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渡辺政府委員 ただいま受田
先生からのまことに卓見でございますが、私
どもも全く同じような
気持ちを持っておるわけでございます。ただ、それぞれの国の特徴もございますが、大体わが国は従来木造が多いわけでございまして、そういう
意味におきましては、せっかくの家というものが長きにわたって活用できない。こういう家も順次建てかえてまいらねばならぬ。あるいはまた土地が狭小であって、非常に
人口密度が高い。最近の経済の成長が非常に激しい。いろいろな状況がございますが、いずれにいたしましても、わが国の住宅政策というものがさらに十全を期さねばならぬということは論をまたないところだと私は思うわけでございまして、人間尊重の
立場に立って
先生がお話しになりますことには、私
ども全く同感でございます。
これに対しまして、
政府といたしましては、住宅五カ年
計画をやってまいりまして、あと一年を残すところでありますが、大体六百七十万戸の
計画は達成できるような状況になっておりまして、われわれもこれを完全に遂行するために最後の努力をせねばならぬと考えておるところであり、そういう
意味におきまして、
昭和四十四年度の住宅関係
予算等もお願いをしておるわけでございます。したがいまして、官庁営繕等につきましては
昭和四十四年度
予算はすでに御承知いただいておると思いますが、他の
予算と比べましてほとんど伸びておらない状況でございまして、できる限りそういうものは抑制をしながら、私
どもは住宅政策等に
重点的に
予算を振り向けてまいりたいと考えておるところでございます。
なお、いまお話のございました
道路等につきましても、非常に交通量がふえておりますので、いわゆる交通地獄といいますか、それに伴いまする犠牲者がたくさん出ておりますることはまことに遺憾なことでありますが、そのために交通安全に対しましては緊急三カ年
計画をやってまいりましたけれ
ども、今回また新らしく三カ年にわたりましてその万全を期するために法案等もお願いを申し上げておるところであります。
なお、歩道あるいは自転車道につきましても、
先生御承知のように、今国会におきまする交通安全
対策の
内容において、あるいはまた自転車道につきましては新しく別途の法案によりましていろいろとお進めをいただいておるところでございますので、御趣旨のように歩く人間が軽視をされておるというような現状に対しましては、われわれといたしましても十分考えてまいらねばならぬと思っておるところでございます。
なお、都市の環境が悪化してまいりまして、われわれの
生活環境というものが外国等に比べましてもあまり健康的ではないというような問題につきましては、私
どもも都市
計画法をお願いいたしまして、ことしの六月からその施行に入るわけでございますから、それに伴いまして市街地整備
地域あるいはまた都市調整
地域というような区分をいたしまして、いわゆるスプロール化を防ぎながら市街化整備というものを秩序立て、しかも能率化していくということをお願いいたしておるわけであります。さらに今国会におきましては都市再
開発法をお願いをいたしまして、さらにこれらの肉づけをいたしていこう、こういうことを思っておるのでございまするし、なおそれに関連をいたしまして建築基準法の
改正、これらにつきましてもいろいろと御審議を賜わろうということでただいま準備を進めておるところでありまして、あらゆる方面から
先生の御趣旨のような方向に進んでおるつもりでございます。
河川につきましても、終戦直後の大きな河川が災害を起こしましてたくさんの人命、財産を失いました当時から考えますと、御協力のおかげをもちまして河川の災害
対策というものも相当進んでまいりまして、最近におきましては、都市河川、
中小河川、こういうものに順次きめこまかい手を及ぼしながら、こういう河川の災害というようなものに対しましては相当な成果をあげつつある現状であると思いますが、さらにこれらの問題を推進いたしまして、災害等は防止をすると同時に、汚濁
対策、水質保全というようなものにつきましても、今後そういう公害
対策の問題につきまして、きめこまかく手を伸ばしてまいりたいということを考えておる次第でございますので、いろいろ具体的な問題につきましては、御質問に応じまして局長から御説明をすると思いますが、
先生の御趣旨のようなつもりで
建設省といたしましてはただいま進めておるところにつきましてぜひ御理解をいただきたいと思う次第でございます。