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大出委員 いま最後に
総理がおっしゃったのは、
弊害を生じないようにということをおっしゃった。それから
総理みずからがやろうとなさっておることが
理論的にいうと筋ではないということを御存じである。この二点について、その結果どういうことが起こるかという点を立証して
おきたいのです。
機構というものが変わらないままで人だけが減った場合にどうなるかというと、依然として
仕事はあるのですから、
職場に何が起こるかというと
労働強化が起こる。もちろん
仕事の
繁閑の
度合いというのは一律ではありません。ありませんけれども、
ひまのところだけ人がやめていくのではない。
欠員不
補充になるのではない。
仕事の忙しいところでもやめれば
欠員不
補充なんだ。そうなるとどうしてもそこには大きな
労働強化が出てくるわけでありまして、現に起こっている。それから三カ年五%というのはすでに
計画が立てられて、四十四年、五年、六年ということで進んでいる。
つまり仕事のほうを考えないで人だけ減らそうとするから、いきなり
かんなをかけて忙しくても何でも減らしてしまおうというふうに
各省がおやりになる。これは
行政管理庁にはおわかりにならぬと思う。まかしているのですから。大
ワクを協議をしてきめて
あとは
各省にまかしている。
そこで出てきている
現状を申し上げます。たくさん申し上げている
ひまがありませんから幾つか申し上げますが、まず
一つは、
運輸省関係に起こっている。これは
総理、お答えい
ただきにくい面もありましょうから後刻
運輸大臣においでをい
ただいて――前に
運輸次官でおやりになっても、現在おわかりにならぬと思う。
そこでまず
一つは、
海運局関係に
出張所が至るところにございます。ここにあるだけでも二十二の
出張所、これが一人局、一人官署ですから、三カ年五%の
関係でなくなる。これは何をやっているところだといいますと、
つまり漁船の
船員であるとかこういう
方々が
船員手帳をもらったり何かを記載をする、この
方々、
船員の雇い入れとか、雇いどめといって雇うのをやめる。それからその
届け出の受け付け、
船員手帳への記入、これはみんな僻地にあるわけです。たとえば
小樽に
本局がある。ところが浦河に
出張所がある。漁港ですから。
本局までわざわざ行かなければならぬからというのでそこに
出張所を置いてあるわけですから、こういうところを切るべきじゃないのです。ところが
市町村を指定いたしまして、その
市町村にやらせるからということで今度やめさせてしまう。二十二カ所の
出張所がなくなる。そうするとさあこの人は
市町村に行く、
届け出る、
しろうとですから間違う、間違うと
本局の
小樽では照会をし直して全部やり直さなければならぬ。また
届け出に行くほうも
しろうとに届けたってわからぬということですから、わざわざ
小樽まで出かけていかなければならぬ。現にあります。こういうところに
かんなをかけちゃ困るのですよ。
幾ら五%
削減といっても、一番
末端の一番必要なところをなぜこういうことをするかという点。
機構のほうをそのままにしておいて人を減らそうと声がかかるからこういうことになる。これは私は非常に困ったことだと思う。あるべきではないですよ、これは。
もう
一つ申し上げます。
地方自治法の附則八条に基づく
定員、
地方事務官でございますが、これは
行管も
ワクに入ってないとおっしゃっておったが、
各省段階で調べてみると、みな
ワクに入って五%
削減になっておる。これは私どもやかましく言ってまいりまして、年々人がふえつつある。ところがいままで
欠員不
補充ですから、たとえば四十一年に百五名増員した。これは
陸運事務所でございます。ところがこの中でも実数は九十三しかふえてない。何だと思って聞いてみたら
欠員不
補充分だけ落ちておる。これが四十二年百三。やはり
欠員不
補充で落ちておるから九十三。四十三年が九十ふえて
欠員不
補充関係で七十三。本年四十四年の
計画は六十五名ふえておりますけれども、三年五%の減、四十四年度分ということで六十五名
定員上ふえるはずですが三十名しかふえてない。ここに明確に四十四年度は五%
削減と書いてある。そういうことになると
ただでさえたいへんな
陸運事務所、これはもうここで申し上げるまでもない。そこへもってきて、いま
陸運事務所の
関係がどうなっておるかというと、一言言いますが、私はここに表を持っておりますが、部外の
運輸業界の
業者の
団体から
定員外職員と称する者に
陸運事務所に来てもらって、そこに机を置いておる。
車検登録に行きますと机がある。女の
事務員が
事務をとっておる。その人の給料は何とか号俸をもらっておるのです。
政府が払っておるのではない。そこへ机を置いておる。山のようにあります。これは私が求めた資料だから
神奈川県だけは書いてないのかもしれません。
神奈川県だけはありませんが、ほかにないところはない。
大阪なんかたいへんです。これをやりますと、
幾ら忙しいからといって
官庁の
人間じゃない
人間を
官庁の中に入れておいて――私が行ってみればすぐわかる、服装が違うのだから。これは
外郭団体でもない、
民間の
業者団体です。そうすると、
新免交付の場合でも、
陸運汚職じゃないけれども、
業者団体にくれといわれればやむを得ぬ、そのかわり
幾ら幾ら持ってこいということができ上がる。
年じゅう事務員を借りて使っておるのですからこれはしようがないです。そういうことになっておるのに三年五%といって
かんなをかけて、六十五名せっかくそろばん上はじかれてふえるというのに三十人、こういうばかなことが、
総理、あるべきではないのです。これは、ここから私は
運輸大臣にお聞きしなければいかぬだろうと思いますが、例をあげておる。間違いない例です。
もう
一つ、二つ申し上げます。
大阪の気象台、ここの
気象観測をやっておるところで
観測課員という測候所で調べておる人は四人しかいない。東京は二人ですが、実情は違う。部屋の
関係でいまここで二人落とすというのです。そうなりますと、
天気予報を出すためにやっておりますのは、二十四時間勤務で、二十四時間の
交代制でやっておりますのは一時間
おきにやっておるのです。だから二十四回。ところがこれを落としますから何と八回しかできない。三、八、二十四、
つまり三時間
おきになる。いま
ただでさえ
天気予報は当たらぬといって大騒ぎをしておる世の中に、こういうところに
かんなをかけちゃって五%
削減だからといって減らす。だから一時間ごとの
観測が三時間
おきになる。
気象学者に聞いてみると三十分
おきにやらなければだめだと言っておる。それを現に一時間のものを五%
削減で
かんなをかけて三時間
おきになったということになると、当たらぬ
天気予報がますます当たらぬ。
レーダー観測その他でもそうなのです。みなそういうところに
しわが寄ってしまう。これは放任できませんよ。時間がありませんからあまりあげられませんが、これは私は、
あとから御
出席をい
ただくのに都合のいいように、
委員長、いま
運輸省に限ってものを言った。あまり
方々の省を出しますと、
大臣全部並べなければいけませんから。
運輸省だけを申し上げてもこういうことになる。これは
総理捨てておけないですよ。だから
理論的にいって、私の
理論をお認めになっておられる。やむを得ないから逆だとおっしゃる。
人員のほうからやるのだとおっしゃる。
機構のほうはそのままで人のほうを減らす。それが
末端にいくと弱いほうに
しわが寄せられる。
企画部門はふえておるところがある。法務省みたいに一般の
行政職はどんどん減って、検事さんはわんさとふやしておるのが四十四年度。検察官をふやしておるわけです。これもやはり一般の
行政事務、
国民への
行政サービスの面からいえば逆ですよ。そこに
労働強化が起こる。
国民への
行政サービスの低下が起こる。この現実をどうお考えになるか、それも
ショック療法の過程でやむを得ぬとおっしゃるのかどうかを承りたいのです。