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實川委員 これはひとつあとで農林省でビニール栽培、もう少し勉強していただきたいと思います。
それから、農林省がこういうようなたくさんの金を使って
地域の農民の生活を御心配になっていただくことは非常にありがたいのですが、もし
ほんとうに農業というものをお考えになるならば、別の考え方があったんじゃないかと私は思うのです、畑かんといったようなこういう形でなくて。この
飛行場ができまして
飛行機がどんどん発着すると、
騒音が激しくなる、とても一定の
地域は満足な生活ができないという形が出てくる心配が多分にございます。そうなった場合にどうするか。まあ本人の申し出によって家屋とか
土地は買ってくれますね。用地は大体同じ条件で買ってくれるということを聞いておりますが、買ってもらっても、それでほかに転職をしても十分生活の道が立たないということになると、最小限度住まいだけでも引っ越そう、といって
土地はかついでいくわけにいかないし、置いていかなければならないということになると、一種の出耕作みたいな形が出るわけです。
住宅は一里離れるか二キロ離れるかわかりませんけれ
ども、とにかく一定の
騒音からある
程度逃げまして、そこに住まいをかまえて、耕地には通いで出耕作をやるという形の農業を考えますと、これはとても普通の農業をやったって採算とれない現況ですから、そんな出耕作なんかやったら、とてもこれは採算が合わないのです。といって
土地を手放す、あるいは放棄するわけにいかぬから、何とかその
土地を活用しなければならないということが当然起こってまいります。その場合の
対策というものが
一つもないのですよ。それで農民に向かって、団地が来ておまえたちの生活はりっぱになる、
道路がよくなる、職業訓練所ができる、何だかんだいろいろ言っておりますけれ
ども、
ほんとうに百姓をやりたいという農民に対する配慮というものが全然ない。私たちあるいは
地元の連中から言わせると、こういう点がやっぱりぴんとこない最大の理由です。
ほんとうに農民のことを考えてない。そういう場合の
対策というのは、やはり具体的に盛り込まれて、八十五億でできるかどうかは別問題といたしまして、少なくともそういう展望を早く持つべきだ。この問題が、
成田空港の問題が出たとき、友納知事に私は言ったのですが、七月四日に行って受けてくる、承諾してくるということだから、それはもう少し考えたほうがいいのではないか、断われという
意味じゃないが、少し考えて十分
対策を練ったほうがいいんじゃないか、その話のついでにこの問題が出たのですよ。したがって、この営農
対策というものは、
ほんとうの
意味では、私たちから言うと的はずれだ。こういうことで農民が納得するわけはないのです。丸朝の諸君なんか、これは百姓することに非常に熱心な連中です。現在
反対同盟に閉じこもっておる諸君も、ほとんど全部これは本百姓です。それでいわゆる条件賛成派、
公団側を喜ばしたあの諸君は惰農、小農で、農業から逃げ出そうとしておる諸君なんです。それでその先頭に立っておる諸君なんか、名前はあげないが、札つきの連中ですよ。
地元の中から見れば、
ほんとうにまじめにこつこつと百姓をやっておる諸君は百姓をやりたいのです。それをやらせるような回答をあなた方は出していないのです。そこに私はあなた方のやり方の不徹底さ、不まじめさ、不親切さというものがあると思う。これが紛争のもとです。何も話をしないのだ。この間も言ったように、いきなりぽかんと横っつらを引っぱたいて、文句あるなら腕でこいと機動隊を連れてきて、ぶんなぐって引っぱっていくのでしょう。こういうようなやり方をやっておるから、
公団に対する、あるいは県、国に対する不信感というものがとことん強くなってしまう。きょうの私の
質問、これを
地元の連中が議事録で見たら腹が立つでしょう、おまえ条件派の言い分じゃないかと。それを承知の上で私は言っているのですけれ
ども、そういう点、政府の考え方がどだい間違っておる。ただ
飛行場をつくりさえすればどんな犠牲が出てもいいということじゃないと思う。国策として国家的な必要から
飛行場をつくるということはわかります。しかし、たまたまその
地域に当たった連中だけが犠牲をまるじょいする必要はないのです。国家的な必要なら、国家的な立場から全体がひとしくその犠牲を負えばいい。具体的にはそれ相応の
対策を立ててやればいいのです。そういうことを何にもやらない。何とか地蔵を建てるとか、団地ができるとか、あるいはまた
芝山町、現在人口八千何がしが二万何千の地方小都市ができるとか、できもしない幻想をばらまいて、そうして農民の間に分裂抗争を持ち込んで、言うこと聞かないなら腕ずくだ、これで話がわかるわけがないのです。これは農林省のあなたに言ってもしようがないが、営農に
一つの例をとってもこれは問題ですよ。私は、少なくとも農民の立場を
ほんとうに考えてくださるなら、もう少し百姓をやりたいその諸君の納得できるような営農
対策を企画すべきですよ。これはまあ私の意見です。
それから、これは
丸居さんにお伺いしたいのですが、あの
地帯は大体十二月から三月ごろまで、
土地によって事情が違いますが、非常に蒙古風が吹くのですよ、季節風が。猛烈に砂ぼこりを巻き上げるのです。火山灰土ですから非常に軽いのですね。それでちょっとでも強い風が吹くと、五メートル先の人間が見えないくらいひどくなるときもあります。そうすると、
飛行場用地として不適当ではないか。それで、年間どのくらいあるか私も調査はいたしておりませんが、私たちの経験によると相当ひどい南西の風あるいは西風ですね、これもひどいやつが吹くわけです。そのときは
飛行機は私は発着できないと思うのですがね。それで農民の中には
畑地かんがいをやるのは、そのほこりを押えるためにこういう施設をするんだ、こういうような皮肉な見方をしている連中もいないわけじゃないのです、実際はそんなことはないと思いますけれ
ども。それほどあそこは風が強くて砂ぼこりが立つのです。そういうようなことも計算に入っているのですか。