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1969-06-18 第61回国会 衆議院 逓信委員会 第29号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十四年六月十八日(水曜日)     午前十時三十九分開議  出席委員    委員長 井原 岸高君    理事 小渕 恵三君 理事 加藤常太郎君    理事 加藤 六月君 理事 亀岡 高夫君    理事 志賀健次郎君 理事 中井徳次郎君    理事 森本  靖君 理事 小沢 貞孝君       内海 英男君    大村 襄治君       上林山榮吉君    齋藤 憲三君       高橋清一郎君    内藤  隆君       羽田武嗣郎君    古内 広雄君       古川 丈吉君    水野  清君       森山 欽司君  早稻田柳右エ門君       安宅 常彦君    武部  文君       三木 喜夫君    八百板 正君       米田 東吾君    中野  明君       田代 文久君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 河本 敏夫君  出席政府委員         郵政政務次官  木村 睦男君         郵政大臣官房長 溝呂木 繁君         郵政大臣官房首         席監察官    西原林之助君         郵政省郵務局長 曾山 克巳君         郵政省貯金局長 鶴岡  寛君         郵政省簡易保険         局長      竹下 一記君         郵政省人事局長 山本  博君         郵政省経理局長 上原 一郎君  委員外出席者         専  門  員 佐々木久雄君     ————————————— 六月十三日  委員安宅常彦辞任につき、その補欠として栗  林三郎君が議長指名委員選任された。 同日  委員栗林三郎辞任につき、その補欠として安  宅常彦君が議長指名委員選任された。 同月十七日  委員高橋清一郎君、水野清君及び安宅常彦君辞  任につき、その補欠として中山マサ君、田川誠  一君及び中嶋英夫君が議長指名委員選任  された。 同日  委員田川誠一君、中山マサ君及び中嶋英夫君辞  任につき、その補欠として水野清君、高橋清一  郎君及び安宅常彦君が議長指名委員選任  された。 同月十八日  委員齋藤憲三辞任につき、その補欠として大  村襄治君が議長指名委員選任された。 同日  委員大村襄治辞任につき、その補欠として齋  藤憲三君が議長指名委員選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  簡易郵便局法の一部を改正する法律案内閣提  出第四七号)      ————◇—————
  2. 井原岸高

    井原委員長 これより会議を開きます。  簡易郵便局法の一部を改正する法律案議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小渕恵三君。
  3. 小渕恵三

    小渕委員 ただいま議題となっております簡易郵便局法の一部を改正する法律案につきまして、若干御質問申し上げたいと存じます。  各論に入ります前に総括的に二、三の問題についてお尋ねいたしておきたいと存じますが、現行簡易郵便局法昭和二十四年の七月十五日に施行されて以来、すでに二十年間を経過しようといたしております。この間、簡易郵便局法は、その法律精神に基づいて多くの効果を発揮してきたと存じておりまするが、その評価について、まず最初に大臣にお伺いをいたしておきたいと存じます。
  4. 河本敏夫

    河本国務大臣 ただいま御指摘のように昭和二十四年の七月にこの制度ができまして、当初は約五百局でスタートしたのでございますが、その後だんだんと整備されまして、昭和四十年ごろからはだいぶ整備のスピードが鈍りまして、ここ数年間は予定どおり進んでおりませんが、四十年ごろまでは大体順調に拡充してまいったつもりでおります。現在は約三千二百局ばかりになっております。
  5. 小渕恵三

    小渕委員 局数の変化についてはいまの御答弁のとおりだろうと思いますが、仕事内容について果たしてきた役割りを高く評価され、かつ、なお法律改正してその本来の趣旨をさらに徹底していこうという積極的御意思だろうというように拝察をいたしております。  そこで、この法律案改正にあたりまして、私どものところに賛否両論の陳情が参っております。そこで特に反対者立場からいただきます書面によりますれば、大かた整理してみますと、その反対の要旨は、第一に、憲法に保障された信書秘密が侵されるのではないかということ、それから犯罪が増加するのではないかということが第二、第三には、サービスの不公平などが生じてくるのではないかという指摘が多いのでございますが、今回の法改正にあたりまして、こうした問題点について郵政省としてはどういうお考えでおりますか、お考えを承っておきたいと存じます。
  6. 曾山克巳

    曾山政委員 ただいまお話しのございましたいろいろの欠点というような点でございますが、第一点の信書秘密の点につきましては、御案内のように郵便法第九条をもちまして信書秘密保護につきましては確保されておりまして、選定されます個人に十分な資格能力があり、かつまた、事務能力がある者が選定されますならば、信書秘密保護を乱るというような懸念はないと存じております。  なお、犯罪につきましても、従来の簡易郵便局におきます犯罪実績は、他の、国の直接の機関でございます普通局特定局等々と比べてみて特に高うございません。私どもは、先ほど申しますように、個人に十分な能力資格のある者が選定されますならば、これもまた特に心配ないと考えております。  また、サービスの不公平でございますが、これは他の簡易郵便局と同等のサービスを提供しようといたしておるものでございまして、特に本人がえこひいきをするというようなことにつきましては郵便法をもっても禁じられておりますし、かつまた、さようなおそれのある個人は選定いたさないつもりでございますので、さような懸念は全然ないというふうに確信いたすのでございます。
  7. 小渕恵三

    小渕委員 それでは、順次内容についてお伺いいたしたいと存じます。  まず、何といっても今度の改正のポイントは、個人受託を許可するかどうかという問題であろうと存じております。  そこで、今回の改正重要点であります個人受託を行なわなければならないという積極的な理由をまず申し述べていただきたいと存じます。
  8. 曾山克巳

    曾山政委員 先ほど大臣から御説明がございましたとおり、この制度の創始以来、へんぴな地域郵政窓口機関設置することにつきまして多大の貢献をしてまいりました簡易郵便局制度も、最近に至りまして、頭打ちと申しますか、横ばいの傾向示してまいりました。と申しますのは、現在受託者資格を持っておりますところの地方公共団体並びに協同組合におきましてその施設を持たないような地域地方になおたくさんあるわけでございます。そういう地域におきまして郵政窓口機関をぜひほしいという公衆の方々要望が強力にございまして、さような地域窓口機関増置してまいりたいという私ども考えから、個人受託させなければさような地域を救えないということで今回の改正提案を見ておる次第でございます。
  9. 小渕恵三

    小渕委員 その個人受託を許した場合に、それでは一体どの程度の範囲においてそうした不便な地域を解消できるというふうに現時点で考えておられるか、承りたいと思います。
  10. 曾山克巳

    曾山政委員 現在におきまして、なお簡易郵便局増置要望と、かつまた、基準に該当する地域と思われますところが約二千二百カ所ございます。さような地域におきます中で、先ほど来申しておりますところの地方公共団体及び協同組合施設がないところが約七〇%と思われます。その七〇%の地域は、個人にその受託者範囲を広げることによりまして増備ができるということになろうと思います。
  11. 小渕恵三

    小渕委員 地方公共団体をはじめとして、各種団体との契約によって簡易郵便局設置されてきたわけでございますが、そうした地方公共団体ほかの団体に対して、今日まで簡易郵便局設置について郵政省としては積極的にその設置希望してきたであろうと思いますが、それを充足し得なかったということだろうと思います。  そこでお伺いを申し上げたいのは、この郵政事業の推進によって、利益といいますか利便を得ますのはそうした不便な地域住民であろうと思います。したがって、住民サービスということになりますると、郵政省仕事ではございまするけれども、当然市町村における当局自体もそうした住民サービス精神にのっとって仕事をしていかなければならない立場といたしますれば、郵政省のそうした仕事に対して当然協力する形をとっていかなければならないと思います。  そこで、郵政省としては、市町村はじめ各種団体に対して今日まで積極的に簡易郵便局設置について御努力をされてきたかどうか、その点についてお伺いいたしたいと思います。
  12. 曾山克巳

    曾山政委員 当初におきましては、いわゆる郵便局及び郵政窓口機関の未設置町村を救うのが主体でございました。町村側におきましても非常に熱心でございました。ただ、先ほど大臣が申されました、ある時点におきましてややその充足が満たされたというような傾向もございまして、市町村当局におきまして必ずしも熱心でないところがございました。私どもは、さような地域に対しまして、その市町村自身には郵便局はあっても、へんぴな地域窓口機関がないところもあるではないかということで積極的に勧奨いたしまして、予算局数におきましても相当局数を確保して積極的な勧奨を試みるということをやってまいっております。今日におきましてもさような線を進めておりますが、先ほど申しましたような事情によって、施設そのものがないことによって国民の方々要望が充足されないという欠点があるわけでございます。
  13. 小渕恵三

    小渕委員 勧奨いたしましても受託団体がなかなか簡単に引き受けないという原因についてお伺いをいたしたいと思います。
  14. 曾山克巳

    曾山政委員 御案内のように、地方自治法それ自体には、国の行なう郵便業務というものは自治行政の対象から除いてありますが、それを簡易郵便局法でもって特別立法いたしまして、地方自治体にも国の本来の業務でございます郵便業務を行なわせる、郵便のみならず郵政業務一般を行なわせるということになっておるのが現在の体系でございます。  そういうようなところから、自治体におきまして、本来これは国の仕事ではないか、だから国が直接国の予算をもって、国の定員をもって行なえばよいというようなことを申しておるところも若干ございます。しかし、私どもといたしましては、本来の自治体の気持ちは、その町村におきますところの地方吏員、あるいは協同組合にしますとその職員等をできるだけ少なく効果的に使おうというようなところから、国の事務を自分らのほうで受けますと、それだけ職員も要るというようなことになる点から反対しているというようなものが中にはございました。しかし、よく説得いたしてまいりまして、その地方民通信需要というものを満たすことが、ひいては地方自治体自治行政を繁栄させるゆえんでもあるではないかということを十分説得いたしている次第でございます。
  15. 小渕恵三

    小渕委員 地方自治法によりますと、「普通地方公共団体は、次に掲げるような国の事務を処理することができない。」として、その四に「郵便に関する事務」これがあげられておるわけです。ところが、簡易郵便局法によってこの地方自治法をやや制約をする——ことばか悪いかもしれませんが、そういった感じ法律内容になっておるわけです。  そこで、もしこのことを進めていくといたしますると、この簡易郵便局法法律によって、地方公共団体その他の団体をして簡易郵便局設置することを半義務的に強制することができないものかどうか、ちょっと御意見伺いたいと思います。
  16. 曾山克巳

    曾山政委員 ただいま御指摘ございましたように、地方自治法の第二条にはさような規定がございまして、それを阻却する意味で、この簡易郵便局法の第三条第二項をもちまして、地方自治法何々条の規定にかかわらず、この法律の定めるところに従って郵政大臣から委託された郵政窓口事務を行なうことができるというぐあいになっているわけでございます。したがって、地方公共団体はできるという規定でございますので、何々しなければならないという義務規定にはなっておりません。  私どもといたしましては、説得は積極的にやってまいりたいと思いますが、これを法律でもって強制するということになりますと、はたしていかがなものであろうかということを考えまして、いままでのところ強制するというようなことにつきましては考えておらない次第でございます。
  17. 小渕恵三

    小渕委員 これは法制局に聞いてみないとよくわからないと思いますが、郵政当局としては義務づけることはできないというか、しないということなんですが、その点について研究をしたことがございますか。
  18. 曾山克巳

    曾山政委員 仰せのとおり、地方自治体におきます地方住民要望が非常に商いのにもかかわらず、なおその地方自治体におきまして、しかも施設があるのにかかわらずこれを受けていただけないということ等の場合には、感じといたしましては、ただいま小渕委員おっしゃいましたとおり、私どもとしましてはそういう感じを持つのでございますけれども、これを義務づけたほうがいいかどうかという問題につきましては、従来内部では討議したこともございますけれども、外部の法制局当局とその点についてまで研究したことはございません。ただ、これは一つ研究課題だと思いますので、今後さらに研究いたしたいと思います。
  19. 小渕恵三

    小渕委員 そこで、今度は逆に地方自治法精神に戻って考えますと、国の事業というものは、これは国が直轄にすべきだ、委託なり何なりの形で国の事業地方公共団体が受け持つということは、精神に反するのであるというふうに書いてあるような気がするのであります。  そういった考え方に立ちますると、むしろいままでのように地方公共団体その他の団体郵政業務委託するというような形よりも、個人の形であっても郵政省の直接の事業として簡易郵便局のような形、なかんずく個人受託のような形でやることのほうが地方自治法精神にのっとるような気もいたすのでありますが、御見解伺いたいと思います。
  20. 曾山克巳

    曾山政委員 非常にごもっともな御意見だと思います。この簡易郵便局法を立法いたしますときの国会議論におきましてもさような議論があったことを承知しておりまして、私どもといたしましては、世界の大勢を見ますときには、ただいま小渕委員指摘になりましたとおりのような議論のほうがむしろ正論だというぐあいに考えます。  ただ、御承知のように、この簡易郵便局法をつくりましたときに、地方公共団体及び協同組合受託者として限りましたのは、いわば歴史的沿革と申しますか、当時の背景というものがございまして、必ずしも個人受託者であることの不適格であるというような理由から個人を落としたものではないというぐあいに承知しております。したがって、今後最も合理的、経済的な郵政業務を行なうという見地からいたしますと、ただいま御指摘になりましたような御見解は非常にとうとい御意見だと思いますので、今後とも十分積極的に検討してまいりたいと思っております。
  21. 小渕恵三

    小渕委員 次に、今度の法改正の出てきましたゆえんは、昭和三十三年一月に出されました特定郵便局制度調査会答申内容を盛り込んだものであろうというふうに私考えます。そこで、本来、現行法が法定化されましたその審議の過程におきましては、当時の郵政大臣小沢大臣は、個人受託についてはこれを許さないという御答弁が一応なされておるわけでございます。ところが、昭和三十三年のこの答申におきましては、この問題を取り上げまして、個人受託を許すべきであるという見解にのっとっておるわけでございます。  そこで、まずお伺いいたしたいのは、この昭和三十三年に出されました答申趣旨に基づいて、これを尊重して今回の法改正もなされておるか、その基礎になったものはこの答申であるかどうかについてお伺いしたいと思います。
  22. 曾山克巳

    曾山政委員 個人への受託者範囲の拡張につきましては、三十三年の前から団体施設のない地域につきましても郵政窓口業務を広げる必要がございましたので、議論がございました。したがって、この特定局制度調査会答申に基づいたかと申しますと、必ずしもそうではないと申し上げるよりほかないのでございますが、特にこの制度調査会答申個人にまで簡易郵便局受託者範囲を広げたがいいという答申をいたしましたことによって、私どもとしましては自信を得まして今回の提案にも踏み切ったというようなぐあいに理解していただきたいと思います。
  23. 小渕恵三

    小渕委員 そういたしますと、昭和三十三年にこの答申が出ましてから初めてこの個人受託の問題を取り上げて法制化をしようということで踏み切り、国会に法案を提案いたしましたのが四十二年の六月、この十年間に、この答申内容のうち手数料の問題については昭和三十七年にその改変を行なっておりますけれども、第一の指摘点である個人受託については、答申が出てから約十年間、郵政省としては時間が経過しておる。この間の時間的経過は、郵政当局はいかが過ごしてきたかということをまずお伺いしておきたいと思います。
  24. 曾山克巳

    曾山政委員 先ほども申し上げましたように、なお施設のない地域につきましても、住民方々郵政窓口機関増置要望というのにこたえ得なかったために、私どもとしましては相当前から個人受託希望は絶えず持っておったのでございますが、いろいろと諸般の事情にかんがみまして、いままで、つい二年前まではこれを国会に提出しなかったというぐあいに承知しております。
  25. 小渕恵三

    小渕委員 先ほどの御答弁の中に、個人受託をいたした場合には、現在満たし切れない辺地その他住民希望をまかない切れるのだという御指摘があった。これはどういうところからそういった根拠が出てくるかということをお伺いしておきたいと思います。
  26. 曾山克巳

    曾山政委員 先ほどなお簡易な郵政窓口機関増置すべき地域が全国に二千百カ所ないし二百カ所あるということを申し上げましたけれども、その中で、文字どおり現在の受託資格を持っておりますところの市町村あるいは協同組合事務所とか出張所がないということになってまいりますと、そこにはその施設を受け入れるべき場所がないわけでございます。そこで、そういう地域につきましてはどうしても個人受託者として選ばざるを得ないということになったわけでございまして、今回個人に広げることにいたしましたのも、先ほど説明しておりますように、さような趣旨でございます。
  27. 小渕恵三

    小渕委員 御答弁を聞いておりますと、個人にしたらふえるであろうという推測、観測だけなんですね。そうしたら、いまの簡易郵便局の実態、あり方、その他そういうものを調査したらこういう結果が出てきたというデータなり何なりがあれば理解するところが多いわけですが、ただ個人にしたら多くなるであろうという仮定の御答弁のように聞こえるものですから、さらに突っ込んで申し上げると、どうして個人受託にした場合にはふえるのであるかというその基礎になるデータなりそういったものがあればお示しを願えればたいへんしあわせであります。
  28. 曾山克巳

    曾山政委員 いまでも施設のあるところにおきまして個人でもって簡易郵便局を開設したいという希望の者が相当おります。ただ、現在におきましては個人受託者になっておりませんし、また、現に施設があるわけでございますから、私どもとしましては、さような方々要望はこれを受けておらぬわけでございます。しかし、そういうような実情を見ましても、施設のない地域に、今回個人であれば簡易郵便局が開設できる、受託できるということになってまいりますと、私どもの経験上、当然個人方々が積極的に受託希望を申し出る、したがってそういう地域に対して郵便局増置ができるというぐあいに信じておる次第でございます。
  29. 小渕恵三

    小渕委員 そういたしますと、新規個人受託希望者が現在かなりあるように見受けるからして、その個人受託を許した場合には簡易局が増加するであろう、こういう御答弁かと思います。よろしいですか。  そこで、その新規受託者のみならず、市町村あるいは農協職員、そういう立場におる者の中においても、あるいは個人受託という制度が認められた場合には、現行身分から転じて個人によって受託しようと考える人もあろうかというぐあいに今度は私のほうで想像するわけでございます。  そこでお聞きをいたしておきたいと思いますが、たとえば地方公共団体ないし農協その他の団体におきまして、その受託をいたしておりまする団体管理者は、その団体の正規の職員であるか、ないしまた簡易郵便局設置をされた段階において初めて管理者として採用された者か、それの数字的なものが調査をされておられるか、お聞きをいたしたいと思います。
  30. 曾山克巳

    曾山政委員 ただいまお尋ねのありました調査につきましては、私どもとしましては十分いたしておりません。いろいろ説をなす者がございまして、あるほうからは相当数がおるとも申しますし、あるほうからは相当数はないという意見をいろいろ承っております。残念でございますが、その的確な数字を申し上げる資料を持っておりません。
  31. 小渕恵三

    小渕委員 もしその数字がわかりますれば、私は個人受託を許した場合には簡易局の増加ということが考えられるというふうに考えましたゆえにいまの御質問を申し上げたわけでございます。  次に、個人受託の問題につきましては、何と申しましても、そのときにどういう方が得られるかということが最も重要な点でなかろうかというふうに考えます。この個人受託によって簡易局制度がさらに充実した暁におきましても、その人いかんによってこの法律が最も生きてくるかどうかということの判断にもなるであろうかというふうに考えます。  そこで、この人の問題につきましてお伺いをいたしておきたいと思いますが、この法律案を読みますと、「十分な社会的信用を有し、かつ、郵政窓口事務を適正に行なうために必要な能力を有する個人」この個人受託を許すと、こういうことでありますが、この個人を具体的にどういう形で規制をしていくのか、この点についてお伺いをいたしておきたいと思います。
  32. 曾山克巳

    曾山政委員 「十分な社会的信用を有し、かつ、郵政窓口事務を適正に行なうために必要な能力を有する個人」ということがただいまお示しのように法律にうたわれてございますが、具体的にどうかということを申し上げますと、職業や経歴で一がいにどうというきめつけはできませんけれども、一般的に申しまして、地区住民の十分な信頼を得るに足る方、事務処理能力をも有しますとともに、また施設を提供する資金能力も有するという方々であろうと思います。もっと具体的に例を引きますと、たとえば保護司とかあるいは民生委員とか、ないしはかつて公務員でございまして年金その他恩給の受給権者である方、そういった方々が主になろうかと考えております。
  33. 小渕恵三

    小渕委員 いま御説明があったのでありますが、このことはどういう形で、任用の場合その他は当局として一定基準みたいなものを設けてやるのかどうか、その点についてお伺いします。
  34. 曾山克巳

    曾山政委員 お示しのとおり一定基準を設けまして、具体的な例等につきましてはさらに通達等でこれをふえんいたしまして十分な選考をいたすつもりでおります。
  35. 小渕恵三

    小渕委員 いま省令及び通達によってそうした問題点について一つ基準的なものをこしらえていくというお話でございますが、それは現在でき上がっておるわけでございますか。
  36. 曾山克巳

    曾山政委員 案として私ども現在つくってございます。  なお、先ほど示ししましたようなことが主たる内容でございますけれども委託契約を申し込むにあたりましては十分ないろいろな資料をとりまして、たとえて申しますと、住民票あるいは身分証明書健康診断書、その他資産を証明する書類あるいは連帯保証人身分証明書、その他これに付帯します書類等をとりまして、そういう書類によりまして十分な審査をいたすというぐあいにいたしている次第でございます。
  37. 小渕恵三

    小渕委員 何か一説に、特に人間を評価するといいますか、信用度の問題として保証金のようなものをとるべきであるというような議論もあったと承っておりますが、現在どういうお考えでございましょうか。
  38. 曾山克巳

    曾山政委員 お話しのように、保証金をとったらどうかというお話もございました。ただ、いろいろ議論しました過程におきましては、保証金という制度よりも、やはり連帯保証人を置きまして、その保証人に保証させるほうがいいではなかろうかというように考えまして、ただいまのところは保証金をとるということはなしに、連帯保証人ということにしてあるわけであります。
  39. 小渕恵三

    小渕委員 そこで、先ほど受託者範囲個人に広げた場合にはその設置がかなり促進されるという御指摘があったのでありますが、この際、関連してお聞きいたしておきたいと思いますのは、その設置がされまするのには、設置基準に基づいて増加するということであろうと存じます。  そこで、現在簡易郵便局設置基準というものが設けられておるのでございますが、これは郵政省としてはいつ決定をしたものでございますか。
  40. 曾山克巳

    曾山政委員 まず、昭和二十四年にこの制度を創設いたしましたときに第一回の設定をいたしました。その後、事態の推移を見まして、いろいろと小規模の窓口機関増置をはかる必要があると判断いたしましたので、昭和三十七年度に若干の改正をいたしました。  具体的に申し上げますと、昭和二十四年度におきましては、設置基準といたしまして、距離は隣の郵政窓口機関に対して一・五キロということでございましたが、昭和三十七年におきましてはこれを八百メートルに縮減いたしました。さような改正をいたしたわけでございます。
  41. 小渕恵三

    小渕委員 この設置基準というものは時代の推移に伴って変革してきたようでございます。  そこで、基本的な問題でございますが、一体郵政サービスというものはどの程度の範囲まで行なうことが最も理想的であるか、理想的であるというより、現在ではこの程度の範囲しか諸般の情勢から判断してやむを得ないところであるというこの範囲を設定し、基準がきめられてくるであろうというふうに考えております。最も極端に言えば、山間僻地で、一軒二軒三軒と、わずかな戸数であっても、そうした機関が設けられることによってサービスが徹底をするわけでございますが、しかしそこまでいきますと、経済的その他の条件からしてなかなか郵政業務が成り立たないということもあろうかと存じます。  そこで、この設置基準について、いまの段階では先ほど答弁のありました範囲を適切と考え、これを改正する御意思はないと承ってよろしいでしょうか。
  42. 曾山克巳

    曾山政委員 ただいま御指摘のございましたとおり、私ども考えます郵政事業がいわゆる収支相償の独立採算制のもとで執行され、一方また、その事業の公共性にかんがみまして、できるだけ国民の方々要望にこたえていく、通信サービスをあまねく公平に提供していくという見地から見ますと、窓口としてはできるだけたくさんなほうがいいわけでございますが、また事業収支の独立採算制の堅持という見地から見ますと、必ずしも無限にサービスしていくわけにまいらない、その調和点がただいまお示しのようなサービスの限界だろうと思います。  したがまして、省といたしましては、先ほど申しましたように、従来相当距離の制限をつけておりましたのを緩和しましたのも、やはり国民の方々要望が非常に高い、つまり公共性の見地から見てこれを充足すべきだと判断いたしましたのでそのサービス基準をゆるめたというわけでございますが、現在の時点におきましては、私どもといたしましてはこの程度が十分なサービスではなかろうかというぐあいに考えております。
  43. 小渕恵三

    小渕委員 設置基準を三十七年に改正をした段階におきましては個人受託ということが考えられなかった段階、したがって地方公共団体その他の団体がともかく受託をしてくれるであろうという考え方に基づいてきめられておるだろうと思うのです。ところが、個人にかりに許すということに相なりますれば、さらにこの設置基準の点についても考慮を及ぼす必要がないかどうか、こういうことを考えまするものですからいまの御質問を申し上げたわけでございます。  次に、手数料の問題についてお伺いをいたします。  手数料の問題につきましても、特定郵便局制度調査会答申の中で、手数料は低きに失するので妥当な金額に引き上げるという指摘がなされ、これにつきましては、先ほど答弁のごとく改善をされてきたのでございまするが、しかしなおかつ個人受託を許されるような段階になり、受託者個人まで広がったような場合には、現在平均で二万五千円程度と資料で承っておりまするけれども、その程度でよろしいものかどうか、これを引き上げるようなことが考えられないか、この点についてお伺いをいたしておきたいと思います。
  44. 曾山克巳

    曾山政委員 ただいまお示しございましたとおり、昭和四十四年度の予算におきましては、月額平均値が二万五千四百七十八円となっている次第でございます。これは前年度に比べまして一一・四%の値上げであるわけでございますが、毎年さような値上げをしてまいっておりますということは、諸物価の上昇、変動、さらには郵政従業員の人件費のアップの状況、そういうものを総合的に勘案いたしまして一応合理的にきめておるつもりでございます。したがって今後も、いま私が申しましたような条件が発生します限り手数料の引き上げということは当然あり得ると思います。
  45. 小渕恵三

    小渕委員 そういたしますと、手数料の決定方式として、基本料、それからいわゆる手数料、各種のものの取り扱いにおける件数当たりによる手数料、それから切手類売りさばき等の手数料、この三つから算出をしておるようでありますが、この算出の方法についての改正についてはお考えをなされておらない、金額についてはそれぞれ毎年度諸般の事情を判断しながら改正する意思があるけれども、この方法についてはその考えがないというふうに承ってよろしいでしょうか。
  46. 曾山克巳

    曾山政委員 ただいまお示しのありましたような算出方法でもって手数料を算出いたしておりますが、これも従来単に実績値のみを使った時代と違いまして、基本額という数字を持ってまいりましたのも、できるだけ窓口機関増置をはかるという趣旨からでございまして、したがって、いまのところ、態様といたしましてはこの態様が最も合理的ではなかろうかというぐあいに考えておる次第でございます。
  47. 小渕恵三

    小渕委員 次に、業務範囲の拡大についてお伺いをいたしますが、今回の法改正によりますると、簡易局が取り扱えるものとして、老齢福祉年金等の支払い業務委託事務の中に加えることに相なっております。  そこで、無集配特定局でその業務として扱っておられるものと簡易局で扱えないもの、この間には幾つかのものがあろうかと思いますが、それについてお示しをいただきたいと思います。
  48. 曾山克巳

    曾山政委員 お手元に配付してあります資料簡易郵便局法の一部を改正する法律案のこのパンフレットの中の二六ページにそれぞれの郵政窓口機関の取り扱い事務範囲が記載してございます。  これをごらんいただきますと一覧できると思いますが、郵便につきましては、無集配特定局簡易郵便局の差は全然ないといって差しつかえございません。ただ為替につきまして、外国為替の払い渡しが、無集配特定局ではできるのに簡易郵便局ではできないのが違いますのと、貯金関係におきましては、簡易郵便局におきましては特定局でできます積み立て郵便貯金の預入、払い戻しができないわけでございます。他は全部できるということになっております。なお、年金、恩給等につきましては、年金、恩給の支払いが、無集配局ではできますが簡易局ではできないという差がございます。国庫金の扱いにつきましても、無集配局ではできますが簡易局ではできないという差がございます。さらに、簡易保険につきましては、相当複雑な仕事でもございますので、新規契約の申し込み受理だけが無集配局と同様簡易局ではできるだけでございまして、他のもろもろの保険料の受け入れとか保険金の即時払いといった事務につきましては、簡易局ではできないことになっております。年金につきましても、新規の払い込みは簡易局でもできますが、窓口掛け金の受け入れとかあるいは貸し付け金関係の取り扱いといったものにつきましては、簡易局ではできないといった差がございます。
  49. 小渕恵三

    小渕委員 先ほど個人受託の問題の中で一つ聞き漏らしたことがありますので追加して御質問いたしたいと思いますが、この個人受託した場合のその受託者、これに対して、郵政省としてこの方がりっぱにその業務を遂行し得る方であろうという見きわめは当然されると思いますが、常時、郵政当局として、この方々はその業務を遂行する者にふさわしいような教育といいますか訓練といいますか、そういうことをなされる御意思があるか、それから現行法におきまして、各団体管理者のようになっておられる方々に対しての指導、訓練、教育、こういうことについてはどのような形態で現在やられておるか、現在やられておることについて満足すべき状態であるか、あるいは個人受託を許したような場合には、さらに積極的にそうしたことを指導していかなければならないとお考えであるか、この点についてお伺いいたしておきたいと思います。
  50. 曾山克巳

    曾山政委員 ただいまお示しになったとおり考えております。  個人でありましてもあるいは団体でありましても、窓口事務に従事いたします者は十分な能力を有することが先決でございますけれども、さらに日々変わってまいりますところのいろいろな法令等に対しましても十分な知識を有する必要もございますし、訓練は十分平素もやっておるつもりでございますが、なお今後とも進めてまいりたいと思います。  具体的に申し上げますと、約五百人くらいの訓練人員を毎年予算で策定いたしまして、こういう方々に訓練を実施しております。なお、特にその中におきましても必ずしも業務成績がよくないと思われる方に対しましては反復実施するというような形もとっておりますし、今後とも、特にお示しのような訓練に重点を置いて施行してまいりたいと思っております。
  51. 小渕恵三

    小渕委員 その他の問題もございますが、時間が参りましたので締めくくりたいと思いますが、冒頭申し上げましたように、いろいろな不安があるようでございます。それについては郵務局長は最初に全面的に否定をされたと思うのでありますが、たとえば信書秘密というような点については、この前、前の国会かとも存じまするが、社会党の武部委員が本会議でやはりこの問題を指摘をされておられまして、その中では、たとえば日本郵便逓送株式会社の職員が集めておるけれども、しかし、それには郵政職員が必ず乗っておるんだというような御指摘をされておられます。しかしながら、逆に考えまして、現在の郵政マンにおきましても、おそらく郵便の集配その他におきまして、個人という一人の行動においても私はそうした信書秘密がくずされておるというふうに解決をいたさないのであります。したがって、現在でもそうした憲法に保障された信書秘密が侵されておらないという実態から考えましても、かりに個人受託をいたしましてもその危険性はない、皆無に近いというふうに判断をいたすものでございます。  さらに、犯罪の増加ということにつきましても先ほど来御答弁ありましたが、この問題につきまして、数字的にその不安を解消せしむるようなものがございましたらこの際お示しをしていただければありがたいと思います。
  52. 西原林之助

    ○西原政府委員 簡易局事務取り扱い者による犯罪の件数について御質問がございましたようで、普通局特定局簡易局、この三者を比較して申し上げたいと思います。犯罪は年度によりましてでこぼこがございますので平均で申し上げたほうがいいと思いまして、平均で申し上げます。  昭和三十九年度から四十三年度までの五年間の部内者犯罪の一カ年平均を見ますと、普通局では二百九十六件、犯罪金額は七千九百七十五万円となっております。特定局のほうは百七件で、犯罪金額が一億百八十七万円、簡易局は十一件でございまして、犯罪金額は三百二十六万円、こういうふうになっております。普通局のほうは数が少ないのでちょっとこれは除外いたしまして、特定局簡易局との百局当たりの犯罪発生比率を見ますと、特定局におきましては〇・六九件、簡易局のほうは〇・三九件ということで、簡易局のほうが低位になっております。  犯罪というのは、私が申すまでもなく、要するにこれは個人のモラル、道義心の問題でございます。したがって、いかに制度や法制がりっぱでありましてもこれを防ぐことは非常に困難であるのでございますが、だからといって、法制なり制度なりを整えるというような必要性は少しも減少するものではございません。そういう意味におきまして、今回の改正案は簡易郵便局個人受託者の資格要件を法律をもって明定いたしておりまして、すなわち責任体制が明確となっていると思うのでございますので、おそらく事故、犯罪の減少ということは期待できるものと私ども考えておる次第でございます。
  53. 小渕恵三

    小渕委員 犯罪数字につきましてはいま御指摘がありましたが、これからも鋭意努力してこれを皆無にするように努力をしていただきたいと存じます。また、個人受託をされる場合におきましても、現在簡易局犯罪件数の数字から申し上げまして、私も想像いたしまするに、個人受託になればそれが激増するというようなことは考えられない一つの根拠をお示し願えたというふうに考えております。その他問題もありまするが、概括的に幾つかの御質問を申し上げたわけであります。  最後に、要はこの法律改正は、私はある意味では現在の実態に即した形の中でいまの簡易郵便局制度をさらに充実していこうという趣旨であろうと思いまするし、そのことは僻地その他、郵政サービスを亨受する機会の少ない方々に利便を供することになるであろうと存じておりまするので、その趣旨を了といたしまして私の質疑を終わりたいと思います。
  54. 井原岸高

    井原委員長 武部文君。
  55. 武部文

    ○武部委員 最初に大臣にお伺いをいたしますが、郵政審議会の中に設けられました郵政事業公社化特別委員会は現在どの程度の進捗状況でございましょうか。また、この答申はいつごろ郵政大臣になされるものであるか、この点を最初にお伺いをしておきたいと思います。
  56. 河本敏夫

    河本国務大臣 これまで審議は順調に進んでおります。十数回開催したと思うのでございますが、いよいよ大詰めにまいっておりまして、八月ごろには答申をしていただけるのではないか、かように存じております。
  57. 武部文

    ○武部委員 十数回開催されたようでございますが、そういたしますと、この公社化特別委員会の中で、特定局のあり方、特に無集配局のあり方、ひいてはこれから問題になります簡易郵便局のあり方、そうした機構の問題についても、いろいろお話か出ておると思いますが、そういう審議はなされておりますか。
  58. 溝呂木繁

    ○溝呂木政府委員 現在までの審議過程におきましては、お尋ねの無集配特定局とか簡易郵便局とか、そういったものに限定した審議はいたしておりません。ただ、いろいろ事情聴取ということで、全逓、全郵政及び全国特定局長会の幹部の方に来ていただきまして、委員の方から事情を聴取したことはございます。そのときに説明者側からその問題に触れたことはございますが、委員会の中でその問題を取り上げて突っ込んだ議論というものは現在出ておりません。
  59. 武部文

    ○武部委員 いま一つ郵政省にお伺いをいたしますが、このところ新聞紙上に郵政省に関係する非常に数多くの投書が載っておるのであります。これはおそらく大臣もごらんになったと思いますが、郵政省、しっかりしろとか、いろんな投書が載っております。前回、簡易保険の問題のときにも私は投書を申し上げて見解を求めたわけでありますが、特に郵便物の定形の問題について非常にたくさんの非難めいた投書が載っております。これは郵政省の信用問題にもかかわる問題でありまして、これをひとつ明らかにしていただきたいのでありますが、定形外の郵便物の改正を行なったのはいつで、その目的は一体何か、これをひとつお伺いしたい。
  60. 曾山克巳

    曾山政委員 投書の類型と申しますか、大別いたしますと、たとえば遅配の問題が一つございます。さらに、最近いろいろ紙上をにぎわしておりますのに、機械導入に対する組合の反対の問題がございます。第三に、ただいまお示しございましたような郵便物の規格に関する投書がございました。この三つが最近の新聞紙上をにぎわしました大きな問題だと思います。  最後の問題はいまお話しになりましたが、実は、私ども定形あるいは定形外ということばで呼んでおりますが、これは俗なことばでございまして、いまお話しになりましたのは、郵便物の最小規格の問題であるわけでございます。昭和四十一年の七月に郵便法改正いたしました場合に、昭和三十九年の万国郵便連合の大会議におきまして、できるだけ機械化に対応し郵便の作業を能率化するために郵便の規格を統一化しよう、大きな封筒小さな封筒、いろいろな形の封筒も一定の大きさの制限を設けようということで大会で決議を見ました。昭和三十九年でございました。各国ともその方向に従いまして逐次国内法を整備してまいったわけでございます。日本でも、たまたま昭和四十一年の七月に御案内のように法律改正がございましたので、それを機会といたしまして、最小規格といたしまして幅九センチ、縦が十四センチ、それぞれそれに満たないものは郵便物として認めないというようなぐあいにいたしたわけでございます。  ただ、これにつきましては相当周知を必要といたしますので、昭和四十三年の十二月三十一日まで二年半の猶予期限を設けました。独予期限を過ぎましてもなお私どもはできるだけ、私どもの周知がはたして徹底しておるかどうかということも考えまして、しばらくの間は黙認しておったようなこともございました。最近になりましてこれをできるだけ斉一化しようということで、付せんをつけてお返しをするというようなことをいたしましたところが、きゅう然としてこれに対する非難があったわけでございます。私どもといたしましては、目的は先ほど申しましたとおり、やはり機械化の前進、作業の簡易化等が最大の目的であるわけでございますが、同時に国際規格にも合わしていこうというところに目的があったわけでございます。
  61. 武部文

    ○武部委員 そうすると、市販のそうした封筒、封書その他についてどういうふうに処置をされたか、それから四十一年七月一日の郵便法改正、その後PRについてはどういう方法をおとりになったか。
  62. 曾山克巳

    曾山政委員 市販の封筒につきましては、工業技術院とも相談いたしまして、日本工業規格、つまりJISによりましてできるだけしぼってもらいまして、小さな封筒大きな封筒、まちまちの封筒はなくするように努力いたしました。また、封筒メーカーに対しましても積極的に当省から出向きまして、ただいま申し上げました規格外の封筒——定形外といいますより、規格外の封筒につきましての製造をやめてもらいまして、昭和四十四年の一月一日以降はこれは使えなくなるからということを口をすっぱくして申しました。なお、その間におきまして、チラシを郵便料金改正のときとあわせまして全家庭に配りましたし、さらに二年半の間におきましてもポスターあるいはラジオ、テレビ等を通じて周知いたしたのでございますが、やはり数十年なじんできた封筒、これの最小規格というものをきめることにつきましては、なお私どもの努力が足らなかった点もあろうと思います。いまにして反省いたしますと、繰り返しポスト等にそれを周知いたして徹底すべきだったというように反省いたしております。
  63. 武部文

    ○武部委員 これは利用者には全然責任はないのでありまして、利用者は買って切手を張って出すわけですが、その利用者には責任がございません。むしろ郵政省と業者との間にこうした問題についての意思の疎通がほとんどなされていない、PRが足らない、そういう点から、二年有余たっても依然としてこういう非常に多くの苦情が出ておる。さらに、はがきについては、それが少しでも規格をはずれると消印をして付せんをつけて返す、こういうことが非常に多いという苦情も出ておる、こういう状況であります。いま一点は、色づきのはがきのことについてもそのことが出ておる。色づきはがきについては、いまの官製はがきの色よりも白くないものはすべて違反であるというふうに郵政省のほうで断定をしておる。たとえばミニレターなりハトロンの封筒、そういうような色でも全部これは違反だ、こういう面についても、おそらく消費者、国民の皆さんは知っていないと思うのです。そうしたことを全然知っていないものを、郵政省のほうで付せんをつけたり消印をして返すということで国民は非常に大きな不満を持っておる、このことが投所に随所にあらわれておる。こういう点についてどうお考えでしょうか。
  64. 曾山克巳

    曾山政委員 総じまして国民生活に最も密着いたしております郵便業務制度の変改あるいは内容の変更等につきましては、ただいまお示しがあったとおり周知を徹底的に繰り返し繰り返しいたすべきだということはそのとおりだと思います。先ほど反省いたしましたように、その点につきましてなお努力が足りなかったと思いますので、今後も十分戒心いたしまして努力をしたいと思います。  ただ、具体的にお示しのございましたそれぞれの問題につきましてはできるだけの手を打ってきたつもりでございまして、たまたま例として、はがきの色の問題が出ましたが、私どもは、表面は現在使われております官製はがきよりも濃い色では困るということを規則化いたしておりますが、裏面につきましては、極端なことを申すと、まっかでありましても——まっ黒では用を足しますまいが、さようなどういう色を使ってもいいということにいたしているわけでございまして、そういった方面の周知も十分いたすことによりまして御理解を得ていきたいと思っております。
  65. 武部文

    ○武部委員 そういたしますと、この問題でひとつ結論をお聞きいたしますが、この定形外の郵便物についての違反の扱いについては、当分の間どういう方法をとって国民の不満というものを緩和しようとしておるのか、結論だけひとつお伺いしたい。
  66. 曾山克巳

    曾山政委員 規格外の封筒につきましては、省内で決定をいたしまして全国に通達を出しましたが、通常郵便物で速達としない普通郵便物につきましては、付せんをつけまして消印をしないでお返しする、ただし速達郵便物につきましては、窓口に持ってこられたもの、あるいは輸送途中で発見いたしたものはいずれも相手方に送達をして、郵便局側で差し出し人に対して別の通信事務の通信でもって注意をするというぐあいにいたしております。
  67. 武部文

    ○武部委員 それでは、簡易局の問題でお伺いをいたしますが、この法律は——この郵便局か二十四年からできたことは先ほどもお述べになったとおりであります。この簡易郵便局の問題をめぐっていろいろ議事録を調べてみますと、逓信委員会でその内容をめぐって非常に長い論議が続いておるわけであります。私は先般小林前大臣が本会議説明をされましたときに、個人受託にこれを変えていくという趣旨説明が非常に抽象的なのでいろいろ質問をいたしましたが、わずかの時間ですから十分私了解することはできませんでした。  そこで、いままでの経過をひるがえってみますと、これは小沢大臣のときですが、「簡易郵便局は、将来無集配郵便局になることを前提として、現在は無集配局を置くだけの事務量のないところに設けられるものである。」という逓信委員会での小沢逓信大臣答弁があります。さらに佐藤郵政大臣のときには「簡易郵便局制度を設けたのは、元の請負制度を廃止した救済策としてだが、その普及の程度、発達の限度等に大して期待はもてないというのが現在の見方で、できるだけ無集配局を設置したいと只今は考えている。」こういう答弁であります。当時の郵務局長は「特定郵便局も、昔は一種の請負形態をとっていたが、終戦後の社会情勢の変移に伴って、いろいろ弊害が見られたので、直轄にして来たという経緯があり、簡易郵便局受託者は公共的な団体のみに限定したのである。」こういう答弁。まだたくさんその後の逓信委員会における郵政大臣なりあるいは郵務局長答弁がずっと続いておるのであります。  先ほど小渕委員の質問に答えて、昭和三十三年の答申一つの転機ではあったけれども、これで簡易郵便局個人受託に踏み切ったものではないという答弁がございました。さらに、答申以来十年以上を経過して、今回小林郵政大臣の際にこの個人受託の問題を提案してこられた。これはこういう非常にいわくつきの内容を持ったものであります。で、小林大臣説明を聞いておりますと、従来の窓口業務の実態から、国民の期待に沿うことがなかなか困難だから、少しでも窓口をふやして国民のサービスにつとめるのだ、こういうまことに表面はもっとものように私どもも聞こえるのであります。しかし、簡易郵便局制度ができてきたその由来は、先ほど申し上げるように、各大臣なり郵務局長答弁にございますように、公共団体がその簡易郵便局を請け負うことになっておった。それを今回このような提案をしてきた背景というものにどうしても納得できないものがございます。先ほど郵務局長は、簡易郵便局個人受託にする目的について小渕君のほうにお答えになっておりましたが、私どうもよくわかりません。  そこで、なぜ答申が出てから今日まで十数年間この問題が爼上に上がらなかったのか。そのことについては、先ほど郵務局長答弁によりますと、そういう意思を持っておったけれども、諸般の事情で出されなかった、こういう答弁がございました。一体諸般の事情とはどういうことなのか、これをひとつ説明していただきたい。
  68. 曾山克巳

    曾山政委員 先ほど答弁をいたしましたように、私どもといたしましては、小局制度のあり方と申しますか、さような見地から見ますときに、きわめて小規模の窓口機関をどういう形で、どういう運営形態でやっていったほうがいいかということにつきまして、もちろんそれぞれの国における特殊事情はございましょうけれども、おのずから世界的な大宗の傾向はあろうと思います。世界的な大宗の傾向から申しますと、日本の現在の郵便局の運営形態が適当であるかどうかということにつきましては、必ずしも私はそう思いませんし、また同時に、先ほどいろいろお話の出ました特定局制度問題調査会におきましてもさような答申をいたしておるわけでございます。したがって、基本的には、きわめて簡易な窓口機関個人をして受託をさせるということは、方向として絶えず私ども胸に抱いておりましたけれども、当初におきましては、まず未設置町村をなくするということが先決でございましたから、さような意味で、市町村等のどうせ施設があるところであるから、そこに対して、市町村を優先してやったほうが先に普及するだろうというふうなことで、当初、小渕委員先ほども申しましたように、歴史的な沿革と申しますか特殊事情を背景にしまして市町村あるいは協同組合ということに限ったわけでございます。  ただ、諸般の事情と申しますのは具体的に何かということでございますが、これは、いろいろその問題に対しましての反対の御意見もいまお述べになりましたとおりあるわけでございますし、その辺の事情と申しますか、さようなことを一応その当時において考えた、ただし、方向としましては、これはあくまで正しい方向であるというぐあいに信じておりますから、先々国会においてこれを提出したということに相なった次第であります。
  69. 武部文

    ○武部委員 簡易郵便局法の第十二条に「受託者は、公共の利益のため、誠実に自ら委託事務を行わなければならない。」という規定がございます。これに関連して二、三お伺いをいたしますが、いまの簡易郵便局の窓口取り扱い事項というものは、どういう方法によって、だれがこれをきめるのか、これをひとつお伺いしたい。
  70. 曾山克巳

    曾山政委員 簡易郵便規則でもちまして、従来三十時間を下らない範囲内においてそれぞれの簡易郵便局受託者がこれをきめております。したがって、ある場合には五時間である場合もございますし、ある場合には八時間であるというような形のきめ方もございます。
  71. 武部文

    ○武部委員 そのことは、簡易郵便局法十二条に、その受託者は公共の利益のために誠実にやるということに私はいささか問題が触れるのではないかと思うのです。  なぜならば、自分に都合が悪いときにはかってに休業の札をかけて休む。たとえば、祭りだ、やれ何だといってはかってに窓口を閉鎖をする、こういうきらいがあるわけであります。いまおっしゃったように、従来三十時間という根拠、それから五時間から八時間ということについて、これは一々この受託者と郵政局ですかが契約書を取りかわす場合に、勤務時間、窓口の取り扱い時間というものをきちんときめて、それによってあなたのほうは許可をされておるわけですか。それとも、幅の広い、それ以内ならば、受託者が自由裁量によってできるんだということになっておるのですか、どちらですか。
  72. 曾山克巳

    曾山政委員 先ほど申しました簡易郵便規則によりましてこまかにきめてございますが、なお、郵政窓口事務委託契約書によりまして具体的にただいまお示しになったようなことをきめておるわけでございます。ただ、祭りの場合に休むというようなことにつきましては、これはそれこそ、へんぴな地域におきますところのそれぞれの地方の特殊事情におきまして、そういう場合には窓口のサービスの提供を受けるような希望者もおらないと思いますし、むしろ、そういう場合に休みまして、そのかわり、平素業務の忙しそうな日には長く時間をとるというようなあり方のほうが、実態に即した簡易郵政窓口機関としましての合理的な窓口機関の設定方法じゃなかろうかと考えております。
  73. 武部文

    ○武部委員 あなたの見解と私は違うのでありますが、これは論争になりますからあとで触れたいと思います。  大臣の御説明にもありましたように、近年、一時停とんをしておった簡易郵便局数が大体三千をちょっとこえておるというような数になっておりますが、ふえる反面、また廃局になっておるという数もあるわけであります。  一体、一年間にどの程度の簡易郵便局が廃局になるのか、さらに、その廃局になる理由は一体何なのか、これをひとつお伺いをしたい。
  74. 曾山克巳

    曾山政委員 これを過去三年度について申し上げますと、四十一年度におきまして十八局、四十二年度におきまして二十九局、四十三年度におきまして十四局廃局になっております。  その事由別に申し上げますと、特定郵便局設置によりまして簡易郵便局を置いておく必要がなくなったものが大宗でございますが、なお、炭鉱閉山とか、あるいはダムの建設された場合、そのほかの大宗のものといたしましては、受託者自身が解約さしてくれという申し出があった場合でございます。
  75. 武部文

    ○武部委員 受託者自身が解約してくれといった数はどれくらいですか。
  76. 曾山克巳

    曾山政委員 四十一年度におきましての十八局の中で二局、四十二年度二十九局の中で六局、四十三年度十四局廃局数の中で七局でございます。
  77. 武部文

    ○武部委員 それは実は採算がとれないという理由だと思うのです。郵政省が発表いたしました簡易郵便局調査報告書によりますと、廃局の理由は、昭和三十八、九年、四十年ごろまでは経営が困難であるということから廃局になったという統計が出ておるのであります。これはあとでその基本料金の問題なり手数料の問題に関連いたしますのでお聞きをいたすわけであります。  前後して恐縮でございますが、この簡易郵便局職員の数と、取り扱い手数料についてお伺いをいたしたいのですが、最初は、全国で三千二百程度ある簡易郵便局の中で、一年間に最高の手数料を得ている簡易郵便局は一体どのくらいな金額を得ているか、また最低はどのくらいになるか、それをひとつお伺いをしたい。
  78. 曾山克巳

    曾山政委員 昭和四十二年度について数字を申し上げますが、金額にしまして平均が貯金の委託局の場合が二十六万二千円、貯金を委託しておりません非委託局が十二万三千円であります。なお、最高は年額百十八万八千円、最低は、貯金の非委託局が十万九千円で、委託を受けております局が十五万円ということに相なっております。
  79. 武部文

    ○武部委員 お聞きいたしますと、最高が百十八万円、最低が十五万円でございますね。そうすると、これは月に直せば大体十万円程度が最高であって、最低は一万円ないし一万二千円くらいのところですね。十分の一で、非常に高低があるわけですね。  そこで、これはひとつ問題になるわけでありますが、今回お出しをいただきました最後のページにある昭和四十四年度の予定、二万五千四百七十八円のうち基本料金は幾らですか。
  80. 曾山克巳

    曾山政委員 基本料金合計月額一万三千八百五十円でございます。
  81. 武部文

    ○武部委員 一万三千八百五十円ですか。一万四千五百円と違いますか。
  82. 曾山克巳

    曾山政委員 私の申し上げましたのは予算成立額で申しておるのでございますが、いまお示しのありました数字は実行予定額というぐあいに心得ておいていただきたいと思います。実行予定額においてはさようでございます。
  83. 武部文

    ○武部委員 一万四千五百円は実行予定額で、これは四十二年度ですから、当時は予算上から見ますと五千円ばかり低いわけでございます。そうすると、この貯金を取り扱っている局で最低の一万二千円という金額は、おそらくこれは基本料金だけだと思うのです。そういう計算になると思いますが、そういうふうに考えてよろしゅうございますか。
  84. 曾山克巳

    曾山政委員 最低が委託局におきまして十五万円でございますから、それを十二で割りまして、お示しになりましたように一万二千数百円になるわけでございますが、ただいま申しました一万三千八百五十円は四十四年の数字でございますので、四十二年の数字はそれよりも低く相なっております。この基本額というものは、当然貯金委託局における最低所得額の一万二千何がしより低いことに相なっております。     〔委員長退席、加藤(六)委員長代理着席〕
  85. 武部文

    ○武部委員 私がお伺いいたしたのは、四十二年度は予算上から見ると二万五十六円になっておりますね。二万五十六円は月額手数料予算額であります。その際の基本料は幾らですか。
  86. 曾山克巳

    曾山政委員 四十二年度におきましては一万一千五百円が予算額でございまして、実行額は一万二千五百円に相なっております。
  87. 武部文

    ○武部委員 そういたしますと、いまのあなたの御説明によりますと、最低のところは、極端な言い方でありますが、基本料だけの収入であって取り扱いがほとんどないというようなことになりますが、そのように理解してよろしゅうございますね。
  88. 曾山克巳

    曾山政委員 最低の例といたしましてあげました貯金委託局、これを件数で調べてみますと、年間でございますが、最低、郵便が八十三件、貯金が二十八件でございますので、全然ないわけではございませんが、これを月別に割りますと、貯金が二件何がし、郵便が月にせいぜい七件何がしということで、あるいはなきにひとしいといっても差しつかえないかと思います。ただし、全然ないわけじゃないというわけでございます。
  89. 武部文

    ○武部委員 月に貯金が二、三件、郵便が七件というような三十日間——まあ三十日間窓口を開いておるわけじゃありませんけれども、まずこれはないにひとしい、ただ単に基本料だけを郵政省が支払っておる。これは貯金の取り扱い局ですらこうなんです。貯金の取り扱い局でない簡易郵便局というのは相当数があると思うのですが、どのくらいありますか。
  90. 曾山克巳

    曾山政委員 六百三十九局でございます。
  91. 武部文

    ○武部委員 そうすると、貯金も取り扱ってすらこのようにわずかに一カ月に二件ないし三件、多いところで七件程度の取り扱いしかない。六百三十九局は全然貯金を取り扱っていない局である。その六百三十九局は、おそらくは農業協同組合とか漁業協同組合という貯金関係を取り扱っておる、そういう協同体のところにある簡易郵便局だろうと想像ができるのであります。これはおそらくは郵政省から見れば、採算を度外視して、全くの赤字というふうに理解してよろしゅうございますか。
  92. 曾山克巳

    曾山政委員 全く赤字と申しますと、他の簡易局におきましても、公共性の見地から見て置いておるわけでございますから、収支差額が特定局に比べて少ないというだけのことでありますので、赤字ということにおいては変わりない局がかなりあると思います。したがって、国民の方々要望がある限りにおきましては、ここに公共性を持たすという形で置いておりますので、いまの御質問の趣旨でございますけれども、赤字ということにおきましては確かに赤字でございますけれども、ある程度の赤字は国民の方々要望にこたえた形で置いてあるのでいたし方ないというふうに観念いたしたいと思います。
  93. 武部文

    ○武部委員 そのような答弁だろうと思う。それはよくわかります。別に、ここでたいへんな黒字が出るだろうというようなことをだれも考えていないわけでありますが、先ほどのように、貯金の取り扱い局ですらこれだけの手数料を出して、その手数料だけで運営をされておる、それ以外のものは何もない。こういう点で、いままでに簡易郵便局というものの取り扱い量等をチェックをして、これはあまりにもひどい、月に二、三件とか五件とか、一日全然ない日がたくさんあるわけですから、そういうところを整理するようなことを検討されたことがございますか。
  94. 曾山克巳

    曾山政委員 お示しの点はもっともだと思います。したがいまして、私どもといたしましては、地方郵政局にかつてそういう指導をいたしたこともございまして、取扱い件数があまりにも少ないと申しますか、ただ基本額をもらっておくためにということがいささかでも見えるということでございましたならば、これは郵政事業財政上も非常に警戒すべきことでございますので、さような点につきましては従来戒めて指導をいたしております。
  95. 武部文

    ○武部委員 指導されたことはわかりますが、そういうことによって簡易局を廃局にさした例がございましょうか。
  96. 曾山克巳

    曾山政委員 ただいまのところは承知しておりません。
  97. 武部文

    ○武部委員 そうすると、ただ単にそういう指導をしておったという片道通行だけというふうに理解できるわけであります。  そこで、この手数料関係をこの際お伺いいたします。  改正改正を加えられておると思いますが、現在郵便貯金あるいは保険、福祉年金等についてどういう手数料の基準になっておりましょうか。
  98. 曾山克巳

    曾山政委員 四十四年度予算手数料について申し上げます。  事業別に見ますと、郵便貯金、保険があるわけでございますが、まず、先ほど小渕委員示しの体系ででき上がっております。この算出の根拠は、基本額と取り扱い手数料と加算額とあるわけでございます。この基本額の中が物件費と準備、整理等というふうに分かれておりまして、郵便につきましては、基本額のうちの物件費が七百七十円、貯金が四千三百八十円、保険が百円、合計五千二百五十円になっております。準備、整理等につきましては、それぞれの単金に時分をかけまして、さらに日数をかけるというこまかい計算方法をとっております。郵便が四千三百円、貯金が同じく四千三百円、合計八千六百円、これを入れまして基本額が一万三千八百五十円というぐあいに相なります。  それから取り扱い手数料でございますが、これも郵便が単金としまして一件当たり十二円、それに件数七十八件をかけまして九百三十六円、貯金が一件当たり十九円という手数料単価でございまして、それに四百十四件かけまして七千八百六十六円、合計いたしまして八千八百二円、それに加算額としまして、これは定額貯金あるいは定期貯金等の奨励募集のための手当式のものでございますが、それが二千三百四十一円、それに現金取り扱い手当に相当いたします加算額が三百七十九円、それに保険の新規募集のための手当経費といたしまして百六円、合計いたしまして二千八百二十六円でございます。これを総じて締めました場合に二万五千四百七十八円というぐあいに相なるわけでございます。
  99. 武部文

    ○武部委員 手数料の算出根拠は大体わかりました。  次に、先ほども申し上げた職員の数でありますが、現在三千二百八局が昭和四十四年三月一日現在の簡易局設置数だというふうに報告されておりますが、この大半−おそらく大半というよりも、ほとんどが一名の職員でもってやっておられるのだろうと思うのですが、二名の職員配置局、あるいは三名、四名というところがあるやに聞いておりますが、この二名以上の職員、三名以上の職員、四名以上の職員を使ってやっておる簡易局は何局ございましょうか。
  100. 曾山克巳

    曾山政委員 私どもの持っております資料で三名以上の局を拾い上げてみますと、三名の局が五局、四名局が二局というぐあいに相なっております。
  101. 武部文

    ○武部委員 二名局というのはわかりませんか。
  102. 曾山克巳

    曾山政委員 二名局につきましては、いわば事務補助的な立場である職員を任命する場合が多うございますので、必ずその二名が常時詰めておるという形で調べておりませんので、ただいまのところ数字を把握しておりません。
  103. 武部文

    ○武部委員 それならば、現在無集配特定局で二名の配置局は何局ありましょうか、
  104. 曾山克巳

    曾山政委員 ことしの三月三十一日現在で九百五十局ございます。
  105. 武部文

    ○武部委員 無集配特定局で二名局が九百五十局、こういう数字をいまお述べになりました。二名の簡易郵便局職員数はおわかりでないようでありますが、三名が五局ある、四名が二局ある。この三名五局、四名二局の取り扱い手数料という額は相当膨大なものであります。私はある局のものをここに持っておりますが、これは二名局であります。年間九十三万二千二百十円、これは切手売りさばき手数料を含めてないもので、年間に九十三万円の手数料収入を得ておる簡易局であります。先ほどお述べになった中で、最高は一年間に百十八万円というようなことをお述べになっておる。そうすると、こういう三名なり四名局、さらに年間に九十万とか百万とかいうようなそういう手数料を受け取る局は、当然これは無集配特定局に昇格すべき局であろうと思うのであります。それがなぜ今日まで昇格をしないで、簡易郵便局のままでこうした手数料を得ながら存続をしておるか、この点について非常に疑問に思うのです。  たとえば、簡易局特定局昇格数を調べてみますと、先ほど郵務局長答弁の中に相当数昇格をしておるというような話もございました。そうだと思うのです。それは先ほど読み上げました過去の大臣答弁を見ましても、無集配局にこれは昇格させるのだ、その前提だという答弁がなされておるのであります。それなのになぜこういう局が長い間このままで残っておるのか、この点について非常に疑問に思いますが、原因は何でしょうか。
  106. 曾山克巳

    曾山政委員 その点につきましては、御承知のように、無集配特定局設置につきましての基準はいろいろあるわけでございますし、簡易局設置基準もあるわけでございます。私どもは、まずその設置基準によって特定局を置くということにいたしておりますので、先ほど御披露いたしましたいわゆる距離あるいは人口等の面から見まして、必ずしも特定局までいかないという簡易局で、一方、事務量だけはよけいにあるというところがございます。したがって、もし事務量だけに従って特定局をつくるということになってまいりますと、ただいま武部委員示しのとおりのようなことに相なろうかと思いますが、必ずしもさような点からだけで特定局にしておるわけではございませんので、その点が第一点の理由でございます。  それからなお件数につきましては、かりに件数が相当多うございましても——多いからこそ、それに基づいて取り扱い手数料も多くなる、基本額に取り扱い手数料を足しまして総体の収入としての簡易郵便局の手数料がよけいになるということでありますが、この手数料の基礎になるところの件数の扱い方、この内容を見ますときに、平均しまして、わりにのんびりということばを使いますと語弊がありますが、そうできるというような場合には、二人、三人と申しましても、現実に二人、三人という人がそれだけに専担しておるわけではありませんで、言うならば、その地区の市町村あるいは協同組合等の事務も兼任しておるというようなこともございますから、はたして全部が専任、かかりきりであるかどうかということにつきましても疑問があろうかと思います。さような理由からいたしまして、取り扱い手数料の面だけが多くなったからといって、直ちに特定局にしなければならぬというぐあいには考えておらぬわけであります。
  107. 武部文

    ○武部委員 あなたの答弁は私は間違いだと思います。  なぜならば、このお述べになった局、私の持っておるこの局、この局数、局名、この局名を調べてみますと、これは実は農業協同組合とかのところに一緒に併存をして、貯金を取り扱ってない局ではないのであります。これは独立をしておって、貯金取り扱い局なのであります。したがいまして、あなたがおっしゃるように、職員の兼担だとかいうことはこれに当てはまりません。それから、特定局設置基準ということをおっしゃるけれども、むしろこれだけの事務量があり、公衆がそれだけ利用するような簡易郵便局ならば、原則の設置基準はどうであろうとも、当然これは無集配特定局に昇格をせしめ、窓口取り扱い時間も一週三十時間というようなことでなしに、公衆のサービスのために、もっと広く門戸を開放して住民の福祉に当たるのが郵政省としての責任だろうと思うのです。  なぜ私がこういうことを言うかといいますと、このような多額の収入を得ておる簡易郵便局が、実は無集配特定局に昇格することにみずから反対だからであります。そういう希望を持たないからであります。無集配特定局になればどういうふうになるかということをその諸君はよく承知しておるからであります。ですから、そういう取り扱い者の個人的な考え方で公衆のサービスが低下をするとか、もっと高く行なわれるであろうサービスが、そうした個人意見によって簡易郵便局のままで、無集配特定局との間にいろいろな意味でのサービスのダウンをしたままで存続を許す、そしてこれに多額の費用を出すということは、いまのやり方から見ておかしいじゃないか。あなたのおっしゃったような兼担であるとかそういうことは、実はこの高額の収入を得ておる簡易郵便局には当てはまらぬのであります。もう一回ひとつ見解を承りたい。
  108. 曾山克巳

    曾山政委員 ただいまお示しのように、いろいろな特殊な事情から私どもの目の届かないというと語弊がありますけれども、そういうところが、あるいはあったといたしましたら、これは私どもの指導が十分ではないのでありますから、十分指導をいたしたいと思います。  と申しますのは、当然特定局に昇格すべき基準——昇格というと語弊がありますが、特定局設置すべき基準に合致しており、かつまた、その場合に定員の算出基礎等から見ましても、明らかに四名ということになってまいりましたならば特定局にすべきだというのはお説のとおりだと思います。先ほど来申しておりますように、基準の設定のしかたが簡易局特定局と両方違うということから出てくるギャップもあるということも御理解いただきまして、なお今後とも、その点につきましては十分実情を調べました上で措置したいと存じます。
  109. 武部文

    ○武部委員 この問題についてもう一つ申し上げておきますが、私はこれは一つの県ごとに申し上げているのですが、ある県では最高九十三万円、最低七万二千円、もう一つは最高九十六万円、最低十一万円、非常に大きな差があります。  この差がどこから出てくるのだろうか、こういう点を調査してみました。これにはその享便人口なりあるいは地域の特殊性なり、いろいろそういうものがこの数字になってあらわれておる根拠もよくわかります。そういう面から見て、必ずしもいま私が申し上げたことが全部に当てはまるとは思いませんが、特に職員を二名以上持っておる局ですね。そして、片一方では二名局、いわゆる局長一名、局員一名という局が九百五十もあるのだ。それとほぼ同様なケースを持っておるところの、またそれ以上の内容を持っておるところの簡易局簡易郵便局のままであるということは納得できないのであります。  そういう意味で、しばしば逓信委員会で言明になったように、当然それは昇格をせしめる、そういう配慮が郵政省になければならぬと思うのでございまして、特に四名局、三名局というような簡易郵便局につきましては、早急に調査をされて適切な御処置をとっていただきたい、このことを申し上げておきたいのであります。  それから監察官にお伺いをいたしますが、無集配特定郵便局に対する定例監査というのは大体どの程度行なわれておりましょうか、同時に、簡易郵便局に対して支局等を通ずる監査は回数はどうなっておるのか、それをひとつお伺いしておきたい。
  110. 西原林之助

    ○西原政府委員 ただいまの御質問は総合考査のことだろうと思いますが、無集配特定局に対しましても、それから簡易局に対しましても、大体二年に一回業務考査を実施いたしております。  実績といたしましても、簡易局で申し上げますと、昭和四十一年度は一千四百五十四局、四十二年度は一千六百四十九局、四十三年度は一千七百二十七局、大体五〇%から五三%の総合考査を実施いたしております。
  111. 武部文

    ○武部委員 無集配局も簡易郵便局も二年に一回の定例監査ですか。
  112. 西原林之助

    ○西原政府委員 そのとおりでございます。
  113. 武部文

    ○武部委員 大体二年に一回の定例監査で無集配特定局なり簡易郵便局というものの監察が完全に行なわれるというふうに理解しておられるわけですか。
  114. 西原林之助

    ○西原政府委員 完全にと申されますと、実は断言することは非常にむずかしいのでございますが、いろいろ監察官の人員その他の関係で実は二年に一回総合考査をやっているということであります。ただ、考査が終了いたしますともう二年間はないのだということでは困りますので、こういった総合考査の間隙を埋めるために、随時いわゆる特別考査を実施いたしております。簡易局につきましても、無集配特定局と同様に、必要に応じまして犯罪の未然防止と早期発見ということでもって機動的にこの特別考査を実施している次第でございます。
  115. 武部文

    ○武部委員 定例監査以外に特別考査をおやりになっているということですが、残念ながら、調べてみますとそういうふうな回数はほとんどございません。人員の点から見てこれはほとんど不可能であります。ほとんどなされていないというのが現状であります。ですから、あとで問題になりますが、犯罪者の関係について、先ほど小渕委員の質問には、何かそういう心配は要らぬということがございましたが、私は、個人受託になれば、むしろそのことによって監察の考査回数あたりはふやすべきではないだろうかという意見を持っているのでありますが、それはまたあとの問題にいたします。  これは簡易郵便局の皆さんが全部おやりになっておるということではございませんが、私はかねがね、一部の人たちがこの簡易郵便局という制度を利用して通帳貯金というものを行なっておる、こういうことを実は聞いておるのであります。まじめにおやりになっておる方には非常に不愉快なことばであろうと思いますし、私は全部が全部そういうことをしておるとは思いませんが、少なくともそういうようなことが私どもの耳にかねて入っておりました。そういうことがなければけっこうなことでありますし、また、そういうことがあってはならぬのでありますからひとつ申し上げるのでありますが、この通帳貯金というのは、だれがつくったことばかわかりませんが、先ほどお述べになったように、貯金の手数料は一件について十九円であります。前はたしか十七円だったと思いますが、十九円になっておる。簡易郵便局に貯金通帳をたくさん備えつけておる。あるいは家族の名前にしておる、印鑑もそれぞれ持っておる。十円——これは極端な例です。この前は十円でしたがいまでは百円だというのですが、十円預金をすればそれで十九円の手数料、その十円を引き出せばまた十九円の手数料——これは極端な例であります。いまでは百円ということを聞きますが、かりに千円の金を十口に分けて一回百円ずつ十冊の通帳に入れれば百九十円の手数料、それを次の日にまた百円ずつ引き出してやれば百九十円の手数料、千円の金が出し入れによって三百八十円の手数料として簡易郵便局法によって得られるという、そういうことを私どもはちらほら統括局の調査課の書類を通じて聞いておったのであります。  これはまさに簡易郵便局法の盲点だと思うのですが、こういうことが現在でもありましょうか。それとも、そういう事実は全然ない、このようにお考えでしょうか。その点いかがでしょう。
  116. 鶴岡寛

    ○鶴岡政府委員 お答え申し上げます。  御指摘のようないわば作為を疑わしめるような事実、それは過去においてあったように存じております。しかし、その後四十年に通達も出しましたし、また、監察局あるいはまた地方郵政局、そしてまた受け持ち集配局等の厳重な指導、文書——実地を含みます指導を行ないました結果、現段階においては私どもはそのようなことを疑わしめる事実はない、そのように考えておる次第でございます。
  117. 武部文

    ○武部委員 いまの貯金局長答弁によりますと、過去においてはそのような事実があったという答弁であります。私は書類を見ておるのでありますが、いま言われたとおりあったのであります。そのことが簡易郵便局の手数料の収入、先ほどいろいろお述べいただきましたが、百万円とか、私がここへ持っておる資料の九十万円とか、そういうところにあると言うのではないのであります。そう言うのではないのですが、少なくともそういうようなうわさが出る。これは当該の簡易局にそれだけの通帳と判がありさえすればこれでできることであります。  一体、それをどのような方法で調査をし監査をするのかといえば、これは統括局の調査課を通じて調べれば一目りょう然わかることであります。同じような金額が毎日出ればそれでわかるわけであります。そういう面を今日まで監察局は支局等を通じておやりになったことがあるか。いま貯金局長は、過去においてはあったけれども、四十年に通達等を出したからそういうことはいまはないと思う、こういうお話でございますが、ないと思うだけでは、やはりこれは答弁にならぬと私は思うのであります。監察局としてそういう事実はないということが断言できるか、これをひとつお伺いをいたしたいのであります。
  118. 鶴岡寛

    ○鶴岡政府委員 そのような作為的に手数料をよけいに取るという事実を疑わしめる行為、これはあったように思いますが、現段階におきましてないと私が申し上げましたのは、実は、これは二つの面からこれを申し上げてよろしいかと存じます。  一つは、私ども四十二年に調査をいたしたわけでございますが、それによりますと、いわゆる小額預入の取り扱い局数、すなわちこれは預入単金が千円未満でございますが、千円未満で、かつ年間の預払い件数が五千件をこえる局、つまり小額で、しかも取り扱い件数が多いという局でございますが、そういうものが三十九年には百七十九局あった、それが七十三局に著しい減少を見ておるということが一点ございます。  そしてもう一点は、一件当たりの預入の金額でございますが、これが三十九牛におきましては一口平均が二千五十四円であったものが四十二年度では三千八百四十八円と、三十九年を一〇〇にして指数で見ますと、これが一八七に上がっておりますし、なおまた払い戻し金額につきましても、三十九年が九千四百九十六円でありましたものが、四十二年度では一万三千九百十八円というふうに著しい上昇を来たしているわけでございます。したがいまして、そういう私どもの実地の調べからしてもそういうものはないと確信をしておる次第でございます。
  119. 武部文

    ○武部委員 いま貯金局長説明は、一件の平均金額をずっと調査をした結果をお述べになっておるわけでありますが、私は、こういうことが起こり得る、行なうことができるというそのシステムが問題だと言っておるわけです。また、現実にそれを利用しておった人がおるわけですから、そういう点については、まじめにやっておる人が同じような目で見られることは私は非常に不愉快だと思うのです。  ですから、こういう点については、十分ひとつ郵政省のほうでもこういうことのないように適切な措置をとるべきではないか。これはもし私のほうで事実をつかめばまた申し上げることにして、過去にそういう例があった、そこで今日どういうふうになっておるのかという質問をしたわけでありまして、そういうことがいまないということであれば、これはけっこうなことであります。しかし、そういう事実がこれからでも発生をする可能性もあるわけですから、十分ひとつ注意をする必要がある、このことを申し上げたかったのであります。  次に、簡易郵便局の局舎の面積でありますが、これは大小さまざまで、いろいろ形態が違う。そこで、簡易郵便局設置に基づく許可基準の面積というのは大体どのくらいですか、それをひとつお願いしたい。
  120. 曾山克巳

    曾山政委員 先ほど来申し上げております取り扱い手数料の基礎になります基本額の中の局舎料相当部分につきましては、五坪を見ております。
  121. 武部文

    ○武部委員 五坪というのは、予算上見ておるわけですね。−予算上はそうであっても、基準というものはあるはずですね。たとえば、基準は何坪、口数が何ぼふえればこれだけふやさなければならぬ、さらに郵便点数なり貯金の口数なりというものがふえていけば、それに応じて局舎というものは広げなければならぬという、そういう基準はあるのでしょう。
  122. 曾山克巳

    曾山政委員 それにつきましては、先ほど申し上げました委託契約書の中で、被委託者と委託者であります郵政局長との間で条項を結んでおりますが、一般的に平均値といたしましては、昭和三十七年度の調査でございますけれども、三・六坪ということになっておりますので、そういう実態を見ながら、どこの簡易局におきましても、それよりも多いものもございますし少ないものもあるということで契約書の中で取りきめております。
  123. 武部文

    ○武部委員 これはこまかいことですが、これから簡易郵便局の将来のことについて関係するので申し上げておるわけです。  私が申し上げておるのは、簡易郵便局の面積というのは二坪であって、そのほかに取り扱い業務量が一千郵便点数ふえればそれに〇・三二坪ふやさなければならない、それから一千換算口数増加した場合には同じように〇・二七坪ふやさなければならぬという基準があるのではないかと言っておるのです。こういうような基準はないのですか。
  124. 曾山克巳

    曾山政委員 一応三十七年の調査の結果さような線が出ておるのではございますけれども特定局と同じような局舎の坪数算定基準という性格のものはつくっておりません。
  125. 武部文

    ○武部委員 そういたしますと、簡易郵便局の局舎というものは、あなたがおっしゃるように予算上平均五坪と見ておるんだから、その程度のものであればいいんだ、こういうふうに郵政省は理解をしておるわけですか。  それからいま一点、そうだといたしますと、私がいま読み上げました二坪の基本に郵便点数一千点あるいは一千換算口数、そうしたものがふえればどんどん大きくするという基準は全然なくして、ただ五坪程度あればいいというふうに郵政省としてはきめておると理解していいのでしょうか。
  126. 曾山克巳

    曾山政委員 非常に非科学的なものの言い方でございますけれども、一応御案内のように、特に受託団体におきましてはそれぞれ他のスペース二等も活用できるわけでございますし、あながち科学的な基準でぴしゃっときめなくても従来はよかったように私ども考えます。したがって、ただいまお示しになったような科学的なものを本省の算定基準という形で設けておるわけではございません。
  127. 武部文

    ○武部委員 基本料の問題のときに手数料もあわせてお伺いをいたしましたが、二万五千四百七十八円の四十四年度の月額手数料予算額、このうちの一万四千五百円は基本料でありますから、その他の手数料というものは大体一万円程度であります。それで、さっきから御答弁がございましたように、この基本料すれすれの簡易郵便局というものが相当数ある。こういうときに、一体個人が舎局まで提供をして、そうして採算がほとんどとれない、これに週三十時間つきっきりでおらなければならぬ、こういうような簡易郵便局というものの存在が、はたして円満な郵政事業の窓口として国民に公平なサービスを提供することができるとお考えでしょうか。
  128. 曾山克巳

    曾山政委員 ただいまのお話を裏から考えますと、それでは、それに対応して、国民の需要にこたえまして通信窓口機関を直轄公務員でもってどんどん置いていけるかということになりますと、なかなか置けないわけでございます。さような趣旨からいたしましても、従来の受託団体——今回は個人にお願いしておるわけでございますが、さような受託者をして受託事務を行なわしていくということになりますと、やはり先ほど来申しておりますように、ことばはちょっと唐突でございますけれども、公共性と企業性の調和という点から考えますときには、この制度は私、合理的な制度だというぐあいに考える次第でございます。
  129. 武部文

    ○武部委員 その辺がちょっと私と見解が違うわけでございますが、先ほど小渕君の質問にお答えになって、これから予定をする簡易郵便局というのは大体二千三百ないし二千四百カ所くらいの希望がある、したがいまして、現在ある三千二百局に二千数百局というものを上積みをしていくという形になる。そうすると、先ほどから申し上げるように、現在ですら、現在ある簡易郵便局よりももっとへんぴなところにあなた方はおつくりになりたいと言っておられるわけですから、そうすると、享便人口なり享便戸数はいまよりもずっと少ないと思うのです。またあとで申し上げますが、距離と戸数との関係からいろいろ差があるようでありますが、そういう面から、このような予算で取り扱い数が非常に少ないということになってくると基本料だけでやっていかなければならぬ、そういうような簡易郵便局は永続性を持つだろうか、こういう気持ちを持つのは私一人じゃないと思うのです。     〔加藤(六)委員長代理退席、委員長着席〕 そういう意味から、あなた方が無理やりにそういうものをつくっても、採算がとれなくてとてもだめだ、二坪なり五坪という局舎を自分がみずから提供して、ただ一万四千五百円程度の基本料をもらって、それで週三十時間郵便局勤務をするというようなことが、はたして現実問題として可能だろうかという気持ちを持ちますが、その点、郵務局長はどうお考えになりますか。
  130. 曾山克巳

    曾山政委員 全く専業の形でこの郵便局仕事だけをやるということになってまいりますと、はたして基本額そのもの自体で本人が生活費をまかなえるかどうかということを考えますときにはそういう御懸念もあろうと思います。ただし、私どもがいま考えておりますこの簡易郵便局、特に一人未満の、微量な郵政窓口事務を行なうわけでございますので、必ずしもそのために専務ということでなくてもいいだろう。言うならば、卑俗なことばで申しますと、片手間の仕事でもできるということが主体になろうと考えております。ただその場合でも、片手間でなくて、一人未満であるけれども一人相当の仕事がある、そういう場合に、ほとんど専務同様にかからなければならないというところも、あるいはあろうかと思います。そういうところにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、郵政従業員の人件費との関係あるいは物価との関係、そういうことを考えまして、これについての手数料値上げ等につきましては十分配慮したいと思っておりますので、御指摘になりましたような心配はできるだけなくしていきたいと考える次第であります。
  131. 武部文

    ○武部委員 いま片手間ということをおっしゃっているわけですが、少なくとも簡易郵便局法の定めるところによれば、先ほどから私が申し上げるように、簡易郵便局法の十二条に基づいて「受託者は、公共の利益のため、誠実に自ら委託事務を行わなければならない。」こういう規定が現存しておるわけでございます。そうすれば、当然老齢福祉年金とか母子年金とか準母子年金、障害年金、そういうようなものまで支払う窓口でなければ、先ほど言った簡易郵便局法十二条の目的に沿うことはできないと思う、ただ単に片手間で、こっちの用事が忙しいからちょっと窓口のほうはやめだ、カーテン引いておけというような、そういう程度のものであなたのほうはこれから二千何百局というものをつくろうとお考えになっているのか、そういう点から見ると、十二条の線とあなた方が考えておられる線とはたいへん食い違いがあるように思いますが、その点はどうでしょうか。
  132. 曾山克巳

    曾山政委員 十二条の趣旨は、おっしゃいますように「誠実に自ら委託事務を行わなければならない。」——一たん委託を受けました者をさらに他の法人なり他の個人に次々に委託していくという形では困るという趣旨でございまして、したがって本人が行なう、あるいは本人が便所に行きますとかいうようないろいろな不在の場合には、事務補助者をしてこれを行なわしめるということは許されると思いますけれども、そういう趣旨から書いたものだと思います。したがって、かりに片手間ということばの表現が必ずしも当を得ておらぬと思いますけれども、一方でたとえば封筒を売っておるとかあるいは便せんを売っておるというような仕事をやっておりましても、委託業務につきましては、窓口業務については誠実に、かつ、みずから行なえばこの法の趣旨にかなっているというふうに考える次第でございます。
  133. 武部文

    ○武部委員 私はそうは思いません。これは見解が違うわけでございますが、そういう点から考えますと、ことさらに個人受託範囲を拡大をして、あなた方のおっしゃっておる計画によれば、局間距離が五千五百メートル離れたところでは享便戸数は百戸あればいいのだ、こういうようなことをおっしゃっている。  この際明らかにしていただきたいのですが、簡易局設置基準は、一体局間距離と享便戸数との割合はどうなっておるか、これをひとつお伺いします。
  134. 曾山克巳

    曾山政委員 先ほどお話しいたしましたように、八百メートル以上の局間距離のあるところに対しましては享便戸数は二百戸以上、一・五キロ以上につきましては百八十戸以上、二・五キロ以上につきましては百六十戸以上、以下ずっと下がってまいりまして、ただいまお話しになりましたように、五・五キロ以上のところにつきましては百戸以上ということになっております。もっとも、離島あるいはそれに準ずるような地域につきましては必ずしもその基準によっておりません。
  135. 武部文

    ○武部委員 これはいろいろ見解が違うわけでありますから、これ以上申し上げてもどうかと思いますが、私が先ほどから申し上げるように、特定な人間が局舎を五坪以上自分で局舎に使えるように改造して、そうして提供をして得られる収入はほとんど基本料だ、基本料に毛のはえたような収入金しかない。そこへ五キロ以上離れれば当然百戸ぐらいしかない。貯金を持っておるところでも大体年間十五万円が最低だということの御説明がございましたが、そういう面から見ると、ほとんどこれは窓口を訪れる人はないというような、そういうことが現在までもあるわけですから、これから享便戸数がどんどん少なくなっていく小さなところへ広めていこうとするわけですから、そういう点はむしろまだまだひどい結果が起きるではないかというふうに思うのであります。  ただ、この点はちょっと見解が違うわけですからこれだけにしておきますが、前回私は衆議院の本会議で質問をいたしましたときに、通信の秘密の問題と、それから個人受託にする場合の個人資格についていろいろ質問をいたしましたが的確な答弁がなかったので、この機会に郵政省見解伺いたいのであります。  委託事務の取り扱い者は、法令によりましては国家公務員ではございません。国家公務員ではございませんが、公務に従事する者であるというふうにみなされておる。そのときに、国家公務員でない公務に従事する者というのは、一体法令的には伺の根拠によってどういう制限を受けるのか、これをひとつお伺いをいたしたい。
  136. 曾山克巳

    曾山政委員 お示しのように、簡易郵便局法第十一条によりますと、現在におきましては団体の「役員又は職員委託事務に従事するものは、」——今回個人も加わりますか、「法令により公務に従事する者とみなす。」つまり、いわゆる法令公務員ということになるわけでございます。これはすでに私が申し上げるまでもなく、「法令により公務に従事する者とみなす。」ということでございますので、取り扱う事務の公共性を考えましてこういう公務員に取り入れられますと、他の公社、公団等の職員もそうでございますが、言うならば、刑法等、その他の罰則の適用についても公務員等に準じた取り扱いを受けるわけでございます。たとえて申し上げますと、委託事務の取り扱い中に他の者がその職務を妨害したというようなことになってまいりますと、いわゆる公務執行妨害罪が成立いたしますし、また、委託事務に携わります者が文書を偽造したということになりますと、刑法上の公文書偽造罪ということに相なろうと思います。さようなことで、一般の公共性の高い業務に従事します請負類似の契約受託者の場合にはかかる性格が与えられておるのが通例だろうと思います。
  137. 武部文

    ○武部委員 今回の簡易郵便局法反対理由に三つあるというお話がございました。信書秘密犯罪の増加、サービスの不公平、こういう点について小渕君から話があって、これについて郵政省は、そういうことはないというように一つ一つについて見解を述べておられました。  信書秘密はあとにいたしまして、犯罪の問題については、犯罪の増加するようなことはない、こういうふうにきっぱり断言をしておられますが、なるほど現在までの監察の調査によれば、三十九年から四十三年の五年間に年間平均十一件、三百二十六万円のようにおっしゃいました。特定局では百七件、一億百八十七万円ですか、そういうことをおっしゃった。簡易郵便局で現在犯罪が起きていないことはまことにけっこうであります。しかし、それは起きない理由があると私は思う。特にこれは公共団体にこれが委託をされておる、そのためにこの監督というものは当然公共団体の長が責任を負わなければならぬ。また、たとえば、かりに漁業協同組合なりあるいは農業協同組合にしましても、簡易郵便業務を取り扱う者については、その協同組合の組合長なり理事会というものが簡易郵便局受託者の選定をめぐって責任を持っておる。こういうような点があるから、同じような農業協同組合なり漁業協同組合の一角に簡易郵便局設置して窓口を開いておるということになれば、当事者は毎日交代をしておるかもわからぬ、あるいは一週間交代をしておるかもわからぬが、そういうような公共団体という特殊な立場の者が監督をしておるからこそ犯罪が防げておるのであって、これをただ単なる全くの個人として請け負わせる場合に、そういう監督機関も何もないということになれば、むしろ逆に犯罪が増加する懸念があるのではないか、私はこういう気持ちを持っておるのです。先ほどの御答弁は、そんなことはいままでの経過から見てもないのだから心配はない、こういうことをおっしゃるのはふに落ちないのですが、その点はどうお考えでしょうか。
  138. 西原林之助

    ○西原政府委員 ただいまの御説、ある意味ではたいへんごもっともだと思います。受託団体が取り扱い者を十分監督してくれるというようなことは、実はわれわれも強く期待をいたしている次第でございます。ところが、実際問題としまして必ずしも受託団体がこれを十分監督しているかどうか、むしろこれを全然やりっぱなしにしているという事例も多いのでございます。  ただ、さいぜん私、全く個人に直接ゆだねた場合は犯罪が減少することを強く期待しているということを申し上げたわけでございますが、結局、犯罪はいかなる制度、機構、法制がありましても、個々人のモラルといいますか道義心の問題でございますので、必ずしも制度がこうだから犯罪が絶対ないのだということは言いがたいと思うのでございます。今後とも、犯罪の防止につきましては、そういう意味におきましていろいろの手段を尽くしまして監督を厳にしてこれに対処していきたいというふうに考えておる次第でございます。
  139. 武部文

    ○武部委員 今度の法改正の第三条の中に一項目つけ加えられまして「十分な社会的信用を有し、かつ、郵政窓口事務を適正に行なうために必要な能力を有する個人」、こういう第五項目が追加をされ、新たに第三条の二として、受託者になることができないという六項目が出ておるのであります。私は、これは非常に抽象的な内容であって、この点について大臣見解をただしたわけですが、どうもはっきりいたしません。私ども考えておるのは、こういう第三条の二、これは六項目あがっておりますけれども、この問題は、私どもから見ると、資格要件が非常に抽象的であって、ただ単に欠格条項が公務員のものと同じようなことがここに書いてある。公務員の欠格条項と同じようなものがこの第三条の二に該当されておるように思うのです。これは一人の人間が、先ほど申し上げるように、だれも監督するところがないそのところで多額の金銭やあるいは非常に広範にわたる郵政業務を一人でやる、こういうときに、先ほど監察の方がお述べになったように、あとは個人のモラルの問題とおっしゃるけれども、現実にこういうことでは非常に抽象的であって、この第三条の二で個人受託して、これでもって簡易郵便局というものは心配がなく運営されるというようなことは私は非常に危険に感ずるわけですが、この点について郵政省見解を聞きたいのであります。
  140. 曾山克巳

    曾山政委員 確かに法律の面から見ますと、規定それ自身はいかにも抽象的でございます。また、第三条の二につきましても、いわゆる欠格条項でございまして、この欠格条項も通例の法律の焼き写しじゃないかというような御意見でございますけれども、私どもとしましては、先ほどもお答えをいたしましたが、これを受けまして省令でもって規定をいたしたい、その省令の内容としましては、先ほど申し上げましたが、社会的信用を要する者を認定いたします際の中心的な事項といたしまして、たとえば過去の略歴とかあるいは地域住民の評判とか、そのほか過去の状況あるいは現在の職業、そういったもの、それから事務能力を認定する際に必要な参考事項といたしまして、過去の略歴や職歴や学歴というものももちろん調べますし、さらには欠格条項該当の者であるかどうかということを調べますためには、いろいろ関係機関の証明書を必要といたしましたり、あるいは申し込み者自身にも十分申告させる、それをまた調べるということで、同じく資力につきましても十分な認定をする、そして犯罪のつけ入るすきのないようにりっぱな人を選ぶというようなことを考えておる次第でございます。いろいろこまごましたことを省令でうたうつもりでおりますので、この点につきましては、この法律がただばくとしておりましても、なお詳細な規定をいたす自信がございます。
  141. 武部文

    ○武部委員 そういたしますと、第三条の二は、ただ抽象的な公務員の欠格条項に該当するようなものを一応きめておくが、現実に受託者をきめる場合は、あなたのほうでもっと厳正な方法をとって、そのことが簡易局の運営に差しつかえることのないようなそういう厳正な方法で人間を選ぶ、そういうことをこれから検討し、それを実行する、こういうふうに理解するのですか。
  142. 曾山克巳

    曾山政委員 おっしゃるとおりであります。
  143. 武部文

    ○武部委員 それならば、もう一点通信の秘密に関してお伺いをいたします。  この通信の秘密というのは、「通信の秘密は、これを侵してはならない。」これは憲法第二十一条の二項の条文でございます。これに関連をしてちょっと先ほどもお話が出ましたが、「郵政省の取扱中に係る信書秘密は、これを侵してはならない。」これも厳然と郵便法の第九条に明記をされておるのであります。この場合に、全く純然たる個人、国家公務員でも何でもないそういう個人信書を取り扱う、あるいは預金もそうでありますが、他人の金を扱う、こういうときに信書秘密が侵されるおそれはありはしないか、こういうことを私は考え大臣にも問いただしたわけでありますが、まあそういうことはないだろう、こういうような程度の答弁であります。先ほどちょっとお伺いをしておりますと、郵便の配達の人は一人で郵便物を持って配達に行くので、そこでもう信書秘密は侵されていないんだから、一人で郵便局におっても同じことじゃないかというような論議がちょっと行なわれておりましたが、私はやはり郵便を配達する者と簡易郵便局で一人で信書を取り扱っている者は同一視できないと思うのです。いままでこの信書の侵犯の問題についてはいろいろ事例もございましたが、少なくとも簡易郵便局において信書秘密が憲法なり郵便法によって侵される危険はないというふうに郵政省考えておるかどうか。これはたいへん大事なことでございますから、ひとつ大臣答弁をいただきたいのでありまして、憲法と郵便法との関係から信書秘密というものは、簡易郵便局個人受託になった場合に侵されるおそれはないというふうに思われますかどうか、ひとつ大臣からお伺いしたい。
  144. 河本敏夫

    河本国務大臣 私はそういう心配はないと思います。  先ほど純然たる個人というお話がございましたが、そうではございませんで、法令によりまして公務員とみなす、こういうことでございます。
  145. 武部文

    ○武部委員 公務員とみなす——これは公務員に準ずる、公務員ではない。大臣、ちょっと考え間違いをしてもらっては困ると思います。これは公務員ではないのでありまして、「公務に従事する者とみなす。」という規定になっておる。したがってその資格はたいへん違うのであります。これは間違いのないようにしていただかなければならぬ。このことを私どもはたいへんおそれるのでありまして、こういう点について、ひとつあなたのほうから確たる御答弁をいただきたい。これは小林前大臣も佐藤総理大臣もたいへん答弁が抽象的であって、私はあの際にはわかりにくかったので、ひとつ大臣がかわったわけでありますから再度お伺いをしたのでありますが、いまお述べになったことは公務員とおっしゃったのですか、そうではございませんね。
  146. 河本敏夫

    河本国務大臣 第十一条の意味を申し上げたわけでございます。
  147. 武部文

    ○武部委員 それならばわかりました。  私はいままで簡易郵便局の現状なり、あるいはその取り扱ってきた業務内容なり、そういうものからいろいろ質問をしてきたわけでありますが、信書秘密については、今日までの郵政事業の各機関、それと簡易郵便局とは内容が違うと思います。これが第一点。そういう点では簡易郵便局信書秘密ということについての危険性は、無集配あるいは集配普通局その他の官署における職員身分、そういうものから、責任と義務からいってこれは差がある、そういう面から信書のことについて危惧の念を持つ一人であります。  第二点は犯罪の増加についてでありますが、これまた、きょう申し上げるように、犯罪とは私申し上げませんけれども、過去においてそのようなかっこうで貯金通帳をつくって、そしてかってに判を持って家族のものとかその他のものを机の中に預かっておってそれを利用しておったという例がある。こういうことが個人受託になった場合に減少するとは私は思わない。むしろそういうことがふえる危険性があるのではないか、こういうような危惧の念を一部においては持つのであります。さらに、個人になった場合に、これは指揮監督をする者がいない。自分で自分を指導監督するということは困難ですから、これはできませんから、そういう意味からいって犯罪の増加についても懸念を持っております。  第三のサービスの低下の問題については、先ほどから申し上げるように、窓口の取り扱い時間が個人によってかってに左右されるような気配もこれまたきわめて濃厚であります。公共団体である以上はそういうことができませんが、そういう面で、個人になった場合に窓口の取り扱い時間等のサービス住民の意に反して逆な方向にいくのではないか、こういう点が懸念されます。同時に、手数料等の過去の実態から見て、必ずしもそのことによって簡易郵便局受託者が正当な利益を得るような内容にはなっていない。ましてや、これが遠距離になり、享便戸数がどんどん減ってくるということになればなおさらのことだというような点で、必ずしもふやすだけが住民サービスに寄与するということにならぬ、私はこのように思うのであります。  簡易郵便局制度が発足いたして以来、逓信委員会その他でこの簡易郵便局個人請負化をめぐっていろいろやりとりがされ、今日までは、個人の請負はしない、きょう申されたように、無集配特定局に昇格をさせるんだというような答弁が逐次されておるけれども、現実に私が申し上げたように、的確に無集配局の基準に合致しながら、実は簡易郵便局の存続を希望するがゆえに昇格をがえんじない簡易郵便局の取り扱い者がおるという事実を知っておるのであります。そういうような点が一体何に基因するかということは、私が申し上げるまでもないのであります。こういう点を十分ひとつお考えいただかなければならぬ、このように思います。  いろいろ申し上げましたが、私は以上で私の質問を終わりたいと思います。
  148. 井原岸高

    井原委員長 午後一時三十分再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後一時二分休憩      ————◇—————     午後一時四十九分開議
  149. 井原岸高

    井原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  簡易郵便局法の一部を改正する法律案議題とし、質疑を続行いたします。米田東吾君。
  150. 米田東吾

    ○米田委員 簡易郵便局法の一部を改正する法律案に対しましてこれから御質問を申し上げていきたいと思います。  最初に私、大臣にまずお聞きをしたいのでございますが、この法律案件は、第五十五特別国会から五十八国会、五十九臨時国会、そして今回の六十一通常国会、ずっと出されておるわけであります。  申し上げるまでもありませんが、五十五国会におきましては、この法案は廃案になっております。五十八国会におきましては、自民党の強行によりまして継続審査になっておるわけであります。五十九臨時国会におきましてこれは審査未了、要するに審議未了で再度廃案になっております。そして今回三たびこの国会に出されてきているわけでありますが、私がお伺いしたいのは、法律案件は、国会に出されまして与野党並びに各国会議員がそれぞれ職責に応じて審査をするわけでありまして、その結末というものは必ずしもすべての法律が全部成立するという結末にはならない。したがって、ある場合においては審議未了、廃案あるいは継続審議あるいは成立、それぞれそのような異なった結末が遂げられるわけでありますけれども、そのいずれも国会一つの権威ある結論であります。審議未了、廃案といえども、それは国会一つの意思であります。結論だと私は思うのであります。  そういう点から考えますと、今回三たびこの法案が出されておるわけでありますが、どうも私は行政当局国会の意思を尊重しない。ことばを変えますれば、国会軽視のきらいがある、あるいはもっと突っ込んで申し上げますならば、政府・与党はあくまでも、いやだいやだといっても法案を通す、通すまでは何回も何回も出していく、こういう強引さというものが私はこの法案提出にあたってうかがわれるわけであります。少数党といえども法案に対しましてそれぞれ意見を持っておりますし、また、成立するとしないとにかかわらず、法案に対して責任を負うわけであります。そういう立場で直剣に取り組みました結果が、ある国会においては審議未了、廃案、ある場合は継続審査、またある場合は廃案、こういう経過をたどってきておるといたしますれば、行政当局におかれても、これらの国会の意思と経過にかんがみて、ある程度の措置なり、またみずからの法案提出にあたっての検討なりを当然なされてしかるべきではないか。要するにそういう謙虚さ、与野党の意見をまたあらためて徴するとか、あるいは、三回も国会に出ておりますから、どこに問題があるか大体見当がつくわけであります。そういう点についてもっと謙虚に立法技術の面からいっても検討を要するとか、あるいは危惧される面について誤解を解くとか、立法上歯どめをするとか、そういう措置があって、そしてできるならば、すべての政党すべての議員が賛成できる体制で法律というものは通していかなければならぬのではないか、こういうふうに思っておるわけでありますが、今回のこの法案に対して郵政当局が四たび何らの改正なしにそのまま繰り返して出されておることについては、どうも私は釈然としないわけであります。  まずこの点で、大臣のお答え、しかも単なる答弁ではなしに、誠意あるお考えをひとつ披瀝していただきたいと思うわけであります。
  151. 河本敏夫

    河本国務大臣 この法案の取り扱いの経過は、五十五国会以来、ただいまお話しのとおりでございます。しかし、郵政省といたしましては、ぜひこの法律案を通していただきたいと強い熱意を持っておる次第でございまして、今回もお願いをしておる次第でございます。
  152. 米田東吾

    ○米田委員 大臣、そういう簡単な答弁では私はどうも納得できないわけであります。それは法律を出すからには、やはり必要がある、行政責任の立場からいって必要を認めて出されると思うのであります。出される法律が通っても通らぬでもいいというような法律はあり得ないと私は思う。したがって、おっしゃることは形式的にはわかります。しかし、いま申し上げたように、五十五国会以来のこの法案をめぐっての経過、この歴史的事実というものに対してあなたはどうお考えなさって、今回再度出されてきているのか。必要があるからということだけでは説明にはならぬと思うのであります。私はそういう点で、大臣のお答えを再度いただきたいと思う。
  153. 河本敏夫

    河本国務大臣 この簡易郵便局昭和二十四年に発足いたしましてから、法律に定められましたその目的を十分生かしてきたと私は思うのです。  先ほど申し上げましたように、一番当初は四百八十ばかりの数でスタートしたのでございますが、その後だんだんふえまして、現在では三千二百ないし三百になっております。しかし、現行法に基づきますと、どうしてもこの数を現状以上にふやしにくいという事情が発生しておることは御承知のとおりでございます。それがゆえに、最近昭和四十一年以降はふえる数が非常に減っております。しかも、一方におきましては、全国なお二千数百カ所にぜひ簡易郵便局を置いてもらいたい、また省としても置きたい、こういう強い希望を持っておるわけでございます。それを実現するためにはぜひ今回御審議をお願いしておるような二点につきまして法律改正したい、こういう考えに基づきまして法案を再度提案をしたわけでございます。よろしくお願い申し上げたいと思います。
  154. 米田東吾

    ○米田委員 再度御答弁をいただきましたが、先ほど小渕委員の質問に対しましても、また同僚の武部委員の質問に対しましてもお答えにあったわけでありますが、この法案についての積極的な意義といいますか、あるいは郵政省としてのメリット、こういう点につきましては、簡単にいえば窓口サービスという面、サービス提供という面で郵便局の窓口をふやすということでございまして、郵政事業の経営あるいは郵政行政の基本に触れるような面で、どうしてもこの際法律を通してもらわなければならないという理由には乏しいし、なっておらないように私聞いておるわけであります。そうだとすれば、いま説明がありましたが、確かに、資料からいきますと、最近簡易郵便局というものは漸次減っているように思います。毎年の置局状態を見ますと減っておるようでございます。その原因は、あるいは法律改正をしなければならない一つの原因にもなっておるのかもしれませんけれども、しかし、そのことによってそう私は、世論から反発を受けるとか国民から批判を受けるとか、そういうような事態にはなっておらないと思います。  そういう点から考えまして、過去四回の国会でこの経過を経てまいりましたこの法案を同じ条件と同じ体裁でまた通すということについて、どうもくどいようでありますけれどもわからないわけであります。私の推定が間違っているかわかりませんけれども郵政事業としてはさほどこれには期待をかけておらない。しかし法律改正されて、もっと窓口をふやせる条件が緩和されれば、それはそれにこしたことはない。しかし、この法案をめぐって五十五国会以来の経過が現実にはある。それらの問題についてさらに押し切ってまでこの国会で通してもらわなければならないという理由はなかなか見当たらない。しかし、出しておかなければ、一つは、与党対策あるいは局長会対策、そういう政治性というものがむしろ前面に出て、やむにやまれず出してきておるのではないかという推定をいたすわけであります。これは私の誤った推定かもしれませんが、そういうことにしか理解できないじゃないですか、この問題は。そういう点で私は大臣の所信を再度お聞きしたいと思うわけであります。
  155. 河本敏夫

    河本国務大臣 郵政事業というものは、全国あまねくサービスを提供するというところにその目的がございます。しかし、現在では必ずしもそれが実行されておりません。  そこで、先ほども申し上げましたように、ぜひ、なお二千数百カ所に簡易郵便局設置したい、しかし、現行法律のもとではそれができない、ぜひ今回は法律改正していただきまして、かねての懸案でございます二千数百局に引き続いて簡易局が置けるようにお願いしたいというのが法律改正趣旨でございまして、何回も出すのはけしからぬじゃないかという意味のことをおっしゃいますが、何回も出しますのは、それだけぜひ必要である、こういうことを痛感しておるからでございます。
  156. 米田東吾

    ○米田委員 議論になってもどうかと思いますから、大臣答弁を一応了承いたしまして次に進まざるを得ないと思うわけであります。  ただ大臣、どうですか、私が冒頭申し上げました審議未了とか継続審査とか、そういうような、五十五国会、五十八国会、五十九臨時国会等を経ましたそういう国会一つの結論、これも権威ある国会の結論であるということについてはお認めになりますか。
  157. 河本敏夫

    河本国務大臣 この法律案の取り扱いの経過につきましては、五十五国会以来、お話しのとおりでございます。  重ねて申し上げて恐縮でございますが、郵政省のほうで何回も提案をいたしまして御審議をお願いいたしますのは、ぜひ必要である、こういうことを痛感しておるゆえでございますので、その点は御了承いただきたいと思います。
  158. 米田東吾

    ○米田委員 郵政事業の現状につきまして、この法案と関連がございますのでお聞きしたいのでありますが、一つは、いま郵政審議会にかけられております公社化の諮問に対する今後の見通しと、これに対しての郵政省の態度の問題であります。これは武部委員がすでに触れられましたけれども、私ももっと掘り下げて御質問したいと思うわけであります。  いま一つは、それとは関係なしに、郵政省におかれましても、聞くところによりますれば合理化の長期計画等も持たれまして、人員削減を含めて、一面においては機械化、合理化を推進する、要するに、経営の合理化というものを前面に出していま取り組んでおられるように聞いておるわけであります。これは郵政省だけではなしに、国全体におきましても五%削減とか、あるいは総定員法や地方公務員の定年制法案といわれる公務員法の一部改正という関係に見られておりますように、全般に行政の簡素化、能率化、そしてまた機構改革——縮小という方向に行っておるように私は思うのであります。そういう一連の佐藤内閣がいまとっております政策とあわせてこの問題を対置して検討いたしてみますと、私はどうもこの部分については矛盾があるように思うわけであります。  ということは、矛盾の根拠は、一つは、法改正をしなくても、現状の簡易郵便局法で行政上努力しさえすれば幾らでも窓口の拡大と提供はできると私は見ておるわけであります。そういう観点でこれから質問をいたしますけれども、ことさらに法を改正して個人請負、個人受託という方向にまで拡大しなくても私はやれるものと見ておるわけでありますが、しかも政府自体は、いま申し上げましたように、全体としては行政簡素化、引き締めの傾向にある、その中で質的にサービス向上、サービス提供というものを高めていこうという一貫した方針をとっておられるわけであります。どうもそれと逆行しやせぬか、私はこういう感じを持っておりますけれども、これについて、大臣はいかがお考えでございますか。
  159. 河本敏夫

    河本国務大臣 行政の簡素化ということは、これは国の大勢だと思います。そういう方向に進んでおると思うのでございます。また、郵政省といたしましても、先ほどお話しのように機械化をする、合理化をする、そういう大勢に進んでおることも事実でございます。  ただしかし、先ほど申し上げましたように、郵政事業はあまねくサービスを国民に徹底させるという重大な使命を持っております。その調和点をどこに見出すかということが非常にむずかしい問題でございまして、私は、国民にあまねくサービスを徹底させるという意味におきましてこの法律案改正をお願いしておるわけでございますが、この方法が、現在の郵政事業にとりまして一番能率的なと申しますか、一番コストの安いよい方法でないか、そうして目的を達成することのできる方法でないか、こういうふうに考えております。
  160. 米田東吾

    ○米田委員 サービス提供に熱意を持たれるのはけっこうであると思いますし、その面では私どもも大賛成であります。ぜひそうしていただかなければならぬと思うのでありますが、それにしても私は、特に今回個人受託を前提とする法律改正まで——しかも、この問題につきましては、かねて私どもが心配しておりますやがて特定郵便局の請負制に移行するのではないか、この歯どめがないわけであります。そういう状態でなぜ一体この法律改正をしなければならぬのか。サービスの提供は幾らでもできるじゃないか。現に、この法律改正案の提案理由の中に「これらの地区の大半につきましては、地方公共団体協同組合施設が存在しないのでありまして、」こういうふうになっております。これは一つ一つ聞きたいとも思いますけれども、私は地方公共団体が存在しないという地域はないと思う。協同組合が一この協同組合は農業協同組合、漁業協同組合、森林協同組合その他生活協同組合、そういうものでありますから、今日の情勢でこういうものが存在しないというところはないと私は思う。ただ、その建物がないとか、そういう一つの条件はあるかもしれません、どこの部落にも役場があるわけじゃありませんから。しかし、それらはこの法の精神からいって、地方公共団体協同組合受託するというその線で行政行為として幾らでも窓口の拡大、サービスは提供できると思う。現にそうやっておるところがあるじゃありませんか。ですから私はどうもその理由にならぬと思う。確かに改正すればいいでしょう。しかし、私がここであえて申し上げるまでもなく、その改正がいうところの請負制にエスカレートしないか、その歯どめがあるのかないのか、そういう点は、この五十五国会以来の委員会の審議に出ておる出てないは別として、いろいろ折衝されてきた一番の問題点である。また、あなたのほうに長年全逓という労働組合がある、そういう点について指摘をされまして省の見解をただすなり、あるいは全逓のそういうことについての建設的な意見を取り入れてもらうなり、いろいろ進められてきた経過があるわけでございます。それをそのままにして、あえてサービスの提供、全国あまねき地域に窓口を提供するのだということだけでは、しろうとはごまかされるかもしれませんけれども私はごまかされない。私は郵政事業にとにかく生きてきた男であります。どうもそういう点では理解ができないのであります。それで、この点につきましては局長から御答弁をいただきたいと思います。
  161. 曾山克巳

    曾山政委員 先ほど大臣から答弁がございましたように、何と申しましても、郵政事業サービスを旨としております公共事業でございまして、私どもといたしましては、国民の通信需要がある限りにおきましてはできるだけサービスを十分していくということが、いうところの公共性だろうと思います。ただ、そういたしましても、現在の限られましたいわゆる収支相償の独立採算制のもとにおきましては、理想的といわれるような形でこれがいくかどうかというところに大きな問題がございます。その調和点をどこに求めていくかというところにおきましてこの簡易郵便局法は大きな意味を持つのではなかろうかと考えます。また私は、理想的という意味も、率直に申し上げますと、これは単にわが国だけではございませんで、世界各国を見ていただくとわかりますが、どこの国におきましても小規模窓口機関を請負でやっていないところはないのであります。ただ、請負の是非につきましてはいろいろ御議論がございましょうけれども、私は、世界各国の情勢、一国も余さずそういう状況であるということは、あるべき姿じゃなかろうか、率直に申さしていただいて、失礼でございますがさように考えます。  ただ、それではなぜ昭和二十四年におきまして簡易郵便局法を制定いたしましたときに個人にまで広げなかったか、これは当時の小沢大臣国会答弁でおっしゃっているのでございますけれども、いろいろと沿革的なと申しますよりも、当時の背景といたしまして、ただいまお示しがありましたように、主として全逓信労働組合のほうにおきまして、いわば過去の特定局制度に、請負的と申しますよりも自主的性格があったというようなことを出されておりまして、それが非常に議論になっておりまして、いうところの民主化の波というものが高潮したことを考えまして、そういうものの背景との妥協において考えた、したがって、本質的には小規模窓口機関は請負でやってもいいのだけれども、そういう背景があったので、それを考慮して、一応個人にまで持っていくということはさておき、窓口機関は公共団体より協同組合まででとどめたのだということを国会でおっしゃっておるのでございます。私はやはりそれが本来のあるべき姿だと思いますので、各国のサービスの実態を見ましても、ただいま数的にここに資料を持っておりますけれども、面積あるいは人口等におきまして享便している割合は、日本は他の先進国に比べるとまだまだ低うございます。できるだけ地方の辺陬の地に至るまで窓口サービスを普遍していくということが、そもそも郵便が果たすべき公共的使命であろうというふうに確信いたしますので何ら矛盾していない、むしろ私どもは積極的にかような線を進めていくことがあるべき姿だというふうに信ずる次第でございます。
  162. 米田東吾

    ○米田委員 わかりました。  そこで、いまの御答弁に関連いたしますが、請負的性格、要するに小局の運営についての問題であります。諸外国でも請負的にやっているところはある。特にアメリカなんかはもっと簡便にそういう方法がとられておる。これは私どもよく聞いておりますし、内容も知っておりますから、それとこれとは私は違う、こういうふうにだけ申し上げておきたいと思います。  ただ、郵務局長も御存じだと思いますが、この簡易郵便局法案がかかりました第五国会議論を見ましても、町村地方公共団体協同組合受託させるというのには、それだけの一つの根拠があったのです。それは、いまも言われましたように、郵政省としてはコストを下げて、そして窓口を提供する、そういう意味で一つのメリットがある。それは郵政省だけがそういうふうにコストを下げるという点についてそういう方法をとっても解決されないから、アルファの分については地方公共団体協同組合、要するに受託者に対して負担をさせる、そうして一件幾らの手数料等についても必ずしも採算は確実にとれるというふうには言い切れないけれども受託するという熱意と条件を持っている地方公共団体協同組合にそれだけの負担をさせて、そして住民サービス、利用者に対するサービスを両者折半でやっていこうという有力な考え方があったと私は思うのであります。そういうことからいたしまして、当時、これはやがて個人委託になりはせぬかという懸念指摘されましたけれども、そういうことは絶対させない、そこに根拠を求めて——そこに根拠というのは、受託者一定限度のある程度の負担をかけるのもやむを得ないし、そういう面を取り入れながら窓口をふやしていこうという方針に変わりはないということでこの法律が成立したと私は見ているわけであります。今度それが個人にかわるというわけであります。どうもそこに郵政省の一貫した方針というものがないように私は思います。  いま申し上げますようなそういう立法当初の趣旨であなたのほうで行政的に努力されれば、幾らでも協同組合市町村との話し合いで簡易郵便局の窓口をふやしていけるじゃないですか。また、それくらいの必要条件、住民サービス、その程度の負担が地方公共団体協同組合にできないなら、郵便局をふやしてくれということも私はどうかと思うのであります。そういうことはあなたのほうの行政の情熱によって、努力によって解決できる問題じゃないかと私は思いますが、この点はいかがでございますか。
  163. 曾山克巳

    曾山政委員 当時の立法の趣旨につきましていろいろと御議論がございましたけれども、その点につきましては私は若干異なった意見を持っておるわけでございます。意見と申しますよりも、議事録を拝見いたしますと、はたしていまおっしゃったようなことであるかどうか若干疑問に思います。  といいますのは、当時荒廃した国土の中で、しかも通信事業それ自体、電気通信も郵政事業も含めまして極度の疲弊におちいっている中で、一方、国民の方々の中からは、通信窓口サービスをできるだけ各地に機関を置いてやってほしいというほうはいたる熱望のあったのを受けまして、どうしてこれに対処したらいいかということからできてきた所産ではなかろうかと考えるわけでございます。  しかし、当時の小沢大臣も言っておられましたが、当時未設置町村を主体に置くのだ、未設置町村ということであれば、ただいま米田委員お話しになりましたように、全国至るところ地方団体でおおわれているわけでございますから、施設のないところはないわけでございます。そこにさしむき置いていく、そこで一応その目的は達成したと私は思います。ところが、その施設のあるところではなくて、物的施設のないところにも、国力の伸長に伴いまして地方住民等から通信窓口機関を置いてほしいという要望が出てくるのは当然でございまして、さようなところに手当てしていくのが国の義務ではなかろうかと私は考えるわけでございます。もしただいまお話しになりましたように実効でやればいいじゃないか、現に実効でやらしているところを見受けるという話でございますが、一歩下がりまして、はたして実効でやった場合に、そこから起こってきますところの弊害というものがむしろ考えられるのじゃなかろうかと思います。  と申しますのは、私どもが僻陬の地の施設がないところの通信需要というものを救うために、直接個人委託契約しました場合と、実効で二段目でいたしました場合、協同組合なりあるいは市町村に無理に一般の私人と再委託と申しますか、というような形でやらした場合、当然考えられますことは、はたしてその辺の責任の限界と申しますか、明確化というものがいかがであろうか、むしろ直接の施設のあるところでその長が十分把握いたしますような職員の場合なら別でございますけれども、そうでなくて、再委託というような形でやりました場合には指導監督の目が十分届かぬのではないか、むしろそれよりも直接郵政省が私人と契約をいたしまして、郵政省が、その地方機関でありますところの集配郵便局長あるいは監察官等をして直接いろいろ監督もさせ、またその意思を徹底したほうが、いうところの経営責任というものを果たせるのではなかろうかというように私は考えます。いろいろ御議論はあろうかと思いますけれども、当省で考えておりますのはさような考え方でございます。
  164. 米田東吾

    ○米田委員 局長と質問するようになりますが、ついででございますからもう少し突っ込んでお聞きしますけれども、あなたのいまのお話を承りましても感ずるのでありますけれども個人受託にしたほうが、周辺の特定局からの監視だとか協力だとか援助だとか、そういうものもうまくいく、あるいは指導、監督もできる。直接いままでの地方公共団体協同組合あたりで受託させて、そうしてそこからまた再委託を受けるようなかっこうでやるよりは、ストレートで直接やれるからうまくいくのじゃないかという御答弁のようでありますけれども、これもごまかしじゃないか。現在の簡易郵便局にも、その受託町村であろうとどこであろうと、みんなあなたのほうは監督責任がある。いまだってみんな普通局特定局は指導もしている、監督もしている、いろいろ苦労して援助もしているわけであります。十分やっているわけであります。現にまた、それはあなたのほうの責任でもございます。だから個人にしたほうがよりいいなんということは、私は詭弁じゃないかと思う。  それと、もう一つは、地方におきましては、地方公共団体協同組合というのはやはりそれだけの体制を持っているわけであります。個人と違って、職員の体制あるいは資金の体制、建物の体制、とにかくそれだけの体制を持っているわけであります。それよりも個人のほうがいいなんという理屈はどう考えたって出てこないと思うのです。そういう体制があればこそ、それをまた郵政省は利用しなければならなかったからこそ、この法律におきましてはまず受託範囲をこういうものに限定したわけであります。そうして、常態としてやはり郵政事業について協力してもらう、その簡易郵便局に常時責任を負ってもらう、そういうふうにしなければ、この簡易郵便局は海のものになるのか山のものになるのかわからぬという答弁も私はあったと思うのであります。そういうことからこれは出発しておるし、その事情というものは、今日は決して変わっておらない、そういうふうに思うのでありますけれども、どうもここらあたりの辺は郵務局長答弁は私はわからないですね。どうですか、もう一回、必要なあなたのほうの考えを言ってくれませんか。
  165. 曾山克巳

    曾山政委員 いろいろ御議論につきましては、もちろん私ども合理的な点を認めないわけではございませんが、ただ、その趣旨といたしましては、先ほど来申しておりますような制定の趣旨があるわけでございます。  といいますのは、個人よりも地方公共団体あるいは協同組合のほうがいいからということでなかったろうかと私は思います。当時、何と申しましても、未設置町村がたくさんございました。どうせ未設置町村には公共団体の物的施設がございますし、協同組合もあるだろう、とすれば、そういうものに委託することによって、国民の要望します窓口サービスが保障できるということになったわけでございまして、言うならば、全く見解の相違があるといえばそうかもしれませんが、直接国が責任をもってそういうところの個人とやったほうが、各国の例を見ましてもベターだということが、これは立法論的に言えると思います。ただし、それはいろいろその当時の事情がございましたので、先ほど申しましたように妥協いたしまして、まず未設置町村をなくするためには、地方公共団体協同組合に限定した、それでその思想をずっとふえんしてまいっておりましたが、たまたま直接の施設のないところにつきましてはやはり個人を直接相手としてやったほうが、その限りにおいてはより経営責任を明確にすることができるということを私は先ほどから申したわけでございます。いまも一部合理的な話ということを申しましたのは、現在四条におきましても、競合いたしますような場合に、また改正第四条におきましても、地方公共団体協同組合、それから個人という順位においてやることにはいたしておりますけれども、それはその辺の妥協的な産物でございまして、本質的に申し上げますと、やはり個人というものが先に立ってしかるべきだという議論は、これは世界各国の例を見ましても明らかなように、いまでもそう信じておる次第でございます。
  166. 米田東吾

    ○米田委員 見解の相違になれば、これは議論になりましてどうかと思いますから私もやめなければなりませんけれども、ベターであるかどうかは、よりベターであることは私は現行法が一番そうじゃないかと思いますよ。この法律がやがてあるいは成立して施行されるようになるかもしれませんが、おそらくあとにいきまして、何であのときこういうふうに改正したのだろうということに必ずなりはせぬかという気が私はするわけであります。これは私の個人的な見解でございます。  次に、もう一つ問題点は、これは小渕委員からも聞かれましたし武部君からも聞いたのでありますけれども、請負制に対してこれがつながるのかつながらないのか。先ほど私の質問では、局長は、諸外国の例を見ても小局には請負制が本来の姿だ、したがってあっていいのだという御趣旨答弁だと思います。少なくとも第五国会のこの法案の審議の段階では、あなたのほうではこの個人の請負には絶対にしない、そういうことをかたく議事録では記録されておるわけであります。それから二十年たちましたが、どうしてそれが変わっておるのか。私は世の中の流れとどうもこの部分については逆行しているように思うのであります。純粋な経営論からして、私は請負制というものについては否定しません。これははっきり申し上げておきます。しかし、郵便事業が国営である、一番大事な信書秘密や公共に対する負担というものを郵政事業としては果たしていかなければならぬ。そういうたてまえからいきまして、一般的な請負制についての経営論は直ちには私は引用できないと思います。そうであったればこそ、戦後の特定局の変遷を見ましても、社会の進歩とあわせて請負制というものは消えてきているわけであります。本来私はこの郵政事業に立ち返ってきていると思います。それがいまになって最も重要なポストにおられる担当の郵務局長が公然と請負制がいいのだ、そういうことを言われておるわけでありますし、どうも、そういうことを容認すると、私どもが一番危機感を持って見ておりますところの全面的な特定局の請負制、これが一番コストが安くていいのでありますから、もう議論の余地がない、それにどうも走りはせぬかという懸念を持つわけであります。  この点について、前の二人の先生に御答弁あったようですが、再度私にはっきり皆さんのお考えをごまかしなく聞かせておいていただきたいと思います。
  167. 曾山克巳

    曾山政委員 ただいまの郵政事業、なかんずく郵便事業が国営の形態で行なわれておりますのはそのとおりでございます。ただその中でも、現在の簡易郵便局法もそうでございますし、あるいは郵便物運送委託法もそうでございますし、それを請負で行なうことが、より経済的で、かつまた業務に支障がないと判断いたすときはこれを請負に出せるということになっておりまして、それこそ、先ほど私が申しましたように、いわば企業性と公共性の調和点を顕現しておるのではなかろうかと思います。したがって私は、ここで何も一挙に郵便事業を全部大小ひっくるめまして請負にすることが理想的だということは申しておりません。いうところの極小規模の窓口機関、こういうものは国が直接経営するよりも、委託契約にいたしまして、いわば一種の請負契約にいたしまして、合理的に、かつまた経済的に委託するほうが、郵政事業全体として郵政事業の追求しております目的に沿うものであるということを考えておるわけでございます。無制限に、やたらに大規模の局にまで請負を広げるということは毛頭考えておらぬ次第でございます。
  168. 米田東吾

    ○米田委員 大臣はいかがな見解を持っておられますか。
  169. 河本敏夫

    河本国務大臣 私もただいまの局長答弁と全く同じでございまして、小さな規模のところはやはり請負制にしたほうがコストも安くあがる、能率的である、こういうふうに考えております。
  170. 米田東吾

    ○米田委員 ここで私、再度第五国会でこの法案が審議されましたときの会議録によりまして、その当時指摘されておりました懸念の事項を順次大臣から答弁をいただいて、確認していきたいと思うのであります。  昭和二十四年五月十六日の質疑の記録でございますけれども、自民党の橋本登美三郎議員がこういう質問をしております。「大臣が適当と認める人に対して個人契約をしてもよいと思うが、法人団体のみを受託者とした理由はなにか。」これに対して当時の小沢大臣は、「従来の特定局はいろいろな非難(封建制とかあるいは特定局長が国家の事務を扱って、いたずらに利益をむさぼっているとか)もあり、個人受託とすると、この非難の論点に触れることとなるので、できるだけ触れないで、すなわち、そういうことがないようにという意味で、公共団体だけに制限した。」こういうふうに言っております。今日の段階ではこの答弁はもう成り立たないと思うのでありますが、この質問に対しては大臣はどう御答弁なされますか。
  171. 河本敏夫

    河本国務大臣 これは今度御審議をしていただいておりますこの法律案趣旨説明の際にも申し述べましたように、また、先ほど答弁でも申し述べましたように、なお二千数百カ所にはぜひ簡易郵便局をできるだけ早く設置をしたい。しかし、現段階ではわずかそのうち二、三割くらいは地方公共団体であるとかあるいは農協、そういうふうな組合に委託することはあるいはできるかもわかりません。しかし、残り七、八割はどうしても個人委託するという形をとりませんと設置することが不可能だと思うのです。そういう意味から、つまり、あまねく国民にサービスを提供する、そのためにはどうしてもある程度は個人委託しなければならないのだ、こういう意味から御審議をしていただいておるわけでございまして、二十年前の事情とは若干変わっておろうかと思います。
  172. 米田東吾

    ○米田委員 ただ大臣、請負制という特定局制度の根幹に触れるそういう方向に入っていいかどうかという条件は、私は二十年前と今日とはいささかも変わっておらない、こういうふうに思っておるのでわかり切ったような二十年前の質問を再度確認しているわけであります。  再度松井政吉議員がこういう質問をしております。「簡易局設置は、請負制度の復活のように見えるので、個人に対する取扱い方をやめて地方公共団体にしたのか。」こういう質問に対しては、御説のとおりだという小沢大臣答弁があるわけであります。これを従来私聞いてまいりましたが、松井議員が指摘している請負制度の復活のようになるんじゃないかというこの心配は今日最もはっきりしたわけでありますが、この点について大臣は再度所信を明確に答えてくれませんか。これは議事録にとっておかなければなりません。
  173. 河本敏夫

    河本国務大臣 私は、先ほどもちょっと申し上げましたが、やはり郵政事業といえども、ある程度の企業性、合理性を追求しなければならぬと思うのでございます。そういう意味から、世界各国の大勢なども考慮いたしまして、また郵便事業の現状からも考えまして、ごく小さなところは個人請負制をやっても一向差しつかえないのではないか、こういうふうに考えます。
  174. 米田東吾

    ○米田委員 ちょっと問題が変わりますけれども、再度御質問いたします。  これも非常に重要な問題でございますのでお聞きするのでありますが、これは自民党の橋本登美三郎議員の質問でありますけれども、この簡易局の関係で「国会に席を置く者がその人の力によって郵便局を設定してやるという、きわめて国営事業と相反する結果が生ずるが、そういう事柄について、いかなる処理を考えるか。事実上契約の相手方が村、協同組合であるが、郵便事務を取扱うことだけを特定の村会議員とか村会関係のある者というような責任者を置いてやるのか。もし、そういう責任者を置いて特別に設けるということになれば、事実上個人請負制度という形になる弊害がないか。」こういう二つの指摘をされておるわけであります。前段の、国会議員が郵便局をつくってやるというようなことになったら国営事業趣旨に反するじゃないかという質問については大臣答弁はありませんでしたが、後段の質問に対しましては、「簡易局事務を役場の事務として設けた場合はこれを認める。どんな場合でも個人には絶対に許さない。」要するに、村会議員だとかそういう実力者が個人委託をさせてくれというようなことになって簡易郵便局を開くということになったらどうするんだということについては、個人には絶対にこの受託はさせないということをはっきり言われておるわけでありますが、ここで橋本議員が指摘されておるような事情は、今日の段階でも懸念としては私はこの法律改正されるとあると思います。そういう点で私ども非常に心配もするわけであります。郵便局サービス提供を求めておる住民の意思に沿ってよい方向へこれが行くならいいけれども、ここで橋本議員がすでに賢明にも指摘しておるように、何か選挙に利用してやるとか自分の地盤を固めるためとか、そういうようなことでこの個人受託ということが利用されてはたいへんじゃないかという懸念がこのときすでに出ているわけであります。これに対しては大臣答弁がありませんけれども、この点につきましては、いまの河本大臣はどのように御答弁なされますか。
  175. 河本敏夫

    河本国務大臣 先ほども、なおこれから二千数百カ所に簡易郵便局を設けたいということを申し上げましたが、これは何もでたらめに方々につくるというわけではございませんで、一定の条件を備えたところに順次つくっていくということでございます。  それからなお、どういう人に個人請負をさせるかという問題につきましては、欠格条件を設けていま御審議を願っておるわけでございますが、さらに、この法律案を通していただきましたならば、省令をもちまして、積極的にこういう人間を採用していくというふうにしたいということにつきましては先ほど局長が申し述べたとおりでございまして、十分設置並びに運用につきましては配慮を重ねていきたいと思います。
  176. 米田東吾

    ○米田委員 少し角度を変えまして、公社化の問題がいま郵政審議会にかかっているわけでありますが、このことについて、もう少しお聞きをしておきたいと思うのであります。  午前中の武部委員の質問に対しては官房長から答弁がありまして、小局運営等の問題については議論されておらぬ、ただ、利害関係者や事業関係者に意見を聞いた段階だ、そういうことが出てきたけれども、審議会としては公社化の問題についていま議論を進めておるのだが、その段階では出ておらないというような答弁がございました。私は官房長はこの審議会の中にどういう資格で入っておられるのかわかりませんけれども、少なくとも郵政事業公社化という郵政事業のそれこそ根幹に触れる、経営も事業もその根幹に触れる問題を議論されておるわけであります。今日の政治経済情勢の中でどうあるべきかという議論をされておるわけであります。したがって、そういう観点からいきますれば、郵政事業の中で最もロスになっているといわれる小局運営、このことについて検討を加えないで公社化の問題を結論ずけるなんということはあり得ないと私は思います。したがって私は、これは相当専門的にも事業上、経営上検討されている問題ではないか、そうでなければ、たいへん失礼だけれども満足な答申は出てこないんじゃないかと思う。これは避けて通ることのできない問題じゃないか、そういうことから私はお聞きをするわけでありますけれども、これはどうなんですか。実際にいま公社化の問題を審議している審議会、あるいはその小委員会ですか、その段階では小局運営という問題については出ておりませんか。もし出てないとすればその審議の段階までいってないということであって、これから手をつけるかもわからぬ。いずれにしてもこの問題に触れないということはないと私は考えるのでありますけれども、これは官房長でありますか、どちらになるかわかりませんが、ひとつはっきりお聞かせいただきたいと思います。
  177. 溝呂木繁

    ○溝呂木政府委員 現在公社化特別委員会において審議されております模様は先ほどお話ししたとおりでありまして、現在までのところ、そういった郵便局、小局、そういったものの基本的な検討というものはなされておりません。  ただ、先ほど申しましたように、一応組合側として全逓、全郵政、それから全国特定郵便局長会、そういうところからの事情聴取という形を行なっております。その際、全逓も全郵政も、それから全国特定郵便局長会も当然この小局というものについてのそれぞれの意見というものはそのときに申し出てあります。それに対して一応各委員からそれぞれ質問等は行なわれております。したがいまして、今後、そのときの各説明者あるいは質問された委員方々考え方で、これはやはり公社化に移行するためにはどうしても研究をしておかなければならない問題であるというふうに判断するかしないかは今後の問題であろうと思います。ただ、われわれはずっと委員の質疑を横で傍聴しているわけでございますが、大体考え方は、要するに郵政事業というものを政府直営の形態にしておくことがいいのか、やはり国有ではあるけれども、より能率的、自主的に運営できるような公社形態にするほうがいいのかというところに大きな論点がいっておりますので、どうしても議論の中心は、やはり最高経営管理者のあり方とか、組織のあり方とか、料金決定の問題とか、財務会計方式の問題とか、あるいは人事労務関係、そういう大きないわゆる制度的な問題に論点がいっておりまして、その辺は相当詳しく私らも敬服するくらいの議論がなされております。  しかし郵便局そのものは、委員方々のいろいろの議論の端々にうかがわれることは、要するに、公社になっても、あるいは郵政事業であってもそれなりに解決すべき問題ではないかというような、やはり現在の郵政事業においても独立採算制をとり能率をあげることが要請されているわけでありますし、一方、当然基本的な公共性というものも考えなければならぬという意味において、それは現段階において検討している、そのことを特に公社化についてもう一回議論する必要があるかどうかについては、米田委員のおっしゃったように、もう一回そこで根本的に議論しなければならないというような雰囲気はちょっとないというふうな感じはいたしております。しかし、まだ審議期日もございますので、そういった点に今後委員の方が触れてこられるかもしれません。が、いまのところは大体そういたった状況ということで御報告申し上げておきます。
  178. 米田東吾

    ○米田委員 詳しい御説明をいただきましたが、これは審議会のメンバーがおられるわけではありませんから、ここで注文をつけたり、お聞きするのもどうかと思いますけれども、いまの官房長のお答えによって考えられることは、要するに、管理面を重点にして、制度的にどうあるべきかということが主体になっているようにお聞きをいたしました。電電公社とか国鉄なんかと比較いたしまして、いまの郵政省関係では、絶えず大臣がかわるとか、あるいは局長がかわるとかいうようなことをしばしば小林前郵政大臣指摘しておりまして、公社化にしなければ腰を落ちつけて経営ができないというようなことを盛んに言っておられましたから、そういう面から入っていかれたのじゃないかという、これは私のしろうと考えでありますが、そういう気がいたしました。  しかし、どうしたってやはりいまの郵政事業も、郵便、貯金、保険を問わず独立採算をたてまえとする特別会計になっているわけであります。その形態をそのままにして公社化が可能かどうかということを検討しなければならないわけでありますから、経営の面、全般的な面から郵政事業というものに検討を加えるとすれば、何といったって小島運営をどうするのか、現在の普通局特定局、集配、無集配、あるいは簡易郵便局、この一連の系統だけを現行の法制どおり認めておかれるというようなことは、答申が最終的にどうなるとしても、検討の段階では十分メスが入る、そういうふうにされなければ権威ある答申にもならぬと私は思う。そういう点で、これから私はそういう小局運営あるいは小局経営というような問題が当然議論になると思います。  そういう観点からいたしまして、純粋に見て、いまの公社化の動き、それから行政の機械化、合理化、一連の政府の動き等と関係いたしまして、今回の法改正というのはどうもちょっと焦点がそれている。早過ぎるといったらいいのか、どうも現状にマッチしない。これだけは別ものだというふうにはなかなか理解できない。要するに、方針に合わない提案になっていやせぬかという気がします。これはもう少し検討してみたらどうか、そういう時期にありはせぬか、こういうことでございますが、郵務局長、どうでございましょうか。
  179. 曾山克巳

    曾山政委員 タイミングといたしまして、せっかく公社化の問題が議題に上がっているときであるから、それとあわして検討してみたらどうかという御意見も、確かに御意見として傾聴できると思います。しかし、どういう形態をとろうと、国有形態のままで残ろうと、先ほど来言っておりますように、世界のどこの地域におきましても、極小規模局というものは、特に僻陬の地等ににおきまして個人受託しておるという例外なしの状況を見ましたときに、どういう議論をいたしましても、私はこれはあるべき議論だろうと思います。さればこそ、このあるべき議論は、一方で経営形態論が議論されておられましょうとおるまいと、それと独立に提案いたしましても一向差しつかえないものではなかろうかと考えまして、かねての懸案でございますし、この際提案をいたした次第でございます。
  180. 米田東吾

    ○米田委員 郵務局長、胸を張って答弁されますけれども、そうなると私ももっと聞きたいのです。いいですか。  国鉄をひとつ例にとりましょう。国鉄がことしの暮れになれば二兆円の赤字になる、パンクするなんということは、国鉄総裁であろうと運輸大臣であろうと考えておらなかったと思う。しかし、どうしてもその財政の建て直し、赤字の克服、再建ということが至上命令であればこそ、国民のためには絶対必要な赤字線も——いわゆる赤字線といわれるローカル線もやめてしまいましょう、中間駅はなくしましょう、小荷物なんかの貨物の輸送は、不便であろうけれども、ひとつやめてもらいましょう。とにかく幾つかの切り取りをして、至上命令である経営の再建をはかるというところにきているわけですね。幸いに郵政事業は、いまそう国鉄ほどそれと比べて赤字態勢ではないと思う。貯金、保険は黒字だといわれる、郵政事業特別会計も大体とんとんの状態といわれております。国鉄ほどの状態はないけれども、あなたは胸を張ってそんなことを言って答弁しておられますけれども、いまの郵便の利用状態、この状態を考えますと、おそらく来年あたり料金値上げをしなければならぬというふうになってくるのじゃないか、そのときになお、サービスサービスと言って一体通りますか。もっと展望をしっかり持ってもらわなければならぬと思うし、サービスもいいですよ。基本的に私は反対しておらぬ。サービスはいいけれども、いわゆる小局運営、こういう一番ロスといわれる面についていまでも慎重に対処しておそくはないんじゃないか、私は最も建設的にそういう意見を吐いておるわけであります。国鉄を他山の石にしてくださいよ。幸いに郵政事業は、いま何とかしなければならぬ事情じゃない。これは皆さんの努力かもしらぬけれども、しかし、いまの郵便の利用状況、これからの趨勢を考えますと、おそらく郵政省だってパンクするような状態になってきはせぬですか。データ通信はどんどん発展する、情報革命の時代が来る。もう郵便よりも電話ですよ。そんなまだるっこしい郵便なんか利用しない時代が来ますよ。そういうときに、あまねくサービスを提供するのはいいですけれども、どうも私は先を読んでおらないような気がいたすのであります。それで、決してあなたの御答弁に私は反抗するわけじゃないけれども、少なくとも郵務局長として郵便の先を見ておられるあなたの答弁としてはどうかと思いまして、再度質問を申し上げて御答弁いただきたいと思います。
  181. 曾山克巳

    曾山政委員 私も米田委員の御意見に対して反抗するわけではございませんが、やはり意見といたしましては、どうしても——せっかくお話でございますけれども、合理化の必要性があればあるだけ、できるだけ経済的、かつまた合理的な方策をとるべきじゃないかという気がいたすわけであります。  先ほど民衆駅転化のお話などをなさいましたけれども、私どもといたしましても、現在ある小規模特定局特定局長会の中にいろいろ問題があることも承知いたしておりますが、現在そういう面におきまして、もし不合理な面がいろいろあるといたしますれば、これはそういうものについての合理化はちゅうちょすべきではないというぐあいに考えておる次第でございます。  そういうわけで、現在ありますいろいろ施設の合理化、これにつきましても考えていきたいと思います。ただ、サービスの面において、なお国民の方々通信需要を渇望しておられるので、通信を渇望しておられるところにつきましては依然サービスをしていくのが、私ども郵便事業の責務じゃないかというふうに考える次第でございます。
  182. 米田東吾

    ○米田委員 局長、合理化についてはちゅうちょしない、それはよろしゅうございます。そのときはまた議論が出てきますけれども、それは決意としてはいいと思います。しかし、そう十年、二十年先のことじゃなしに、近々そういう郵政事業の趨勢としてそういう事態が考えられるということについては、郵務局長、専門家であってもどうですか、見通しとしては持っておられるのじゃないですか。そのときに、簡易郵便局なんというのは、これは郵政省の機構の外なんだからそんな受託はやめてしまえばいい、そういう簡単なふうにはできないと思うのです。無集配やなんかの郵便局は、ちょうど国鉄が二千四百キロもぶち切るように簡単に——これは公共性はあるけれども経済性がありませんから、こんなのは廃局しますというようなことでは、私は通らぬと思うのです。  そういうような点を考えれば、ある程度慎重に先行きを見て——サービスの提供だけなんだから、この問題については簡易郵便局をふやしていけば、さっきの武部君の質問ではっきりしているわけだが、これでむしろ郵政事業は実際経営上は損するわけだ。そこまでしていまどうして一体それほど国民が要望しておらないこの郵便局設置、置局、これにあなたのほうは情熱を燃やしておられるのか、どうもそこへ落ちつくのであります。  郵務局長は純粋な郵政省のこの面の責任者——大臣は政治家でありますから政治情勢全般を考えておられると思いますけれども、少なくとも郵政事業を純粋に守っておられる郵務局長としては、どうですか、いまの私のこの心配、指摘についてお考えになる余裕はございませんか。
  183. 曾山克巳

    曾山政委員 私ども郵政省の職務をあずかっている者といたしましては、やはり郵便業務、その他郵政事業につきましての需要があるところにつきましては、経済性との見合いについてできるだけ手厚いサービスをしたいということには変わりはございません。一方なお、現在ある施設で不経済な施設がございましたならば、これを合理化していきまして、それによって浮いてまいりました原資等をやはりそういう公共性の面へ向けてしかるべきだというように考えている次第でございます。
  184. 米田東吾

    ○米田委員 次の問題に入ります。幾ら局長に質問いたしましても、どうも要領を得ません。  午前中の武部委員の質問にもちょっと出ておったと思いますが、昭和三十二年十月十日付で行政管理庁が「小規模な郵便局の運営について」という行政監査をやった結果の勧告が郵政省に出されております。行政管理庁が郵政省の小局運営という問題に取り組んで一つの勧告をされた。それはこれが初めてじゃないか。これはそちらのほうも資料としてお持ちでございますか。
  185. 曾山克巳

    曾山政委員 ございます。
  186. 米田東吾

    ○米田委員 これは三十二年の十月十日でありますが、これ以降この小局運営等について行管の勧告はありましたか、それだけ最初にお聞きいたします。
  187. 曾山克巳

    曾山政委員 現在私の承知しております限りにおきましては、小局運営につきましての勧告はないと存じております。
  188. 米田東吾

    ○米田委員 この勧告は、私はきわめて郵政事業として示唆に富んだ勧告がなされていると思います。この勧告に対して郵政省としてどのような措置をされてきているのか、三十二年のことでありますからだいぶ時日が経過しておりますが、そういう点で私はお聞きをしていきたいと思うのであります。  まず、調査結果の概要のところにこういう指摘がございます。「郵便局昭和三十一年度末総数一四、三二八局」「その中の九五%は特定郵便局であって、しかもその六二%は無集配特定局である。これら無集配特定局は一般に小規模であり、その五八%が局長を除いた定員玉名以下の小局である。これら小特定局について、東京都郵政局管内の状況をみると、経営費中、人件費が八八%を占めており、その五三・五%は局長の給与である。」「昭和三十年度並びに三十一年度上期における郵政部内者からこれらの局の局長に転官した者の給与平均額は、局の規模、事務量からみて相当高い水準となっている。」以下、ずっと続いておりますけれども、ここで指摘をしている小局の中に占める人件費の割合、その中の局長の人件費の割合ということが一つの特記事項として書かれておるわけであります。これはあとの所見のほうにも続いておりますけれども、この事実は郵務局長、認められますね。この概要として指摘した事実は認められますね。
  189. 曾山克巳

    曾山政委員 行政管理庁の勧告でございますので、この事実に間違いないと思います。
  190. 米田東吾

    ○米田委員 この中に「簡易郵便局事務が極めて少い事例」として「簡易局のうちには取扱事務量が殆んどなく、窓口サービス機関としての効果のないものが認められる。」こういう指摘が第三項にございます。それから「簡易局の不適正な事例」として「簡易局のうちには取扱手数量の増収を図るために貯金の受払金を零細化して受払回数を増加したり、或いは架空人名儀の預払を行なって回数を増加しているものがある。」この二つの指摘がございます。この点についてはどうでございます。認められますか。
  191. 曾山克巳

    曾山政委員 午前中に武部委員も御質問ございました。いろいろ数字的な例をあげて答弁もいたしましたが、そのことと同じことだろうと思います。したがって、その当時におきまして、指摘された限りにおきましては事実だったと存じます。
  192. 米田東吾

    ○米田委員 これはどうですか。これはどなたに答弁してもらおうか。局長か、あるいは監察主任官でしたか首席監察官ですか、こういう事実というのは、簡易郵便局のあり方として考えてみなければならない事項じゃないかと思いますが、これは原因は使用料か、そういう受託者のほうの手数料の安い関係とか、それに比べて人件費やいろいろな面がかさむというようなこと、事情は相当あるのだろうと思いますけれども、いずれにしてもこういう事態があるということは、簡易局のあり方として問題じゃないかと思いますけれども、どのような御見解をお持ちでございましょうか。
  193. 曾山克巳

    曾山政委員 ただいまの行政管理庁の勧告は三十二年の調査基礎にしてできておるようでございまして、したがって、三十二年当時の月額手数料を申し上げますと、わずかと申しますか、当時の金額でございますけれども二千百五十円ということになっております。三十三年に約倍の四千百円に上がっておりますが、その後三十七年に七千百八十五円、三十八年に一万円台を突破したということで、だんだん上がってきております。当時は確かに米田委員の仰せのとおりの事実があったと思います。  そこで、先ほど来首席監察官や貯金局長がお話しを申し上げましたように、そういう事例をためるべく努力いたしまして、数字的にも申し上げましたけれども、現時点におきましてはさような事例はないというぐあいに省としては申し上げておる次第でございます。
  194. 米田東吾

    ○米田委員 この勧告によりますと、「以上の調査結果に因り、独立採算制をとる郵政事業の経営合理化の見地から、これらの小規模な郵便局のあり方については再検討の必要があると認め、今回、当庁長官より、郵政大臣に対して次の如く勧告がなされた」こういって勧告が幾つか続いておるわけです。  この中の「小規模無集配特定郵便局の運営について」、ここでは「簡易郵便局制の活用、分局、出張所制の適用等を考慮し、その合理的経営方式を確立する必要がある。」こういう明確な指摘がございます。これについてはどう措置されて、現在どんな状況に進められておりますか。
  195. 曾山克巳

    曾山政委員 三十二年十月の行政管理庁の勧告をさらに基礎にいたしまして、三十三年の二月に特定局制度調査会答申の中にいまいろいろ御指摘のような案が盛られたわけでございます。したがって、措置といたしましては、私ども特定局制度調査会答申を受けまして、それに従ってできるだけの措置をしてまいったつもりでおります。
  196. 米田東吾

    ○米田委員 局長、この中に「分局、出張所制の適用等を考慮し、」と、こうあります。「簡易郵便局制の活用、分局、出張所制の適用等を考慮し、」こうなっておるわけであります。ここでいう分局、出張所というのは、簡易郵便局の分局とか出張所、そういうことではおそらくないと思いますね。いわゆる私どもが言っている特定郵便局の集配、無集配の出張所もしくは分局、こういうことを指摘しているのじゃないかと思いますが、この面については、いま答弁されました小局運営の委員会にはどういうふうに取り上げられまして、答えはどういうふうになっておりますか、お聞かせいただきたいと思います。
  197. 曾山克巳

    曾山政委員 特定局制度調査会におきましては、ただいま御指摘のございました全逓信労働組合のほうで主張いたしております総括局制度、それに伴う分局、出張所制度につきましては、いろいろと検討の対象にはいたしたようでございますが、これを取り上げるところまで至っておりません。しかし、行政管理庁はその前に、単に私ども意見だけではなくて、組合のほうの意見も十分聴取したようでございまして、その段階においてただいま御指摘のありましたような文言が入っておると思います。  私どもといたしましては、出張所、分局というのを、全逓信労働組合のいう形ではございませんが、やはり必要なところで出張所もございますが、また分局制度というものも、必要な限りにおきましてはこれを取り上げるにやぶさかではございませんし、現にさような局もあるわけでございます。
  198. 米田東吾

    ○米田委員 ついでにこの勧告の第二項に「簡易郵便局制度の運営について」という中で「簡易郵便局の中には、かなりの比率のものが実質的に公共団体以外の第三者によって経営されている実情にあり、又これらの中には、小規模な無集配特定局以上の実績を確保しているものもあるので、合理的な小局経営方式を勘案し、簡易郵便局の運営について再検討の要がある。」こう指摘をしているわけであります。この後段は、おそらくいま小局運営の第一項に私が質問いたしましたものと関連して検討されたと思いますけれども、この「第三者によって経営されている実情にあり、」これは私はおそらく現在も直っておらないと思いますけれども、この実情はどういうふうに把握されておりますか。
  199. 曾山克巳

    曾山政委員 午前中もその数字についてのお尋ねがございましたが、私どもといたしましてはいろいろなほうからいろいろなことを聞いております。ただ、その数字についても、したがってそういう言ってこられている数字を全然知らぬわけではございませんが、私ども省自身が把握しているという数字は、はなはだ申しわけございませんが、ないわけでございます。たてまえはあくまで地方公共団体協同組合受託者ということでございますので、それをさらに再委託に出すということは——再委託という意味が、形式は市町村あるいは協同組合の吏員ないし事務員ということであって、一般個人がやっているという意味でございましょうけれども、これをもぐってやるということにつきましては私どもは承知し得ないわけでございますから、数も把握しておりません。
  200. 米田東吾

    ○米田委員 郵務局長、その事実なんかは隣の郵便局へ行けばすぐわかるのです。隣の郵便局というのは、そこと集配関係を持っている特定局あるいはその付近にある無集配局、そういうところではみんなわかっているはずだ。わかっておらなければ、業務指導や、それから一日に一回ないし二回行ったり来たり連絡もあるわけです。そうしなければ仕事も進まない。場合によれば応援にも行ってやる。しょっちゅういまでもそういう連絡は絶えずとって簡易郵便局というものは運営されていると私は思うのです。ですから、隣の集配関係を持っている特定局ならば、局長以下全部私は知っていると思うのです。そういうものがどうしてあなたのほうでわからないのでしょうか。これは私はどうも納得できません。再度ひとつ聞かしてくれませんか。
  201. 曾山克巳

    曾山政委員 さようなところがあるということはいろいろと聞いておりますけれども、具体的な数字としまして三千二百局の中に何局あるかということにつきましての調査ができておらないということでございます。おっしゃるように、一部のところにつきまして、いうところの再委託というものがあることは耳にいたしております。また承知もいたしております。
  202. 米田東吾

    ○米田委員 これは監察のほうにお聞きしたらいいのかちょっとあれですが、業務指導や業務監査指導、それから実地監査的なそういう制度、それから定期的な監察、監査というようなものは簡易郵便局といえども同じにやっておられるのではないかと思うのでありますが、そういう段階で実情は把握できないのでございましょうか。これは首席監察官にお聞きしておきたいと思います。
  203. 西原林之助

    ○西原政府委員 お答え申し上げます。  ただいまの件につきましては、もちろん考査の際十分気をつけてやるわけでありますが、実際問題として日掛け貯金のような善意の場合もあり得るわけで、率直に申し上げましてなかなか判定はむずかしい、しかし、さいぜんからのお話のように、最近ではほとんどこういった事例がないというふうに思っておるわけであります。
  204. 米田東吾

    ○米田委員 ちょっと誤解しておられます。私の聞いておるのは、第三者によって経営されている実情にある——いわゆる受託者以外の、地方公共団体以外の第三者によって経営されている実情にあるというふうに明確に言っているわけでありますから、これは法律からいって違法なんですね。そういう事実はつかんでおられませんかということです。
  205. 曾山克巳

    曾山政委員 この問題につきましては首席監察官への御指名でございましたけれども、考査の場合にはあくまで、この受託のたてまえは市町村の吏員さらに協同組合職員という形で行なわれておりますので、それが第三者の委託であるかということまでの疑念を持って見るということはいたしておらないという意味で、監察官は承知しておらないのだと思います。  私は、先ほど申したとおりでございますので御了承いただきたいと思います。
  206. 米田東吾

    ○米田委員 要約いたしまして、行政管理庁が第三者的に郵政事業の小局運営という面について監察をされ、そして調査をされて勧告を出された。この中には、私がいまいろいろな角度で御質問いたしておりますけれども、要は、小局運営というものはいかにあるべきか、こういう観点で、郵政事業としては非常に参考になる勧告が出されておるのであります。とりわけ、この中における小局運営の面について、郵政事業として真剣に取り組むべき問題ではないか。特に分局、出張所制は、局長答弁で、全逓が言っているのと違うようでありますけれどもという注釈はつけましたけれども郵政事業のことを考えて言っておるとすれば、監察官が言おうと管理庁が言おうと全逓が言おうとだれが言おうと、それなりに取り上げて検討されるべき問題ではないかと思うのであります。そういう点で三十二年のこの時点でこういう提起がなされておるわけであります。そういう一つの事実から考えましても、もっと角度を変えて、分局、出張所という関係で郵政事業の能率あるいは経営の面から検討されるべきじゃないかと実は思っておるわけであります。  局長答弁にもありましたので若干質問しなければなりませんが、この際、全逓のほうでこれもおそらくあなたのほうに提起をされまして検討をされてきたと思うし、この中には、たとえば予備定員の制度なんというのはあなたのほうで採用されまして、現在特定局あたりでは、病欠等に対しては予備定員制度で補強されておりますね。それから分局、出張所等についても、全逓の提案とは違うだろうが、必要によってはやっておる、こういうふうにいわれておるわけであります。私はやはりこの際、郵政事業の形態をより能率的に、しかも、それこそ大臣の指令、指導、監督というものが最も能率的に末端機構まで届くような意味からいきましても、分局や出張所のこの制度のあり方ということについてほんとうに再検討すべき段階じゃないか。この簡易郵便局法の一部改正という、言うなればこれは私は邪道だと思う。窓口提供という面では、これによらなくとも分局制、出張所制、こういう制度をどんどん拡大することによって経営もうまくいくし、監督もうまくいくし、ますます郵政事業というものも信頼にこたえ得る健全な事業経営が大臣から末端まで私は行き届くと思うのですがね。そういう制度にするということについて、どうですか。お考えになりませんか。
  207. 曾山克巳

    曾山政委員 小規模窓口機関のあり方につきまして特定局制度調査会答申をしておりますが、なお、ただいま全逓のほうからもいわゆる統括局制度、それに伴います分局、出張所制度があることも十分承知しております。  私どもといたしましては、先ほども申し上げましたが、郵政事業全体の合理化の中で、小規模窓口あるいは小規模局というのはいかにあるべきかということは絶えず検討してしかるべきでありまして、ただいま御指摘のありましたような、全逓だからどうだとかいうようなことは毛頭考えておりません。謙虚に耳を傾けまして、最も合理的な国民のためになるサービス窓口機関を検討していきたいものと存じております。
  208. 米田東吾

    ○米田委員 この際、大臣からも御答弁いただきたいのでありますが、大臣からも、郵政大臣として雅量をもって、全逓が長年提起しておる分局、出張所制というものについて、もう一回たなからこの問題をおろしてひとつ検討されませんか。そして、この簡易郵便局の一部法律改正とあわせていまの時期に再検討されても私はおそくはないと思うのでありますけれども大臣見解はいかがでございますか。
  209. 河本敏夫

    河本国務大臣 行政管理庁の勧告を引用しての御意見、ごもっともな点もあろうかと思います。ただしかし、今度お願いいたしております法律案趣旨は、先ほども申し上げましたように、できるだけ安く、コストがかからないようにいたしまして、あまねく国民にサービスを提供する、そういうたてまえが趣旨でございます。  分局、出張所、そういうものを地方にたくさんつくりますと、お説のように末端まで指令は徹底する、そういう点では、あるいはいいかもしれません。しかし、コストの面等も考慮しなければいけませんので、総合的に検討いたしまして、今度お願いしております法律案趣旨を実現することが一番よい、こういう結論に達したわけでございます。
  210. 米田東吾

    ○米田委員 私も、それでは委員長のたっての要請もございますので結論の方向にこれから向かうことにいたします。  それで私も結論を急ぎますけれども、さっきも私、郵務局長との質問の段階で申し上げたわけでありますけれども郵政事業を取り巻く、たとえば輸送の近代化、直接関係のある郵便物の配送関係、この逓送関係を扱う輸送の近代的な速度、自動車の高度な発達、あるいは鉄道の新幹線等に見られる高度な速度それから高能率、こういう情勢、それから重視しなければならないのは電話の普及であります。特にこれはここ四、五年のうちに情報革命が来るといわれておるような情勢になってきておるわけであります。郵政事業としては、好むと好まざるとにかかわらずこれらの情勢に合わせて、郵便事業を主体とした郵政事業は今後国民にサービスを提供するたてまえで一体どう経営していかなければならないのか。特に私は、経営の面で独立採算を前提としている以上、コストの問題を第一にして検討を迫まられているという時期にあると思うのです。そういう点を考えまして、この小局運営の面から今度の簡易郵便局法の一部改正は、いわゆるあまねく窓口を提供するという趣旨では私は賛成いたしますけれども、どうもこの点につきましては、現状と対比して、いわゆるタイミングが合わないというふうに思うわけでありまして、この問題は再度郵政当局で十分検討されまして、しかも与党、自民党の通信部会とか、いろいろそういうところの部会もあるわけでありますから、そういうところと十分検討されて再度これは提案される。急ぐことはない。一応この法律案は戻して、そうして十分な見通しを立てた上で、総体的に郵政事業の中の小局のあり方として系統的に提案をされるべきじゃないかと私は思うのであります。そういう時期に来ている、私はそういうふうに思いますので、この点について、大臣にその決意はございませんか。そういう措置をとるほうが郵政事業のために賢明だ。社会党対策や全逓対策のために私はこれは強引に通すべきではないと思うので申し上げるわけでありますが、再度、大臣のほんとうの御意見を聞かしていただきたいと思います。
  211. 河本敏夫

    河本国務大臣 この法律案は、先ほど来繰り返しお話をしておりますように、ぜひ成立をさしていただきたい、かように存じております。  ただしかし、ただいまも質疑応答を通じまして、小局運営についての非常に重要な問題をたくさん浮き彫りにしていただきました。法律案が成立いたしました暁におきましては、十分気をつけまして運営してまいりたいと存じます。
  212. 米田東吾

    ○米田委員 最後に郵務局長にきょうは資料をもらいたかったのです。しかし、資料はきょう言ってもそろえていただけないと思いまして、この審議はわが党も真剣に取り組んでおりますから、後刻の質問者の必要もありますので資料要求いたしますから、委員長において御配慮いただいて、ぜひひとつそろえていただきたいと思います。  一つは、簡易郵便局昭和二十四年設立以来昨年度までの置局の年度別の状況を出していただきたいのです。これはあなたのほうの予算と実際の置局した実績の状態というものを対比して出していただきたい。  それから、相当廃局しておる簡易郵便局がありますから、これも年度別に、どういう事情で——これは詳細要りません。その事情の大綱でよろしゅうございますから、廃局になった原因と数を聞かしてもらいたい。  それからこの簡易郵便局の中で二十四年以降特定無集配局に昇格した局があればその数も知らしてもらいたい。特に置局の数は予算と実績とぜひ対比してもらいたい。  それから、受託者の状況はなかなかつかみにくいというような答弁がございましたが、これもひとつできるだけ調査をしていただきまして、受託者から次の第三者に、あるいは農協職員とか役場の職員あるいはその家族、そういう者に再委託されておる実情が厳然とあるわけでございますから、その状況をひとつこれも調査をして資料として出していただきたい。  それから局舎状況、これは武部君の質問にもありましたけれども農協や役場の庁舎を利用しておるのと単独で提供しておるのと、いろいろ態様は違っておると思いますから、そういう大綱別に調査をして出してもらいたい。  それからもう一つは、簡易郵便局におる郵便局員の待遇——身分法律ではっきりしておりますけれども、一体待遇というのはどうなっているのか。これはきょう時間があればこれも聞きたかったわけであります。これもひとつ調べていただきたい。大体、受託者農協とか役場の賃金に右へならえになっておるのか、あるいは独立にきまっておるのか、郵政事業の郵政職員と対比してどのような状態になっておるのか。それから労働条件等につきましても、簡易郵便局が終わったら農協や役場のほうの手伝いをするとか、あるいはそちらの宿直要員にかわるとか、いろいろな態様もあると思います。そういう待遇の面も調査をして資料として出していただきたい、こう思います。それはよろしゅうございますか。
  213. 曾山克巳

    曾山政委員 いろいろおあげになりましたことにつきましては、誠意をもって、できるだけ出すようにいたします。  ただ、これは隠す意味じゃありませんが、最後の点につきましてはなかなかむずかしい面もあろうと思いますが、できるだけの範囲で努力して出すようにいたします。
  214. 米田東吾

    ○米田委員 私は、いずれ資料を出していただきましてから、資料によっては、場合によれば再質問をさせていただくようになるかもしれませんので、あらかじめその点は委員長に御理解をいただくことにいたしまして、きょうの段階ではたびたび委員長からやめろやめろという通知が来ますので、一応協力して、これで終わりたいと思います。
  215. 井原岸高

    井原委員長 森本靖君。
  216. 森本靖

    ○森本委員 いろいろお聞きしたいと思いますが、まず、省側から私たちにいただきました資料の中でちょっとわからぬ点がありますので、先に聞いておきたいと思います。  先ほどもちょっと答弁にありましたけれども、二三ページの「年度別簡易郵便局数調書」というのがあるわけでありますが、この中でわれわれが一番大切に思っておりますのは廃止局数であります。廃止局がなぜ廃止をされたかということについて非常にわれわれとしても関心を持っておるわけでありますが、この昭和二十六年度の七局ある中で最低の取り扱い数量は幾らですか。     〔委員長退席、加藤(六)委員長代理着席〕
  217. 曾山克巳

    曾山政委員 ただいま御指摘のありました昭和二十六年度の七局の具体的な数字につきましては、実はただいまここに持っておりません。ただ、先ほど四十一年、二年について御説明いたしましたが、鉱山の閉山とかあるいは受託者の辞退とかというようなことを申し上げましたので、その程度しかわかっておりません。いずれまた資料で提出させていただきたいと思います。
  218. 森本靖

    ○森本委員 これは全部わかっておりますか、二十六年からここに出ております四十三年度まで。
  219. 曾山克巳

    曾山政委員 資料の残っている限り、努力いたしまして提出いたしたいと思います。
  220. 森本靖

    ○森本委員 提出でなしに、現在これは非常に重要な段階にきて審議をしておるわけでありますので、なぜこれが廃止をせられたかということの原因が明らかでないとなかなか審議ができません。そこで私は無理でない質問をしておるわけであります。省側が出しておりますこの資料は、ただ廃止が何局ということだけしか出ていない。だから、実際におそらく取り扱い数量が減って廃止になったのだろう、それならば、この廃止をせられた局は年間取り扱い数量はどの程度で廃止になったか、その内容がわからぬと冒頭から審議は一歩も進みませんよ。
  221. 曾山克巳

    曾山政委員 想像で申し上げてたいへん恐縮でございますが……。
  222. 森本靖

    ○森本委員 想像で答弁するのはやめてください。正確な資料で言ってください。資料として出してきておるのだから。
  223. 曾山克巳

    曾山政委員 四十一年度は先ほど申しましたが、四十二年度、三年度について申し上げさせていただきたいと申しましたけれども、二十六年度につきましてはただいま資料がございませんので、これにつきましては申し上げられませんということを申し上げました。しかしこれは、おそらくと言ってはまたあれでありますが、事務量の増加によりまして特定局設置と振りかわったものだというぐあいに理解しております。これも正確に調べまして御報告いたします。
  224. 森本靖

    ○森本委員 この中には特定局に昇格した分もあれば、取り扱い数量が減ってやめた分もあるわけで、それから農協あるいはそれぞれの地方自治体が必要がないといってやめたものもあるわけであります。その中で、われわれとしては取り扱い数量が減ってやめたものはどのくらいあるか、だから、やめた分のうちの最低の取り扱い数量はわかっているかどうかということを聞いているわけですよ。四十一年からのやつを私は聞いておるわけじゃない。あなた方が資料としてここに出してきておるのです。国会に正式に出してきておる資料昭和二十六年から四十年まではどうなっておるか、これを聞いておるわけです。それが答弁できぬようなお粗末な調査であるならば審議は一歩も進まぬ、こういうことを言っておるわけですよ。
  225. 曾山克巳

    曾山政委員 ただいまここに持っておりませんので、至急取り寄せます。
  226. 森本靖

    ○森本委員 持ってこい。待っておる。
  227. 曾山克巳

    曾山政委員 ただ、それにいたしましても、先ほど来何回も申しますように、特定局設置によるものと思いますが、御指摘のような、事務量がなくてそのために受託者のほうで解約したいと言ってきたのがあるかもしれません。これは想像でございますので、調べさせていただきます。
  228. 森本靖

    ○森本委員 私は突拍子もない質問をしておるわけじゃないのです。ここにあなた方のほうで国会に正式に提出された資料のうちでどういうものがあるかということを聞いておるわけです。四十一年から四十三年までは先ほど答弁説明を受けているわけです。だけれども二十六年から、ずっと四十年までは答弁がないわけですから、それについてはどうなっておるか、資料があるとするならば、とりに行って、それから答弁をしてください、それまで待っておりますから。
  229. 曾山克巳

    曾山政委員 資料はいますぐ電話をかけて調べさせておりますが、——————————————————————————————————————————————
  230. 森本靖

    ○森本委員 それは局長がどうこう言うべき問題じゃない。もし必要があれば、これは与野党が相談をしてきめることであって、局長が議会の運営について何か言うのはけしからぬ。
  231. 加藤六月

    加藤(六)委員長代理 森本君に申し上げます。質問を続行してください。  政府委員に申し上げます。あまりつまらないことを言わないようにしてください。
  232. 曾山克巳

    曾山政委員 私の発見がたいへんおそくなりまして申しわけございませんが、この七件の内容は、町村合併によりますものが一件、それから御指摘のありました取り扱い事務の僅少によるものが二件、受託者が解散いたしましたのが二件、それから維持困難なものが二件、以上でございます。
  233. 森本靖

    ○森本委員 そういたしますと、昭和二十六年から四十年まで、おたくのほうで出しております資料で最低の取り扱い数量をずっと年度別に言ってくれませんか。
  234. 曾山克巳

    曾山政委員 これも二十七年、二十八年、ずっといわゆる取り扱い事務僅小に基づくものがそれぞれ数件ずつございますが、これが何件であったかということにつきましては、現在持っております資料基礎になる資料が省にあるはずでございます。それを調べさせていただきたいと思います。
  235. 森本靖

    ○森本委員 だから私がこの中でお聞きしたいのは、廃止になったのは取り扱い数量の減少でやめたというのがどの程度あるかということと、その最低の取り扱い数量が各年度別に幾らであるかということをさっきから聞いておるわけです。  だから、資料があればある、なければない、それから、いまとりに行っておるならとりに行っておる、そういうようにルビをつけて答弁をしてくれませんか。
  236. 曾山克巳

    曾山政委員 ただいま電話をかけて至急調べさせておりますので、そのうち四十二年だけについて申し上げさせていただいてよろしゅうございましょうか。
  237. 森本靖

    ○森本委員 四十一年、四十二年、四十三年は要らぬのだよ。さっき言うたろう。
  238. 曾山克巳

    曾山政委員 それでは、いま調べておりますので、暫時お待ち願います。
  239. 森本靖

    ○森本委員 あなたが出しておる資料を聞いておるのだから、それがわからぬのならだめだよ。(発言する者あり)
  240. 加藤六月

    加藤(六)委員長代理 ほかのことを聞いたらどうですか。
  241. 森本靖

    ○森本委員 それではもう一つお聞きします。  これも先ほど米田君が質問をしておったわけでありますが、現在の簡易郵便局のいわゆる従事員数、これは全国でどの程度になりますか。
  242. 曾山克巳

    曾山政委員 これは先ほど申し上げましたように、三人局、四人局については、四人局が二局、三人局が四局ということを申し上げましたが、それ以外の二人局につきましては、いろいろとダブっておりますので、したがって正確な把握をいたしておらぬわけでございます。私どもとしましては、受託団体に対して当然責任者はおります。そのもとに受託責任者が一人おる、事務取り扱い責任者が一人おりますので、総じて、形式的ではございますが、三千二百二十七人おるという一応たてまえ上の御報告しかできぬわけでございます。
  243. 森本靖

    ○森本委員 その三千二百二十七人のうちで、実際の受託者職員とそうでない者とはどういうふうな数になっておりますか。  ここが一番今度の簡易郵便局法改正のポイントであります。そういうことであるからこの全簡連の諸君が非常に陳情に来ておるわけであります。たとえば、村長が選挙のたびに交代をするとか、あるいはまた農協の組合長が交代するたびに交代をさせられるということが非常に来ておるわけであります。そこで、現実の問題として、いま言ったように受託者職員が大体三千二百二十七名のうちで何名か、それからそうでない者が何名程度おるかということをお聞きしたいわけです。
  244. 曾山克巳

    曾山政委員 先ほど申しましたように、これは正確に申し上げることはなかなかむずかしいのでございますが、過去におきまして昭和三十九年に委託関係の現況をある程度調査したことがございますが、そのときの数字から推しはかりますと、大体三割程度がいま申しました嘱託というような形になっておりますので、いま申されますようなことであるのではなかろうか、しかし嘱託でも、正規の嘱託もおりますし、あるいは文字どおり形式的な嘱託もおろうと思いますので、これをここで完全に把握するということはちょっと困難でございます。
  245. 森本靖

    ○森本委員 その数字が完全に把握できなくてこの法律はほんとうに審議できませんよ。こういう法律を出す以上は、それを綿密に調査する必要があるわけであります。調査をしようと思えばこれはできるわけであります。これは監察局を通じてなり、あるいはまた郵政局を通じてなり、あるいは統括機構を通じてなり、あるいは現在の特推連を通じてなり、いろいろ調査方法はあるわけでございます。そういう正確な資料がないということになるとするならば、何のためにこの法律を出してきておるか意味がわからぬ。ならば私は、その正確な数字をひとつお示し願いたい、こう思うわけであります。
  246. 曾山克巳

    曾山政委員 三十九年に調べました実績で推しはかるということをいたしましても必ずしも正確ではございませんので、これにつきましては、日をかしていただきますならば正確に調査いたしたいと思います。
  247. 森本靖

    ○森本委員 これは日をかしますから、ひとつ調査をするまで当委員会は待ちます。だから、ひとつ早急に調査をして資料を出していただきたい。そういうふまじめな提案のしかたはないですよ。あなた方はこういうふうな法律案というものを上程する以上は、そこがいまポイントなんです。しかも、全簡連の諸君が非常に陳情に来ておる内容は、そこが最も大きなポイントとして陳情してきておるわけです。だから、そういう内容が一体正確に把握できずしてここの委員会において審議するということはなかなか困難ですよ。非常にこれは重要な点であります。そういう点も何ら調査せずして、とにかくこの前の国会で出した原案をそのまま出しておけというようなことでは、これは国会を無視した行政府のやり方であるというふうに考えますので、委員長、これは資料が出てくるまで私のほうは待ちますから、ひとつよろしくお取り計らいを願いたいと思います。
  248. 曾山克巳

    曾山政委員 先ほどいろいろと申し上げましたけれども、いろいろな数字のとり方がございまして、いろいろな方面からいろいろな数字を私どもの耳に入れてくださる方もございます。しかし、それにつきましては、やはり御理解いただけると思いますが、特に、一般に二人局といわれるところにつきましては、それがほんとうの再委託なのかそうでないのか等々につきましてはなかなか判断がむずかしいわけでございます。それで昭和三十九年の調査の結果を申し上げましたが、およそ三割というのが最大ではなかろうかということを申し上げている次第でございますので、それが何百何十何人ということにつきましては、正確にはもう少し調べてみなければわからぬということでございます。
  249. 森本靖

    ○森本委員 郵務局長、あなたは東京におって、郵務局長室にしかおらぬから知らぬのであります。われわれは金帰火来じゃないけれども、一カ月に一回くらいは帰って選挙区を回っている。そして郵便局についてはどうだというくらいの声をかけている。だから、どこの簡易局が大体何名でやっておるということはほとんど頭の中で覚えている。そういうふうにわれわれが覚えていることを郵政局が調査もしていないというようなことでこの審議ができますか。  それから、調査ができにくいというけれども、この従事員数がどの程度おるということは、調査すれば全部わかります。それから、それがはたして農協職員であるか他方自治体職員であるかということについても、調査すればわかります。それができていないような調査でこの法案を審議してくれといったところで無理ですよ。  それから、先ほども言ったが、あなたが出したところの資料内容すら答弁ができぬというようなことでは、これは徹頭徹尾、初めから説明不十分です。もう一ぺん提案理由からやり直し、そういうことでひとつ出直してきてもらいたい、こう思います。たったこれだけの質問で資料が全然ないということでは、ほんとうに審議できませんよ。私はまじめに審議しようと思っている。ぼくらが大体知っているようなことを——それは日本全国は私は知りません。しかし高知県のことなら大体知っています。あなた方は郵政省という全国の組織を持っているわけだから、それで調査をすればすぐわかるわけであります。それをいまだに、法案を提案してから半年もたっているのにその調査もできておらぬということでまじめにこれが審議できますか。大臣、どうですか。
  250. 河本敏夫

    河本国務大臣 先ほど局長が申しましたように、二人局につきましてはどうもわかりにくい面がある、もうちょっと待ってもらったら正確な数字を報告できる、こう言っておるわけでございます。もうしばらくお待ちいただきたいと思います。
  251. 森本靖

    ○森本委員 大臣がもうしばらく待ってくださいと言われたから待ってもいいけれども、これは大体三千二百二十七名という数字があるとするならば、その三千二百二十七名の数字の中に、実際に地方公共団体農協という受託者職員が、名実ともに職員がやっておるのはどの程度、それからほんとうのいわゆる受託者からさらに委託せられてやっておる人が何ぼ、それからほんとうに個人みたいな形式でやっておるところが何ぼというような形の調査は、もうすでにでき上がっていなければならぬわけです。  それから私がいま初めに言いました「年度別簡易郵便局数調書」も、これは御承知のとおりあなたのほうから出ておるわけであります。年度別の廃止数もわずかに五十局以下ですが、年度別にそれの最低手数料もわからぬということで、この法案は一体どんな準備をして出されたわけでありますか。  大臣、これは大臣提案をした提案理由の中に資料としてあるわけでありますよ。その資料もろくすっぽ内容がわからぬということで、これは大臣、一体どう思いますか。
  252. 河本敏夫

    河本国務大臣 この廃止局数内容につきましては、これは数字がちゃんと出ておるわけでございまして、その根本になる資料はあるわけです。いまそれを調べておりますから、もうちょっとお待ちいただきたいと思います。
  253. 加藤六月

    加藤(六)委員長代理 ちょっと速記をとめて。     〔速記中止〕     〔加藤(六)署員長代理退席、委員長着席〕
  254. 井原岸高

    井原委員長 速記を始めてください。
  255. 曾山克巳

    曾山政委員 ある年度につきまして私のほうで調査しました資料がございますので、それを申し上げさせていただきたいと思いますが、三十七年度におきまして資料をとったものの集計がございます。いうところの再委託局でございますが、パーセンテージで先に申し上げさせていただきたいと思います。  再委託者のいわば身分といたしまして、受託者と全然関係のない者が一九・二三%、それから受託団体との関係が嘱託という形でなっております者が八〇・七七%というふうになっております。それからその職業別でございますが、無職という方が三四・六二%で、その中で元郵政職員が七・六九%ございます。それから商業に従事しておられる方が三〇・七七%、その中で元郵便集配請負人の方が三・八五%、前町会議員の方が三・八五%、農業に従事しておられる方が一一・五四%、それから当時市町村会議員の方が一一・五四%、工業協同組合の方が三・八五%、工務店が三・八五%、僧侶三・八五%ということになっております。こういった資料昭和三十七年に調査いたしましたときの資料でございまして、それは持っております。
  256. 森本靖

    ○森本委員 そういたしますと、三十七年度の総人員は幾らですか。
  257. 曾山克巳

    曾山政委員 三十七年度におきます総局数が五百三十三局でございます。
  258. 森本靖

    ○森本委員 総局数はいまある資料でわかりますから私は質問しておるわけじゃございません。これには五百三十三と載っているわけでございますから、実際の従事員数は幾らでございますかと、こう聞いているわけです。パーセンテージがわかって総数がわからないことがあるか。何やつているんだ、君は。いいかげんな答弁をするな。
  259. 曾山克巳

    曾山政委員 ただいまこの資料を読ませていただきますので、ちょっとお待ち願います。
  260. 森本靖

    ○森本委員 質問をしたことにだけ答えてください。三十七年度は従事員数は総数幾らですか。総数がわからぬでパーセンテージがわかるなんてばかなことがあるか。いいかげんな答弁をするな。
  261. 曾山克巳

    曾山政委員 構成比率と局数とでいま申し上げたのでございますが、これは局員という形でとられておりませんで……。と申しますのは、局数一局について一人という形でやられておるのでございます。したがって局員が幾らかということを−局員という形は正式じゃないのでございますけれども、非常に答弁しにくいのでございますが、さように御了解いただきたいと思います。
  262. 森本靖

    ○森本委員 私は初めから従事員数は幾らでございますかと聞いているわけですよ。順次段階を追って聞いていかなければ筋道が立ちませんからね。従事員の総数は幾らでございますか、その従事員数がわかったならば、今度はほんとうの職員が幾らですか、そうでない職員は幾らですか、それから最低のものは幾らですか、こう聞いているわけです。それが全然数段階に分かれての答えがないわけです。ものごとは科学的に審議しなければいかぬ。科学的に聞いているのに、それに対する回答がないから困っているところです。
  263. 曾山克巳

    曾山政委員 この調査につきましては、書面調査と実際の実地調査と、両方いたしました。先ほど申し述べましたものにつきましては、実地調査をいたしたときの数字でございます。この実地調査につきましては、局数におきまして二十六局をやったわけでございますが、そのときのいわゆるサンプル調査がかような構成比になったということで、大部分の局につきましては書面調査をやりましたけれども、その書面調査の場合には、実は御想像のように、なかなかほんとうのことが上がってこないということになるわけでございまして、さようなことから私どもは一応推論していくよりしようがないという結論を得たわけでございます。
  264. 森本靖

    ○森本委員 それは三十七年度にあなた方はそういう調査をやっておったから、いい資料があるということでいま三十七年度の答弁をしておるわけだね。ところが、今回こういう法律を出す以上は、少なくとも私がいま言ったような資料は、簡易郵便局始まって以来の資料がなければならぬ。あるいはそれが全部が全部困難であるとするならば、ここ六カ年くらい前までの資料は全部持っておらなければならぬ。そういう資料が全然なければないと、正直に答えていただくならば、それはいまから調査していただくなら調査していただくということで、その調査ができるまで待ちますよ。だから、さっきから私が言っているように調査はできるわけでありますから、できないことはないのです。高知県のことについて私は全部知っておる。だから、おそらく郵政省がそれを科学的に調査すれば、監察官と集配局を使ってやれば全部調査できるわけですよ。これは今回の簡易郵便局法改正における肝心の一番ポイントですよ。一体その請負の実態というものがどうなっておるか、いまの地方公共団体がやっておるのは実態はどうなっておるか、その実態が全然わからずしてこれを審議するということはできませんよ。郵政省としては準備不十分ですよ。その数字が明らかにできずしてどうしてこれは審議ができますか。しかも、あなた方が出したところのこの二三ページの「年度別簡易郵便局数調書」における廃止局数の中における最低の取り扱い手数料も全然わからぬということでは、これは何をか言わんやですよ。郵政省数字的に何ら準備してないじゃないですか。
  265. 曾山克巳

    曾山政委員 仰せのとおり、資料につきまして最新のものを持っておらないということにつきましては申しわけなく思いますが、ただ、これにつきましては、いろいろ職員の異動等がございましてなかなか把握しにくいということもございます。しかし、そういう点につきまして、現在時間をかければ、先ほど来申しておりますように調べられますので、これにつきまして、この資料資料でさっそくとりますから、—————————————————————————
  266. 森本靖

    ○森本委員 これはその三十七年度のこういうふうな資料をとるよりかは、少なくとも四十、四十一、四十二、四十三年と、その二、三年前、ここ五、六年くらい前までは正確な資料をとっておくのがほんとなんですよ。それをあなた方は、この国会に出したことは出したけれども、これはおそらく審議になるまい。通っても通らぬでもいいくらいの考え方だからこういうことになってしまう。ところが、国会の情勢からして急遽審議をしなければならぬということになってくると、さっぱり資料がない。あわてて三十七年の説明をしている。その三十七年の説明も全くちぐはぐな説明であって、内容がはっきりしておらぬ。こういうことでは困りますよ。いまからあなた方は調査されるなら早急に調査していただきたいと思いますけれども、その調査が済まぬと次の質問が出てきませんよ。これが今回の改正の一番のポイントでしょうが。  それじゃお伺いしますが、たとえば四十三年度簡易郵便局が三千二百八ありますけれども、今回の法律案がもしかりに衆議院と参議院と通って法律になった場合に、一体この三千二百八局の中からどの程度の数が個人請負にかわるとお思いですか。
  267. 曾山克巳

    曾山政委員 私どもといたしましては、いわゆる地方公共団体及び協同組合の直接施設のないところに通信の需要に応じて新しく施設を置いていこうということでありますので、現在受託しておる方がすぐ個人に切りかわるということは予想しておらぬわけであります。ただ、受託団体のほうで契約を解除したいというようなことでやむを得ない事情等がありました場合に、その場合でも、例として地方公共団体が引きたいと申します場合にも一、協同組合個人とが競合いたしますので、それは法四条によりまして協同組合が優先するというたてまえになります。そういうような形で、先ほど来話に出ておりますところのいわゆる再委託者がすぐ個人に切りかわるというようなことは現在予想いたしておりません。
  268. 森本靖

    ○森本委員 三千二百八局がすぐかわるということは予想しておらぬ、こういう話でありますけれども、それじゃこの三千二百八局の中で再委託しておるものはどの程度ありますか。
  269. 曾山克巳

    曾山政委員 受託団体別の局数は把握しておりますが、この中で事実上いわゆる個人、つまり再受託という形でそれが幾らあるかということにつきましては、およその従来の傾向からしまして三割ということで推算しておるわけでございます。
  270. 森本靖

    ○森本委員 一番肝心のポイントに来て、従来の関係から推定で三割程度ですというような答弁でこれが引き下がれると思いますか。今回の全国の簡易郵便局連合団体がこの簡易郵便局法改正してもらいたいということを陳情してきておるのは、この法律が通ったならば、再委託方々については個人請負にかわろうという考え方で陳情してきておることは明らかですよ。それをいけしゃあしゃあとしてあなたのほうは、三千二百八の中には一つもないと思っておりますと、そんな人をばかにしたみたいな答弁はないですよ、あなた。これをちょっとでも研究した者だったらそんな答弁はできませんよ。それじゃ、きみ、何のために簡易郵便局法改正するのだ。毎年あと二十局か三十局のことについて改正するのかね。そんな筋の通らぬ答弁をして当面をごまかしていこうというようなことはいかぬですよ。だから私はその問題に直接入るよりかは、いま言ったように数字を段階を追って説明を受けておるわけだ。だから、その資料がないということになるとするならば、これは何をか言わんやですよ。資料を集めてきてください。それからその資料を通じて質問に入っていきます。(発言する者あり)
  271. 曾山克巳

    曾山政委員 現在わかっておりますいわゆる嘱託という方が九百九十名おります。これは全簡易郵便局の三割に相当するという意味で先ほど来三割ということを申し上げているわけでございます。ただ、これは嘱託という名前でございますけれども、はたしてほんとうの嘱託か、それとも、いわゆる再委託のためのわざわざの嘱託かということにつきましては、先ほど来なかなか弁別しにくいということを申し上げているわけであります。
  272. 森本靖

    ○森本委員 だから、その三千二百八局という局があるわけですから、この三千二百八という局数に応じて簡易郵便局の従事員数は幾らですか、こういうことを最初から聞いているわけです。それからいまの問題に入りますから……。
  273. 曾山克巳

    曾山政委員 三千二百八局の中でいわゆる二名局に相当します局が約二百局ございます。したがって、局員の数といたしましては、先ほどの三名局の数が四、それから四名局が二でございますので、合計約三千四百五十くらいになろうということでございます。
  274. 森本靖

    ○森本委員 三千二百八に対して二百という数字はどういう数字ですか。
  275. 曾山克巳

    曾山政委員 この数字は、先ほど来申しておりますように、いろいろ兼務その他でなかなか把握しにくうございますので、それを従来の手数料の算出等の過程におきまして省側で大体把握しておりますところの数字というものから推定した数字でございます。
  276. 森本靖

    ○森本委員 そうすると、実態を調査したことはございませんか。そういういわゆる手数料の上で審査をしただけのことであって、この法案を審議するのに必要であるからということによって従事員数は実際にどの程おるかということを調査したことはございませんか。
  277. 曾山克巳

    曾山政委員 今回におきましては正確な調査はいたしておりません。
  278. 森本靖

    ○森本委員 この簡易郵便局法改正案を審議する際に、従事する従業員数が正確に何人おるかもわからずして提案をするなんということは、これは不届き千万ですよ。その資料も全然ないということになるとするならば、ひとつ早急に十の郵政局を総動員して調査を願いたいと思います。そうしないと、これは審議は進みませんよ。総従事員の数さえはっきり明確につかめぬものがどうやって審議しますか。だから私は、総従事員数がわかったならば、今度はその従事員数の中でこの簡易郵便局法改正に一番関係の深い現行簡易郵便局法による地方公共団体もしくは各協同組合、そういうものの正規の職員、嘱託職員が何名か、それから再委託せられておる者が何名か、これを聞いておるわけです。それすら、総従事員数がわからぬということになりますと、その数字がわかってこない。小渕君の質問にもあったとおり、その数字が明らかでないとこの実質的な審議はできませんよ。ほんとうに審議してもらおうとするならば、そういう実質的な数字が明らかでなければこれは無理ですよ。そんなむちゃくちゃな法案の提案のやり方はないですよ。いま私が言っていることは、簡易郵便局法の今回の改正のポイントであります。それから、個人請負に賛成、反対にしても、ここがポイントであります。そのポイントの数字が不明確であっては、審議をしようにもしようがないじゃないですか。これは大臣に言ったら困ると志賀さんが言うからあえて大臣には聞かぬけれども、実際のところ、そういう数字が明確でなくて一体どうやって審議しますか。  委員長、これはひとつ暫時休憩して、理事会で善後措置を協議するようにしてもらいたいと思います。
  279. 曾山克巳

    曾山政委員 先ほど申し上げましたように、省の算出によりますところの職員総数は約三千四百五十でございます。そのうち、いわゆる再委託という形で個人が事実上行なっておると思われますものが九百九十ということでございます。
  280. 井原岸高

    井原委員長 ちょっと委員長から注意しますが、いま森本君のおっしゃるとおりだと思うのです。だから、総動員して、今晩にでも調べなさい。そんな、急いでこしらえますなんというなまやさしい問題じゃないですよ。委員長から注意しておきますから、そうしてください。
  281. 森本靖

    ○森本委員 それでは、総数についてはいま委員長からそういうお話がありましたからこの点についての質問はあとにいたしまして、あなたのほうで総動員をして調査した結果によって質問をいたします。  次いで、あなた方が出しておられる改正案の二三ページの昭和二十六年から四十年までの廃止局数における最低手数料をずっと言ってもらいたいと思いますが、あれからだいぶ時間がたったから本省から持ってきたでしょう。
  282. 曾山克巳

    曾山政委員 まだ調べが完了しておりませんが、先ほど委員長が御注意されましたように、これも至急調べまして御報告いたしたいと思います。
  283. 井原岸高

    井原委員長 暫時休憩いたします。     午後四時十七分休憩      ————◇—————     午後四時三十八分開議
  284. 井原岸高

    井原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  簡易郵便局法の一部を改正する法律案議題とし、質疑を続行いたします。郵務局長
  285. 曾山克巳

    曾山政委員 先刻の私の発言中、政府委員として不穏当な発言をいたしましたことにつきましては、深くおわびを申し上げ、取り消します。
  286. 井原岸高

  287. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 私は、この法律改正について実は何回も提案されたり引っ込んだりということをやってきた中身についてはあまり詳しくないわけです。だから、わが党の態度としては、十分審議を尽くして、その審議の過程の中で賛否を明らかにしよう、こういうことで、いつもサボっている私が朝来熱心に質疑応答を聞いてきたわけです。  そこで、私は、概括的に申し上げて、一つ法律については、満場一致というものはほとんどあり得ないで、いい面もあれば悪い面もあろう、こういうようにいつも考えているわけです。ただ、四割五分悪い面があって五割五分いい面があるとするならば、その五割五分のほうをとらなければならない。そうして四割五分悪い面があったならば、その面の悪いところを極力押えて、いい面は積極的に伸ばしていかなければいけない、こういうようなぐあいにいつも考えて、慎重に審議をして、審議を尽くし、そのあとで態度をきめよう、こういうことでいつもやってきておったわけです。この問題についても、朝来聞いておりますと、歴史的ないろいろの経過があって、絶対反対、あるいはどうしても通そう、こういうようなことでやってきた状況のようです。そこで、私は朝来聞いておりまして、いい面は今後どういうように伸ばしていったらいいだろうか、あるいはまた、悪い面についてはまだたくさん出てくる可能性もありそうなんですけれども、一体どういうようにしたらその面は防ぐことができるだろうか、こういうような見地から二、三の問題について質問をいたしたい、こういうように考えるわけです。  そこで、私たちよく聞くと、素朴な意見だろうと思いますが、戦前は請負制度であった、またこういうことを契機にして請負制度にだんだん拡大されてくるのじゃなかろうか、こういうことが反対をする側の人の素朴な意見のようであります。  実は、率直に申し上げて、私たちと種々協力関係にある全郵政という組織もまたこれに反対しているわけです。しかし、われわれは木を見て森を見ないでいるようなことがあってはならないから、そういう反対はあるだろうが、この問題について、大局から見て十分判断をしなければいけない、こういう積極的な面からこの法律改正案に取り組もう、こうしているわけですが、そういう団体の中からも、実は戦前の請負制度にまた戻るのじゃないか、そういう素朴な意見があるわけです。  そこで一つは、これはどなたからでもけっこうです。戦前のその状態というものは、われわれも研究が足りないのだが、一体どういう状態であったのか、そのときの社会、経済条件と今日の条件とは、この法律に関してどういうような変化があるだろうか、こういうような問題について、まず冒頭、たいへん抽象的ですがお尋ねをしておきたい、こういうように考えるわけです。
  288. 曾山克巳

    曾山政委員 戦前におきまするいわゆる特定局制度の欠陥ということでいろいろと各方面から指摘される向きがございますが、これを総括的に申し上げますならば、言うならば人件費も物件費もいわゆる渡し切り費の名目でもって特定局長に一括して入りまして、それを特定局長が人件費、物件費ともども経理する、そういう形の中で、したがって局長、局員の任命も、現在のように直接郵政局長が任命する、言うならば直轄公務員でございませんで、局長のみは判任官待遇のいわゆる官吏でございましたけれども、局員はさようでないというような形でもって大局である集配特定局昭和十二年まで推移し、それから、いわゆる無集配特定局は終戦直後の昭和二十一年まで推移してまいったわけでございます。  その中におきまして、よく言われることでございますけれども局長が局員を、言うならば私的雇用人のごとく使用する、いろいろ家事をやらせたり、また私的用事を言いつけるというようなことでもって、公務との弁別が十分でないというようなことが指摘されてまいりました。しかし、一部にはさような面があったかとも思いますが、大局でございます集配特定局につきましては、すでに昭和十二年から人件費も直轄化されましたし、また小局につきましては、終戦後これも直轄化されまして、いまのところさようなことはないわけでございます。  そのおそれが今度請負制度的なものを導入することによって出るかどうかということでございますけれども、私どもは、先ほど来申しておりますように、今後窓口業務個人委託をいたしましても、微量の事務でございますし、大体一人未満の事務量のところが多うございますので、言うならば他人従業員を雇用していくというようなことはないような地域に今回の簡易郵便局設置してまいりたい、さように考えておるわけでございます。さような意味におきまして、今回の簡易郵便局制度個人受託範囲を広げたからと申しまして、特に一方から指摘されておりますようないわゆる私的請負と申しますか、そういう面の弊害は何ら起こってこないというぐあいに考えております。
  289. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 大臣、非常に反対をしている人が一番心配するところはそこなんです。だから、当時と今日との社会的、経済的条件はこう違っておって、そういうように昔に返るようなことは、これこれこういう理由で絶対あり得ないのだ、大臣から一言そういうことをお伺いして、それからまたあと事務的なことについては郵務局長にお尋ねをしたいと思います。大臣、どうでしょう。
  290. 河本敏夫

    河本国務大臣 いま局長答弁をいたしましたとおりでございまして、かりに今度一部小さな局に請負制度をとるようにいたしましても、戦前の制度に戻す、そういう考えは毛頭ございません。
  291. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 ところが、私だんだん事務的にお尋ねをしていきますが、心配する向きの人もあるわけです。たとえば無集配特定局のごときは局長以下一人でやっておるところもある。そういうところは成績はあがらないじゃないか、けさ以来聞いていると、簡易郵便局のほうが成績が大いにあがっているじゃないか、そのあがっている部分とあがっていない無集配特定局とを比較すると、国家財政あるいは効率的な財政をやろう、こういうようなことになると、無集配特定局の一人か二人でやっておるところは、やはり簡易郵便局と同じようにやったほうが効率があがっていいじゃないか、それは効率的に考えれば当然そういうことが考えられるわけです。だから、そういう状況を比較をして、無集配特定局の一人か二人のところは簡易郵便局と同じような制度にしたほうがよくはないか、いろいろの条件からそういう心配をする人も無理からぬ点があるのじゃなかろうか、効率的な財政、税金をなるべく少なく使って公務員の能率をあげる、あるいは行政のサービスの能率をあげていく、こういう立場から考えると、むしろいま私が言ったようなほうが能率があがる、こういうように私自身も考えるわけです。  したがって、無集配特定局の一名か二名いるようなところが将来簡易郵便局に——法律は全然違うでしょうから格下げということとは違うのだけれども、そういうふうにされるおそれがある、こういうようにみな言うのも、なるほどと聞かざるを得ないわけです。だから、そういう問題については将来どうでしょう。
  292. 曾山克巳

    曾山政委員 郵政業務の合理化の面から考えますと、ただいま小澤委員おっしゃったとおりだと思います。したがって私ども、できるだけ効率的、経済的に業務を執行するたてまえからいいますと、不経済な施設を合理化していくということには積極的に取り組んでまいりたいのでございます。いま例にあげられました事務量の少ない特定郵便局、つまり局長一人、局員一人の場合には、場合によっては簡易郵便局よりも事務量の少ない場合があるのでありまして、そういうものを本来の——さっきから何回も申して恐縮でございますが、世界的な傾向から申しますと、ほとんどの国が請負でやっておる、したがってそれを請負にするということにつきましては、一応考えとしてはございますが、目下のところ、それをすぐ私ども強行するというようなことは考えておりません。やはり現在の実態として局長がおり、局員がおる、しかも直轄公務員としておりますところにつきましては、それなりに安住しておるわけでございますから、この新法が通りましたからといって、それを直ちに簡易郵便局に、いうところの格下げをするということは考えておらぬのでございます。
  293. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 私の聞かんとするのはそこが非常に大事なところなんです。これを次々と拡大していくようなことならば、今日の時点においてそういう悪い芽はつんでおかなければいけない。これは反対する立場の人としては無理からぬ点があると思うのです。経済的にやっていこうというのが私は本来の主張で、それはけっこうなんだけれども、しかし、今日大局から見るならば、不便なところにまでサービスを拡大していこうという意味ではこの法律は積極的に取り組むべき必要のある法律だ、こう私は考える。だから、反対する側の人の心配を一つ一つつんで、そういう心配はないのだ、こういうことになれば、安心してこの法律は大多数の人が賛成できるのではないか、こういうように考えるわけですが、どうもいまの局長答弁では、目下考えてはいないが、何か将来どうもそうしなければならないような口ぶりにも聞こえるわけなんです。  これは大臣、非常に重要なところだと私思いますので、将来も無集配特定局をだんだんだんだん簡易郵便局と同じように持っていくんではないんだ、そういうことは考えていないんだという明確な御答弁をいただかないと、この法律の判断の重要な今日的なその岐路に立たされるのではないか、実はこう思います。確かに郵務局長の言うようなことも、経済性から考えれば必要かもしれません。しかし、今日の時点においては、いま過疎問題等がたくさん出ておりますから、そういうところヘサービスを拡大していく、こういう大局から見てこの法律は大いに積極性がある、こう考える。くどいようだけれども反対する側の人は、これを足がかりに拡大されていくと言っているわけです。だから、そういうことはいたしませんという明確な御答弁大臣からあれば、反対している人の多くの杞憂というものはなくなるのではなかろうか、こういうように考えるわけです。
  294. 河本敏夫

    河本国務大臣 確かに、仕事のやり方といたしましては小さなところを請負にするということをすれば、あるいは能率がよくなるという場合もあると思うのです。ただしかし、一つ制度をこわして新しい制度にするという場合にはいろいろな摩擦が起こります。トラブルが起こります。やはりそのプラスマイナスをよく検討しなければならぬわけでございまして、そういう意味から請負制度を拡大するということは考えておらぬと申したわけでございます。
  295. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 私も永久不変なものだと思わない。制度というものは社会情勢、政治情勢、経済情勢の変化に応じて変わっていくものだ、法律もその時代に応じて変えていくものだ、こういうふうに考えます。だから、今日この場において、大臣がきちっと答弁したように、これ以上拡大しないんだ、こういうことさえ明確ならば、これに反対する大部分の人の杞憂というものはなくなるのではないか、それでこのことを私は大臣にお尋ねをしたわけです。そういうような御答弁がありましたので、さらに私は進んで御質問をいたしたいと思います。  簡易郵便局設置基準については、八百メートル以上のところは享便戸数二百戸、あるいはそれ以下のところはどうだ、五・五キロくらいのところにおいては百戸以上、こういう基準をお聞きいたしました。無集配特定局のほうはこれはどうなっているでしょうか、それから、それはどこにそういうことがきめられておるか、その二つを……。
  296. 曾山克巳

    曾山政委員 無集配特定局につきましては、いわゆる郵便区市内地と郵便区市外地という二つに分けて考えております。  まず市内地につきましては、隣局との距離が八百メートル、それに人口としましては一般基準が六千人、それに六千人でございますと多々ございますので、八千人ということに基準を若干引き上げましていま執行いたしております。市外地につきましては、隣局との距離が二キロ、それに戸数としまして六百戸、この六百戸もかなり多うございますので、これを上げまして八百戸という形で執行いたしております。
  297. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 そこで、さらに先ほど来の心配を私お尋ねするわけですが、いまの基準というものは何で定められておるのでしょうか。簡易郵便局のほうは八百メートル、二百戸、それから距離の段階を置いてさらに緩和してやる。特定局のほうはいま言ったようなことでやっているわけです。だから、基準だけをたよりにして、これは特定局を置くべきか、これは簡易郵便局を置くべきかということになれば、基準だけが条件だとするならば、その基準というものは法定されていないわけです。いつでも郵政省当局が変えようとすれば変わるわけです。また来年から簡易郵便局設置基準というものをいまの特定局設置基準と同じように格上げをするということになれば、実質的には、新たに設置されるものはやはり契約によってやれるようなことになりはしないかということが心配の一つにあるわけです。だから、この設置基準というものはどういうようにきめられておるか、どういう場合にこれを改正するかということについて、これは事務的にお尋ねしたいわけです。
  298. 曾山克巳

    曾山政委員 このきめ方につきましては内部でもちまして通達できめております。ただ、いろいろ変化等がございました場合にその変化をどういうぐあいに見て変えていくかということでございますが、先ほど来申しておりますように、国民の方々からの需要、要望と、それからあわせて省側の経済性と両方をよくかみ合わせましてきめておるということを申し上げたいと思います。
  299. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 特定局を置くべきかあるいは簡易郵便局を置くべきかということは、その基準というものは、単なる役所のきめた公達か何かの基準によるだけなんです。だから、この基準というものが安易に変われば、当然特定局を置くべきところへもっていって簡易局を置く、こういうことが行なわれるわけです。これは役所の中でやることです。国会にかかることじゃないわけです。  だから、先ほど大臣から明確に御答弁があったのですが、この基準についても簡単には変えない、そういう明確な答弁もまた必要なことになるわけです。私の質問せんとすることの意味がわかるでしょうか。——だから、これもやはり大臣から私は答弁を必要とするわけです。
  300. 河本敏夫

    河本国務大臣 特定郵便局並びに簡易郵便局設置基準をいま変えるというふうな考え方はございません。
  301. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 それでは、設置基準も変えません、先ほどの無集配特定局も拡大をしていく意向はない、こういうことなので、大部分の心配というものはそれでそがれていくと私は思います。  ただ、もう一つあることは何かというと、先ほど来質問があって答弁ができなかった問題にも触れていかざるを得ませんけれども、いまの実態というものは、受託団体地方公共団体あるいは組合、こういうことなんですが、その受託団体はみずからやれ、たしかこういうようになっている。簡易郵便局法第十二条「受託者は、公共の利益のため、誠実に自ら委託事務を行わなければならない。」こういうことがあるわけです。  そこで私は、これはどこでもいいのですが、農協職員、これがやっているのはみずからです。あるいは地方公共団体職員、これがやっているのはみずからです。地方公共団体には嘱託もいます。農協にも嘱託もいます。この嘱託のやっていることはこのみずからに該当をするかいなか。これは郵務局長でなくて、むしろ法律的なことだけの御答弁があったほうがいいと思うのです。官房長ですか、どこでしょう。みずからに該当するということ、こういうことです。農協の嘱託、市町村の嘱託の者がやっていることはみずからに該当して、法第十二条には違反しません、こういうことに明確に言えるかどうか。法律的なことです。現状ではありません。
  302. 曾山克巳

    曾山政委員 おっしゃるように、嘱託は市町村のやはり職員でございます。また、あわせて協同組合の嘱託も協同組合職員でございますので、法律的にもこの十二条でいうところのみずから行なうということに該当いたします。
  303. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 法律というものは生きものだから、時代とともにこの法律が生きていくようにするためには、やはりだんだんそれに応じたような働きをしていく、こういうようにしょっちゅういろいろのことを私は考えるわけです。  そこで、最近の実態というものはやはりむしろ逆に、ある個人がやりたいということになったらそれを農協嘱託にしておけ、申請する三日ばかり前にしておけ、ある公共団体でも、やりたいならばその三日ばかり前に嘱託にしておけ、こういう形で嘱託になってその人にやらせることは、私はいまの答弁からいえば合法だ、この法律に違反するものでない、こういうように考えるわけです。そうしてまた、実態はだんだんそういう傾向になってきたのではないか、この法律がそういう形の中で生かされてきたのではないか。先ほどの森本質問や午前中からのいろいろの質問を聞いて、この法律が窮屈に正規の職員でなければだめだぞということでなくて、この法律を生かされた形というものは——嘱託によってこの法律は生かされてきたのだ、それが実態ではないか、私は実態をこういうように分析するわけです。傾向としてこの法律はそういう方向にだんだんなってきて生かされてきたのだ、こういうように私は理解できるわけですが、それでいいでしょうか。
  304. 曾山克巳

    曾山政委員 傾向といたしましては、先ほど委託局の約三割ぐらいが嘱託という形で仕事を行なっておるということになってまいりますと、法律的には、確かにみずから行ない、かつまた、その受託者市町村協同組合でございますから合法でございますが、なぜそういった実態になってきたかということは、やはり先ほど来私が申しておりますように、国の事務を直接市町村とか協同組合とかを通ぜずに個人受託させることのほうが合理的だという世界的な傾向から出てきておるのだろうと思います。しかしこれは、私どもといたしましては、現時点におきましてさようなことを広げてまいることは必ずしも好ましいと思っておりません。やはりあくまで個人受託するというような場合には、文字どおりへんぴな地域につきまして事務量の少ないところに行なわしたほうがいいというぐあいに存じておる次第でございます。
  305. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 こういうように理解していいですか。実際の運営はそうなってきました、しかし、やはり個人にまで拡大していったほうがあまねく山間僻陬の地まで便利を与えることができるから、そういう便法を考えてやってきたことは好ましくないから今度は個人に拡大するのだと、どうでしょう、簡単に言ったならばそういうことでしょうか。
  306. 曾山克巳

    曾山政委員 そのとおりでございます。
  307. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 ある個人受託をした場合に、今度は個人の嘱託というものはありません。その個人がまた個人に再契約あるいは再委託、こういうことをした場合には、これは明らかにこの法律に違反する、それは禁止させなければならない、今度の改正案はそういうふうに理解していいですか。
  308. 曾山克巳

    曾山政委員 そのとおりであります。
  309. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 たぶんそうなってきた場合にむずかしい問題が出てきませんかね。  ある商店で、主人が経営をしております、そこに働く者が実質的には事務をやっています、こういう問題が出てきた場合には、その商店の人とその主人とは雇用関係にある、その人にやらせるということは、この法律上は一体どういうように理解したらいいでしょう。
  310. 曾山克巳

    曾山政委員 たとえば、その商店の商店主が請負者になりました場合に、本人に支障がありまして事務を行ない得ない場合がございます。さような場合に、事務補助者として商店主を助けて本人不在中に事務を行なうということは、これは法律的にも広い意味でみずから事務を行なうという範疇に入るという法律解釈でございます。
  311. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 法律的にはそういうことになるわけですかね。ある商店の人が、その主人が受託者であると、約契をいたしましたその商店に使われている人が実質的な事務——これは商店だから実質的な事務になっていってしまうと思う。それは法律的にもそうですか。
  312. 曾山克巳

    曾山政委員 この点につきましては、法制局とも十分打ち合わせいたしてみましたが、平素、請け負いました本人、受託者事務を執行しておりまして、本人がどうしてもそこで執務をし得ないような突発的な事由が起きて、いなかったというようなときに事務補助者として補助させる行為は、広い意味で受託者がみずから行なうという範囲に入るという法解釈を得ております。
  313. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 それでは次に進みたいと思いますが、     〔委員長退席、加藤(六)委員長代理着席〕 今度は個人受託者選任基準がだいぶむずかしく書いてあるようでありますが、第三条の一項に新しく号を設けて「十分な社会的信用を有し、かつ、郵政窓口事務を適正に行なうために必要な能力を有する個人」、順序としては地方公共団体、その次はいろいろの組合、最後に「十分な社会的信用を有し、」ということで、今度の改正の一番ポイントであるわけです。「適正に行なうために必要な能力を有する個人」、この希望者が大ぜい出てきた場合に——個人ですよ。公共体もやらぬ、農協もやらぬ、あるいはない、そういう場合に「適正に行なうために必要な能力」こういうことは、何らかの基準を設けるか、設けるとすればどういうような基準をつくらんとするか、その二点。
  314. 曾山克巳

    曾山政委員 これにつきましては、先ほど来御説明いたして「おりますように、省令をつくりましてふえんいたしていくつもりでございます。個人が競合するというような場合ももちろんございますので、個人の選定にあたりまして、社会的信用を有する者と認定されますようないろいろな項目、たとえば略歴とか、あるいは地域住民の風評、その他家族の状況、あるいは現在の職業、学歴、職歴等々を十分見る、あるいはまた資産状況を十分見るというような項目を省令にうたいまして、そこで十分審査をいたしてまいりたいと思います。
  315. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 その場合に、率直に言って、たとえばこのごろは平均寿命も延びてきた。定年制で早くやめたんだけれども、どうもひまでいかぬ、そういう場合には、郵政の関係の職員で退職した人を優先的に入れる、やはり法律に明るいとか郵政事業に詳しいとか、そういう基準はちゃんと入れますか。あるいは、その次には地方公共団体職員だったとか国家公務員であった者とか、そういうような者が優先的に入れられるような基準といいますか、法律的に明るくてそのほうがいいんじゃないか、こういうように考えるわけですが、どうでしょう。
  316. 曾山克巳

    曾山政委員 経歴、職歴、学歴というものをさらに十分通達でふえんいたしまして、ただいま御指摘のありましたように、かつて公務員であって現に年金や恩給の受給権も有する者、あるいはその地方におきまして公職、つまり保護司とか民生委員とか、そういう職についておられる方たちを優先するような指導をいたしたいと思います。
  317. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 そこで今度は、その新しく設けられた第十九条の第一項「郵政大臣は、受託者が第三条の二第二号から第五号までの一に該当するに至ったときは、第五条の規定にかかわらず、委託契約を解除しなければならない。」これは当然のことで何も言うことはないわけですけれども、その次の二項です。「郵政大臣は、次に掲げる場合は、第五条の規定にかかわらず、委託契約を解除することができる。」それに一、二、三、四とありますが、その一、これが私は一つの問題であろうと考えるわけです。  一は「当該簡易郵便局における郵政窓口事務の利用の状況にかんがみ、当該簡易郵便局を存置する必要がないと認められるとき。これが将来——先ほどいろいろ質問があったのをちょっと聞きかじったことなので私は数字をはっきり覚えておりませんが、最低なのは月に二件に七件であった、こういうような件数が具体的にあげられたわけです。そういうことになってくると、具体的にはこの第二項一号「郵政窓口事務の利用の状況にかんがみ、当該簡易郵便局を存置する必要がないと認められるとき。」こういうところに該当するんではないか。いわば基本料金だけでやっておって、従量料金といいますか、扱い件数がきわめて少ない、こういうような場合にはこの第二項一号に該当して、そういうものはやめたらどうだ、こういうことになろうかと私は思うわけです。だからそういう場合に、そういうことを含めて、この郵政大臣が存置する必要がないということを認める基準、この基準をいまどういうように考えておられるか、その点をお尋ねしたい。
  318. 曾山克巳

    曾山政委員 利用人口が低下いたしまして、ほとんど事務量がないという場合、先ほど示しになりましたような数字の状態のまま相当長期間移行する、将来にわたってもそれがふえる見込みがないというような場合におきましてはまさしくこの条項に該当すると思います。ただその際に、何通だったらこれを解除する条件にするかというようなことにつきましては、あながちそういった数字的な条件が要るかどうか、むしろ将来の動向等もよく見ました上であらためて考えるというぐあいにいたしたほうがいいのじゃないかと考えておりますので、すぐ数字的な条件をつくる考えはただいまございません。
  319. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 数字的な条件はさておいても、「窓口事務の利用の状況にかんがみ、当該簡易郵便局を存置する必要がないと認められるとき。」と、こうあるのですから、それには判断の基準が、たとえば利用の状況もあるでしょうし、何の状況もあるでしょうし、何々のどういう判断でもってこの基準をつくろうとしているのですか。
  320. 曾山克巳

    曾山政委員 これにつきましては、いま利用状況を数的に見ましても、六カ月も利用がないというような実態が続くというような一つの内部での基準はつくりたいと思いますが、内規みたいなものはつくりたいと思いますが、省令でもってそれを出すことが合理的かどうか。しかし内規的なものはつくっていきたいと思っております。
  321. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 せっかく片方はやりたいというのでしょう。片方はこれをやめさせようというわけです。そのやめさせようという基準なんです。郵政省のすすめによって始めました、しかし今度は、郵政大臣の必要に応じてやめさせよう、こういうわけですから、これは内部だけで、自分だけで判断するというより、これはやはり普遍的なものなんだから、やはり省令だとか規則だとか通達だとか何か知りませんが、やはりある程度の判断の基準というものがなければならないのではないか、こういうふうに考えるわけです。かってに、どうもあそこのやつは気に食わないから第二項第一号でやめさせてしまえというわけにいかぬと思うから、どういうことをこの項目にうたって、これは省令だか何令だか知りません。公達か通達か、何かやはり基準というものがなければならないと私は思う。
  322. 曾山克巳

    曾山政委員 地方によりまして区々にわたり、したがって不公平な扱いを受けるということは好ましくございませんので、全国的にこれを統一するという意味におきましては、先ほど私が内規的と申し上げましたが、いわば通達みたいなもので全国郵政局に統一的な基準をつくってまいりたいとは思っております。
  323. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 あちこち飛び飛びになるわけですが、「簡易郵便局設置必要個所数調書」、こういうものをいただいたわけです。けさほど来質疑応答があるように二千二百六個ばかり必要個所がある。そのうち、地方公共団体や組合等でいままでの法律で当然受託できる団体が六百二、それからそういう団体がないところが千六百四、こういう数字です。これが合っているかどうかはここではまだ確認してありませんが、時間の都合でそれは飛ばしていただこうと思うのですが、この一覧を見ると、地方郵政局によってバランスがだいぶ狂っている、アンバランスがある、こういうように考えます。必要があるにもかかわらず、そうして受託できる法律的な団体があるにもかかわらずそれが進んでいない、こういうところがあるわけです。  一番目が広島郵政局、設置必要個所百九十六、受託団体があるのが百六、こうあるのです。必要個所の半分以上、五〇%に相当すると思うのです。これが今日においても受託をしておらないという理由は一体どういうところにあるでしょうか。おもな点を二、三申し上げますと、その次にそういうことができておらないのは松山郵政局、これは五〇%以上、三番目が名古屋郵政局、これは五〇%近い。四百六十五個所もあって、しかも現在の法律でも受託できる団体が二百十六、だから五〇%近い。第四番目が金沢、約三〇%、こういう状況です。ほかの地方郵政局へいくと、私の長野県なんか二八%とか、熊本一〇%、仙台一〇%、札幌一〇%というように、受託可能な団体のあるところで、受託しません、やりません、すすめませんというパーセンテージがたいへん低いわけです。特別目立って、広島、松山、名古屋、金沢、この四つだけが五〇%近い。要するに、現在の法律機関があるにもかかわらずそういうことが実施されておらない、こういうわけです。  これはこういう法律趣旨に沿うて郵政局長が、こういうものがあるから農協地方公共団体やらぬかというようなぐあいのすすめ方が郵政局によって甲乙があるのではないか。だからこういうように極端な差が出ておると思うのです。大部分のところは、たとえば百カ所必要があるところで実際引き受けていないというのが約一〇%です。大部分のところは一〇%、これは地方公共団体農協があっても、これは一割なんていうのはどこだってあるでしょう。しかし、その四つのところは、引き受ける団体が現在の法律でもあるにかかわらず五割以上のところが引き受けておらないというのは、何か特段の目立った理由があるとお考えでしょうか。
  324. 曾山克巳

    曾山政委員 ただいまおあげになりました数字はそのとおりでございまして、これは両方の理由があると思います。  郵政当局におきましても、国民の方々の利便をはかるために積極的に窓口機関増置していくという姿勢をとってしかるべきでございますが、それにつきましても、姿勢が必ずしも強くないということもございます。それから市町村の側におきましてもあるいは協同組合等の側におきましても、若干国の通信ということに対して無関心であるという傾向があるわけであります。大体その両者相寄りましてこういう地域的なアンバランスができておるのが従来の傾向でございます。
  325. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 私、こまかいことはわかりませんが、こういう二色に極端に分かれておりますから、この四つの局においては、こういう簡易郵便局法があって、そうしてあまねく国民に郵便事業サービスしよう、こういうことになっておるその法律あるいはそういう政策を積極的に浸透しなかったのじゃないか、こういうようにも私は理解できるわけです。これは非常にゆがんだ見方で見ておる、こういわれてもしかたがないが、大部分のところは一割くらいだ。ところが、ここだけは五〇%以上が受託できる団体があるにもかかわらずやってない、こういうように私は考えるわけです。  だから、郵政大臣どうでしょう。やはりこういう法律があってそういう団体受託できるぞ、積極的にやれ——いままで法律改正する以前に全国的にこういうことを徹底していなかったのじゃないか、そういう心配があるわけです。これは突然の質問なんだが、極端にそう分かれておるわけですね。
  326. 河本敏夫

    河本国務大臣 あるいは御指摘のようなことがあったのかもわかりません。しかし、今度の御審議をいただいております法律案が通りましたあとも地方自治団体を第一にする、農協などの組合を第二にする、個人を第三に考えていく、こういう順序で設置していくつもりでございますので、御質問のような御趣旨に沿って今後ともやっていきたいと思います。
  327. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 ちょっと大臣の御答弁のついでですから私お尋ねしておきますが、地方公共団体あり、あるいはそこは受けません、農協あり、あるいは受けません、しかし、そこで個人があった場合にはこれはそこへ積極的に契約を結びますか。順序は地方公共団体、組合、個人、こうなっておりますが、団体が拒否したということになればその個人とは契約するわけですか。
  328. 曾山克巳

    曾山政委員 そのとおりでございます。
  329. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 次に、私は手数料の問題についてお尋ねをしたいと思うわけです。  この基本額の変遷等もいただいた資料にあります。そのことについては午前中の質問にもあったかと思いますが、この手数料をきめる基準、けさ答弁があったと思いますけれども、もう一回御答弁いただきたいと思うのです。
  330. 曾山克巳

    曾山政委員 郵便、貯金、保険それぞれの事業別に基本額と取り扱い手数料と加算額というものが足されまして総体の手数料になりますが、その中で基本額につきましては、物件費と準備、整理等の、言うならば人件費等を足したものでございます。  物件費につきましては、郵便が七百七十円、貯金が四千三百八十円、保険が百円ということで、合計五千二百五十円でございまして、準備、整理等につきましては、それぞれ単金をきめまして、またそれに所要の時分をかけて、同時に日数をかけるというような算出方式を用いまして合計八千六百円、合わせまして、予算上一万三千八百五十円というような算出をいたしておるわけであります。
  331. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 その物件費なり人件費なりというものについて、物価スライドとか、そういう問題の要素というものはその計算基礎の中に入るようになっておりますか。たとえば物価が五%上がるとか、ことしの一般ベースアップは一六%にもなろう、こういうような場合に、その基本料や従量手数料等をきめる場合に、そういう物価や人件費の高騰というものを十分反映できるような基準になっておりますか。
  332. 曾山克巳

    曾山政委員 御指摘のように、十分反映するように基準を算定いたしております。
  333. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 きのうだかおととい国会へ出された過疎対策基本法、これは自民党の議員が提案になりまして、いま国会の中においても全国民的な立場においても過疎対策というのは非常に重要な問題だと思います。  大局から考えると、いまからサービスを拡大していかなければならない山間僻地、こういうところは実は過疎のあらしの中にいるわけです。設置した当時においては五・五キロ離れていて享便戸数が百戸だ、何キロ離れていて享便戸数が百二十だ百五十だといっても、最近の激しい人口の流動、過疎化の中にあっては条件がだいぶ変わってしまうのではないか、こういうふうに考えるわけです。だから、人口が集中するような場合の料金の計算と過疎化の中にあるような簡易局の料金の計算とを同一にしておくということは、これは同じだから公平という意味にならぬと思うのです。だから、やはり過密地帯あるいは過疎地帯、そういうことを考慮して基本料金あるいは手数料等もきめないと、これは過疎地帯の中においては、やっても全然どうしようもなりません、だからやめたいと思います、こういう人が、先ほど来の質問にもあるように出てくるのではないかと考えるわけです。だから、この法律のできた昔においては過疎現象というものはあまり問題として提起されておらなかったと思いますが、最近はそういうことはたいへん激しいわけです。だから、この料金算定の基本料あるいは手数料、そういうものについても、そういうことを考慮しないと享便戸数の変動が激しいから問題が起こってくるんじゃないかと考えますので、料金算定はそういうことをひとつ積極的に組み入れてやるべきじゃないか。これは積極的な提案なんですが、どうでしょう。
  334. 曾山克巳

    曾山政委員 過密、過疎によりますところの取り扱いの多寡は取り扱い手数料の面で出てくると思います。基本額につきましては特定局との均衡もとっておりますし、また局舎料等につきましても、いなかに所在します木造局舎を中心に算定しておりますので、特に過疎だから過密だからということの差は出てこないのでございます。  なお、ただいまの御提案はごもっともな御提案だと思いますので、今後基本額の改定にあたりましては十分検討に入れてまいりたいと思います。
  335. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 今度新たに法改正によって加えられた福祉年金、これは一体どのくらいの簡易局で扱うようになるでしょうか。手数料は一体どういうことを予定しておるのでしょうか。
  336. 鶴岡寛

    ○鶴岡政府委員 福祉年金は、受給の対象人員は大体三百万人でございます。支給年額は五百八十二億円の予定でございます。件数はおよそ一千万件の予定でございます。手数料は——ただいま申しますように件数が全国で一千万件でございますから、簡易局の分は大体二十万件の予定でございます。手数料は一件当たり十九円でございます。
  337. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 これを扱う基本はないの。
  338. 曾山克巳

    曾山政委員 基本といたしましては、先ほど事業別に郵便、貯金、保険を分けて申し上げましたが、この貯金基本額四千三百八十円の中に入るわけでございます。  なお、ただいま貯金局長から答弁がございましたように、取り扱い手数料の面におきまして一件当たり十九円ということになっておりますので、これに件数がふえた分だけが加わるということになるわけでありまして、手数料だけがふえるということになるわけでございます。基本額のほうで、あるいは物件費その他が要るのではないかということでございますが、特にこのためにいろいろと局舎料、雑用費、薪炭費備品関係の使用料が要るということでございませんものですから、いまのところは十九円のこの取り扱い手数料のみをかけていくというぐあいにしておるわけでございます。
  339. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 けさ、だれかの質問に対して、簡易郵便局の手数料予算額、昭和四十四年一局当たり二万五千四百七十八円、この内訳等こまかく説明があったと思いますが、この中には、この法律が通って福祉年金をやる手数料等は含まれているわけですか。含まれているとすれば、何月からこの予算を取ってあるか。
  340. 鶴岡寛

    ○鶴岡政府委員 予算には四百万円を計上いたしております。
  341. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 先ほど数字に間違いなければ四百万円で足りるわけですか。一千万件中、簡易郵便局が扱うべきものがたしか二十万、一件当たり十九円、二十万かける十九で四百万円ということですか。それを四月からですか。ちょっと算出基礎を……。
  342. 鶴岡寛

    ○鶴岡政府委員 ただいま申し上げますように、二十万件かける十九円で四百万円、そのような計数に相なるわけでございます。
  343. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 福祉年金は年一回の支払い十九円で終わりか、あるいは二回、三回払って一回ごと十九円か、この基礎がよくわからないのだけれども、それとも、この法律が通るのは来年の一月ごろだから一番終わりの一回分だけやっておく、こういうことで十九円かける二十万件、こうしたわけか。
  344. 鶴岡寛

    ○鶴岡政府委員 二十万件は年に三回に分けて払いますその件数でございます。したがいまして、その件数かける十九円が所要額、そのように相なっております。
  345. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 三回が延べの件数ですか。一回六万六千六百六十六件かける三回、そういうことですか。
  346. 鶴岡寛

    ○鶴岡政府委員 そのとおりでございます。
  347. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 そうすると、全国一千万件中の二十万件ということは、比較する単位が違って説明しているわけですね。全国の一千万件ということは、六百何万かける三回の一千万ですか。一千万件ということは一千万人が対象になっているということだから、一千万件の分は一千万件かける三回、約三千万件になる、それに対応することばとして二十万件、こういうことになるわけでしょう。そうでなければさっきの説明はおかしいですね。一千万件対二十万件、こう言ったのだから……。
  348. 鶴岡寛

    ○鶴岡政府委員 申し上げました総数は延べの総数でございます。したがいまして、その総数と二十万件は相応する数字でございます。
  349. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 そこで一千万件は延べかどうか、こう言っている。
  350. 鶴岡寛

    ○鶴岡政府委員 延べでございます。
  351. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 わかりました。  それでは次に、私は専門的なことはよくわからないのだけれども、一覧表をつけてもらっている中に、簡易郵便局だけはバツをしてあって、これは扱わせないということが出ておるわけです。これは法律でも何でもない省令か規則か何かできまっているのじゃないかと思うのですが、たとえていえば、三〇ページにあるが、簡易保険関係の「新規契約の申込受理」、これは集配局も無集配局も簡易郵便局も扱わせます。そのあとの「窓口保険料受入」は集配局、無集配局は扱わせるが簡易郵便局は扱わせない。こういうようなぐあいに、ここのバッテンをつけてあるのが幾つも種類があるわけですが、これは一体どういうことでこういうことだけは集配局、無集配特定局とそれから簡易郵便局との間に差別をつけたのかわれわれ専門家でない者にとってはよくわからないわけです。新規契約の申し込み受理はするけれども、窓口保険料の受け入ればいたさせません、これは一体どういうことからこれがあるのでしょうか。保険局長出てきたから、これは郵務局でなくて保険局のほうから扱わしてもらっては困るという申し入れをして、郵務局のほうが扱わせない、こういうことにでもなっているのですか。
  352. 竹下一記

    ○竹下政府委員 簡易保険局のほうから郵務局のほうへ申し入れをいたしまして、簡易郵便局の窓口の仕事といたしましては新規契約の受付だけにしてほしいという申し入れをいたしまして、郵務局と協議の末にさようにいたしたわけでございます。簡易保険及び郵便年金の新規契約の受付をやるというそれだけにしぼったわけでございます。それ以外のことは若干事務が複雑になりますしいたしますので、これを受け持ち集配局のほうへ移牒いたしまして、新規に受け付けました契約は、そのあとの契約維持の関係は受け持ち集配局のほうへ移管いたしましてそこでやってもらう、ということは、仕事内容がやや複雑であるということからそういう区別をいたした次第でございます。
  353. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 私たち外部の事情に暗い者が見れば、あそこは簡易局だからこういうものはやらぬぞ、こっちは無集配特定局というものだから扱うぞといっても、住民はこういうマークのついているところはみんな郵便局じゃないかという感じを持っていると思うのです。だからそれは、事務的な能力がないから扱わせないというというのがたぶん保険局長答弁ではなかろうかと思うのですが、私は、これだけの契約をするからには、それだけの事務的な能力を高める訓練——これは民間会社等でいうならば、最近問題になっております自動車会社等が請負の技術屋さんを集めてはしょっちゅう教育をしたり何かするのと変わりないと思うのです。だから、そういうことで事務能力をあげる訓練をして、郵便局のマークがついておったら——一般住民にはよくわからぬ。受付だけするけれども、あっちのほうへ行ってくれではちょっと不親切に過ぎはしないか。もっともっと訓練をして、全部やるということは不可能かもしれませんが、もっと事務を拡大してやって手数料なり何なりを与えてやる、そういうことで、住民もよければ、簡易局のほうもペイして十分採算がとれる、こういうようになるのじゃないか。そういうことができぬものかということが第一点。  もう一つは、簡易局契約者なり実際の担当者、こういう者を集めて、年に三回とか一月に一回とか研修なり事務能力をあげるなり、そういうことを今日まで具体的にやってきたか、今後やる意思はないか、この二点。片方は保険局長、片方は郵務局長
  354. 竹下一記

    ○竹下政府委員 将来簡易郵便局でどしどし新規契約を受け付けるというふうになりますればその事態に即応したことを考えなければいけないと思いますが、ただいまはいかんせん全国で二千件とちょっとばかりの新規契約でございまして、ほんのわずかなものであるわけでございます。  それから保険及び年金の窓口の契約維持の仕事でございますけれども、これは郵便貯金の受け払いと違いまして相当複雑でございまして、保険関係者の名義変更でありますとか、保険種類を変更するとか、団体加入をするとかあるいは団体から脱退するとか、契約者の貸付を受け付けるとかいったようなかなり複雑難解なる仕事でございまして、これにはお話しのように相当訓練を要するわけでございます。したがいまして、契約件数がもっとふえるという事態を片やながめ、もう一つは、この仕事に従事する人の事務経験といいますか能力といいますか、あるいは訓練をするといったようなことも考えまして、将来は、おっしゃるように簡易郵便局におきましても契約事務を無集配郵便局と同様のものにするということは考えなければならないことかと思いますが、現在の時点におきましてはただいまの措置が適当であろうと考えております。
  355. 曾山克巳

    曾山政委員 訓練につきましては、毎年約五百人くらい計画をしております。従来の実績を見ますと、非常に好評でございまして、また事務能力も向上したという実績があらわれております。
  356. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 あげ足をとるみたいでたいへん恐縮ですが、三千人ぐらいいる中で五百人ということは、六年に一ぺんぐらいしか回ってこないということでしょうかね。私はこれをせめて半年に一回ということになれば、一人の人が年に二回ですから、三千かける二回だから六千回ぐらいやったらどうだろかう、そして事務能力をあげたほうが、住民にもサービスになれば、さっき保険局長が言ったように、将来そういうことができるようになるのではないか、もっと積極的にそういうふうに取り組むべき必要があるのではないか。どうでしょう。
  357. 曾山克巳

    曾山政委員 お話の点はもっともだと思います。ただ、四十三年度におきまして、表にございますように簡易郵便局が百五十五できておりますが、それを上回る約二倍の訓練をいたしておるということは、単に新任者だけでなくて再訓練をいたしておるというようなことも含めておりますので、なおあわせて担当の集配局等からも巡回して訓練するというようなことも講じております。おっしゃるようなことは、今後も留意いたしましてつとめていきたいと思います。
  358. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 私こういう質問をするのは、扱い件数が少なくてペイしないからやめてしまおう、こういうのもわずかながらある、こう言っているから、積極的にこれらのことを訓練をして扱わして、そして十分そこがペイするようにもなるし、住民もたいへん利便を得る、こういうことになるのではないか、こういうように考えます。  そこで、これは私、しろうとの質問でたいへん恐縮ですが、簡易局に電話のないところがあるのでしょうか。三千何百件ある中で、農公でもいいし黒電話でもいいのですが、電話のないようなところがありますか。
  359. 曾山克巳

    曾山政委員 具体的な数字はただいま資料として持っておりませんが、ある程度ございます。
  360. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 これはやはり電話のないような地帯というのは過疎で、これは積極的に過疎対策の一環として入れていかなければいけないようなところなんです。だから、こういうところは電電公社と交渉して、簡易局イコール赤電話か農公か何か入っておる——それを扱わせることによってあれは幾らか手数料が入るはずだが、そういうことも増収対策として積極的に考えていかなければいけないのじゃないか、こう思うのです。  これはむしろ大臣のほうから、簡易局のところでまだ電話が入っていないところがあるということになれば、これは電電公社へ交渉して積極的に入れさしてやる。農公なんかも受け手がなくて困っている……。     〔加藤(六)委員長代理退席、委員長着席〕
  361. 河本敏夫

    河本国務大臣 あまねくサービスをよくするということが趣旨でございますから、先ほどお話しのような訓練を強化して、できるだけたくさん仕事をやらせるようにしたらどうか、この御趣旨にも全く賛成でございます。  それから、電話のないところが若干残っておるようでございますが、これは調べまして、すぐつけるように手配をいたします。
  362. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 大臣の積極的な答弁がありましたが、私はもう少し言おうかと思っておったのです。これはどういうことになるのでしょうか。これは思いつきでない、絶えず私はそういうことを気にしているのだが、電力会社は電気料金を集めるのにたいへん苦労しているわけです。電電公社はいろいろのくふうをして、振り込みでやるとかなんとかしたりしております。あるいはNHKの料金も、ついこの間も決算委員会で質問があったとおり、個人に請け負わしたり何かしている。こういうようなぐあいに、過疎地帯においてそれぞれの公共または準公共的なる料金をそれぞれの会社、企業体、これが集めているということは、これは私は国家的な上からたいへんマイナスではないか、だからこれは、ひとつだれか料金収納公社みたいなものをつくって——これはこういう過密地帯においてはいいわけです。特に過疎地帯、これはとことこ歩いていくのに半日もかかるということになれば、一軒五百円や三百円のものを徴収に行くのに半日かかれば千円くらいかかってしまう、そういうペイしないような料金徴収をやっているのがいろいろの業種について多いのじゃないか、こういうように考えるわけです。だから、簡易郵便局法をさらに積極的に改正しなければその辺うまくいかないだろうと思うけれども、やはり簡易局というのは独立採算制——独立採算制というか、相当専任していてもペイするように、NHKの料金とか、あるいは場合によっては電報の積極的な配達——享便戸数か百戸やそこらのところなら配達できぬことはないと思うから、この間電電公社に聞いてみると、過疎地帯において電報配達が一件二百五十円から三百円も払って請負に委託してやらしておる、こういうことがあるんだから、さらにこういうところで扱わせたらどうだろうか、NHKの料金もどうだろうか、電力会社の料金もどうだろうか、こう広げていくと、これは今度の簡易郵便局法改正だけではまだ不十分で、さらにもっと積極的に新たな構想から考えなければならないと思うけれども、少なくともそういうことによりましてやはり簡易局がペイしていく、そうすると専任できる、勉強もできる、こういうぐあいになりはしないか、私はこういうように考えるわけです。これは将来の展望なんで、そういうことを積極的に考えてはどうだろう。
  363. 曾山克巳

    曾山政委員 小澤委員の御意見、もっともだと思います。私どもさような線を考えまして、かって事務的に内部でいろいろ相談したことがございます。ただ、それにつきましては、お示しのように簡易郵便局法改正を要するわけでございまして、もっと意見をしっかりまとめてから、将来の方向といたしましてはけっこうな考えだと思いますので、さらに積極的な検討を進めてまいりたいと思います。
  364. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 これは大臣にお尋ねしますが、これは私は電力会社でも困っていると思うのです。水道料金は市当局がやって徴収しているから、村の婦人会か何かに集めさせておるというところもある。そうすると、これはやはり料金収納公社式な大きなもの——簡易郵便局から私はそういうことを考えついてだんだんお尋ねをするわけですが、これは全国的にそういう問題にまで、将来郵政公社というような段階になればそれに一つ料金収納公社みたいなものまでくっつけてやっていくことになれば、一人の人があっちこっち歩くのにたいへん効率がいいんじゃないか。これからますます労働力不足時代になっていく中では、そういうことまで積極的に将来の展望として考えてはどうだろうか。これは少し簡易郵便局法からは逸脱するけれども、将来検討すべき価値ある問題ではなかろうか、私はこういうように考えるが、大臣どうでしょうかね。急な質問でたいへん恐縮ですが。
  365. 河本敏夫

    河本国務大臣 非常におもしろい着想だと思います。ただ、相手のあることでございますから、相手の立場もよく聞きまして、そして前向きで検討いたします。
  366. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 大体私の質問をしようとする大筋だけは終わりました。  それで、冒頭申し上げましたように、われわれが国民の立場で大局から見れば、これからサービスを大いに広げていこう、こういうことについては、私は反対すべきものはないんじゃないか、こういうように考えます。しかし、その中でもこういう点が心配だから反対せざるを得ないという立場があると思います。それで請負制度をどんどんやっていくんじゃなかろうか、個人受託させて、再契約してまたほかの人にやらせるんではなかろうか、こういうようなことが私は心配の面ではなかろうか、こういうように考えます。そういうことについては大臣からのはっきりした御答弁がありました。さらにまた、この簡易局等がペイするように、それが成り立つようにしていくためには、料金収納等についてもいろいろ種類をふやしてやっていこう、こういうような積極的な御答弁もありましたので、私はこれによって質問を終わりたい、こういうように考えます。      ————◇—————
  367. 井原岸高

    井原委員長 参考人出席要求の件についておはかりいたします。  有線放送業務の運用の規正に関する法律の一部を改正する法律案について、審査の参考に資するため、随時、日本放送協会から参考人の出席を求め、意見を聴取することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  368. 井原岸高

    井原委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。  なお、参考人の人選、手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  369. 井原岸高

    井原委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。  次回は明十九日午前十時より理事会、理事会散会後委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後五時五十分散会