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1969-06-12 第61回国会 衆議院 逓信委員会 第28号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十四年六月十二日(木曜日)     午後零時四十一分開議  出席委員    委員長 井原 岸高君    理事 小渕 恵三君 理事 加藤常太郎君    理事 加藤 六月君 理事 亀岡 高夫君    理事 志賀健次郎君 理事 中井徳次郎君    理事 森本  靖君 理事 小沢 貞孝君       上林山榮吉君    高橋清一郎君       羽田武嗣郎君    古川 丈吉君       水野  清君   早稻田柳右エ門       武部  文君    三木 喜夫君       米田 東吾君    中野  明君       田代 文久君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 河本 敏夫君  出席政府委員         郵政大臣官房長 溝呂木 繁君         郵政省電波監理         局長      石川 忠夫君  委員外出席者         郵政省電波監理         局放送部長   太原 幹夫君     ————————————— 本日の会議に付した案件  有線放送業務運用規正に関する法律の一部  を改正する法律案内閣提出第一〇六号)      ————◇—————
  2. 井原岸高

    井原委員長 これより会議を開きます。  有線放送業務運用規正に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。加藤六月君。
  3. 加藤六月

    加藤(六)委員 有線放送業務運用規正に関する法律の一部を改正する法律案は、先般の委員会提案理由説明をいただいておるわけでございます。  この提案理由をいろいろ検討いたしますと、われわれはCATV法案、こういっておるわけですが、聴視者利益を保護するということが一番強くうたってあるようでございます。そして法律案内容としては、まず第一に、有線テレビジョンの再送信業務を行なおうとする者は、郵政大臣許可を受けなければならない、また、その設備郵政大臣許可を受けなければならない、その次は、再送信業務の用以外の用に供してはならないという一つ許可を強く打ち出してあるということ、そしてその次には、許可を受けた事業者義務がうたってあるようでございまして、適正な役務を提供しなければならない、その次は、業務区域内のテレビジョン放送を受信して、そのすべての放送番組に変更を加えないで再送信しなければならない、そしてかかる事業者に対しては、郵政大臣視聴者利益を阻害しておると認めるときは改善を命じ、また、許可を取り消すというのがこの法案趣旨内容であるようでございます。  大臣からこの提案理由説明を承ったわけでございますが、大臣にまず一番に承っておきたいと思いますが、この法案は真の意味聴視者利益を保護するために出されたものであるか、またその次は、この法案のほんとうのねらいは何であるか、この二点について大臣に承りたいと思います。
  4. 河本敏夫

    河本国務大臣 先ほど提案理由説明の要旨につきまして、ほとんど全部要点だけはお触れになりましたが、要するに、最返は大都会におきましてビルあるいは自動車あるいはまたいろんな電気施設、こういうものによりましてテレビ受信障害が非常に多く、かつ、各方面に発生しておるわけでありますが、これを救済するにはどうしても有線テレビしかないという結論になっておるわけでございます。  その場合に、現在、御承知のようにアメリカあたりでは非常に業者がふえまして、その数は毎年毎年激増しておりますので正確なことはわかりませんが、数千に達する、加入者も数百万に達するであろう、こういうふうにいわれまして、一つの大きな企業にすら成長しておる状態にございます。日本におきましても当然そうなるであろうというふうに考えられるわけでございまして、この際一定の規制を設けまして聴視者利益を保護する、こういうことを当然考えておかなければなりません。同時にまた、有線テレビというものは、再送信以外にもあきチャンネルがたくさんございますから、自主放送をやろうと思ったらどんな放送でもどんどんできる、こういうことになりまして、この分野からも規制を加えていかなければならぬというので今回の法の改正ということになりまして、御審議をお願いすることになったわけでございます。
  5. 加藤六月

    加藤(六)委員 大臣、参議院のほうがおありのようでございますから、私はこれで大臣に対する質疑はけっこうでございます。  次に、電波法をひらいてみますと、第七条に、無線局申請が出た場合に、これを受理したときは遅滞なく、ということから始まって、第七条の四号に「前三号に揚げるものの外、郵政省令で定める無線局開設根本的基準に合致すること。」ということがありますね。それと、同じく電波法の第十四条の免許状というところに「放送区域」という問題がありますね。  そこで、よくいわれるわけでございますが、ラジオ、テレビ免許一体設備免許であるか、あるいは事業免許であるか、あるいは放送局免許であるか、いろいろな議論が出るわけでございますが、それはあとに質問するとして、まずこの放送区域の問題について承りたいと思うのです。  さっき申し上げました第七条に従って郵政大臣無線局開設根本的基準に合致するとみなした場合、第十四条に従って免訴状を出す、その免訴状の中に放送区域というのが入っておるわけでございますが、この放送区域というのはいかにして決定するものか、承りたいと思います。
  6. 石川忠夫

    石川(忠)政府委員 放送区域をきめますには、地上高四メートルのアンテナを立てまして、そのアンテナのある場所に到来いたします電波が五十四おの電界強度を持っている地域をもって放送区域を定めることにしておるわけでございます。
  7. 加藤六月

    加藤(六)委員 そうすると、この放送区域内にあるというものがはっきり一応出ますね。免訴状にはどのように書くのですか。何々地方と書くのですか、何県何郡と書くのですか、何市何町と書くのですか、それとも、たとえば岡山県なら岡山県というふうに書くのですか。
  8. 石川忠夫

    石川(忠)政府委員 何県何郡、それから市の一部というような字句を用いまして、市の中の何町というところまではあらわされておりません。
  9. 加藤六月

    加藤(六)委員 その場合に私が承りたいのは、いま監理局長が言われました四メートル、五十四dB、これはVHFの場合ですね。この電界強度を出してやるということですが、この地域内でNHKあるいは民放が見えない場合は、これは免許を出した郵政省責任であるか、あるいは波の許可をもらった放送局責任であるかというのは、どう解したらいいですか。
  10. 石川忠夫

    石川(忠)政府委員 五十四dBあれば十分に見えるというのがいままでの技術的な結論でございまして、ただ、それが見えなくなるというには特別な事由、先ほど大臣から御答弁ございましたようないろいろな雑音源あるいは建物による何と申しますか、見えることは見えますけれども、きれいな画が見えないのです。あるいは乱反射いたしまして、その反射波がダブって入るために見にくい画になる、こういうようなことでありまして、電界強度としては十分見得る電波が到達している、この地域内は見得るという意味において放送事業者責任は解除される、かように考えておる次第でございます。
  11. 加藤六月

    加藤(六)委員 局長郵政省立場はどうなりますか。いまのは放送事業者立場でしょう。
  12. 石川忠夫

    石川(忠)政府委員 さようにわれわれは考えているわけでございます。
  13. 加藤六月

    加藤(六)委員 局長、あなたのところは、放送区域というのを申請書に書いてくる、それを認めているわけでしょう。そうしたら、あなたのところは免許状をちゃんと書いて、放送区域を書いたものを渡しているわけでしょう。その地域内において見えないという場合は、あなたのところは、見えるようにせよということでNHKあるいは放送会社に対して行政指導しないのでしょうか。それをちょっと承りたい。
  14. 石川忠夫

    石川(忠)政府委員 その放送区域内におきましても、特別な地理的な条件によりまして中には見えない場合もございます。そういったものに対しましては、小さなサテライトをつくらせるというふうに指導をいたしておりますが、見えないというものに二種類ございまして、自然的な条件によるものあるいは人為的な条件によるもの——先ほど申し上げましたのは人為的なことによりまして見えなくなる場合についてお答えを申し上げましたので、自然的な条件によりまして見えない場合にはそこにサテライトをつくらせる等の措置をさせてまいっておるわけでございます。
  15. 加藤六月

    加藤(六)委員 私がいまこれから言おうと思ったのは、自然的問題として難視聴地帯というのがありますね。これはもちろん当然見えるように置局計画をどんどん進めなくてはならない。われわれはそのために、NHK予算審議をするときに、難視聴地域の解消という問題、NHKカバー率の問題、これについてはずいぶん審議したわけですね。ところが、今回われわれが審議せんとしているCATV法案というのは、先ほど大臣も言われ、あなたも言われましたように、都市における高層建築物等によるいろいろな障害都市公害によって難視聴が出てきた、したがってこれは、ある面でいうと民放NHK責任はないんだというようなのが局長答弁のように思えます。私はそれはおかしいと思うのです。まず、それは相当なる利益をあげておる。いまどこのテレビ会社でも、先発会社後発会社全部配当いたしております。しかもそれはばく大な利益をあげております。これに対して、新しく都市における難視聴の問題は、もちろん自然的条件におけるところの難視聴の問題については十分取り組ませなければいけませんが、新しく都市公害その他によって、いままで見えておったものが見えなくなり出したという場合に対しては、こういう法案をつくってやらなければならないのか、それとも、既存のNHKとか民放に対して行政指導をしてさらに見えるようにさせなくてはならないのかということについては疑問があると思うのです。  したがって、新しくいままで見えておったのが見えなくなった場合は、もうこの法案でやらせるという趣旨ですか、それとも、引き続き民放NHKには行政指導をして見えるようにするのか、これはどうなんですか、そこをはっきり承りたい。
  16. 石川忠夫

    石川(忠)政府委員 NHK及び民放にとりまして、都市において非常に高い建物がたくさん出てきた、あるいは高架その他の構築物があらわれてきた、あるいは自動車が非常にふえてきた、あるいはその他の電気製品が非常にふえてきたというためにテレビが見にくくなる、あるいは画面がきたなくなって見にくくなるというような現象があらわれてきたわけでございますが、これに対して、私ども義務としてやらなければならないかどうかという問題が一つあろうかと思いますが、これについては、先ほど申し上げましたように、私どもは一応、とにかく放送区域内につきましては義務としてやるところまではいっていない、こういうふうに解釈しております、  ただそれでは、お話もありましたとおり、NHKあるいは民放として放置しておいていいかどうかという問題になりますと、私は、これはやはり放置しておくべきではないので、NHKあるいは民放その他関係者が寄りましてこういったものの救済措置を講じなければならぬ、その救済措置というのは、要するに、いままでのところ有線テレビによる以外に救済の手段はないということでございますので、今度有線テレビに関する有線放送業務運用規正に関する法律の一部改正案をお願いしておるわけでございますが、この改正をお願いするゆえんのものは、先ほど大臣からお答え申し上げましたとおり、現在のまま放置しておきますと、いろいろな弱小業者があらわれまして、そして受信者利益という点と背馳するいろいろなことがあらわれるということで、何とかそういったものを許可制してこれを規律してまいりたい、それによりまして健全な有線放送業務の運営が期待できるようにいたしたい、こういう趣旨でございます。
  17. 中井徳次郎

    中井委員 委員長議事進行について。  どうも先ほどから見ておりますと定足数に満たないのでありますから、加藤君の質問ももうわずかでございましょうけれども、すみやかに散会をしてもらいたい。
  18. 井原岸高

    井原委員長 ちょっと速記をとめてください。     〔速記中止
  19. 井原岸高

    井原委員長 それでは速記を始めて。
  20. 加藤六月

    加藤(六)委員 どうも定足数その他もありますので、後日引き続き質問させていただくといたしまして、もう一点だけ承っておきます。  それは、ただいま石川局長の御説明でわかったような気がしてさっぱりわからないわけです。われわれこれは法理論でいく場合は別ですよ。国民的な感覚という面からいきますと、NHKテレビを見る場合には聴視料を払うんだ。民放のはただだ。何社あろうと全部ただだ。したがって、それはスポンサーというものをつけ、郵政省免許基準の中にはっきり書いてあるかないかわからぬけれども、実際書いてないけれども、この地方民放をもう一局免許を出す場合には、採算が成り立つか成り立たないかということを、はっきりいうて大きな基準にしておりますね。無線局の基本的な開設基準の中にははっきり出ていないけれども採算という問題をうたっている。それもいいですよ。しかし、とにかく民放ただだ、NHK聴視料を払うんだ、こういうことになっておりますね。ところが局長、いまあなたの説明を聞きますと、新しい設備をするのでしょう。CATVはいわゆるケーブルを使わなかったらその地帯が見えなくなるわけでしょう。見えなくなるんだから、まあこれはやむを得ぬ、これをつけなくちゃならない。そのときにはNHKさんや民放さんや、これに加わってもらって、そして弱小のわけのわからないものがこういう事業をやるよりか、そういう氏素性のはっきりしたものにやらして、新しい会社申請さして、それに免許をして秩序を持たすんだ、それが聴視者利益につながるんだ、唯一の利益の方法である、ここまではわかるのです。  そこで今度は、その地帯聴視者はそれに対して設備使用料とか、別の負担のものを出さなくちゃならなくなるのかどうかということですよ。きょうは一問しかやりませんからまとめて言いますよ。この問題は、国民は非常に疑惑を持つのですね。NHK聴視料を払う、民放ただ。同じところに住んでおって、百メートルも離れていないところで、われわれは今度この設備をしてもらって設備料を払わなければいかぬ。国民の一人とした場合、これは非常に問題になると思うのですよ。しかも、テレビを見る場合、NHKのを見る場合は料金を払う、それ以外はただだというのに、今度やった場合はNHK民放も両方入ってきますね。民放NHKも入ったような会社ができるかもわかりませんね。その場合に国民は二重負担という印象を非常に強く持つ。ただ、この法律でやってあまり国民が文句を言わないというのはテレビを見たいという気持ちがあるからで、これはほかの各地にもありますよ。自然的な条件におけるところの共同受信施設NHKにつくれつくれとわれわれ一生懸命言って、NHKのつくっているサテ局については無条件で認めておる。さらに置局計画が少ないというぐらい言っておる。今回は置局も共同受信施設のさらに簡単ないいやつを七百何ぼもつくってくれるようになった、非常にうれしい、こう思っていますが、現実は、自然的条件地帯においても組合をつくって、自分らが一カ月に百五十円か二百円の負担金を出してもテレビを見たいというので、そういうNHK民放じゃない民間人がつくって山村僻地でやっておる連中がずいぶんいる。また、都市におけるそういう難視聴の問題についても、ここに有線テレビ施設の現状という資料をいただいておりますが、これを見てもこんなにたくさんある。われわれも実はびっくりして、これは何とかしなくちゃならないと思うのは、全国を見るとこんなにたくさんの有線テレビ施設というものができつつある、これはたいへんだ、こう思うたわけです。  そこで、もとの議論に返るわけですが、一体この料金というもの、これは設備料ですよ。設備料というものは二重負担になるのかならないのかという、こういうことは議論されたことがありますか、ありませんか。私が一番最初に聞きました民放NHKにいわゆる放送区域というのをきめておるのはなぜか。放送区域というものを書いておいて、見えるたてまえでこれに対する免許をしておる。それならそれに対する義務づけはないのかという問題を聞きましたね。結局義務づけは、局長の話を聞きますと、主として自然的な地形的な条件地帯については、義務づけではないけれども強い勧告をしている。新しく起こったという都市のこういう問題については、まあ指導しておる。私はそれに対して、ばく大な利益を出しておるのだから少し義務づけをしなさい、こういうことを追及しましたね。  一歩下がって、その問題はまたいずれあらためて議論するとして、いま一問聞きたいのは、いま申し上げましたNHK聴視料の問題と設備設備料という問題が国民に対して二重に料金を取るというような印象にならないかどうか、この問題についてどの程度電波監理局議論されたかということを承りまして、私はきょうの質問は終わらしていただきます。
  21. 石川忠夫

    石川(忠)政府委員 都市におけるCATV組合あるいは法人に加入してテレビを見る場合には、NHK受信料のほかに設備料あるいはそのほかの維持費に当たるものを払わなければならないということで、ただいまお話のありましたような二重負担といえば二重負担といえるかと存じます。ただ、私どもが考えておりますこのCATVと申しますか、有線テレビに加入することによる負担というものは、テレビが全然見えない地方山間僻地におきます有線テレビの場合には、全然見えないところが見えるようになるということでございますが、都市においては大体五十四おありますと大体見えるのであります。ただこれが一番見にくくなるのは、やはりいろいろな反射がきて見にくくなるということでございまして、現実新宿で、いまたった四十数戸でございますが見ておりますが、それでは新宿地区ではほかの家庭は見ておらないかというと、どこの世帯にもテレビが入って現実に見ております。私も見ました。それで、CATVに入って見る場合、有線テレビを見る場合と無線テレビを見る場合と画の品質が違うわけでございまして、これは個人的に解決しようとするならば、自分の家の屋根アンテナを上げるかあるいは隣の屋根に上げるか、こういうことになろうかと思いますが、それを制度としてみんなでまとめてやったのがいままでの共同聴取でございますし、今後はそれを業としてやろうというのがあらわれまして、その組合と申しますか法人に加入することによってそのきれいな画が見られるということでございまして、私どもは、きれいでないというとちょっと語弊があるかもしれませんけれども、二重像になる、私ども家庭でもややもすれば二重像になる場合も非常に多うございますけれども、そういった画でがまんするかあるいはきれいな画になるかということで、そのきれいになる画の料金というものをそういった別額として負担してもらう、こういう考え方でございます。
  22. 加藤六月

    加藤(六)委員 それなら私はきょうはこれで終わらしてもらいますが、引き続き質問させていただくということを留保しておきます。
  23. 井原岸高

    井原委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後一時九分散会