○
細郷説明員 お配りした
資料が三種類ございますが、
一つは「
公営企業金融公庫貸付金の
利下げについて」という一枚紙でございます。これは
公営競技を行なう
地方公共団体が、
公営競技売り上げ額の一%
程度を
公庫に納付することによって
金利を五厘ほど引き下げたい。かりに四十四
年度からこれを実施するとすれば、四十四
年度の
公庫の
貸し付け金は九百四十億でございますので、その額について
金利分だけを見れば六百万円、償還の全期間を通じていきますと五十五億円、こういうことでございます。
それから、第二に、「
公営交通経営状況」という分厚い
資料をお配りしてございます。これはまだ四十三
年度はまとまっておりませんので、四十二
年度の
決算に基づいて作成をいたしたものでございます。
一枚目は、(
交通事業)というのが全体でございまして、
あとバス、
軌道、
地下鉄というのは、それぞれその内訳になっておるということでございます。
交通事業全体を見ますと、損益では、百九十四億、六
大都市が百九十億、八
都市が四千九百万円、その他市町村が四億一千八百万円、それぞれ損が立っております。
あと、
累積欠損金あるいは
不良債務額はそれぞれそこに
表示のとおりでございます。
それを
バス、
軌道、
地下鉄に区分したのが他の三つの表でございます。
これは四十二
年度の概括でございますが、二枚目以下に「
公営都市交通の
問題点」を書いてございます。これにつきまして御
説明を加えたいと思います。
いろいろ
問題点は多いかと思いますが、特にいままでも強く
指摘をされております点をあげたものでございまして、
一つは
人口の動向でございます。そこの
まん中の表にございますように、
東京、
大阪、
名古屋、それぞれ五十キロ圏の
人口の
分布はどうなっているかというのを三十年、三十五年、四十年、それぞれ
比較をした表でございます。これでごらんをいただきますと、三
大都市圏の合計で見ますと、
昭和三十年には二千六百九十一万四千人、三割の
人口アップ、それが三十五年には三割三分三厘、四十年には三割七分三厘、こういうようにふえてきておるという姿を示しております。
さらにその下のほうの表は、それを五十キロ圏の内部における
距離別に見た
分布でございまして、これが四十
年度の姿をあらわしておりますが、これで見ますと、
東京五十キロ圏では十キロから二十キロという部分に六百六十一万九千人、全体の三五%という人が住んでおる。
大阪、
名古屋では、それぞれ十キロ圏内に一番大きなウエートがかかっている。これはその前の三十五年あるいは三十年のときと比べてみますと、だんだん
人口の
急増地帯が外側に広がりつつあるということでございます。
それから、次の二ページに参りまして、2は人の
動きでございます。
東京、
大阪圏において発生する
交通需要、要するに人の
動きは
人口の集中をさらに上回っておるということが出ておるのでございます。四十
年度の総
流動人口、
東京圏でいえば百十七億五千五百万人、延べでございます。そのうち域内の
流動人口が百十六億三千八百万人、一人
当たりの
流動数は五百五十四回、こういうふうに、単に
定着人口だけでなく非常にたくさんの人が動いておるということが
交通需要を引き起こしているということの
数字をそこに示したものでございます。さらにこの傾向は、下の表にありますように、昼
夜間人口の差というものにも見ることができるわけでございます。三十五年、四十年並べてございますが、
都心の三区と
都心七区、
周辺区部というふうになりますと、
昼夜人口がこういうふうに一方は昼間が多く、一方は昼間が少なくということで、少なくともこれだけの
人口が動いておるということを示しておるわけでございます。
それから三番目は、
路面交通の行き詰まりという問題でございます。
都心部におきましては
道路の
交通容量、
交通のスペースと申しますか、そういうものをはるかにこえる
需要があって、
混雑現象というものが非常に深刻化しておるということを示すものといたしまして、下に
東京、
大阪それぞれについて
自動車台数、
自動車交通可能道路延長、
自動車一台
当たりの
道路延長というものを並べてみておるわけでございます。
東京について見ますれば、
自動車の
台数がふえておりますので、
自動車一台
当たりの
道路延長というものはむしろ最近のほうが、四十一年のほうが落ちておる。
大阪につきましても同様なことでございます。
それからまた、
一般国道の
混雑度というものを見てまいりますと、三十三年、三十七年、四十年、それぞれ見て
混雑度が、
関東臨海でいえば〇・六四から一・七六へ、非常にふえてきておる。この
混雑度と申しますのは、
道路の面積が
自動車を収容できる
台キロと申しますか、一キロで何台入ってくるというのと現実の
走行キロとを
比較したものでございます。
道路の
容量をこえてまいりますと、一をこえるということになるわけでございます。その間の
関係をその次の四ページのほうに
グラフで書いてございます。左のほうの
グラフは、上の方に
全国容量台キロと
全国走行台キロと、こうございますが、これは
道路の
容量に非常に接近をいたしておりますが、なお四十年現在でも多少下回っておる。しかし、下のほうは
大都市についての点線と実績があがっております。これはいまの
数字で見たようなことで、四十
年度には
自動車の
走行台キロのほうが上回っておるということを示しておるわけでございます。右のほうの
グラフは、これはそれぞれの
路面交通の
輸送機関別グラフでございます。これでは
自家用乗用車が非常にたくさん走り回っておるということをあらわしておるわけでございます。
それから、その下に
交通機関の
輸送力の
比較というものを掲げてございます。一時間
当たりの
輸送力というものを
乗用車、
バス、
路面電車、
地下鉄、こういうふうにやってまいりますと、一番右にございますように
乗用車では千七百人、しかるに
バスでは一万八百人、
路面電車は九千人、
地下鉄は四万八千人運べる、こういう
数字が出ておるのでございます。
地下鉄が一番よく運べる。これを下のほうに、かりに一時間に五万人を
輸送するには、
乗用車だったらどういう
道路をつくればいいかといいますと、百九十八メートルの幅員の
道路が要る。
バスであれば三十三メートルのもの、
地下鉄なら幅八メートルあればよいわけでございます。一応図示をいたしますとそういう
関係になります。
それから五ページは
路面電車の撤退という問題でございます。もうすでに御
承知のように、
路面電車は漸次
撤去をいたしておるわけであります。その原因となっております表定
速度の推移というものをそれぞれの
東京、
大阪、
名古屋について
年次別にとったものが上の表でございます。下のほうは
乗客数の
落ちぐあいを三十五年を一〇〇として
表示をいたしてございます。その下の表は、それぞれ各
都市の
撤去の
計画を
年次別に示したものでございます。
東京でありますれば四十六
年度に全部、
名古屋、
大阪は四十八
年度に全部、こういうことの
計画でございます。
それから次の六ページは、
電車を
撤去して
バスということであるわけでございますが、
バスのほうに非常に
通勤通学人口が動いていくわけでございますが、その
バスもどうも効率がうまくいかないというのを示そうとしたものでございます。
一つは
公営バスの
乗客数の趨勢。三十五年以降とってまいりますと、一時は上がっておりますが、また下がる。
名古屋市が
比較的横ばいの姿を示しておる。それから
速度につきまして、
まん中の表でございますが、これも三十五対四十二で、一一%あるいは一〇・六%、一〇・八%それぞれ落ちております。
それからまた、
バスの実働一日一
車当たりの
走行キロはどうなっておるかというと、これもそういったことが原因しましてだんだんに落ちてきておるというのが下の表でございます。
次のページに参りまして、こういった
状況から見まして、やはり市民の足を確保するには
地下鉄建設の促進が必要なのではないかということでございます。そこの表は
公営地下鉄の
輸送の
計画というのを、それぞれ具体的に
路線別にあげてございます。
地下鉄につきましては、これだけの
建設をいたしますために
支払い利息が非常に大きくなってまいりまして、その下の表にございますように、
料金収入に対します
企業債の
利息並びにその割合というものがだんだんふえてきておるということであります。
こういったようなことから、
地下鉄の
建設が必要であろうというふうに私
どもは考えておるわけでございます。
次に、この正月の覚え書きでございます。これはすでに御
承知のとおりでございます。
それからその次の紙は、
明年度自治省で
予算要求をいたしております
公営地下鉄事業交付金に必要な経費でございます。今月末に
予算要求をいたす
予定にいたしております。その
考え方は、そこに書いてございますように、従来からの地下及び
高架構築物の
建設費については、それが全体の
事業費の六四%になりますが、それについては三分の二は国が、三分の一は
当該地方団体が負担する、こういうことで、四十四
年度の
発行分八百六十億円、それから四十五
年度に発行する
予定の分千二百億円、それぞれにいまの
方式を当てはめてまいりますと、
交付金額要求として四十二億八千八百万円、それに過去にすでにできておりますものの
路線の
累積欠損金を解消するために、
企業債のうち
政府引き受けの
企業債利子相当分について
起債を起こして、そうしてその
利子、
孫利子を出す、こういう
考え方で
要求をいたしたいと思っております。それでまいりますと、来
年度はその分が二億六千二百万円、こういうことでございます。
それから
あとは、
参考に
運輸省当局において
過疎バス対策として
予算要求をしたものを掲げてございます。
運輸省と連絡をとって
参考におつけいたしたわけでございます。
それからもう
一つ資料を差し上げてございますが、これは
自治体病院の
経営状況について七
大都市並びにその
周辺都市につきましての
経営の
状況ということでございますので、これも
一般病院について四十二
年度決算でそれぞれあげたものでございます。
決算の
数字をそのまま計上してございますので、特に御
説明を加えることもないかと思います。
二枚ずつになっております
最初は、七
大都市の
甲表適用のもの、それから三ページ、四ページは、七
大都市の
乙表適用のもの、それから五ページ、六ページが七
大都市周辺の
甲表適用のもの、それから七ページ、八ページが七
大都市周辺の
乙表適用のもの、こういうことで一応表にまとめたものでございます。
簡単でございますが、以上で御
説明を終わります。