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山中(貞)議員 昨日古屋委員の質問に対して概略お答えいたしましたが、この
特例補助の問題につきましては、他の
地域立法の中で特別に——理由なくとは言いませんが、
引き上げられているものであって、
過疎地域と
指定をされました町村においては、当然そのレベルまではいかなければならないと思われるものを重点的に取り上げました。なお、その中で学校につきましては、
過疎の特殊性の
人口減による児童数減少のための統合ということを
中心にいたしたということも説明をいたしました。それらの事柄を越えて今回の
過疎地域対策特別措置法による
指定を受けました町村——私としては、それぞれの町村に自主的な、ローカル性のたっぷりあるものを持ち上げてもらいたいと念願をいたしておりますが、そのローカル性の中でも普遍的なものであって、
過疎地域であるがためにのみの要因でもってこの際補助の道を開くか、もしくは既存の補助を手厚くするというような問題が今後の論議の過程等においてありまする場合、あるいは各党間の折衝等において具体的になりました場合においては、何らかの考慮をする余地があるのではないかと思っております。
しかしながら、たとえば
過疎対策の終点、すなわち、いろいろなことをやってみたけれども、やはり住む人が逐次減っていって、最後は小さい生活圏と思われる集落の維持ができない。そこで再編成をやらなければならないという場合には、現在は町村によるあと地の買い上げ運用、借り上げ委託、そういうものを農地法で考え、そして移り住む
住宅につきましては、一義的には
市町村が
公営住宅をもって貸し付けもしくは分譲を希望する者は分譲する。ただし、分譲いたしました場合には、元利償還の五七%を見ます際に、分譲価格だけは控除して
残りを見ることにいたしておりますが、そのような反面におきまして、
農業者が
対象の大多数でありましょうから、
農業者というものは、ともすれば
公営住宅では、規格的に
集中してつくられるきらいのありまするものにはなかなか入りたがらないでありましょうし、また、自分たちの希望する
農業経営の一番いい立地に自分の居住の本拠を定めようとするでありましょう。また、
住宅といっても、ただ住む家だけを農家は考えておりません。畜舎、農機具小屋、そういうものを自分たちの住居とセットした意識を持っていることは間違いないと思います。
そこで、本法の附則におきまして、異例でありますけれども、
住宅金融公庫法の一部改正をいたしました。現在では据え置き期間は原則として個人の
住宅にはないことになっておりまして、かろうじて、自分の意思に反してある日突然に住居変更を余儀なくされる災害の場合において認められておりまする三年の据え置き期間というものはございますが、これを今回の場合にも準用いたしまして、原則据え置きなし十九年の償還に対しまして、三年据え置き二十一年償還の制度を設けております。これは集落再編成に応じた結果は出るといたしましても、応ずる過程において
市町村なり役場担当の者どもが行きまして、
地域住民と数回、数十回の話し合いをいたさなければ、先祖伝来生まれつき死につきいたしてまいりました墓のある居住地を離れる気にはなかなかならないというのが常識でありましょう。そのときに移っていただくということになります場合は、最後に了承したといっても、半分は、町長さんもあんなにおっしゃることだから、あるいは部落で何回も相談をしたことだからというので、意識の上では半分は自分の意に反し、逆に言うと強制的な感じを持ちながら移ることになるであろう。そこで、そのような配慮もいたしまして、三年据え置きということを特別に建設省と相談をいたしまして、この
法律の附則で新事例としてここにその道を開いたという配慮はいたしております。しかしながら、この集落再編成の仕事そのものを集落再編成
事業と認定をし、たとえば
都市計画法に基づく
都市計画事業のごとく、これに対して何分の一かの国の補助をやるという道につきましては、現在そういうことがどのような形で行なわれていくものやら、あるいは集落再編成の条項を今回の
法律の中に設けてありますけれども、はたして全国何カ町、何カ地区がこれに応じて具体的にどのような形で再編成に乗ってくるものやら、全く前途がわからないわけであります。先ほど私は終点と申しましたが、部落の再編成みたいなことをしないように、あるいはしないで済むように、すべての事柄を仕組んでおりますけれども、最終的にそれをせざるを得ない場合ということにおいては、集落の再編成ということを考えております。
そこで、集落再編成
事業とはかくのごとき
事業であって、このような規模の
もとに何戸以上であって、どのような
事業の内容を含むものであるという概念をはっきり持つことができませんので、この
事業というものの概念がはっきりいたしませんと、それに対しまして補助を幾らやるということについては、たいへんむずかしい問題があると思います。したがってこの問題は、政令において云々という含みのある表現の中にあるいは考えておいてもいいかと思いますが、自動的に直ちにこれが本
法律の制定後の政令で、集落再編成
事業ということで
補助率を幾らということの明定は困難ではなかろうか。これが逐次
事業が進捗いたしてまいりまして、二、三年の経過を見て、なるほどこれは地方において、しかも普遍的な企画の
もとに行なわれ得る
事業であることの
実態が明らかになりましたならば、これは私どもの手において再び相談をいたしまして、
政府のほうでこれを
法律の中に正式に盛り込んで、
事業の補助の
対象にするなり、あるいはわれわれが相談をいたしまして政令として
措置をさせるなり、いずれ後になりましてその確定がなされなければならない性格のものであろうと考えます。
いま
一つは、ただいま御質問の折小野君のほうで御提案をいただきまして検討いたしておりまする問題に関連をいたします交通確保の問題について、私鉄、私バス等の問題についての町村の負担の問題ですが、極端なところは、採算のみでもって路線を廃止しようという民営企業に対して、年間二百万とか百万とかいう民間に対する補助までいたしまして、路線を廃止しないでくれというお願いをしている現状があるぐらいでございますから、それに対しまして国が何らかの
措置をしなければならぬだろうということを考えまして、この
法律に関しまする限りは、赤字路線等において廃止されてしまった町村、あるいは役場までしか路線がなくなってしまっておる町村、そのようなところは
道路運送
事業法の許認可の
対象として、公営企業ではないけれども、
市町村が、たとえば現在あるスクールバスなり患者輸送バス等を多
目的に運営をして、村民の有料運送の用に供してもそれを許可いたしますという条項を入れておりまするし、また、その間において小規模な白タクの運用等も町村がやることを認めることにいたしております。
これに対して、しからばそれを運用した場合には、民営の専門の
事業家がやっても赤字になる
地域なんたから、町村がやっても当然赤字になるであろう。それに対して補助の道が書いてないではないかということが当然言われると思うのでありますが、私、実はそこまで
法律を整えたいと念願をいたしまして作業をしてみました。しかしながら、
市町村長さんがたとえば運輸省の許可をおとりになりまして、そのような性格の多
目的なバスを運用されると、必ず赤字も出るでありましょう。しかしながら、その赤字を補助
対象として、たとえば二分の一の補助をするということをきめる場合に、一体その赤字はどういう性質の
範囲内の赤字として受けとめるかという問題がたいへんむずかしゅうございます。たとえば、町村長さんはみんな
地域の選挙で選ばれたりっぱな方でありますが、逆に選挙で選ばれただけに、そういうような
法律で許された運行をいたしますときに、料金その他の問題については、
地域住民からたいへん感謝されるような運用に専念されるだろうと思うのです。ですから、常識的に言うと、民営路線ならばとてもそんな料金で車を走らせることはできないはずの低料金で、村民が、おらが村長はいいぞ、任期が来たらもう一ぺん再選しようではないかということを意識に持つような低料金の運行をやって不必要な赤字を出すかもしれませんし、あるいは町村
会議員さんなり、あるいは役場の官吏なり、あるいはひょっとしたら選挙民を何らかの部落の責任者などに任命して、それに全部パスを発行するなどということも実はあり得ないことではないわけであります。そこで、運輸省が責任省でありますから、責任省としてそのようなことをチェックすることを
法律に書けるかということを相談をいたしてみましたが、人の心の問題になりますので、どうしてもそれを
法律で書くことができませんということで、したがってその歯どめがないとすれば、国が二分の一持つんだから、どんどん赤字は出しちゃっていいじゃないかということにうっかり運用がまいりますと、私どもが善意をもって好意的に
特例を認めましたバスの運用というものが安易に流れる可能性があります。そこで、私といたしましては、
法律には、
市町村がそのようなことを行なうことについてのみ認める
法律をつくってありますが、大蔵省との話し合いで、この問題に関しまして政令である程度の基準を定めまして、たとえば民営路線であるならばこれ以上の料金はとっておるはずである、そしてその料金以上のものが現実に徴収されておる、あるいは町議会の議決を経ておるとかいろいろなことがありましょうから、それらのものに関連をいたしました、推定される政令で定めました
範囲の赤字について予算補助をやるにやぶさかではない。その道は、現在運輸省のほうで四千七百万国庫補助分として計上されておりまするような性格のものでもって、予算補助をこの
過疎の町村の運行いたしまするバス等については考慮いたしますという確約を得ておるわけでございまして、これは予算編成のときの話であり、またこの
法律に基づいて何カ町がはたしてこれらのバスの運行を開始するものやら、そこらのところが不明でございまするので、これらも後の問題になろうかと考えますが、事例が出てまいりますると予算補助の
対象にはいたす予定でございます。
これはこの
法律の原案で考えておるところでございますが、それを一歩前進をいたしまして、現在私鉄とかバスとかを廃止してもらわないために、町村が年間百万とか二百万とか議会の議決を経て予算上の支出をして、その運行をかろうじて保っておるようなところにつきましては、運行回数その他がはたしてどの程度町民に貢献してくれておるのか、効果はどうなのか、運行しておるといっても朝と夕方一回ずつだけだ、それも
対象なのか、こういうようないろいろな問題がありますが、要するに公的な機関である
市町村長が町議会の御承認を経て予算支出をしておるという場合には、若干の配慮をなしたいと考えておりますが、これらの問題も、
法律による政令に根拠がなければ出せないというならば、場合によっては、それらの点は、ただいま御指摘の条項のあとに一項目つけ加えることはやぶさかではないと考えております。