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木原(実)
委員 これは総裁としてはたいへん重要な発言だと思うのです。申し上げておきますけれ
ども、この
委員会で申し上げる性質のものではないから、また総裁もよく御存じのとおりだと思うので、私はあえて触れませんでしたけれ
ども、われわれとしましては、いまでも現在あなた方が推進なされようとしておる
飛行場については、重大な疑問を持っておるわけです。これは単に私
どもが疑問を持っておるだけではなく、
空港関係の専門家の中にもいまだに疑問を提起しておる人たちも多いわけであります。しかし、あなた方は
政府の指示によってあすこに
空港を
建設するのだ、こういういわば工事の主体者でありますから、あなたに申し上げてもせんかたないわけでありますけれ
ども、たくさんの疑問を残しておる。単に
関係の農民諸君だけの問題ではありません。航空政策全般の上からいって、あすこにとりあえず四千メートルの一本の
滑走路をつくる。それが一体羽田の補助港なのかどうなのか、その
性格さえもあいまいになっておる。一体これから先の長期の見通しの中での
国際空港のあり方というような面からいいましても、はたしてあれが適合性を持っておるのかどうかという根本的な問題についても、あらためて疑問が出ておるという、そういう背景もあるわけなんです。しかし、このことはあなたに追及する問題ではございませんので、別の
機会にいたします。したがって、われわれとしては、政治的にはなお了解できない面がたくさんある、こういう観点が
一つあります。しかも、
地元の農民諸君に対しましては、話し合いという問題がございましたけれ
ども、御
案内のように、ほとんど話し合いができていないという状態もあるわけなんです。これは
反対の農民諸君が非常に強い
反対の意思を変えていないという側面もあるわけでありますけれ
ども、しかしながら、そういう人たちに対しても最大の
努力を払うということですが、どういう
努力を払ってきたのか、具体的にわれわれはよく知っておるわけであります。確かに話し合いという形で暮夜ひそかにたずねられるとか、あるいは
公団の職員の方の名前で何か手紙がいくとかいうことを聞いておりますけれ
ども、少なくとも話し合いというものはほとんど進展していないという状況があるわけです。そうなりますと、政治的にも氷解点に達しない残された問題がある。一部といいますけれ
ども、
地元の農民諸君の中にはやはり強い
反対の意思がある。一坪の問題につきましては、いろいろなことをおっしゃいましたけれ
ども、しかしどういう
経過があるにせよ、これらの人たちもやはり権利を持っておることには間違いないわけですね。それらについては、誠意があるというならば、当然それらの問題についても氷解のいくような形で
努力を尽くすべきではないのか。ただ何が何でもやってしまえばいいのだ――あなた方の熱意はわかりますけれ
ども、しかしあなた方は、
政府のほうを向いていて、住民のほうを向いていないというそしりを免れないと思うのです。ですから、あなたはここで強制収用もやむなしという御発言があったわけでありますけれ
ども、しかしながら、私
どもの希望、
要求としましては、そうであっても、あなた方の熱意があるとするならば、やはり
反対の強固な人たちに対してほど説得の
努力を傾けるべきではないのか、こういうふうに思うわけです。
これ以上のことは、ここのことではございませんので、他の分野で申し上げますけれ
ども、いろいろな面で私
ども了解を得ていないという側面があるということ、きょうお尋ねをいたしましたこの
法律に
関係をする諸点につきましても、なお議論の余地があるような感じがするわけでありますので、どうぞこれからの事の運びにつきましては、ひとつ遺漏のないように
努力をお願いをいたしたいと思います。長くなりましたけれ
ども、これで終わります。