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大出委員 地下鉄の話が出ましたから、一言つけ加えておきたいのですが、横浜はことし地下鉄百三十一億
予算を組んで、起債云々という形ですけれ
ども、あるのですね。ところが、これはどこの地下鉄を見ましても、前に一ぺん例にあ
げたことがありますが、東京の地下鉄一号線、ここに全部
数字がありますが、この
数字を見ますと、これは車キロ一キロ当たりの建設費というのが、山手線は貨物線が入っておりますが、それを含めて計算をしましても、東京の地下鉄の一号線が建設費六倍かかっているのです。車キロ一キロ当たり六倍。だからそれを金に換算すれば、
国会議事堂前から霞ケ関まで三十円ですけれ
ども、乗車料金で採算をとって埋めるなら、
国会議事堂から霞ケ関まで六倍にしなければならない。これは間違いない事実です。そんなことをしたら、逆に人が乗らないです。ところがこれを見ると、
藤田さんのかつての御
努力で地下鉄に幾らか補助金を出すことになった。地下鉄一号線、このときに補助金が五千万出ております。ところが、それで広告収入その他を全部入れましても、年間収入九億九千三百五十四万。年間の広告収入、
政府の補助五千万円、東京都の補助、それに乗車収入、全部入れて総収入が九億九千三百五十四万円、こういうわけです。ところが、この年度における支払い利子が十五億あるのですよ。一年間の支払い利子十五億。国の補助、東京都の補助をもらって、広告収入まで入れて、乗車収入を入れて九億九千万、利子を払い切れないですね。利子だけで六億残っている。現実にこういうことになっている。ここに都市交通の
皆さんの長期政策
委員会がお出しになったのを最近私読んでみましたが、ここに大阪の地下鉄が書いてある。これを見ると、大阪の地下鉄もひどいものです。時間がないから読み上げませんが、大阪の地下鉄も同様です。そうなると、地下鉄はいずれどっかで何かしなければならないのは間違いない。いま
細郷さん、いみじくも
おっしゃるように、横浜は、地下鉄と、バスと、残っている採算をとれていくような路面電車と合わせて、どう伸ばしていくかということなんですが、地下鉄はいまはいい。しかし、地下鉄のいま例にあ
げた一号線の例で言うと、「危機に立つ都市交通」というのを読んで、さすがに専門家の方々が集まっているせいで、長期政策
委員会の
意見、都市交通の国の方々、学者も入っているのでしょう、大阪の例まで克明に載っておりますが、
一つ間違うと、地下鉄〕号線よりさらに悪いかもしれない。しかし、そうなると、さっきの
お話のように、小
委員長時代に御苦労されて
予算をつけてきました。年々ふやしてきました。
数字言ったってしかたがないですが、外国の例から言うと、六割から国が持っているところがたくさんある。ところが、どうもたかだか特定路線で二四%くらいの比率になっているのが日本の場合は一番高い。そうなると、とてもじゃないが、これはできません。
だから、そういう
意味からいきまして、最後に私は
一つ承りたいのですが、外国の例がここにあります。これは「日本の都市政策」ということで、三井田一男、高田康治さんという二人の方が編集しておられる。これは比較的新しい。これによりますと、ここに欧州なりアメリカのものなんかが全部、シカゴの例も載っております。全部載っております。載っておりますが、やはり国と自治体との負担区分、明確にすべきものは明確にしなければだめだということですね。それから英国流に言えば、ボンドとかビルとかいう
ことばを使って、長期債券と短期債券に分けている。ビルというのは短期債券、ボンドというのは長期債券ですね。九十九年債まであるのですから、永久債です。利子というのはみな三分ぐらいに切っている。いま七分三厘だ、これを六分にしようかなんというような計算をやっているが、これではとてもじゃないが社会資本は充足できない。これは明確に国の責任です。だから、そういうところを、先ほど申し上
げた都市別にこまかく見ていただいて計画を立てること、そうして国の責任、自治体の責任、負担区分というものはどうするかという、間接的に社会資本をどう充実するかということ、これが必要だということになる。それがつまり環境の整備であり、資本たるべきものは国なり自治体なりが持って、その上で公営企業というものが運営に当たるという形にしなければならぬということですよ。パリなんかの場合には、民営の時代から公共団体が金を出しているわけですから、そこまで
考えなければできないということです。だから、その
意味では、どうしてもまじめに働いている方には報いてやらなければならない。たとえば、横浜が関東大震災で全部やられた。焼け焦げになったバスを一生懸命たたいて塗り直して、技術整備工場で
職員の方々が塗り直してやっと走らせる。国は一銭も金を出さない。アメリカ債が入ってきているだけ。東京はたしかフランス債だったと思いますけれ
ども。戦後の復興だってそうですよ。空襲でみんな焼けちやったやつをまた一生懸命直して走らせているわけです。そういう状態で今日まできているのに、そういうところに携わっている従業員の方々が相当な御年齢でおられるのに、おれたちはこれだけ自分たちの電車を、バスを苦労して走らしてきたのに、いまおまえたちは給料高くてむだめしを食っているんじゃないかと言われたら立つ瀬がないといわれるけれ
ども、実感だと思う。だからもうこのあたりまできたら、自治省の
皆さんもさっき幾らかお下がりになった
答弁だからいいですけれ
ども、
給与給与とおっしやらないで、早くひとつ抜本的な施策というものを立てていただきたい。これはお願いです。これを
お答えいただきたいのと、最後に
国家公安委員長としての荒木さんお見えになっておりますので、一部始終をお聞きになっていたと思うので、赤澤さんが先般やはり
国家公安委員長のお立場で蛮勇をふるわなければならぬと言っておられたのですが、
そこらの感触のほどを最後にお聞かせいただきたいのです。