○小川(新)
委員 これは私は非常に政府の怠慢だと思いますよ。もし
基本方針がはっきりしなかったら、これはいたずらに混乱を巻き起こしますよ。事実は、
小笠原の帰島者の中で、権利を放棄して、第三者に権利を譲渡している姿さえあるじゃないですか。そうすると、一体どこを基準に権利を譲渡しているのですか。たとえば、おそらく不動
産業者だって介入しようとねらっているわけですよ。それで、現在の
小笠原復帰、この問題において歯どめがあるから、いますぐに入ってこれない。入ってこれないけれ
ども、権利の譲渡というものは、ちゃんと
法律によって権利が譲渡された場合、そうなったときに、坪二万円とか五千円とかいううわさが飛んでいる。これは一体どこを基準にしてうわさが飛んでいるか。八丈島あたりが基準になるのか、それとも大島あたりが基準になるのか、島嶼、諸島ですから私はわかりませんけれ
ども、こういう点は建設省のほうとしても、地価というものを一体どこで定めるか。そのための不動産鑑定士というもの、地価公示というものが、
法律が国会で通ったわけでしょう。この間参議院を通過した。こういう問題が
小笠原に適用されないとなれば、それじゃ新都市
計画法だって適用されない。建築基準法だってこれは採用されなかったら、ゾーニングの問題だって出てきます。これは
宮澤さんは専門家ですから、そう逃げられちゃ困るんで、どなたにお聞きしていいかわかりません。
宮澤さんのように土地の神さまといわれている方が、わからないということで建設省に責任転嫁しちゃう。それは
小笠原問題の一番の問題じゃないですか。一番ネックじゃないですか。これははっきりしてもらわなければ、私は、
小笠原問題は手がつけられない。いままで言った議論は全部空論ですよ。まず第一に土地の値段というものがはっきりと出てこなければ困る。そうしなければ、一体、建設省だ、
自治省だ、いや
東京都——だから私は、
現地で質問したって、一体どこが
中心になってやってくれるか。
自治省が
中心になってやっていく。建設省であろうと農林省であろうとどこであろうと、土地問題は
自治省が
中心になってこの地価というものは研究しますとかなんとかいう、その辺の答弁をいただかなければ、子供の使いじゃあるまいし、
小笠原まで行って何にもわかりませんじゃこれは困る。どうぞひとつ
宮澤さんの御見識のあるところ——私見私見じゃ困りますね。その辺は政府のはっきりした答弁というものをいただかなければ、これは
委員会ですから、ここではっきりわれわれの方向というものを議事録に載せて、そうしていま四千とも六千とも言われている方々の一番
生活権の問題、土地の問題、これは自分の不動産ですから、この財産が一体戦後からどのくらい上がっているか、何倍になったか——だから、現在、
小笠原復興資金という政府からもらっておる、米軍から助成金、補助金をもらっておる、そんなものは使い果たして、食いつぶしているんですよ。
小笠原諸島の持っている土地の財産をこれは一体どのくらい政府としては見込んでくれるか、これが一番大きな関心事。これに対して、どこで算定してくれるかということがはっきりしなければ、これは困っちゃうと思いますね。