由にならない。むしろ私をして言わしむるならば、
人員としては食糧庁に次いでのあるいは
林野庁に次いでの
人員を持っておる統計調査部の
人員というものを全体的に必要なところにまいていきながら、そして
農政をやっていく、そういうほうに振り向けたい、そうは言えないから、
地方農林局に入れるということを何とかかんとかいって
説明しなければならぬというのが、ざっくばらんに見た私の裁断である、こう思うわけですが、いかがですか。