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1969-06-27 第61回国会 衆議院 地方行政委員会 第45号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十四年六月二十七日(金曜日)     午前十時四十二分開議  出席委員    委員長 鹿野 彦吉君    理事 塩川正十郎君 理事 古屋  亨君    理事 細田 吉藏君 理事 保岡 武久君    理事 山口 鶴男君 理事 山本弥之助君    理事 折小野良一君       青木 正久君    亀山 孝一君       吉川 久衛君    斎藤 寿夫君       渡海元三郎君    永山 忠則君       水野  清君    山口シヅエ君       山村新治郎君    淡谷 悠藏君       小川 三男君    太田 一夫君       河上 民雄君    木原  実君       野口 忠夫君    依田 圭五君       門司  亮君    大野  潔君       小濱 新次君    林  百郎君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 原田  憲君  出席政府委員         運輸政務次官  村山 達雄君         自治政務次官  砂田 重民君         自治省財政局長 細郷 道一君  委員外出席者         大蔵省理財局鑑         定参事官    三島 和夫君         運輸省航空局監         理部長     川上 親人君         運輸省航空局飛         行場部長    丸居 幹一君         運輸省航空局飛         行場部東京国         際空港課長   勝目久二郎君         運輸省技術部管         制課長     泉  靖二君         建設省計画局技         術調査官    南部 三郎君         参  考  人         (新東京国際空         港公団総裁)  今井 栄文君         参  考  人         (新東京国際空         港公団理事)  高橋 淳二君     ――――――――――――― 六月二十七日  委員井岡大治君、河上民雄君及び細谷治嘉君辞  任につき、その補欠として木原実君、小川三男  君及び淡谷悠藏君が議長指名委員選任さ  れた。 同日  委員淡谷悠藏君、小川三男君及び木原実君辞任  につき、その補欠として細谷治嘉君、河上民雄  君及び井岡大治君が議長指名委員選任さ  れた。     ――――――――――――― 六月二十六日  地方財政法第二十条の二の規定に基づく意見書 は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の  特別措置に関する法律案内閣提出第五七号)      ――――◇―――――
  2. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 これより会議を開きます。  この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  小笠原諸島復興特別措置法案の審査のため、参考人出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、期日、参考人の人選などにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ――――◇―――――
  5. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律案を議題とし、質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木原実君。
  6. 木原実

    木原(実)委員 冒頭に、質問機会を与えていただきまして、委員長にお礼を申し上げたいと思います。  御承知のように、この法律案は、新しい国際空港建設をめぐりまして地元にはたいへん深刻な問題がございますが、したがいまして、この法律の帰趨が、これまた地元にはいろいろな意味での影響を及ぼす、あるいはまた、国の立場からしましても、新空港のあり方の問題についても影響することが大きい、こういうような法案でございますので、私もこれからの質問過程の中で、若干の資料要求などをいたしたいと思いますけれども、よろしくお取り計らいのほどをお願いいたします。  最初自治省政務次官にお伺いいたしますけれども、この法律案の基本的な性格と申しますか、まあいろいろ法案の中にもうたわれておるわけでございますけれども、一体この法律案は、新国際空港設置されるにあたって、いわばその機能を維持するために必要な整備計画なのか、あるいはまた、空港設置されることによって地元がさまざまな影響、あるいはまた被害を受けておる、そういう面についての、いわば犠牲に対する補償的な意味を持っておるのか。そのほかにもいろいろと考えられると思いますけれども、その辺のけじめといいますか、性格をどのようにお考えなのか、御回答をお願いしておきたいと思います。
  7. 砂田重民

    砂田政府委員 この法案の提案に際しましても申し上げたことでございますが、新空港設置に伴いまして、周辺地方公共団体等が、関連をする公共施設整備計画的、また総合的に行なわなければなりません。しかも、その財政負担が相当な額になるわけでございます。したがって、財政上の特別措置を講じようとするのがこの法律趣旨でございます。  きのうもお答えをいたしましたのでございますが、本法案の目的といたしますところは、まず第一に、新空港設置に伴いまして、直接的あるいは間接的に関連いたします地方公共団体整備をいたします関連事業、すなわち、たとえばつけかえ道路でありますとか、騒音対策事業でありますとか、あるいはニュータウンの建設がこれに該当するかと思います。さらにこれらの地域都市化関連事業、そういう関連企業が進出をしてまいります。これに対処していくための積極的な地域振興的な性格を持った事業、たとえば地域開発道路整備でありますとか、都市改造事業でありますとか、こういうものがこれに該当するかと思います。こういった性格の異なった事業をやっていかなければなりません。こういったことについて、関係地方団体意向をしんしゃくをしながら、国といたしましても、積極的に各種のそれぞれの性格を持った事業を推進していこう、こういうことでございます。  いま一つは、これらの事業実施に伴いまして、地方公共団体が相当な負担をいたさなければなりませんので、その地元負担を軽減することによって事業を円滑に進めていこう、したがいまして、端的に申しましたならば、この法律性格は、単なる新空港機能を維持するためだけのものではございません。また補償的な意味を持つだけのものでもございません。さらに加えまして、積極的に地域開発の面を織り込んだ財政援助法、そういう性格のものでございます。
  8. 木原実

    木原(実)委員 まあ性格論争はあまりやりたくないのでありますけれども、私どもが考えるのに、実はこの飛行場がこの地方に来るにあたりまして、長い経過があるわけでございます。そこで思い出すわけでありますけれども、当初、現在問題になっております地域の隣接の富里というところに、たまたまこの案が示されましたときに、たいへん地元で問題になりました。その際に、ちょうどここに肖像があるわけでございますけれども河野一郎氏が、たぶん当時の関係閣僚会議議長という立場であったと思いますが、最終的にこのような飛行場が内陸にできるということになりますと、関係をする戸数がほぼ千五百戸をこえる、そういうことになると、一つ行政単位が半ばつぶされてしまうということになる、そういうことになりますと、幾ら国立場ということからいっても、あるいはまた公共の必要ということからいっても、とてもそういうことは強行すべきことではないのだ、こういうような理由をあげまして、これを中止に持っていったといういきさつがあるわけであります。当時私も河野さんにお目にかかりまして、そのような趣旨お話を承ったことがあるわけであります。その後、いろいろな経過がありまして、最終的に政府のほうでは、現在の地域飛行場を設定をする、こういうことになりまして、計画を進めておるわけでありますけれども、御案内のように、地元の中ではいまだに激しい、この問題をめぐっての対立といいますか意見の違いがある、実はこういう実情になっておるわけであります。したがいまして、もしこのような法律が出るということになりますると、地域振興ということもおっしゃいました、あるいはまた空港機能を維持し、その犠牲最小限度に食いとめるための補償的な措置もあわせてやりたいのだというお話もありましたけれども、何よりも最大の問題は、いずれにしましても一部の方たちが言われるように、飛行場設置をされるということは、その辺に鉄道が敷けて駅ができるというものとは筋合いが違いまして、地元にとりましてはたいへんな迷惑であるということはきわめて明確なわけであります。しかも、関連をしてその地域が発展するだろうというのは、確かに人口もふえたりいろいろなものが参りますからにぎやかにはなりますけれども、しかし、それにも増して地元としてはその以上の被害をこうむる、あるいは迷惑をこうむるというのは今日では通説になっておると思うのであります。そういうことでございますから、できることならば私どももやはりこの種の法律案がいわば最善の計画をもってそれに対処するように、こういうふうに考えるわけであります。いずれにいたしましても、そのような前提の問題があるわけでございますので、自治省はこの法律案をお取り扱いになるということにおきましても、その辺の配慮をひとつ十分にしていただきたい、このことをあらかじめ申し上げておきたいと思うのですが、その辺についての御見解をひとついただきたいと思います。
  9. 砂田重民

    砂田政府委員 私どももいままでの経過、なお今日、現在相当に強い反対の方がまだおられる、また、反対なさっておられる方々の中には、土地に対する非常な愛着、こういう気持ちの上で十分理解できる点もまたあるわけでございます。   〔委員長退席細田委員長代理着席〕 したがいまして、そういう御不安を取り除く努力というものは懸命にこれからもやっていかなければなりませんが、それに関連をして、やはり財政的な措置も当然いろいろなことをしてまいらなければなりません。この法律できめております計画も、推進本部が中心になりまして各関係省庁が、地元市町村意見をも代表していただくということで千葉県にも入っていただきまして、相当きめのこまかい計画を積み上げていくわけでございます。計画のできましたものについてはすでに参考資料等でお渡ししてございますが、現時点で計画には入っていない、そういった市町村が受け持たなければならない単独事業も、あるいは騒音等関係から出てくるかもしれません。やはりこういうことを解決をしてまいりますのが地元方々空港の意義を理解していただく一つの道であろうと思いますので、御審議願っております法案の第四条にも財政上、金融上その他の措置もしていく、御援助もしてまいります、こういうことが規定されているわけでございます。この第四条の精神はそういうところにございますので、自治省といたしましても万全の努力をしてまいり、地元市町村立場に立って自治省もその決意で進んでまいる、かように考えておるわけでございます。
  10. 木原実

    木原(実)委員 それではあわせてお伺いしておきますけれども、この法律関連をいたしまして、すでにさまざまな関連事業計画あるいはその他のものが参考資料として渡っておるわけでありますけれども、これを見ましても、これからそのような問題について具体的なことを関係者方々にお伺いしたいと思いますが、私どもの目ではきわめて不十分な面が多いと思うのであります。そうなりますと、これからいろいろと計画を進め、事業を進めていく過程の中で、法律精神といいますか、たてまえから、かなりな面で計画についても幅を持って変更していく、そういう余地は、これはあらかじめそういうことを想定するのはいかがかと思いますけれども、少なくとも精神からいいますとその幅はあり得る、こういうふうに考えてよろしゅうございましょうか。
  11. 砂田重民

    砂田政府委員 この法案に規定されておりますように、法律に基づきまして千葉県知事から計画を出していただくわけでございます。その段階でさらに十分練っていきたい。さらに将来のことを申しますならば、補助率等参考資料でお渡しいたしましたようなことできめております。これで事業を推進してまいります。途中の段階でどうしてもそれでできないというような事態がありましたときには、またみんなで検討もしてみなければならぬかと思いますが、一応地元の御意向も県を通じて伺っておりますので、いままでのところ、きめました補助率でスタートをしてまいりたい、このように考えておる次第であります。
  12. 木原実

    木原(実)委員 それでは、運輸省もしくは公団のほうからもお見えでございますので、若干具体的なことについてお伺い申し上げたいと思いますが、去る二十五日に当委員会参考人を呼びまして、事業概要等について意見を聴取しましたときにも問題になったわけでありますが、第一に水の問題であります。三里塚というのは、御案内のように、地勢から申しましても分水界を形成しておるわけであります。そういう状況にありながら、全部の水をいわゆる根本名川水系に持っていくという計画が立っておるわけでありますけれども、それは一体どういう理由によるものなんでありますか。
  13. 今井栄文

    今井参考人 おっしゃるとおり、空港予定地排水につきましては根本名川水系に集中させるという計画で、これは公団あるいは運輸省建設省、県というふうなところで協議をいたした結果そういうことになったわけでありますが、公団のほうの担当理事高橋君が同行してまいっておりますので、高橋君のほうから御説明させていただきます。
  14. 高橋淳二

    高橋参考人 ただいまの河川排水計画につきましては、主として県御当局が立案されておりまして、これにつきましての最終的な御決定建設省当局がされるわけでございます。したがいまして、これにつきましての最終的な御見解建設省当局のほうから御説明になるのが適当かと思いますが、私の個人的な憶測といたしまして、南のほうの河川はすでにある程度改修が済んでおります。したがって、これに従来の計画以上の洪水を流すということは無理ではないか、また大々的な再改修を要するというようなところが北に集中させるということの一つ理由ではなかろうか、かように考えられます。
  15. 木原実

    木原(実)委員 これはおそらく決定をしたのはおっしゃるように県なり建設省なりだと思うのですが、しかしながら、われわれ多少地元地勢を知っておる者から見ますと、いまおことばにもありましたように、片方はほぼ改修も済んでおる、こういうようなことですが、大体全部の水を高谷川なり木戸川なり含めたいわゆる栗山川水系に持っていくほうがはるかに近道でもありますし、それからまた工事もおっしゃったように半ば改修が済んだところが多いわけでありますから、容易だと思いますけれども、その辺の考慮というものはどういうことであったわけですか。あるいは反対があっていけなかったとかなんとかいう、そういう理由ですか。
  16. 南部三郎

    南部説明員 空港建設に伴います空港敷地に降ってくる雨水の処理につきましては、私ども建設省といたしましては、いま先生指摘の御意見のように太平洋のほうに流していくという方法、あるいはいま最終的にきまっております根本名川水系に持っていくという方法、それらにつきましていろいろ検討はいたしたわけでありますが、最終、根本名川に至りますまでの経過を申し上げますと、もちろん両方についての検討はいろいろいたしております。しかしこの処理は、いずれにいたしましても県が管理をする河川処理根本名川水系の場合には一級水系でございますので、指定区間でございますので、いずれにいたしましても県知事に委任する。実質的には河川管理県知事が行なわれるということになっております。それからもう一点は、この空港建設に伴いまして、先生承知のように今日でもいろいろとまだその反対も残っておるというような、この空港建設に伴いますその他のいろいろな関連影響がございます。そこらのことに関係いたしますやはり地方行政責任者である知事という、その両面から、建設省といたしましては、私どものほうからこっちにやれ、こっちにやるべきだということよりも、むしろそういう知事立場を尊重いたしまして、もっぱら河川管理者であり、なおそういう諸般の影響に関する行政責任者である知事判断にまちまして、私どもといたしましてはもちろんそういう地方の企画について協議は受けておりますけれども、必ずしもこちらに行くほうが安いとか高いとかいうことだけで私どもがそれを了解したわけではありません。そういう総合的な知事判断に基づきます結果について建設省は同意をいたしました、こういう経過でございます。
  17. 木原実

    木原(実)委員 私が伺いたいのは、私ども技術的なことはよくわからないわけですけれども、もし知事が最終的な責任者で、知事判断にまったというなら、これはわれわれのほうの知事はまことにけしからぬわけです。というのは、芝山地域開発については格別な努力をしたい、これはまあ公団もおっしゃいましたし、それからまた知事も、口を開けばそういうことを言っているわけですねというのは、確かに芝山には反対が強いわけです。なぜ反対が強いかといいますと、あの地域は御案内のように騒音だけが残る地域なんですね。飛行場がくることによって、あるいはあるかもしれない恩恵というものはほとんどない。そういう地域であるだけに、地元関係者の中でもことに反対の激しい、しかしそれだけにまた、ある意味ではこの機会に、もし飛行場建設するというのであるならば芝山対策ということはいろいろな意味で配慮されなければならない、こういうふうに私どもも考え、そのことは知事もしばし了承をしておるわけです。したがって、技術的なことはともあれ、知事が総合的な判断をしてそれを提唱した、こういうことでありますと、われわれは、技術的なことは私もしろうとですから断定はできませんけれども、そういうことであるならば、むしろそういう理由で逆にこの芝山をよけて通った。そのことによって、いわば芝山地域河川改修を含めたやはり振興計画の一翼をもうすでに放棄している、こういうふうに判断せざるを得ないわけですが、いかがですか。
  18. 南部三郎

    南部説明員 先ほどのことにもう少しふえんいたしまして、河川改修という点にしぼっての点についてつけ加えますと、先ほど公団のほうからも申し上げましたように、一方の栗山川水系はかなり改修が進んでおる。それからもう一つ根本名川水系につきましては利根川の合流点、下流のほうにつきましてはすでに一部、これはかなり安全度の低い改修でありますが、やっておりますが、上の根本名川本川、あるいは支川、取香川、小橋川というふうないわゆる根本名川水系上流地域一帯につきましては、本来河川法の適用も受けず、自然のままのいわゆる普通河川と称しておりまして、改修も行なわれていない地帯だったわけでございますが、空港建設に伴いまして、この根本名川水系一帯方々の、この際抜本的な流域安全度の向上をはかる河川改修をぜひやるべきであるというふうなことも踏まえまして、そういうことと、単に空港の水を受けるということでなくて、それとあわせまして一つの川の、全然手をつけていないそういう改修計画もこの際やろうというふうなことも重要な判断の一助になっていると思います。
  19. 木原実

    木原(実)委員 そうしますと、あわせまして芝山地域を通過する河川はある程度改修も進んでおる、こういうことで、今後ともそれらの河川については芝山開発考慮に入れて何とかする、こういうことでございますか。
  20. 南部三郎

    南部説明員 私どもといたしましては、今日まで実施本部を通じまして空港建設関連する川に関するものといたしましては、現在根本名川改修というものを取り上げております。しかし、私どものほうではこの千葉県下の諸河川も含め、もちろん全国的にいろいろこうした中小河川改修というふうなものは今後も進めるわけでございますから、そういう視点からまた別途にそれぞれの流域安全度河川改修程度というふうなものをとらまえて、改修が必要であるというふうな地元千葉河川管理者のほうのそういう意見がございますれば、もちろんそれを取り上げて検討するということはあり得ることである。私、河川局の所管ではございませんけれども、一般的に申しますと、そういうふうなとらまえ方では当然全国の河川をどんどん今後も進めようとしておるわけでございますから、そういう意味で、この根本名川以外はもう一切さわらないということにはもちろんならないわけでございます。
  21. 木原実

    木原(実)委員 あまりくどく申し上げませんけれども、ただ私どもは、芝山という町は御案内のように典型的な農村地帯でございまして、水田、畑合わせて千四百二十ヘクタールたいへん広大な沃野がございまして、そこには御案内のとおりたいへんすぐれた園芸作物農業協同組合もある。こういうような地域でありますだけに、しかも畑地が多いわけでございますから、これからの水の問題というのはいろんな意味で大きなウエートを持ってくると思うのです。その際に根本名川水系に汚水が集中して流されるということになりますと、あるいはその面での問題も残るのではないか、こういう面も心配をするわけであります。  しかしそのことについては、これ以上あなたを追及してもいたし方ないわけでございますので、あらためて別のところで問題にするといたしまして、私はもう一つおかしいと思うわけでありますけれども関連事業関連をいたしましていわゆる地域指定をされております。これらの中から、同じように松尾であるとか横芝であるとか、あるいは成東であるとか光町であるとか、あるいは八日市場ないし栄町、酒々井、佐倉、印西、こういうような周辺地域が、いずれもこれまた私ども見解では騒音地域に入ると思うのです。進入ないしは飛行機の発達の真下になる地域でございまして、計画の中にあげられております地域とあるいはその音の被害についての多少の違いはあるかと思いますけれども、受ける被害についてはそれほど差がないのではないか、こういうふうに考えておるわけですけれども、第一に、いわゆる周辺地域なるものを限定して、私がいま申し上げましたような地域を除外したという理由はどういうことでございますか。
  22. 丸居幹一

    丸居説明員 ちょっと私も地域をそらで記憶いたしておりませんのですが、騒音地域対策につきましては、まず最初に、一番近いところにつきましては騒音防止法を制定していただきまして、これによりまして千三百メートルの範囲については民家立ちのきであるとか、あるいはその立ちのいた民家がいままで使用しておりました土地買い取りであるとか、そういったこと、それからまた、学校等につきましては、防音施設についてこれを補助していくということをいたすことにしております。  しかし、いま先生指摘のように、この飛行場につきましては、第一級の国際空港でありますので、着陸いたします飛行機もおのずから大きい飛行機が多いことと思います。そういう点で、特にこの飛行場については千三百メートルでなくして、滑走路の延長上二千メートルまで土地買い取り請求というものを認めることになった次第でございます。しかし、それだけの対策でもなお不十分じゃないだろうかということで、あわせて畑地かんがいということをしようというわけで、その範囲についていろいろ考えられる点があるわけでございますが、この千三百メートルあるいは二千メートルといったような買い取り請求範囲等とも勘案し、また騒音程度等とも考えあわせまして、ある程度以上の騒音と考えられる範囲についてはいわゆる畑地かんがいの区域として指定していこうというわけで、滑走路の中心線から一・二キロ、それから滑走路の末端から五・五キロの範囲畑地かんがいの区域として大体きめたわけでございます。もちろん五・五キロであって六キロではぐあいが悪いのかという問題もございましょうけれども、大体それくらいの範囲に、さっき申しました二つの対策ともあわせ考えて特定していきたい。しかし、五・五キロといったようにきちっと切れるものではございませんので、その辺は行政区域あるいは道路の状況、そういったものとも勘案して特定をしたという次第でございます。もちろん航空機のことでございますから、うんと上へ上がり切るまでは音を立てることは間違いないのでございますが、この程度のことで一応いまの計画としてはごしんぼういただきたいという考え方で範囲を確定した次第でございます。
  23. 木原実

    木原(実)委員 これはあらかじめ承っておきますけれども、ここに関連事業地域として成田、富里、大栄、多古、芝山、こういうふうにあがっているわけです。これはいわば法律にいう周辺地域ということになるわけですね。こういう市町村をあげて、もう一つその外縁にある市町村をあげなかったということに何か理由があるわけですか。いまいろいろ騒音のことでおっしゃいましたけれども、音の問題についてはもう少しあとで申し上げますが、地域事業計画の中で指定をする、周辺地域指定をする、その辺のけじめというのはどうなんですか。
  24. 丸居幹一

    丸居説明員 ちょっと言い方がおかしいかもしれませんけれども周辺地域を先に指定してということではなしに、まずどういう関連事業を行なうべきであるかというその関連事業をきめまして、それで、その関連事業が行なわれる範囲がそういった村になってきておる、こういうふうに関連事業のほうからきめていったものですから、そういうことになったのだと記憶しております。
  25. 木原実

    木原(実)委員 これはお互いによくわかっておる面もあるのですが、そういうことだろうと思うのです。しかし、これはたいへんむずかしい問題だと思うのですよ。具体的にいいますと、一番影響を受ける、たとえば音についての対策は、そうなりますと、ここにあがっておる市町村だけでは、これはとてもおさまりませんですわね。芝山と多古の学校については防音装置をした、しかし隣の松尾であるとか光町であるとか、大体似たような音の影響を受ける地域があり得るわけです。それらのものが除外をされているということになりますと、音というものはそういう性格ですから、行政区域があるからといって多少の距離の違いでどうというわけのものじゃございませんから、しかも、詳しくは申し上げませんけれども、音の問題は、われわれはいろいろ線を引いてみますと、たとえば、先ほど私が読み上げましたような地域については、いずれも飛行機の進入ないし発進の真下に当たる地域があるわけです。ですから、音の問題というのはあらためて出てくるんじゃないかと思うのです。しかも、この音の問題については、この辺は伺っておきたいと思いますけれども、成田空港の場合といえども、現在の飛行場周辺の例の騒音対策法ですかがございましたね、あれの適用の特例を設けることができないわけですか、いかがですか。
  26. 丸居幹一

    丸居説明員 ただいまのところでは、法律そのものに特例を設けていくという考えはまだ持っていないのでございますけれども、先ほど申し上げましたように、騒音防止法のたてまえでは、滑走路の末端から延長上一・三キロまで補償区域に入っているわけでございますが、新空港につきましては、それを二キロまで用地買い取りに関しましては延長しておるわけでございます。いわばこれは特例だと思います。それを法律でなく、実効でやっておるという点がございます。  それから、飛行機が離発着いたします場合は、電波施設でもって飛行経路というものを特定いたしますので、経路の上につきましては先生おっしゃいますように、かなり離れておりましても音のやかましいところが出ると思いますけれども、ジェット機は、直下については非常に音がやかましいのでございますが、少し横のほうに離れますと、比較的音が集中的に下へいくせいだと思いますけれども、あまり横のほうに広がるというのは少ないのでございます。したがいまして、この経路からうんと離れたところはそれほど音はしないんじゃないかというふうに思います。  それから学校の防音等につきましては、特に先生いま御心配をいただいておるんだと思いますが、飛行機が通るようになりまして、そして、その範囲外でも、基準よりも音が高いというふうな学校がありましたら、その時点においては当然追加していって、防音工事の補助等をするようにしていきたいというふうに考えております。
  27. 木原実

    木原(実)委員 音の問題は、いままでもさんざん議論をしてきて、私どもいまだに納得がいってないわけなんです。飛行場関係の中で、一番広範囲影響を与えるというのはやはり騒音の問題だと思うのです。それでお伺いしたいわけですけれども、昨日も私たまたま途中までしか聞かなかったわけですが、小川委員の請求されました資料に基づいて、この委員会でも論議が行なわれておりました。しかし、音の問題についてはどうですか。最終的にSSTの音をどういうふうに判断しておるのですか。たいしたことがない、一言でいえばそうですけれども、具体的に成田の場合をとった場合に影響する範囲、きのう出ておりましたけれども、ほんとに確かなんですか。私どもが心配いたしますのは、たとえば発進、進入の経路もあります。それからもう一つは、おりるまで滞留をしますね、待つ時間回っているわけですけれども、この地域の音の問題というのは当然やはり考慮に入れなくちゃならぬのではないか、こういう感じがするわけです。  それからもう一つあわせて聞いておきたいのですけれども政府のほうであるいは公団のほうでお考えになっておる、測定をされておるわれわれに示されます音については確かに根拠があるのだろうと思いますけれども、それにプラス何か、たとえば平面を滑走をする、あるいは飛び上がる、あるいは着陸をする、こういう場合にはもう一つ別の、音プラス威圧感といいますか、そういうようなものがプラスをされてくる、そのことが一そう、測定は不可能であっても、騒音にプラスもう一つ何かの脅威といいますか、そういうものを与える可能性もあるのではないか、こういうような、これはしろうと考えですけれども判断もするわけです。そうなりますと私どもは、いずれにいたしましても、多少の消音装置が施されるといわれておりますSSTにしましても、どうもたいへんな音ではないか、しかもそれが将来かなりな密度で離発着をするということになると、これは内陸というのはたいへんな音のちまたになってしまうのではないか、こういう心配をするわけなんです。ところが、いままで当局がわれわれにお示しになっておられる音についての資料というのは、言ってみれば直線的な資料でございまして、計算上は確かにそうかもわかりませんけれども、しかし実際になった場合には影響はさらにあなた方の予測を越えて広がる可能性が十分にあるのではないか、こういう心配をするわけなんです。その辺があなた方の御主張とわれわれの心配とはかみ合わない焦点だと思うのです。そういう点についての御配慮をなさったことはございましょうか。
  28. 丸居幹一

    丸居説明員 アメリカで製造いたしておりますSSTにつきましては、いま消音の努力その他も加わりまして、計画が非常におくれてきておるというふうに承っております。やはり先生がおっしゃいますように、あれだけの大きな飛行機で、あれだけのスピードで飛びますと、いろいろと音の問題というものは心配の点が多くなりまして、アメリカも、こういったものが、少なくとも現在のジェット機よりも音が大きいようでは使用にたえられぬ、実際にその飛行機が飛んでもそういうものを着けるところがない、したがってそのものをどうしても押えなければいかぬということで非常に努力をいたしておるというふうにわれわれは聞いております。  ただ、なるほど二万メートルの上ではマッハ二・七といった非常に早いスピードで飛びますけれども、そのまま着陸するわけではございませんで、やはり着陸しますときには亜音速に移り、また普通プロペラ機程度の速力に減る、そうして着陸するわけでございます。音速以下に移りますと、いまのジェット機程度のスピードになるわけでございます。そういったときに出る音がどの程度の音に押えられるかということに腐心しているのだろうと思います。当然二・七であるとか、そういう音速に移りますのは、何万メートルか上に上がりまして洋上に出ましてからそういうスピードに移りますので、そういうスピードが出るときには周辺の町等は一応関係がないものと思われます。  それからUSSSTにつきましては、だいぶ開発がおくれておりまして、いま詳しくここでデータをもって御説明申し上げられるような段階ではございません。  それから、現在試験飛行をいたしておりますコンコードにつきましては、ただいまわれわれが得ております情報では、8よりは高くない、大体8程度であるというふうに聞いております。   〔細田委員長代理退席、古屋委員長代理着席〕  それから来年一月以降に入ってまいりますジャンボジェットにつきましては、これは8より音は高くないというふうに聞いておりますが、音というのは大体スピードが早くなり、あるいは飛行機の容量、機体が大きくなってきますと大きくなるのが普通でございまして、ジャンボジェットにつきましては、8と同程度あるいはそれ以下であるというふうに聞いております。そういたしますと、これは大体三倍ぐらいの大きさでございます。現在の8よりも三倍の大きさのものが8と同程度以下であるということは、かなり消音についての努力が世界で行なわれつつあるというふうにわれわれ考えまして、現在でき上がってきつつあるのは、現在の8よりは少なくとも音は低くなる、またそれ以上に今後努力されていくものと考えられます。新空港ができ上がるときには、できるだけ音の少ない飛行機ができることを期待しておるのであります。いまのところ確実に申し上げられるのは、いまの8よりは音が少ないということは申し上げられると思います。
  29. 木原実

    木原(実)委員 これはあなたに申し上げてもせんのないことなんですが、音の問題については、私どもたまらない問題でございますから、専門家にいろいろと話を聞いて回りました。これは全部ではもちろんございませんけれども、専門家筋の中には、運輸省関係資料を提出なさる専門家は、やはりどうもおおむね運輸省御用の学者が多いのではないかというような批判がある。音響の測定や音響学についても多少意見を異にする先生方もいらっしゃるのかと思いますけれども、やはり先生によりましては、学者によりましては、非常に音の問題を心配なさっておられる方がある。現にわれわれが聞いている範囲の中でも、このクラスの飛行機ができる段階では、少なくとも内陸は飛ばせない、こういう法律をつくろうという国々も出てきているのだ、こんなようなことが言われているわけです。それからまた何といいますか、確かに消音の努力も行なわれていて、おっしゃったように、DC8ぐらいまでの音にはなるのではないかという意見も私ども聞きました。しかしまたその反面、消音の技術開発にはどうしても限界があるのではないか、こういう意見も実は聞いているのであります。こっちもしろうとのことでありますから、それ以上の判断ができないわけでありますけれども、しかしながら、私どもは政治家としまして、いずれにしましても悪い場合のことを十分に考慮に入れておかなければならぬ、こういうような観点からしますと、どうも運輸省のほうは音の問題についてはやや楽観的に過ぎる、われわれのほうはむしろ神経質に過ぎる、この辺が音をめぐっての並行線なわけなんです。しかしでき得べくんば、その辺の話もかみ合わせていかなければならぬとわれわれは考えるわけです。   〔古屋委員長代理退席、細田委員長代理着席〕 ですから、いつかも小川委員が、8でもいいから地元の空を一回飛ばしてみろ、こういう提案をしたことがございました。あのときは大橋さんでございましたが、うっかり、あんなところで飛行機を飛ばしたら飛行場ができなくなるからだめだと言われて、それは本音ではないかという笑い話がありましたが、そのくらいに音の問題は私どもいまだに氷解しておりません。われわれはいままで飛行場を、成田を含めて、内陸につくるべきではない、少なくとも海岸べりで、半ば海に消す以外に最終的に音の処理はできないのではないか、こういう意見が変えられないのは、そういう理由によるわけなんです。そういうことで、音の問題については、なお私どもの要望としましては、ひとつ腹臓のない広範囲資料に基づいて十分な検討をしていただきたい。その問題についてはひとつ納得のいくまで話を詰めていきたい、こういうふうに考えるわけであります。  そこで、話があれこれしましたけれども、やはり私どもが心配をするのは、先ほども申し上げましたように、現在の騒音対策法律によっては保護をされない他の地域、具体的には先ほど読み上げましたように、やや飛行場から離れた地域の音の問題についても、ひとつこれは格段の御配慮をいただきたい。いま具体的に学校の防音装置その他については、被害が出ればできるだけのことをする、こういうお話がございましたが、おそらくそれだけではとどまらないと思うのです。やはり音の問題は総合的な側面があるわけでございますから、これからの計画の進め方の中でひとつ十分な御配慮がいただけるのかどうなのか、ひとつあらためて御答弁をお願いしたいと思います。
  30. 丸居幹一

    丸居説明員 SSTが海上は飛べて陸上は飛べないという話がございましたが、これはSSTの開発途上におきまして、確かに一応そういうお話があったことはございます。それはやはり騒音というよりは、もっと激しいソニックブームの関係だと思います。そういう問題等も解決しないと、このSSTというのは出てまいらない航空機のように私たちも思います。ただ、洋上高く上がりまして、そういう超音速に移るわけでございますので、そういう点、わが国は洋上へすぐ出られますので、ほかの国のように国土の上をそういうスピードで、しかも低空で飛ぶというようなことはあまりないんじゃないかというふうに考えておるのでございます。  それから騒音につきまして、われわれは決して甘く考えているということはないのでございます。私たちのところへ参りましても、騒音では非常にいろいろと苦情を聞きますし、自分でもいろいろと体験いたしました。そして、何とかして騒音対策には熱意を持って当たっていきたいというふうに考えております。これは新空港関係とは別でございますけれども、一般の飛行場につきまして去年はちょうど倍額、騒音対策予算を増額していただきました。ことしも、できればもうその倍ぐらいにふやしたいというふうな心意気でおります。確かにジェット機になりましてから音がやかましくなったのはわれわれも百も承知しておりますので、騒音問題につきましては熱意を持って、情熱を持って今後も当たっていきたいというつもりでおります。
  31. 木原実

    木原(実)委員 音の問題はまたあらためて別の場所で少しやりたいと思います。ついでに伺っておきますが、SSTクラスの飛行機が就航するのは、四十六年四月までにこの飛行場が供用開始になる、こういうことなんですけれども、その時点からやはり入ってくるという計画でございますか。
  32. 丸居幹一

    丸居説明員 コンコードのほうが、現在試験飛行しておる段階でございますから、早く入ってくると思いますけれども、これもその時点ではとうてい日本へ入ってくるというような状況にはならぬと思います。USSSTのほうにつきましては、いまのところだいぶおくれておるようでございますから、もっともっと先ではないかということでございまして、何年ということをいま申し上げられないような状況でございます。
  33. 木原実

    木原(実)委員 それではもう一度、水の問題に話をかえたいと思うのですが、根本名川水系の各河川の工事は、全部土地改良区の申請事業として行なうわけですか。
  34. 南部三郎

    南部説明員 現在関連事業といたしまして実施本部を通じ、千葉県といろいろ打ち合わせてきめております範囲河川事業は、土地改良事業と直接関係はございません。全部これは河川工事としていたします。
  35. 木原実

    木原(実)委員 そうしますと、関連をする河川の中で尾羽根川あるいは小橋川とかあるいは取香川、こういうような川があるのですが、そういう河川の面積などはおわかりになりますか。
  36. 南部三郎

    南部説明員 流域面積を申し上げます。  荒海川が約十一平方キロ、小橋川が約一〇・四平方キロ、取香川が約二三・三平方キロ、根本名川の本川筋が約五五・八平方キロ、尾羽根川は関連事業としては取り扱っておりません。
  37. 木原実

    木原(実)委員 この最上流は富里村のどの辺の地点までいくわけですか。
  38. 南部三郎

    南部説明員 図面で御説明申し上げます。   〔南部説明員木原(実)委員に図面を示す〕   〔「聞こえません」と呼ぶ者あり〕
  39. 木原実

    木原(実)委員 それではたいへん恐縮ですが、ほかの委員方々に御迷惑ですから、あとで簡単な資料にしていただけますか。
  40. 南部三郎

    南部説明員 後ほど資料にして提出いたします。
  41. 木原実

    木原(実)委員 いまおあげになりました河川で、いわゆるつぶれ地ですね。そういうものはどこにどれくらいのものがあるのか、これもややこしいようでしたら、ひとつ資料にしていただけますか。
  42. 南部三郎

    南部説明員 資料にして提出いたします。
  43. 木原実

    木原(実)委員 あわせまして、根本名川本流はもとよりでありますけれども、各支川の土地の所有者あるいは関係地主、土地改良区の関係地主などが土地改良区の事業団体に全部参加しているでしょうか。
  44. 南部三郎

    南部説明員 直接は県の事業で、県がやっておりますので、私どもにはその辺の詳細な資料はございませんが、県のほうではわかると思います。
  45. 木原実

    木原(実)委員 そうしますと、参加組合員数だとかその所有面積、あるいはその参加していない組合員の面積、こういうようなものも同じことでございますね。
  46. 南部三郎

    南部説明員 同じでございます。
  47. 木原実

    木原(実)委員 これはでさましたら、関連をする事業でございますので、あとでひとつ資料にしていただけましたらと思うのです。
  48. 南部三郎

    南部説明員 県のほうに問い合わせまして、わかります範囲資料として提出いたします。
  49. 木原実

    木原(実)委員 あわせまして、これはなかなかこまかい問題でございますけれども地元関係者にとりましては非常に重要な問題なんですが、土地改良事業団体に参加をしていない者の土地、こういう不参加者の土地も買い上げるのでございますか結局。
  50. 南部三郎

    南部説明員 河川区域として必要な地区につきましては、所有者が組合に関係いたしておりましょうとおりますまいと、国有地として買い上げるわけでございます。河川敷地として買い上げるわけでございます。
  51. 木原実

    木原(実)委員 必要なものは買い上げる、そういう場合の価格はどういうことでしょう。   〔細田委員長代理退席、委員長着席〕
  52. 南部三郎

    南部説明員 買い上げにつきましては、現在施業者である県当局地元と折衝中のように聞いております。
  53. 木原実

    木原(実)委員 そうしますと、その価格決定は県できめるいうことですね。
  54. 南部三郎

    南部説明員 直接の交渉の当事者は県と所有者でございますが、それに対応します予算措置という関係におきましては建設省関係いたします。
  55. 木原実

    木原(実)委員 その負担金額はおおむねどれくらいだと見積もっておるわけでございますか。
  56. 南部三郎

    南部説明員 いま手元に資料を持ち合わせておりませんので、返答申しかねます。
  57. 木原実

    木原(実)委員 申請事業としての的確な賛成調印というのは全部済んでいるわけでございますか。
  58. 南部三郎

    南部説明員 恐縮でございますが、御質問趣旨をもう一度お願いいたします。
  59. 木原実

    木原(実)委員 買収の対象になる関係者の賛成調印を全部得ているかどうか、その辺はわかりませんか。
  60. 南部三郎

    南部説明員 今日の段階におきます用地交渉の詳細な内容については承知いたしておりません。
  61. 木原実

    木原(実)委員 根本名川改修にあたりましては、護岸は全部コンクリートでやるということでございますか。
  62. 南部三郎

    南部説明員 私の承知しておる範囲におきましては、全部をコンクリートでやるということにはなっておりません。
  63. 木原実

    木原(実)委員 そうしますと、コンクリートにする地域とそうでない地域が出てくる、この詳細はまだわかりませんですね。
  64. 南部三郎

    南部説明員 現段階におきます積算の根拠になっております詳細な内容につきましては、河川局においては了知しておるはずでございますが、私は詳細に現在承知しておりませんので、お答えできません。
  65. 木原実

    木原(実)委員 恐縮ですが、これもできましたらひとつ資料にして出していただけますか。
  66. 南部三郎

    南部説明員 改修をいたそうといたしております区域の護岸の種類ということでございましたら、そのような資料を提出いたします。
  67. 木原実

    木原(実)委員 あわせてお伺いしておきますけれども、このやり方は、大きな出水があったときに堤防の外にあふれさせますね、溢流堤方式というのですか、そういうことでやるのでしょうか。
  68. 南部三郎

    南部説明員 全体を総括的に申し上げますと隘流させない方式でございますが、合流点付近におきましては一部溢流により遊水させる計画になっておるところがございます。これは利根川の合流点の付近でございます。
  69. 木原実

    木原(実)委員 その場合に、私もしろうとなんですが、被害は出ませんね。
  70. 南部三郎

    南部説明員 あらかじめ隘流させるということで河川計画ができております。
  71. 木原実

    木原(実)委員 その地点は、いまちょっとおっしゃいましたね、どの辺でございますか。
  72. 南部三郎

    南部説明員 根本名川が利根川に合流いたします付近のすぐ上の左岸側と聞いております。
  73. 木原実

    木原(実)委員 揚水機場はどの辺に置く予定でございますか。
  74. 南部三郎

    南部説明員 揚水機場は、利根川に合流いたします付近に根本名川の水を排出するためのものが計画されております、そのほか根本名川流域の内水の処理のための機場もこの全体計画では計画されておりますが、現在関連事業として暫定的に四十六年までに整備いたそうという中では、この利根川の本流に排出する分が現在すでに施行されたものもございますし、施行中のものもございます。
  75. 木原実

    木原(実)委員 この揚水能力はどのくらいのものですか。
  76. 南部三郎

    南部説明員 利根川に排出させる排水ポンプの容量は、第一期に完成いたしましたものが毎秒十二トン、それから第二期のものが毎秒十トンでございます。
  77. 木原実

    木原(実)委員 この揚水機場も根本名川土地改良区の事業として行なう、こういうふうに了解してよろしゅうございますか。
  78. 南部三郎

    南部説明員 いま申し上げましたこの二つの揚水機は、河川工事としてやるわけでございます。
  79. 木原実

    木原(実)委員 一体いまお示しになりましたような揚水機場の建設の経費というのはどのくらいかかるのですか。
  80. 南部三郎

    南部説明員 根本名川の四十六年までにやる費用として、実施本部で取り上げました区域につきましては全部で四十億と積算されております。その中で、空港から排出する水に対応するいわゆる空港関連事業という範囲は三十二億六千万と積算されております。それからこの二つの揚水機はその四十億とは別でございまして、建設省の直轄事業として別途に国の費用でやっております。
  81. 木原実

    木原(実)委員 いろんなことをお伺いしますけれども畑地かんがいの水がこれから必要になってくるわけですが、それはどの辺から取水するわけでしょう。
  82. 南部三郎

    南部説明員 私がお答えするのは適当でないと思いますけれども、私の知識として申し上げますと、この根本名川流域土地改良事業に伴いまして必要とする水の量につきましては、現在経済企画庁におきまして利根川水系の水資源開発基本計画、これは昭和四十五年を目途に計画されたものとして、現在いろんな措置が行なわれておりますが、これを昭和五十年目途の需給計画に改定する作業を経済企画庁が関係各省と今日事務的に内々検討を進めている段階と聞いております。その中でこうしたものも含めまして新しい需要供給の関係検討されるように聞いております。
  83. 木原実

    木原(実)委員 あわせてお伺いしておきますけれども、北総東部用水というのも申請事業であるわけですが、このことについて何か御存じでございますか。
  84. 南部三郎

    南部説明員 農林省関係事業で、私は了知しておりません。
  85. 木原実

    木原(実)委員 それではこの関係質問はこれで終わりますけれども、先ほどの点はひとつ資料で提出を願いたいと思います。
  86. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 関連して小川委員の発言を許します。
  87. 小川三男

    小川(三)委員 先ほど木原委員質問の中で、溢流堤方式をとるということがあったのですが、この隘流される地域の住民の賛成を得られましたか、それが一つ。  それから隘流した場合の損害はどの機関が責任を持って払うのか、その点を明らかにしていただきたい。
  88. 南部三郎

    南部説明員 隘流させます区域は、あらかじめ遊水地として計画的に隘流させるわけでございます。そのために平常の、特に普通の場合に洪水が溢水して一般の地域被害を与えるということとは全然様子が違うわけでございまして、あらかじめ河川の洪水処理計画上遊水をさせるということで確保されておるわけでございますから、それに対する被害の補償ということは考えないわけでございます。
  89. 小川三男

    小川(三)委員 この遊水地は、あなたのほうで現在所有されておるのですか。その位置と面積。
  90. 南部三郎

    南部説明員 位置、面積等につきましては、後刻、資料として小川先生のほうに提出させていただきます。
  91. 木原実

    木原(実)委員 あわせまして空港の汚水処理関係について少し伺っておきたいと思うのですが、空港の汚水の処理にあたりまして、いわゆる広域下水道の起点それから終点、これはどういう計画でございますか。
  92. 南部三郎

    南部説明員 関連事業として取り上げております範囲は、空港から出まして東京湾まででございます。この幹線とそれの暫定処理施設、これが積算されております。  そのほかに、空港と直接関連はいたしておりませんが、印旛沼の流域の付近の多くの市町村が、印旛沼流域下水道というものの中で汚水を処理する計画になっております。
  93. 木原実

    木原(実)委員 この最終は東京湾ということですが、これは千葉県の幕張でございますか。――いずれにしても東京湾に落としていくということですね。これは掘り割りで、露出したものですか、それとも埋めるものですか。
  94. 南部三郎

    南部説明員 直接所管いたしておりませんので、正確なお答えではないかと思いますが、私はパイプラインだと聞いております。
  95. 木原実

    木原(実)委員 浄化水槽はどの辺の地点に設けられるかはおわかりですか。
  96. 南部三郎

    南部説明員 処理場は、そのパイプの一番終末に設けられるように聞いております。
  97. 木原実

    木原(実)委員 その能力は、どの程度のものを考えていらっしゃるのでしょうか。
  98. 南部三郎

    南部説明員 直接所管しておりませんので、能力について私、知識を持ちませんので、後ほど先生のほうに御連絡申し上げます。
  99. 木原実

    木原(実)委員 私どもいままで聞いておる範囲ですと、起点から終点に至るまでいろんな地域を通過するわけですけれども、酒々井とか佐倉とか、そういう地域を通ることになっておるわけなんです。ところが、その地域空港関連事業区域からはずされているという問題があるわけなんです。これは、どこのどなたに答えてもらったらいいでしょうかね。
  100. 勝目久二郎

    ○勝目説明員 ただいま酒々井あるいは佐倉等の下水道に関連する都市が関連地域に含まれてないではないかという御指摘のようでございますけれども関連地域というものをこの法律で特に指定しているわけではございません。それからいまの下水道の話でございますが、これはこの法律によりまして補助率が引き上げられるということになっております。そういたしました場合に、これは県のほうから伺っている話でございますが、これらの負担軽減は、これら関係市町村負担の軽減のほうへ充てたいというように承っているわけでございます。したがいまして、関連地域から除外していく、あるいはこれらの助成措置から適用がはずれていくということではない、かように考えております。
  101. 木原実

    木原(実)委員 そういうことは酒々井とか佐倉市の了解を得ているのですか。どうでしょう。
  102. 勝目久二郎

    ○勝目説明員 これらの事業につきましては、先ほど来申し上げておりますように実施本部として検討し、また法律の立案にあたりましても当然協議を重ねてきたわけでございます。したがいまして、地元の代表ということでございます県のほうとも十分お打ち合わせしてございますので、その点の御了解は得てあるというように考えております。
  103. 木原実

    木原(実)委員 調査官、成田市及びその空港で使用する上水道の問題ですね、これは印西町の木下地区から水を取る、こういわれておるわけですが、これは間違いございませんか。
  104. 勝目久二郎

    ○勝目説明員 上水道は厚生省の所管でございまして、この際、実施本部の事務局でございますけれども航空局のほうから、専門的ではございませんが、お答えいたしたいと思います。  上水道につきましては、千葉で別途計画されております千葉北ニュータウンの計画がございます。それと、今度空港関連事業として計画されております成田のニュータウン、それから空港、これらの三つの大口の需要家を対象とする広域の上水道を県営として計画されているわけでございます。これらの県営水道の取水口といたしまして、印西町の木下付近を予定地として計画をされているというふうに承っております。
  105. 木原実

    木原(実)委員 木下のどこかわかりませんか。
  106. 勝目久二郎

    ○勝目説明員 その計画の詳細については承知しておりません。
  107. 木原実

    木原(実)委員 これらの排水はどういう計画ですか。印旛下水道ですか。
  108. 勝目久二郎

    ○勝目説明員 新空港のことですか。
  109. 木原実

    木原(実)委員 いまあなたのおあげになりました関係排水計画
  110. 勝目久二郎

    ○勝目説明員 新空港並びに成田ニュータウンにつきましては、これは印旛沼流域下水道によって処理されると思いますが、千葉北ニュータウンについてはどのようになるか、私は詳細について承知しておりません。
  111. 木原実

    木原(実)委員 木下からの上水道は掘り割りですか、それともパイプのようにやはり埋めてやるのですか。
  112. 勝目久二郎

    ○勝目説明員 パイプラインでやるというように聞いております。
  113. 木原実

    木原(実)委員 おわかりになりますかね、毎秒の取水計画はどれくらいか。
  114. 勝目久二郎

    ○勝目説明員 現在手元の資料では、千葉北ニュータウンの分がわかりませんので、成田ニュータウン及び新空港関係のみ申し上げます。それによりますと、毎秒一・一トンでございます。
  115. 木原実

    木原(実)委員 御承知のように利根水系から各都県が水を取る場合のいわゆる取水区分というのがあるはずなんですね。そうしますと、この部分は千葉県にプラスをされて水が取れるようになったということですかね。
  116. 勝目久二郎

    ○勝目説明員 御承知のように、新空港の位置決定の際に地元対策として決定をいたしました中に用排水というものがございます。その中に、各種用水については責任をもって確保するということが閣議決定されているわけでございます。現在まで、それではどういうことになっているか、また今後どういうふうにするかという問題でございますが、これは先ほど建設省のほうからもお答えいただいたわけでございますが、現在確定しております具体策といたしましては、利根河口せきによって毎秒二十トンの水が利用できるということになっているわけでございます。とりあえず、それが完成いたします四十五年度末におきまして、その中から毎秒一トンのものを新空港関連の用水として予定をされているということでございます。さらにその後の水の需要につきましては、先ほど建設省で御説明になったとおり、企画庁を中心とされまして、昭和五十年度を目標とする水資源開発基本計画の中へ織り込んで措置をしたいというようになっているわけでございます。
  117. 木原実

    木原(実)委員 この上水道が通る地域というのはどの辺ですか。
  118. 勝目久二郎

    ○勝目説明員 ただいま手元に図面がございませんので……。
  119. 木原実

    木原(実)委員 大体おもな市町村の名前、木下地区からですね。
  120. 勝目久二郎

    ○勝目説明員 木下地区からその市町村の名前、手元に図面がございませんので申し上げられませんが、木下で取水いたしまして、すぐそこに浄水場を設けまして、そこから千葉北ニュータウンのほうへ、西のほうへ分給いたし、それから東のほうへ成田ニュータウン及び新空港のほうということで分かれまして、そのパイプラインは印旛沼を通りまして成田ニュータウンを経由して、最終端末は新空港へ入るという計画でございます。
  121. 木原実

    木原(実)委員 問題は、この上水道は、おっしゃるように新空港と成田専用なんですか。途中の、たとえば印旛村であるとか印西町であるとか栄町であるとか、そういう地域の利用は含んでいないわけですね。専用と考えてよろしいですか。
  122. 勝目久二郎

    ○勝目説明員 現在の計画では専用でございます。
  123. 木原実

    木原(実)委員 しかしこの辺、いま私があげましたような町村をこの水道が通るわけでありますけれども、これはパイプで通す、こういうことですね。しかし実際問題としてこの辺の地域を通るわけでありまして、通るならば、やはり空港関連の一種の指定地域からはずしたということについて若干の問題があるような感じがするんですが、どうでしょうか。
  124. 勝目久二郎

    ○勝目説明員 この水道計画は、千葉県の水道局におかれまして立案された計画でございます。したがいまして新空港といたしましては、需要家の立場でいろいろと協議は重ねているわけでございますが、さらにそういう上水道のパイプラインの周辺計画等につきまして、県のほうで新たに計画をされるかどうかという点は、また今後の問題であろうかというように考えます。
  125. 木原実

    木原(実)委員 私のお聞きしたいと思うのは、事業計画の中身についてです。御答弁のなかった点は、恐縮ですが、ひとつ資料としていただきたいと思います。  そこで冒頭の問題に返るわけですけれども、いろいろな意味で佐倉であるとか酒々井であるとか印西であるとか、これらの地域がいわば空港関連事業指定地域から除かれておる。こういうことについていわゆる空港関連という具体的な決定、その根拠、基準、これは県のほうで計画を立てて国のほうに相談をするという経過になっておるわけですけれども、国のほうで取り上げる場合に、その辺の基準というものをどの辺に置いて御決定になったのか、なるのか、もう一度その辺のところを伺わしてもらいたいと思うのです。と申しますのは、先ほど騒音の問題について若干触れましたけれども、水の問題一つをとりましても、なかなか関係する地域は広いわけなんです。そうしますと、すでにこの参考資料であがっておりますような地域関連をするということになりますと、そのことによってやはり問題が起こってくる可能性があるわけなんです。ですから空港関連事業といい周辺地域整備という場合も、関連地域なり周辺地域なりというものの選定、決定、こういうものについてこれから先変更していくゆとりがあるのかどうか、それからまた、いままで決定なさった基準というものはわれわれはどういうふうに受けとめたらよいのか、その辺についての御説明をいただきたいと思うのです。
  126. 丸居幹一

    丸居説明員 先ほど来からおっしゃっておりますように、空港建設に伴いまして地元の県なり市町村なりにいろいろ関連事業実施していただくことになるわけですが、これらのものに空港への取りつけ道路であるとかつけかえ道路であるとか、空港の汚水処理のための下水道の設置であるとか、こういった空港に直接関連がございましてその建設であるとか供用の開始時期というものを同じく整備する必要があるという事業が相当ございます。それからもう一つは、空港関係者が中心となりますが、そういった新都市の建設、新都市内の街路、小中学校であるとか、下水、し尿処理施設の整備であるとか、空港周辺騒音地区の土地改良事業であるとか、さらに周辺地域開発のための道路であるとか、消防施設の整備であるとか、そういった空港設置に伴いまして起きてまいります周辺地域環境の変化に対応しましてやらなければならぬ、あわせて空港周辺地域振興をはかるために必要と考えられる事業であるというものと、この二つがあるわけでございます。こういう事業を中心といたしましてまとめてまいりまして、先ほど新空港課長からも答弁いたしましたように、市町村地域を前提といたしております事業そのものを取り上げております。今後の問題といたしましては、あらためて知事から計画の原案が自治大臣に提出されますので、新しい情勢の変化等がありましたら、その時点で検討することになるのじゃないかと思います。
  127. 木原実

    木原(実)委員 そうしますと、これからの変化に対応して、あるいはまた県のほうで計画をつくる過程で状況が変わることもあり得るということですね。
  128. 丸居幹一

    丸居説明員 みんな関係者相集まりましてこういう計画検討して立てましたので、基本の線はあまり変わらないのではないかと思いますが、先ほどおっしゃいましたように、知事のほうからそういう新しい情勢に応じたものが出てまいりますと、おっしゃるとおりだと思います。
  129. 木原実

    木原(実)委員 これは県が計画を立てるわけですから、県が処理する面が多くあると思います。しかし、御承知のように国からたいへん手厚い保護を受けるわけですから、川一つ隔てて隣の村は何の音さたもないということになりますと、これはたいへんこれから問題が起こってくる可能性もあるわけなんです。それでそういうことをお伺いをするわけなんですけれども、この点につきましては、さらに事業が具体的な進展を示す中で、いろいろな意味でひとつ御配慮をしていただきたい、こういうことを申し上げておきたいと思います。  それから、これは公団の総裁にひとつお伺いをしておきたいのですけれども、御承知のように今度の空港建設の主要な前提といいますか、東京と空港間は自動車で大体一時間内の距離に置きたい、こういうことが三里塚を選定する場合の主要な柱であった、こういうふうにいわれておるわけですが、どうですか。実際問題としてかりに四十六年四月、この時点で東京都心から新空港まで一時間で旅客の輸送ができる、そういう状態になっておりましょうか。
  130. 今井栄文

    今井参考人 都心と空港との自動車道路につきましては、首都高速七号線並びに改良工事を含めましての京葉道路、それから東関東自動車道、この三つのハイウェーを結んで約一時間で空港まで行けるということが従来の基本計画になっておりますが、これはすべて建設省のほうの御計画でございまして、もし御必要がありますれば建設省のほうからお答えいただきたいと思います。
  131. 木原実

    木原(実)委員 それでは仰せのように建設省の方にお伺いいたしますけれども、まずこの湾岸道路というのはどういうことになっておりますか。
  132. 南部三郎

    南部説明員 湾岸道路は、全般的に申しますと現在調査中でございますが、一部東京港入り口の部分につきましては、本年度から首都高速公団がすでにこの工事に着手いたしておる状況でございます。
  133. 木原実

    木原(実)委員 湾岸道路建設の目標は大体いつごろに置いておられますか。
  134. 南部三郎

    南部説明員 現在まだいつまでにというはっきりした建設時期の目標はきまっておりませんが、空港設置に伴います東京都心との交通につきましては、昭和五十一年ごろには相当な混雑が予想されておりますので、そういうことも勘案しまして現在調査を急いでおるわけでございます。
  135. 木原実

    木原(実)委員 あわせまして東関東自動車道路、これの千葉-成田間はどういうことでございましょう。
  136. 南部三郎

    南部説明員 千葉-成田間につきましては、空港の供用開始の時期には通れるようにすることで、現在道路公団において工事に着手いたしております。
  137. 木原実

    木原(実)委員 京葉道路も、御案内のようにまだ幕張地域のあたりが整備がたいへんおくれておるわけでございますね。湾岸道路についても、実はいま御答弁を聞きまして驚いたわけなんですが、その当時建設省意見を聞かなかったのがわれわれの手落ちなんですけれども、昨年でございますか、中曽根さんが運輸大臣のときに胸をたたいたわけですね。湾岸道路も供用開始のころには必ずぴちっとできる、絶対に一時間で行けると、こうおっしゃったわけです。私はたまたま千葉県の市川に住んでおりますが、都心のここまで来るのに大体一時間半かかっておるわけなんです。さらに市川から飛行場までは、いまの道路を使いましても一時間では参れません。東関東自動車道は供用開始までに通すと、こうおっしゃいますけれども、湾岸道路が完成をしないと都心までの時間というものは御案内のとおりたいへんなんです。そういうことになりますと、建設省は別個のことですから、あるいは政府部内の連絡が悪かったのか、その辺の問題は残るにいたしましても、とにかく飛行場は何が何でも都心から一時間のところに必要なんだ、こういって胸をたたいた人の責任をあらためて問わなくちゃならぬと私は思うのです。今井総裁いかがですか。
  138. 南部三郎

    南部説明員 実施本部を通じまして、私ども建設省としてこれに対する対応策として検討いたしました結果、現在やろうとしておりますことは、空港と都心とを結ぶルートといたしましては、東京側から参りますと首都高速六号線、これは現在工事をどんどん実施中でございます。それから六号線から分かれまして首都高速七号線、これも現在工事をどんどんやっております。この七号線で江戸川の手前のところで京葉道路の一期区間に接続いたします。そこまでは都内の首都高速道路整備いたします。それから京葉の一期区間、これは先生よく御存じと思いますが、現在船橋までは料金もとっておりませんし、平面交差がございます。一般道路とそう変わりない状況でございます。私どもはそれも供用開始までに、現在四車線でございますが、二車線の拡幅をいたすと同時に、平面交差がなくなるようにいたすことにしております。それから二期は現在高速規格で通れるようになっております。それから三期区間はせんだって四月に開通いたしました。そこで三期区間の途中から分かれまして東関東自動車道に乗るわけでございます。これは先ほど申しましたように空港供用開始までにやる。それから東関東自動車道から空港に入ります間にわずかな間がございますが、これにつきましても、もうすでに施工命令が出ております。これもそれまでにやる。したがいまして空港供用開始の時点におきましては、暫定的なものと言えるかもしれませんが、都心から約六十六、七キロの距離になると思いますけれども、首都高速六号線、七号線、それから京葉道路、東関東自動車道、これらを通じまして空港までの連絡をいたす、こういうことで現在整備中でございます。
  139. 木原実

    木原委員 建設省の問題は多少別の問題になりますから、これ以上お伺いしませんけれども、いずれにしましても、大急ぎで工事はやっているんだ、こういうことですが、それにしましても都心から六十七キロが一時間で自動車で走れるような状態になってないことは私はまた事実だと思うのです。  あわせまして、これは総裁にお伺いをしたいと思うのですが、鉄道関係の方がお見えではございませんので何ですが、新幹線方式の輸送計画というような計画はどうですか。
  140. 今井栄文

    今井参考人 空港の位置決定の際の閣議決定の別冊の中でも高速鉄道を通すということをいっておるわけでございまして、私どものほうは現在国鉄御当局に対してぜひ新幹線を成田まで入れてもらいたいということを強く御要望申し上げております。国鉄の中でも、現在まだ具体的な路線計画あるいはまた予定措置というふうな段階には立ち至っておりませんが、何とかして新幹線を通そうという御構想を現在検討いたしておるという段階でございまして、私どもはそういうふうな事態が一日も早く実現できるようにお願いをいたしておるわけでございます。  その場合に、成田までの新幹線をどういうふうな方式で通すか、いわゆる通勤新幹線的なものに考えるか、あるいはまた、別途のさらに長距離の新幹線の一環としておつくりになるかというふうな点でいろいろ御議論があるように聞いております。それからまた、さらに、新幹線的な高速電車の運行の前に、暫定的に現在の既存路線を強化して新空港と結ぶかどうかというような面についても、現在国鉄当局の中で真剣な検討がなされておるように聞いております。私どもは新空港ができまして、将来ジャンボジェットあるいはまた特にジャンボのストレッチタイプという非常に大型な飛行機が入ってくるというふうな段階において、道路のほうにも十分整備をお願いいたさなければなりませんが、やはり鉄道についてもぜひ私どもとしては空港と都心との連絡をお願いいたしたい、かように考えておりまして、現在国鉄当局と事務的にも折衝いたしておるという段階でございます。
  141. 木原実

    木原(実)委員 新幹線の見通しはずっと先になりますね。
  142. 今井栄文

    今井参考人 先になると思います。
  143. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 関連して山口鶴男君の発言を許します。山口君。
  144. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 南部調査官にお尋ねしたいのですが、実は昨日わが党の小川委員から、空港公団以外に他の官庁あるいは公団等がこれらの地域土地を買うためにいろいろ努力をしておる、ところが、それぞれの各官庁なり公団なりによって交渉する値段が非常に違う、こういうものについてはある程度統一的な形をとらなければいかぬのじゃないかという趣旨質問がございました。砂田自治政務次官からもこれに対するお答えがあったわけですが、その際、たしか東関東自動車道を建設しようとする道路公団は、まだ土地を一坪も買ってない、したがってその価格は明確にできないという御答弁があったのです。いまの南部さんの御答弁を聞いておりますと、湾岸道路については何年かかるかわからぬ、夢のような状態だというふうなお話でございました。東関東自動車道については、計画もその後順調に進んでおるようなことを言っておるのですが、きのうは土地を一坪も買ってないから、一体幾らで買う交渉をやっているという資料は出せない、こういうことを建設省お答えになって、本日、東関東自動車道については順調に計画が進んでおるような御答弁をされることは、昨日の建設省の御答弁と本日の御答弁とはたいへん違うわけで、そういうことではわが地方行政委員会としてはたいへん困るわけでございまして、昨日の答弁と本日の答弁との食い違いは一体どういうことなんですか、明確にしてください。
  145. 南部三郎

    南部説明員 私が工事中と申し上げましたのは、工事費がついて施行命令が出てやっておるという意味合いで申しました。用地買収費というのは、そういう工事費の中で初めて組まれるものでございますので、そういう意味で申しました。  それからもう一つは、空港供用開始までにやるというのは、実施本部を通じまして建設省所管の公団事業として私どもがやることになっておりますので、それを目標に努力いたしておるという趣旨で申し上げました。順調に進んでいるというふうに申し上げたつもりではございませんでしたので、もし私の発言の中に順調に進んでいるということばがございましたら、これは取り消しさせていただきたいと思います。
  146. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 昭和四十六年四月一日までに努力中だというのですね。空港の開始は昭和四十六年の四月一日ですね。その空港使用開始までに東関東自動車道が開通できるように努力中だ、しかも工事中だ、こういうお話ですが、しかしまだ用地を一坪も買っておらぬような状態で、一体四十六年四月一日までにこの東関東自動車道がりっぱに使えるような状態になるのですか。湾岸道路についても、先ほどのお話では、空港が使用されるときにはりっぱにこれが通れるのだということを中曽根運輸大臣が胸をたたいて大みえを切ったという話もありましたが、そちらは夢のようだ、しかもまた東関東自動車道までいつできるかわからぬ、こういうようなことでは、成田空港から都心まで一時間なんということは全く夢のまた夢だということになるじゃないですか。一体いつまでにできるのですか。
  147. 南部三郎

    南部説明員 道路公団におきましては、現在鋭意用地取得のためにその所有者と交渉中と聞いておりますし、私どもといたしましては、空港供用開始までに完成するという目標で一生懸命道路公団に督励もいたしますし、道路公団もそのつもりで現在努力中でございます。
  148. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 関連ですからこれでやめますが、道路公団としてはいつまでに責任をもってその東関東自動車道ができるのか。その日にちだけは文書でおたくのほうから公団に問い合わせをして、ひとつ資料として提示をいただきたいと思います。
  149. 木原実

    木原(実)委員 この問題は、他の委員会で御案内のようにいろいろな角度からわれわれも質問をし、討議をしてまいりました。そのいきさつからいきますと、いまの道路の問題もそうです。中曽根さんという人はだいへんりっぱな方ですけれども、少しスケールが大き過ぎまして、湾岸道路はまかしておけということなんです。たいへん壮大な夢をわれわれに投げたままでさっさとおやめになったわけですけれども、大体この飛行場建設計画が始まりまして、責任者である大臣がもう何人も何人もやめておるわけですね。われわれとしてはつかまえどころがないわけです。そういうような形のことも一例でございますし、それから総裁のおっしゃいました新幹線の問題につきましても、当初のわれわれに対する話では、いずれにしましても、飛行場建設をされる時点に符節を合わしてこれは建設をされる、その場合には人員の輸送もそうだし、あるいは貨物等の輸送の問題もあるので新幹線を一つここへ敷くのだ、こういうような話が示されてまいりました。おそらく建設の当初でありますから、われわれも何もかもぴしっといくとは考えませんけれども、しかし、少なくともなぜ都心から五十キロ、六十キロのところに飛行場を設けなければならないのかという重要な問題についての答弁の中の最大の柱の一つが、この輸送時間の問題であったわけであります。その問題がこの時点にきてもなおはっきりしない部分があるというのは、われわれとしてはもう非常に遺憾なわけです。そういうやり方自体の中に、この飛行場建設をめぐるいろいろなトラブルが他の分野においても起こる要因を残しておるのだ、こういうふうに考えるわけであります。  そこで、もう少しお伺いをしたいわけでありますけれども、総裁、飛行場の工事にかかるのはいつごろの時点というふうにお考えでございますか。
  150. 今井栄文

    今井参考人 工事計画でございますが、御承知のように、現在私どもは鉄道輸送についてはすでに関係鉄道、国有鉄道並びに東武鉄道との間に調印を了しまして、工事に必要な砕石等の輸送についてはすべて計画は完了いたしました。したがいまして、本年度の下期からは本格的な鉄道による土工材料である骨材の輸送が始まると思います。それから、鉄道により得ない栃木、茨城の砕石の輸送につきましては、昨日も御質問がございましたが、千葉、茨城の両県道を改修いたしまして、これによって空港に搬入するということで、これにつきましてもすでに昨年の秋に両県との間に契約を締結いたしまして、公団負担をも合わせまして、現在両県道の改修工事を行なっております。これはこの九月には大体完了するという予定でございます。現在私どもは、空港に材料を運び入れる末端である材料置き場、これの造成に着手して進行いたしておる状況でございます。  空港本体の事業につきましては、私どもは、第一期工事につきましては、たびたび御説明申し上げますように、すでに民有地については八五%以上の用地を確保いたしました。それから高根沢の御料牧場につきましては、大体八月中に完了いたしますので、現在内閣委員会で御審議をいただいておる宮内庁設置法の一部改正法律が通りますれば、宮内庁に御移転の準備をしていただくということで、この八月末までには必要な設備は全部完了いたします。そういうことで、私どもは、まず敷地内の工事といたしましては伐木、それからまた造成のために必要な整地あるいは工事用道路の造成、そういうふうなもの、それからまた汚水等の処理のための貯水池というようなものの造成にでき得ればこの秋ごろから着手をいたしたい、かように考えております。それが終わりましてから本格的な造成工事を集中的にやっていきたい、かように考えております。
  151. 木原実

    木原(実)委員 本体工事の具体的な工事計画はもうできていらっしゃるわけですか。
  152. 今井栄文

    今井参考人 本体工事の具体計画につきましては、滑走路、誘導路、それからまたターミナルビルディング、貨物ターミナル等の具体的な設計でございますが、すでにその第一期工事のレイアウトにつきましては決定をいたしまして、そのレイアウトに基づきましてそれぞれの部門にわたるターミナルの設計であるとか、あるいはまた、集中冷暖房方式の配管関係であるとか、その他あらゆるこまかい施設につきましての詳細設計を現在作成中でございまして、少なくともこの秋までには詳細設計を全部終わりたい、かように考えております。
  153. 木原実

    木原(実)委員 そうしますと、レイアウト、設計のことはわかりましたけれども、本体の具体的な契約の段階に入ると思うのですけれども、その辺の具体的な工事計画は進んでおりますか。
  154. 今井栄文

    今井参考人 契約関係と申しますと、土工関係あるいは建築関係等についての建設業界との間の個別契約だと思いますが、そういったものも、われわれとしてはできるだけ本年度中にはもちろん完了いたしたい、かように考えております。
  155. 木原実

    木原(実)委員 このことにつきましてはまた別の機会にもう少し話を詰めたいと思いますので、これくらいにいたします。  最後に、八五%土地の契約が終わった、こういうことですが、残った反対の部分については一体最終的にどうするつもりですか。
  156. 今井栄文

    今井参考人 御承知のように、第一期工事四千メートル滑走路の上端に所在します駒井野地区に若干の一坪運動等がございます。面積的には〇・三ヘクタール程度のごくわずかなものでございますけれども、こういうところはおそらく事柄の性質上なかなか私どもとの話し合いに応じていただけない面がある、こういうところは、私どもとしては最終的には土地収用による事業認定を受けまして、強制的にいただくということに相なると思います。それ以外の農民の持っておられる土地につきましては、私どもとしては、しんぼう強く今後とも説得を続けていく、かように考えております。
  157. 木原実

    木原(実)委員 これは大事なことでございまして、いままでこの委員会で最終的には強制収用ということばを聞いたのは実は私は初めてでございます。いままでもこの問題は、御案内のように、何回かやりとりがございました。しかし政府のほうでは、土地収用ということばをいままでおっしゃったことはございません。ともかく、手段を尽くし誠意を尽くして話し合いをするという形のままそういう状態におった。いま総裁のほうから、おそらく強制収用やむなしということだろうと思うのですが、何かそれでは最近政府部内あるいは公団の中でそうい方針の変更があったわけでございますか。
  158. 今井栄文

    今井参考人 別に方針の変更があったわけではございませんし、従来国会の各委員会におきましてのそういう御質問に対しては常に同じように御答弁申し上げておるわけでございますが、御承知のように、一坪運動は、ごくわずかな面積を千数百人の方々が共有しておられるというふうなものでございまして、しかもその地主さん方は、北海道にもおられるし、九州にもおられる、あるいはまた長野県にもおられるというふうなことで、そういうような方々全部につきまして、わずかな面積についての買収の話し合いをいたすということは、実際問題としてなかなかできないと思います。しかも、そういうふうないわゆる一坪運動というのは、当初から――そういうことばを使ってははなはだ失礼かと思いますけれども空港建設反対というお立場で共有されておられる土地でございますので、現在の私どもの見通しとしては、私どもとしては本来の姿勢は極力お話し合いをして十分御了解を得て買いたいというのが根本的な姿勢でございますけれども、そういうふうな土地についてはなかなかお話し合いができないのではないかというふうな感じを実は持っておるわけでございます。
  159. 木原実

    木原(実)委員 これは総裁としてはたいへん重要な発言だと思うのです。申し上げておきますけれども、この委員会で申し上げる性質のものではないから、また総裁もよく御存じのとおりだと思うので、私はあえて触れませんでしたけれども、われわれとしましては、いまでも現在あなた方が推進なされようとしておる飛行場については、重大な疑問を持っておるわけです。これは単に私どもが疑問を持っておるだけではなく、空港関係の専門家の中にもいまだに疑問を提起しておる人たちも多いわけであります。しかし、あなた方は政府の指示によってあすこに空港建設するのだ、こういういわば工事の主体者でありますから、あなたに申し上げてもせんかたないわけでありますけれども、たくさんの疑問を残しておる。単に関係の農民諸君だけの問題ではありません。航空政策全般の上からいって、あすこにとりあえず四千メートルの一本の滑走路をつくる。それが一体羽田の補助港なのかどうなのか、その性格さえもあいまいになっておる。一体これから先の長期の見通しの中での国際空港のあり方というような面からいいましても、はたしてあれが適合性を持っておるのかどうかという根本的な問題についても、あらためて疑問が出ておるという、そういう背景もあるわけなんです。しかし、このことはあなたに追及する問題ではございませんので、別の機会にいたします。したがって、われわれとしては、政治的にはなお了解できない面がたくさんある、こういう観点が一つあります。しかも、地元の農民諸君に対しましては、話し合いという問題がございましたけれども、御案内のように、ほとんど話し合いができていないという状態もあるわけなんです。これは反対の農民諸君が非常に強い反対の意思を変えていないという側面もあるわけでありますけれども、しかしながら、そういう人たちに対しても最大の努力を払うということですが、どういう努力を払ってきたのか、具体的にわれわれはよく知っておるわけであります。確かに話し合いという形で暮夜ひそかにたずねられるとか、あるいは公団の職員の方の名前で何か手紙がいくとかいうことを聞いておりますけれども、少なくとも話し合いというものはほとんど進展していないという状況があるわけです。そうなりますと、政治的にも氷解点に達しない残された問題がある。一部といいますけれども地元の農民諸君の中にはやはり強い反対の意思がある。一坪の問題につきましては、いろいろなことをおっしゃいましたけれども、しかしどういう経過があるにせよ、これらの人たちもやはり権利を持っておることには間違いないわけですね。それらについては、誠意があるというならば、当然それらの問題についても氷解のいくような形で努力を尽くすべきではないのか。ただ何が何でもやってしまえばいいのだ――あなた方の熱意はわかりますけれども、しかしあなた方は、政府のほうを向いていて、住民のほうを向いていないというそしりを免れないと思うのです。ですから、あなたはここで強制収用もやむなしという御発言があったわけでありますけれども、しかしながら、私どもの希望、要求としましては、そうであっても、あなた方の熱意があるとするならば、やはり反対の強固な人たちに対してほど説得の努力を傾けるべきではないのか、こういうふうに思うわけです。  これ以上のことは、ここのことではございませんので、他の分野で申し上げますけれども、いろいろな面で私ども了解を得ていないという側面があるということ、きょうお尋ねをいたしましたこの法律関係をする諸点につきましても、なお議論の余地があるような感じがするわけでありますので、どうぞこれからの事の運びにつきましては、ひとつ遺漏のないように努力をお願いをいたしたいと思います。長くなりましたけれども、これで終わります。
  160. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 次は淡谷悠藏君。
  161. 淡谷悠藏

    淡谷委員 大蔵省見えておりますか。
  162. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 見えております。
  163. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これはこの前の内閣委員会で宮内庁法の一部改正のときにも触れましたけれども、群馬県の妙義山で数年前――まだ朝鮮戦争のころですから、だいぶ昔の話になりますが、ロッククライミングの米軍の演習場をつくるという名目で国がだいぶ土地を買収した事実がございます。その後朝鮮戦争が終結いたしまして、この演習場は取りやめになったわけです。これは施設庁と思っておりますが、一体買った土地はその後どうなっているか、御答弁願いたいと思います。
  164. 三島和夫

    ○三島説明員 お答えいたします。  ただいまその買収いたしました土地は現在地元市町村に貸し付けてございます。
  165. 淡谷悠藏

    淡谷委員 一応は国有地になったと思いますがね。買収した総反別並びに買収単価の御報告を願いたい。
  166. 三島和夫

    ○三島説明員 お答えいたします。  ただいまおっしゃられました問題につきまして、実は反別は、その問題について質問というふうに私聞いておりませんので、資料はちょっと手持ちしておりませんけれども、坪数は概略一万坪でございます。それから、購入いたしました価格は坪当たり千二百円と記憶いたしております。
  167. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これはこの前の宮内庁法の場合も資料要求してあるのです。ただあっさりした資料だけは出ましたよ。少なくとも国有財産ですからね。あなたのほうとしては正確にこれはつかまえておかなければならない。これは一ぺん決算委員会でもやった問題です。そのときは坪千円と答えたのですよ。非常に高いじゃないか、妙義山のてっぺんをどうして千円に買うのかと言ったら、近くに軽井沢がございますから、軽井沢並みで買いましたという詭弁を弄しているのです。今度は千二百円ですね。たいへん上がりましたな。二割ぐらい。総額幾らになります。
  168. 三島和夫

    ○三島説明員 ただいま資料を持ち合わせておりませんので、はっきりした答えは申し上げかねますけれども、一万坪で坪千二百円でございますので、総額千二百万と記憶いたしております。
  169. 淡谷悠藏

    淡谷委員 当時の時価は幾らでしたか。
  170. 三島和夫

    ○三島説明員 何ぶん昭和二十九年ごろのことでございますので、当時の時価ということは非常に調べにくいものでございますので、しかもその買収を担当いたしましたのは当時の調達局でございますか、そこで買収いたしましてやったものでございますので、はっきりした時価としては申し上げかねるわけでございます。
  171. 淡谷悠藏

    淡谷委員 調達庁は政府の役所じゃなかったのですか。調達庁が買おうが、どこが買おうが、管財としてはやはり国有財産をはっきり管理すべき義務があるのじゃないですか。調達庁は日本の役所でしょう、間違いなしに。だから、幾ら調達庁だからといって、その買収価格が正当であるかないかは検討しなければならない。この前の資料では二百円となっているじゃないですか。私の手元には当時の時価は二百円とあります。二百円の土地がどうして千二百円に買われるのです。あり得ますか。
  172. 三島和夫

    ○三島説明員 買収をいたしますときには、当時いろいろ価格は調査したようでございます。その当時の価格の調査によりますと、場所によっては二百五十円程度ということを仄聞いたしましたので、一応二百五十円程度ではないか、かように推定いたしたのでございますが、購入にあたりましては、当時の方が現在いらっしゃいませんので、その後の話をいろいろ聞いてみましたところが、先ほど先生からおっしゃいましたように、その付近はすぐ近くに――近くと申しますか西側のほうに別荘地がございますので、そういう土地を参考にして買収した、かように聞いているわけでございます。
  173. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これは、御答弁よほど気をつけてもらいたいと思うのです。官庁というのは、当時の人がいなかったから責任がないというものではないでしょう。そういう根性を持って行政をやったらたいへんですよ。大臣は特にこのごろはたいへん早いのです。中曽根大臣がやったことはおれは知らぬということをいまの運輸大臣が言ってもこれは通用しませんよ。やはり管財なら管財という役所がある以上は、人がどうかわろうが、官庁としてこれは責任を持つのが当然と思いますが、そうは思いませんか。これは規律の問題です。伺いましょう。
  174. 三島和夫

    ○三島説明員 当然官庁が買収いたしましたものは官庁として責任を持つべきだ、かように考えます。
  175. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これは二百円もしくは二百五十円、私は二百円という資料をもらってありますからそれでいきますけれども、ここには山口委員もいらっしゃる。あの妙義山のてっぺんの草一本はえないような石ころの山が坪千二百円するはずがないのです。しかも、それがどうして時価二百円のものが千二百円になったのか。こういう買収は一体正しいものかどうかという問題。これから成田空港の買収の問題にも関連しますよ。私はさっきの公団の総裁の答弁を聞きまして、これはたいへんな答弁をしたと思っている。これからの、やはりいまの道路の問題なんかもありましょうし、空港の敷地の問題もありますが、そんな時価と全然飛び離れた価格でもどんどん国費を使っていいと思いますか、必要の場合には。個人ならこんなことはしませんよ。国の財産だからといって、どんどん六倍にもものを買うということは許されるかどうか、お考えを聞いておきたい。
  176. 三島和夫

    ○三島説明員 土地を買収する場合には、公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱がございます。それに基づいて買収するのがたてまえでございます。したがって不当に高いものを買うということは適当でない、かように考えます。
  177. 淡谷悠藏

    淡谷委員 それじゃ当時の妙義山のてっぺんを千二百円に買ったことは、これは正しくないというふうな結論ですか。その当時の担当者は間違ったことをした、こう思ってよろしいですか。
  178. 三島和夫

    ○三島説明員 ただいまの演習場でございますが、これは妙義山のてっぺんと申しましても、妙義山の周辺のいわゆる兵舎が建てられるという平たん地でございます。したがいまして、その当時の評価の見方等によって、人によって主観が相当入りますので、あるいは、私は現地を十分知りませんから、それが適当かどうかということは判断に苦しむわけでございまして、たぶん当時としてはいろいろ検討した結果の価格であろう、私はかように考えております。
  179. 淡谷悠藏

    淡谷委員 とんでもない話ですよ。あなたその現場を見たことがありますか。われわれは当時あんなものじゃないと言って現場をよく見ているのです。ほんのてっぺんですよ。演習の種目はロッククライミングですよ。山のてっぺんの岩が目標なんです。おしまいに、岩を持っているおばさん一人ががんとして応じないで長くなっているうちに戦争がやんだのですよ。いいかげんな答弁はおやめなさい。もう売るのがいやだと言うものですから、札たばでほっぺたをぶんなぐるような気持ちでどんどん国費を乱費したのでしょう。千二百万といっても当時は大金ですよ。そう思いませんか。とんでもない話ですよ。
  180. 三島和夫

    ○三島説明員 私は現地を見ておりません。実は地図で一応拝見いたしました。その結果、その付近にはそういった平たん地――少しなだらかなところになっております。それで演習場として使いたいということでございましたけれども、演習場で使うというところについては買収はいたしておらなかった、かように聞いております。
  181. 淡谷悠藏

    淡谷委員 買収できなかったのですよ。買収できなかったのでしあわせ、もしできたら、あの岩のあるところがやはり千二百円、当然そうなるのですよ。これはむしろ国のためには買収に応じなかったほうが役に立ったのです。そのために生じた欠損というのはばく大なものでしょう。いまあれを千二百円に売ろうと思っても売れますか。一体幾らで貸し付けているのです、市町村には。
  182. 三島和夫

    ○三島説明員 ただいまはっきりした数字はお答えいたしかねますけれども、あれは野営場として年間二、三万円ではないか、かように考えております。
  183. 淡谷悠藏

    淡谷委員 千二百万円の国有財産を二、三万円で貸し付けているのでしょう。これは全くの大きな国損を招いています。(発言する者あり)私は、いまさまざまな雑音は入りましたけれども、なぜこんなことをするのか。成田空港でまた再びこういうことが繰り返されようとしているからです。一体、閣議決定をして予算がつけば、どんなことがあってもしゃにむにこれをやってしまおうというような態度は、私は間違っていると思う。もしそれができるならば、国会の審議は必要ないのです。やはり国会の審議を通して、はっきりした方針がきまった上でやればりっぱですけれども、一たん閣議決定したのだから何でもやるというような態度は間違っている。  これはもう一つあった。これはこの間宮内庁法のときには追及するのを差し控えておりましたけれども、関東管財が御料牧場の一部の立ち木を公団に払い下げをしているでしょう。これは当時ぼくはちょっと触れましたから、おわかりだろうと思う。そのときに、わずか十二日間くらいでこれを転売していますね。必要もない木を買うなら――ほんとうに必要のある森林組合なり、あるいは何とかいう材木屋に直接払い下げをしたらいいじゃないですか。それをどうして中に公団を入れなければ国有財産の処分ができないのです。その点の御答弁を願います。
  184. 三島和夫

    ○三島説明員 ただいまの御質問につきましては、もうしばらくしたら担当課長が参る予定でございますので、しばらくお待ちいただけませんでしょうか。
  185. 淡谷悠藏

    淡谷委員 総裁、これは公団総裁に私はひとつぜひお話ししておきたいのですが、あなたのいまやっていることは、この妙義を大きくしたような危険性を多分に持っていますよ。あなた、さっきの答弁では、栃木県の新牧場ができて、宮内庁法が通過さえすれば交換するのだと言っている。しかし宮内庁法が通過するかしないかは、やはり国会段階ではまだ未知数でしょう。どんな国会の意思決定があるかわからない。その国会の意思をあらかじめ予想して、あの大きな牧場の建設をやってしまったんでしょう。どうしても交換することが前提になるならば、そういう一切の要件が整ってから仕事をするのが順当じゃないですか。これはしばしば繰り返しましたがね。かりにもし何かの問題でパンクしてしまって、この国会であの法案が通らなかったら交換できないでしょう。そうじゃないですか。
  186. 今井栄文

    今井参考人 私どもは新しい御料牧場を高根沢に現在建設中でございますが、この問題につきましては、すでに衆議院の内閣委員会におきまして床次総務長官から詳しく御答弁がございます。私どもといたしましては、公団で代替の牧場をつくれという政府の御指示に従いまして、二十二億の用地買収費並びに建設費をいただきまして、これに従って建設を進めておるわけでございます。先ほど宮内庁法の問題に言及いたしましたが、現在宮内庁設置法の改正が御審議をいただいておるわけでございまして、私、先ほど御答弁申し上げましたように、これが通過いたしますならば、移転の準備をしていただくということは、これはそのとおりでございます。
  187. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これは非常に大きな責任問題が生ずると私は思うのです。第一、一切の法律要件が完備する前に――農林省自体がけしからぬですよ。一坪の用地の問題でも――最も農林行政の経験のある吉川先生あたりからは、農地法違反だといわれておりますが、これは与党の吉川先生にはもう少し考えてもらいたいというのは、あなたのほうに、栃木県の御料牧場を建設するために農地の取得を許したのは一体どんな法的根拠があるか。農地法の改正でもないでしょう、施行令の改正でもないでしょう、その一部の、施行規則の追加によってあなたは農地を取得しているのですよ。しかも、それにはっきり下総の御料牧場を成田空港建設のためにつぶすのだから、そのかわりの牧場が必要だから、公団にこっちの農地の取得を許すのだという、ちゃんとみえを切っている。もしこれがさっき言ったとおり、仮定が出てきますけれども、将来の問題を考えるなら、仮定の問題を置かなければしようがないから、仮定を置きますが、だめになった場合、この責任はどこに帰着するのです。あなたは、公団総裁は、政府の命令だからいいと言うが、この問題は、万一の場合は政府の責任として追及してよろしいのですね。あなたのほうには責任がない、一切が内閣の責任である。内閣と国会とは一体のものではないのですからね。これはあらためて言うまでもなく、三権分立の原則からいえば、国会には国会の権限がありますよ。政府がどう決定しようと、国会の意思は別に存在する。したがって、もし政府が見通しを誤り、手続を誤った場合には、これはやはり大きな政府の責任になると私は思うのですが、その点はいかがですか、総裁はどう考えられますか。
  188. 今井栄文

    今井参考人 政治責任の問題について私自身がどうこうというような筋合いではないと思います。公団自体の立場を申し上げますれば、公団としては、新空港建設するということで設立された法人でございまして、下総の御料牧場が予定地の地域内にある、それで新しい御料牧場を造成して宮内庁と交換していただくということが政府の方針でございまして、それに従いまして、国会で御審議をいただいた予算で、私どもとしては二十二億の用地費並びに建設費をいただきまして建設を現在いたしておるわけでございます。
  189. 淡谷悠藏

    淡谷委員 ちょっと大蔵省のほうに伺いますが、群馬県の妙義山の問題は、これはアメリカ軍が入ってきた場合でもあり、また朝鮮戦争という、日本としては予想できないような情勢の変化ですから、これは二百円のものを千二百円に買って多大の国損を招いたという事実があっても、ちょっと責任の帰着点があいまいになりますが、それと今度の場合は違いますよ。いまここにいろいろ関係事業開発についてあるようですが、これは全部が成田空港が完成することを仮定しているのです。成田空港がもし完成しなかったり、あるいはさまざまな技術的にはいま問題が生じておりますから、計画変更になったり、場所が変わったり、こうした場合は、周辺事業をやればやるほど、これは大きな国損を招くことになる。そういう場合の責任は一体どこにあると思うのですか。これは管財局のほうとは少し離れた問題になるかもしれませんけれども、私はそういう点で国損を招かないために、あらためてこのマスタープランなり、空港計画なり、事業の進捗なりは、せくことなく、ゆっくり検討しないと、また妙義山の二の舞いになると思う。これは人為的な問題です。政府の見通しの誤りです。あるいは事業計画の誤りです。そうした場合に、これは非常に大きな政治責任が発生するのです。したがって、一時間、二時間の時を争うよりも、じっくりこの辺でもう一ぺん再検討する時期に来ていると思いますが、総裁はそうお考えになりませんか。
  190. 今井栄文

    今井参考人 ただいまの御質問でございますが、先ほど申し上げましたように、公団は新空港建設すべく設立された法人でございまして、政府の指示に従って空港をつくるということ以外には、それに関連する仕事以外にはできないことに相なっておりますので、ちょっと私自身がそういう問題についてお答えすることは不適当じゃないか、かように思っております。
  191. 淡谷悠藏

    淡谷委員 それでは大臣、いまの国際空港の将来の見通しについて、大臣のお考えをお聞きしたい。
  192. 原田憲

    ○原田国務大臣 これはいわゆる見解といいますか、新東京国際空港が必要であるという立場で考えるのと、いやそれは必要ないじゃないか、こういうところまでいかないと話が合わなくなってくるのじゃないか、こう思いますが、私どもは、いまの新国際空港というものが必要であるということで話を進めていっておるわけでありますから、これはまあ、もし立場が変わって、淡谷さんが何かの計画を進めておられる、私がそれに対してそれは違うという見解を持っておっても、それは計画を立てておる者は、それを進めていくという立場でものを進めていきますし、そうでないという見解を持った者は、そうでないということで、あくまでその点ではかみ合うことができないということになるのではないでしょうか。
  193. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これは大臣のおことばともとれませんな。国会は国会、政府政府、かみ合うところがないで突っ放したのでは、こんな審議をする必要はありませんよ。たとえかみ合わなくても、一つ一つかみ合わしていくのが議会民主政治の常道じゃないですか。あなたはファッショですか。ファッショならそれでよろしい。対決でいい。かみ合わないと思っても、それを個々念入りに審議をしてかみ合う点を見出すのが、これが議会民主政治の常道だと思う。この点ひとつ基本的な問題ですから、大臣のお考えを聞きましょう。
  194. 原田憲

    ○原田国務大臣 いや、そこで審議をお願いして問題点を突き詰めていっておるわけでございます。いま話を聞いておりますと、これができなかったときの責任はどうだと、こういうことでお尋ねになっておるものでございますから、それを突き詰めていったら、いま私の言ったようなことになるのではなかろうか。といいますのは、私どもはこれはどうしてもつくるという立場に立って進んでおりますから、できなかった場合はどうするかと言われましても、できなかった場合はこうするということを考えておらない。ファッショでも何でもないです。これはどうしてもつくってもらいたい、こういう立場に立っておるので、その点はひとつ御了解賜わりたいと思います。
  195. 淡谷悠藏

    淡谷委員 まずそこまでかみ合ってくれば話は進みますがね。私たちも、何も国際空港が必要じゃないということは言っておりませんよ。国際空港の必要は認めています。ただし、このマスタープランについて、あるいは事業遂行のやり方について、これじゃ不可能になる要因が非常に多くなってきているのです。第一、当初の富里における国際空港計画が、どうして成田空港の場合では半分になったのです。これは計画の変更だと思いますが、どういうところからこれは半分になったのです。
  196. 原田憲

    ○原田国務大臣 これの経緯について事務当局から答弁させます。
  197. 丸居幹一

    丸居説明員 当時変更になりました事情でございますが、いろいろ現地の事情があったということが一つございます。それからもう一つは、用地の取得という問題はわが国ではなかなかむずかしいことでございます。いま候補地になっております成田のほうは、御料牧場という国有財産がある、それから県有林がかなり広範にございまして、そういう点、農地をつぶす量も少ない、それから用地取得がこちらのほうが比較して容易であろうといったような点から候補地が変更になったものと聞いております。  それから、広さについての問題でございますけれども、まあわが国は何せ土地の少ないところでございまして、できる限り能率をあまり落とさないで、できるだけ小さいところでがまんしようというふうな気持ちもあったり、それから現在のところの地形の関係、そういう点で一千ヘクタールになったというふうに考えております。
  198. 淡谷悠藏

    淡谷委員 非常に大事な段階にきているわけですからね。ことばを濁さないではっきり御答弁願いたいのですが、現地の事情というのは、現地の農民諸君が土地買収について非常に反対をしまして、どうしても売らぬという、こういうふうな反対運動があった――運動といって悪ければ反対が多かった、それが一番大きな原因じゃなかったんですか。
  199. 丸居幹一

    丸居説明員 そういう判断判断の要素には入っておると思いますし、それから現地の千葉県知事あたりとの御相談その他も判断の材料に入って変更になったものと思います。
  200. 淡谷悠藏

    淡谷委員 農民の多数が反対しているのと、千葉県の知事一人が反対しているのと、どっちが民主主義の原則からいって重要なんですか。あの当時は千葉県の知事反対だからやめたというのですか。それとも、そのうしろには大きな農民の反対があったから富里はやめた――これは新しい空港も同じことがあるからです。富里は反対があったから変更して、成田は反対があっても、これはもともと反対なんだから、土地収用をしてもやるんだ、これは方針として公平じゃないじゃないですか。だから第一の現地の要件の中に、土地の所有者が反対をしたからという要件が入っているのか入ってないのか、それを聞いているのです。
  201. 丸居幹一

    丸居説明員 先ほど申し上げましたように、下総御料牧場、それからこれに接続する県有地を最大限に活用できるということが一番大きなものだったわけであります。
  202. 淡谷悠藏

    淡谷委員 また答弁がずれましたね。じゃ富里は初めから選定を誤ったというのですか。富里でやろうとしたのでしょう、いまの倍の計画で。それが変更になったのは、土地所有者の反対があったからじゃないですか。土地所有者の反対がなくしてもあの選定は誤りであったといま言われますか。誤りがあるならば第二、第三の計画も誤りがないとは言わせませんよ。最初あれが最高の用地であったのだけれども反対が非常に強かったからやめたというんでしょう。まあ端的にお答え願いたいですな。こっちはごまかしてもごまかされませんから。
  203. 丸居幹一

    丸居説明員 先ほど申し上げましたように、農地の確保が現在のところのほうがより容易であろうということには、先生のおっしゃるように、やはり地元反対運動も勘案されたというふうに考えて差しつかえないものと思います。
  204. 淡谷悠藏

    淡谷委員 じゃ確認しておきます。富里から成田空港の現在の敷地に変わったのは、土地の所有者が反対したからだ、こういうふうに確認しておきますよ、いいですか。どうも公団の総裁がちょっとそれには不満のような顔をしておりますが、あなたもし不満があったらはっきりおっしゃい。
  205. 丸居幹一

    丸居説明員 ただいま申しましたように、その点も入っておると思いますが、先ほど来の繰り返しになると思いますが、御料牧場、県有林、そういうものも片方にございますので、やはり用地の取得が片方のほうが非常に容易であるという総合的な判断に立ったものと思います。
  206. 淡谷悠藏

    淡谷委員 それは、新しい用地についての判断はそうだったでしょう。地元反対がなければ第一案でいったのでしょう。富里空港ができているのでしょう。そこが非常な反対を食ったから、別な土地のいろいろな調査を始めたんじゃないですか。反対がなくとも変えるつもりだったのですか。反対がなくとも半分にするつもりだったのですか。初めから計画がずさんですよ、それじゃ。
  207. 丸居幹一

    丸居説明員 最初の富里の場合でございますが、これは私記憶違いでなければ、内定だったように思います。内定の段階で、先生のおっしゃいますように反対のきつかったことも確かでございます。そこで、農家がかなり多くありまして、この立ちのきの問題その他、詳しい調査が進むに従いまして、やはりいろいろの問題が多い、そういうことでただいま申し上げましたような三つ、四つの理由から、総合判断をして現在の候補地に変わったと思います。
  208. 淡谷悠藏

    淡谷委員 内定だったから、反対があってやめた。今度は閣議決定だから、反対があってもやめない、こういうわけですか。反対のあることは、富里以上の反対がありますよ。だから、前の場合には内定だったから取りやめた、今度は閣議決定だからどうしてもやるんだ、こういうわけですか。
  209. 丸居幹一

    丸居説明員 そういう内定の段階でそのまま決定してもそれはいいわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、立ちのき農家が非常に多かった。そこで、立ちのき農家等の少ない――御料牧場であるとか、県有林であるとか、そういったものの非常に多く含まれておる、したがって立ちのき農家も少ないし、農家から供出してもらう土地も少ないというふうなところが候補地にあがった。それからもう一つ、そういったようなことを背景として千葉県の御了承も得られなかったといったような、そういう総合判断のもとに、一度内定はしましたけれども、こちらのほうへ変更になって、新しいところを閣議決定されたものと思っております。
  210. 淡谷悠藏

    淡谷委員 だから、いま言ったとおり、向こうは内定だったから、これは別に成田空港の敷地を選定した。今度の場合は閣議決定だから、反対があっても何があってもどうしてもやり抜くぞというあれですか。昔の撃ちてしやまんということになるわけですか。閣議決定やった以上はどうしてもやるということですか。(「それで御了承願いたいといっていま頼んでいるんじゃないか」と呼ぶ者あり)強行採決やったらどうですか。了承できないから聞いておる。いかがですか、この点は。閣議決定に内定がつきますかつきませんか。これは総裁はもう答弁要りませんよ。閣議決定によってやれというんだから、私あなたに求めていない。あなたはそっちに移したのでしょう、答弁を。閣議決定だから変えないんだ、内定の場合なら変えてもいいんだ、こういうわけですか。
  211. 丸居幹一

    丸居説明員 内定した場合であって、それを決定に持っていくというのが普通の順序でございましょうけれども、内定の段階において県の御了解が得られなかった、あるいはその御了解を得られない背景というものが、やはりたくさんの農家の移転を願わなければならぬ。それから農地のつぶれも多い。それよりは、農地のつぶれの少ない、御料牧場、県有林のある場所がすぐ隣合わせにある、そこのほうがいいんじゃないだろうかといったようなことを総合判断されて、そして行政最高機関である閣議でもって新しいところが決定された、こういうふうに聞いております。
  212. 淡谷悠藏

    淡谷委員 いまの新しい敷地については内定の段階がありましたか。
  213. 丸居幹一

    丸居説明員 いろいろその点について調査して直ちに決定されたものだと思います。
  214. 淡谷悠藏

    淡谷委員 なぜ内定の段階を経ないで一ぺんにやってしまったんです。これはあくまでも、内定ならば変えられるけれども、閣議決定したら動きがとれないからという気持ちじゃないですか。あなたはどう思います。
  215. 丸居幹一

    丸居説明員 その点につきましては、千葉県等も含めて関係者で相談をして決定されたものと思います。
  216. 淡谷悠藏

    淡谷委員 私は、こういう大きな敷地を必要とする設備は、土地取得が一番大きな、できるかできないかの条件だと思っています。したがって、あなたら当事者がこう言いますが、千葉県の知事がそう言ったというような話でしょう。現在の成田空港関係の農民なり他の土地所有者は、内定段階意向を問われたことはないでしょう。そこで、いま言ったように、明らかに、内定ならば変えられるけれども、閣議決定してしまったのだからこれはどうにもならないという形ができてきておるんじゃないですか。片一方は内定段階土地意向も聞いた。おそらくは知事だって、官選知事じゃないから、選挙というものがありますから、地元の意思を無視した決定はできないと思う。それを、内定段階を経ないで、知事と佐藤総理とがきめてしまって、まっこうからぶつけてきたのが、今度の成田空港の騒動の原因じゃないか。現地にいってみればこれが一番の不満ですよ。何ら地元の意思を打診することなく、閣議決定できめたからといって押しつけてきたという形が一番悪い。佐藤と友納が一番悪いというのが現地の声です。閣議決定した以上は、どんな反対があってもこれは絶対に変えないのだというお考えですか。これは総裁は要りませんよ。あなたは忠実なる総裁なんだから大いにやるがよろしい。総裁に命令した機関にひとつ聞きましょう。
  217. 丸居幹一

    丸居説明員 先ほど来申し上げておりますように、いろいろの点を勘案されて、総合判断としてここが最適であるということで閣議決定されたものと思いますので、これはもういまに至って計画として変えるような段階ではないというふうに思います。
  218. 淡谷悠藏

    淡谷委員 そこで、大臣の領域にきましたからお聞きしますが、閣議決定した以上は、どんな間違いがあっても変更してはならないという規則はないでしょう。また、そういう事実もないでしょう。実際に間違った点があり、困った点があれば、閣議決定はしばしば変えておるのじゃないですか。内定であろうが、閣議決定であろうが、誤ったら改むるにはばかることなかれというのが常道ですから、われわれのいろいろな検討で、明らかにこれは無理だ、できないのだということの見通しがつけば閣議決定は変えられるでしょう。丸居さんは言えないでしょうな。ちょっと毛色の違った総裁みたいなものですから、あなたが閣議決定を変えるとは言えぬでしょうけれども、大臣はやはり閣僚の一人として、万一誤ったことがあって、これは将来国損を招く、あるいは大きな危険があるというような場合には、閣議決定も変えるにやぶさかでないというのが閣議というものの常識じゃないですか。私はそう思っております。
  219. 原田憲

    ○原田国務大臣 お話のように、誤たば改むるにはばかることなかれ、これは私はそのとおりだと思っておりますから、この間から私の態度といたしまして、これはもうこの問題とは別でございますけれども、たとえば事故が起きて申しわけないということはもうしょっちゅう申し上げております。しかし、この問題につきましては、これは先ほども申しましたように、新しい国際飛行場が必要である、こういう見地に立って、いま経緯は政府委員から御答弁をいたしておりましたが、このことについて閣議で決定をいたしまして、それの諸準備をいま進めております。御審議を願っておるのもそのための一つの手段をお願いいたしておるわけでございますので、このことについて、現在私はこれを推進しようという考えに立っておりますので、淡谷さんのお話でございますけれども、閣議決定を変更するということについての考えは持っておりません。
  220. 淡谷悠藏

    淡谷委員 あまり具体的にこの問題に触れますとそういう御答弁しか出ないと思いますが、私の言うのは、さっき内定と閣議決定との違いが問題に出ましたので、何らかあやまちがあったり、あるいは誤りがあったり、いろいろな困難な、どうにもならぬことがあったりした場合は、閣議決定といえども、これは変えないものじゃないという原則ですね。綸言汗のごとしじゃないでしょう。佐藤総理は昔の天皇じゃないですからね。総理の決定であっても、間違っていれば変えた例があるでしょう。現にわれわれも閣議決定を取り消された被害者ですよ。むつ製鉄がそうでしょう。閣議決定でむつ製鉄をやるといって地元に投資をさせて、最後にはこれは三菱グループの抵抗があって閣議決定で取り消した、こういう実例を見ていますからね。これは丸居さんの言うように、内定だから変えた、閣議決定だから変えないという原則は成り立たないと思うのです。原則的にいったら、やはり閣議決定も取り消された例もあるし、将来もこれはあるべきものだというこの原則は、大臣、私とあまり考え方は違わないでしょうな。いかがですか。
  221. 原田憲

    ○原田国務大臣 原則論についての考え方については、私決して否定しません。しかし、間違ったらなんですから、私がここで閣議決定を変更しますというようなことを申し上げますと、これはもう必ずえらい騒ぎになります。だからこれは、小川さんもそこで笑っておられますが、これは非常なことになりますから、私といたしましては、先ほど申し上げましたように、あなたのおっしゃっておる、あやまたば改むるにはばかることなかれということは、あらゆる問題について通用することわざといいますか、であると思いますが、この新東京国際空港周辺整備のためにいま進めておりますことは、やはり日本にとって国際空港が新しく必要であるというたてまえに立っておりますので、この閣議で決定されたことをもう一度変更するという意思は私は持っておりません。
  222. 淡谷悠藏

    淡谷委員 いまの大臣のおことばですが、いまこの閣議決定を変更した場合にどういう騒ぎが起きると大臣はお考えですか。かりに、変更して成田空港は変えたんだ、別なところへ持っていく、こういう場合にたいへんな騒ぎが起きるといいますが、騒ぎはどういうふうに起こるでしょうか。
  223. 原田憲

    ○原田国務大臣 どのようなということを具体的に言われると困りますが、要するに、きまったことが変わったという騒ぎが起きるということでございます。
  224. 淡谷悠藏

    淡谷委員 第一、地価が上がるでしょう。そう思いませんか。いかがです。具体的にこっちから詰めていきます。
  225. 原田憲

    ○原田国務大臣 それはいまの仮定のことを前提としましたら、そういうことがもうすでに問題になってまいりますから、私は閣議の決定を変更することは考えておらないというたてまえに立っておりますから、御了解賜わりたいと思います。
  226. 淡谷悠藏

    淡谷委員 逆に申しますと、この計画が始まってからあの周辺の地価が非常に上がっていることは、これは総裁御存じでしょう。この前に私は詳細な資料をもらいましたが、国際空港をつくるために地価がどんどん上がっていますよ。成田市内はすっかり土地関係の会社の看板だらけじゃないですか。前にはなかったでしょう。土地売買の仲買い人その他の事業体がたくさん入ってきています。しかもそれが、自分の金だけでやるのじゃなくて、みんなこれは信用機関あるいは銀行が金を出してますよ。まずこれがやめると大騒ぎになるのです。それから、現在売り渡した土地がありますが、これまた大騒ぎになるでしょう。もしこれを遂行した場合は一体どういう騒ぎが起こるか。おそらくは反対している連中が黙っていますまい。そういうふうな矛盾がどうして起こったかということを、これは丸居さんにも今井さんにもじっくりここで考え直してもらいたい。まだ余裕があります。なすべき手段を尽くさないで、どんどん力にものをいわせて遂行したからなんです。土地取得が十分できる前にどんどん関連事業を進めようとしたり、道路をつくったり、まだ宮内庁法が通る前に牧場をつくったり、なすべき手段をしないで、どんどん仕事を先行させたところに、閣議決定を変更しても変更しなくても抜き差しのならないどろ沼に落ちてきたという成田空港の問題がある。  伺いますが、成田空港を半分にしただけじゃないでしょう。第一期の工事として四千メートル一本でしょう。将来、五年たてばあの国際空港は役に立たぬということは、公然と発表されているのじゃないですか。総裁はそのころやめて恩給もらっているからいいかもしれませんけれども、これじゃ国がたまりませんよ。五年しか寿命のないような空港に、どうして国費をたくさんつぎ込まなければならないのです。意地では政治はできませんよ。お互いに意地を捨てて、この際じっくりマスタープランの検討に手をつけなければ、いまの関連事業なんか、これまた全部大きな騒動のもとになります。丸居さん、その点どうですか。いま半分にした空港計画で、しかもその半分をさらに半分にして四千メートル一本という線でいまの空港が成り立つと思いますか。
  227. 丸居幹一

    丸居説明員 いろいろと御質問がございましたが、先生ゴリ押しと言われましたけれども、しかし、われわれが公団のほうからの報告を聞きましても、いろいろと地元方々と十分お話し合いをなさりつつ用地の交渉を進めておるというふうに聞いておる次第であります。  それからもう一つは、国会無視のようなことをおまえらやっているじゃないかという御質問でございますが、まず、こういうことをやります場合は予算の要求をいたしまして、予算原案を作成して、予算につきましての国会の御了承を得てその上でそれが国会を通りました場合は、それに続いてその設置法の改正、そういうものをしていただくという従来からの慣習のようになっておるような点もありまして、われわれはその順序を経てただいまいろいろの関係法令の御審議をお願いしておるつもりであります。  それからもう一つ、五年しか使えぬということでございますが、五年で使えなくなるような飛行場であるようには考えておらぬのでございまして、局長が一時十年くらいは完成後いけますということを申しておりますので、まあ少なくとも十年くらいはいける。しかし私は、将来機材がだんだん大型化してまいりますし、それから国際線だけですと成田はもっと長く使えるように思います。国内線についての対策もいろいろと考えなければならぬという問題はございますけれども、国際線だけで成田をずっと使っていくというたてまえをとるならば、もっと長く使えると思います。決して国費のむだづかいになるような、ちょっとくらいしか使えないという飛行場ではないように思うのでございます。
  228. 淡谷悠藏

    淡谷委員 そういうところに今度の論議の焦点があると思うのですが、これは社会党は反対しておるからそう言うだろうと言うかもしれませんけれども、朝日新聞の社説さえそう書いているのですよ。私は朝日新聞というのは非常に公平無私な新聞だと思う。その新聞が堂々と社説まで書いている。そういうふうな説が出ておるということを知っているのですがね。したがってこの関連事業に成田空港が本質的に関係がないという考え方は非常に違うのです。成田空港がもしできなければ、これは全部無意味なんです。そういう点で本質的な問題に私は入っていきたいのです。少なくとも四千メーター一本の工事ではどうにもならぬでしょう。これはどうです。
  229. 丸居幹一

    丸居説明員 朝日新聞が何と書こうとも、私は新空港は十年以上使えるということについては、いつでも新聞社と対決できるだけの自信を持っております。  それから、四千メーター滑走路につきましてどうかというお話でございますが、全体計画は、先生承知のとおり、四千メーターと二千五百メーター、横風の三千二百メーターをつくるわけでございますが、やはり一番大事な、しかも国際空港としてはどうしてもなければならぬ長いほうの滑走路からつくり始めていくということは、これは工事をする順序であろうと思います。四千メーターでやめるというのではなしに、四千メーターから順次つくっていくのでございますので、最初四千メーターをつくるのだ、そういうふうに御理解をいただきたいと思うのでございます。
  230. 淡谷悠藏

    淡谷委員 丸居部長から、そういうふうに対決をいどまれてきますと、私たちも、五年間くらいしかもたぬと思っていたけれども、簡単にやってやめようと思いましたが、やめられなくなりました。もう本会議の時間も近づきましたから、もしよかったらこの辺で休憩をして、次に続行したいと思いますが、委員長よろしくお計らい願います。
  231. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 本会議散会後に再開することとし、この際、暫時休憩いたします。    午後一時三十二分休憩      ――――◇―――――    午後三時三十九分開議
  232. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。淡谷悠藏君。
  233. 淡谷悠藏

    淡谷委員 丸居さんですか、さっきの御答弁ですが、非常に自信のある御信念で、まことに官僚のかがみと思いますが、そこでその自信に基づきますと、あそこに新しくできる国際空港は、将来の拡張をどの線で押えようというのですか。そして、現在やっておる事業計画は、四千メートルだけではなくて、そのあとの工事、さらに拡張分まで含んでの構想かどうかお聞きしたい。
  234. 丸居幹一

    丸居説明員 どうもちょっとことばが過ぎまして……。ただ、新しい飛行場の将来は、一期計画、二期計画に分かれて、二期が完成いたしますと完成でございますが、それから先の拡張はただいま考えておりません。
  235. 淡谷悠藏

    淡谷委員 半分にしたので十分間に合うとすれば、前の富里空港計画というのは倍ぐらいずさんだったのですね。半分で間に合うものを倍も計画を立てていいというのであれば、一体どうなりますか。半分でも済むし、倍でも済むということになりますと、計画のずさんさというものをはっきり見たような気がするのですが、今度の計画もそういうような点でまた伸びたり縮んだりするのじゃないですか。
  236. 丸居幹一

    丸居説明員 最初計画は約七百万坪程度計画から出発したわけでございます。外国には千二百万坪ぐらいの飛行場もございます。やはり土地関係で、許せば広いほうが何かと便利であるというふうに考えますけれども、やはりその点はたくさんの農地もつぶれることですしするので、七百万坪というのが計画として考えられる最大じゃないかということで七百万坪の計画をいたしたわけであります。先ほど申し上げましたような事情で現在の計画に変わったということであります。無限ということはございませんが、まあ諸外国千二百万坪程度飛行場といえば、ダレスをはじめほかにも計画されておるようなところもあるやに聞いておりますが、その程度の広さがあれば、これは非常にけっこうだとは思いますけれども、やはり土地の事情その他いろいろ勘案いたしまして、ああいう計画になったのだというふうに考えます。
  237. 淡谷悠藏

    淡谷委員 いわば次善の策ですね。最初計画は非常によかったのだけれども反対者が多くてできなかったから、次善の策として今度とった、こう思っていいですな。
  238. 丸居幹一

    丸居説明員 きのうもちょっと発表申し上げたのでございますが、これが全然機能として役に立たぬような飛行場というのじゃございませんで、この程度の規模のところといたしましては、ロンドンのヒースローも大体この程度の規模でございます。それからフランクフルトは今度の新空港が予定どおりできますれば、これよりもちょっと小さい。新空港のほうがちょっと大きいという程度になります。ロサンゼルスは少々大きゅうございますが、ほぼ同じような飛行場ということがいえるのじゃないか。新空港につきましても、施設その他の面で充実いたしまして、能力としては当初の計画にあまり劣らないような能力を持つように努力してまいりたいと思います。
  239. 淡谷悠藏

    淡谷委員 四千メートルの滑走路ができ上がるとすぐこれで使用するつもりですか。
  240. 丸居幹一

    丸居説明員 滑走路だけではぐあいが悪うございますけれども、エプロン、それから誘導路、それからターミナルビル、それからある程度の貨物の上屋、それから整備地域整備、そういったことができますと、四千メートル一本で供用開始することはできると思います。
  241. 淡谷悠藏

    淡谷委員 補助滑走路あるいは横風用滑走路なしに、たった一本だけの滑走路国際空港が飛んでいる例があったらおっしゃっていただきたいと思います。
  242. 丸居幹一

    丸居説明員 諸外国の大空港で現在そういう運営をしているところというのはちょっと記憶がございませんが、そういう運営、滑走路一本で終えるのじゃなしに、一本でき上がりましたら早く使用するということでございますので、羽田の現在も、Bランを現在延長いたしておりますのでBランが使えません。Aランも実はいま工事をいたしております。それで、いまCラン一本で羽田を運営しておりまして、そのためにいろいろ御迷惑をおかけいたしておりますけれども、とりあえず国際空路からすぐ入ってくるという状況でございますので、そういった横風用であるとか、もう一つの補助滑走路ができ上がっておりますときと比較いたしますと、発着回数その他で落つることはたしかでございますけれども、それでもかなり使えますので、開港いたしましても、十分諸外国の飛行機を受け入れるに足りるだろう、こういうように考えております。   〔委員長退席、保岡委員長代理着席〕
  243. 淡谷悠藏

    淡谷委員 相手が飛行機ですよ。そう自信のないことを言って、もし事故でも起こったらどうします、一体。諸外国の例が記憶にないのじゃなくて、ないのでしょう。国際空港滑走路一本で活用されている例なんかありやしません。いかに急ぐといっても、危険な状態で急がれたんじゃたまったものじゃないです。何でもかんでも形をなせばいいというのじゃない。これはやはり当初の計画どおり、全部が完成してから使うのが一番正しいのでしょう。一番安全なんでしょう。あとの計画がなかなか進まないから、もう四千メートル一本でもというのが第三期の計画になったんじゃないですか。初めから補助滑走路も横風用の滑走路もやらなくて済むといったような計画じゃなかったと思う。追い詰められ、追い詰められて、この四千メートル一本でしょう。そんなことじゃ、国際空港という名に対して恥じなければならない。一体四千メートル一本で飛ばそうというのはいつを予定しているのです。
  244. 丸居幹一

    丸居説明員 安全性の問題でございますけれども、確かに先生のおっしゃるように、一本の滑走路ですと急に横風が強くなったような場合問題があるわけでございますが、まあ遠いところから来ました飛行機につきましては、羽田がまだ残っておりますし、要するに、代替空港というものを必ずきめて飛んでまいりますので、安全性については、そういう危険な離着陸をさせるということは一応ないように思います。  それから、さっき申し上げますように、これは何せ建設の途上でございますので、一本の滑走路で十分であるとはわれわれも思っていないのでございますけれども、羽田もだんだん込んでまいりますので、なるべく早く移したい。四千メートル一本を第一期工事計画として早くつくってそこへ移そうという次第でございまして、あくまでも暫定処置なんでございます。
  245. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これは暫定措置じゃ済まぬじゃないですか。安全性というものは、こっちのほうが十分自信を持って、だいじょうぶだと思っても、なお怪しいものです。だれもあぶないと思って飛んでやしません。でも事故が起こる。ことに日本のような気象状況のあまりいいとは言えないところで、つくった本人も万全とは言えないというような形で、しかも国際空港として始めるということは、これはまことに相すまぬ話だと思いませんか。しかも、不完全なままで開始するのはいつごろといま思っていますか。
  246. 丸居幹一

    丸居説明員 供用開始の予定は四十六年四月に予定をしております。  それから、安全性の点につきましては、私はどちらかといいますと、飛行場建設のほうを担当しております。ここに泉管制課長が参っておりますので、泉管制課長からその安全性について説明をいたさせます。
  247. 泉靖二

    ○泉説明員 現在国際線はほとんど全部計器飛行で就航いたしておりますが、定期飛行で就航いたしますときには必ず代替空港を選ぶことになっております。成田空港をかりに目的地といたしますと、代替空港をどこか別なところに選びまして、かりに成田に降りられないような天候でございますれば、その代替空港に行きまして、さらに燃料の余裕があるという飛行計画を立ててまいります。そういう計画でございますから、もし成田の空港が風のぐあいが悪い、あるいは気象のぐあいが悪いという場合でも、代替空港で安全な離発着ができるという保証は、飛行計画上出発当初において確保される、そういうたてまえになっております。
  248. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これは現在の羽田も非常に狭いので、われわれも途中よく空中旋回させられますけれども、いまの丸居さんのお答えのように、四千メートル一本で空港を開始するというのは、これは安全性の上からどうお考えになりますか。同じ飛行場の中でも、たった一本の滑走路というのは、これは常識的に考えてもたいへんあぶない飛行場だと思うのですが、これはどうなりますか。
  249. 泉靖二

    ○泉説明員 御指摘のように、できますなれば横風滑走路あるいは並行の滑走路、こういうものがあってから運用したほうがいいことはもちろんそのとおりであります。ただし、現在の場合、御承知だと思いますが、羽田が非常に混雑いたしておりまして、まもなく羽田が飽和状態に達しようといたしております。そういうときの次善の策といたしましては、どうしても次に新しい空港を求めざるを得ない現状でございまして、そのような際には、やはり一本でも運営しなければならない、そのような際の安全は代替空港へ求める、そういうふうにせざるを得ないというふうに思います。
  250. 淡谷悠藏

    淡谷委員 代替空港は一体どこに予定しているのですか。
  251. 泉靖二

    ○泉説明員 出発地がどこかということで変わりますけれども、極端な場合は、出発地が再び代替空港、たとえば香港を出まして成田を目的地にしまして再び香港に帰るというようなフライトプランも可能でございます。成田をメーンの空港にいたしまして、板付を代替空港にするということも考えられます。そのときの飛行計画と燃料の搭載の方法によりましていろいろなケースがございます。でき得れば比較的近いところで、しかも気象の変化のある空港を選ぶのが常識でございますが、一がいにどこがいいということはちょっと申しかねます。
  252. 淡谷悠藏

    淡谷委員 出発したところを代替空港にするならば、これはもう何をか言わんやですよ。みんな持っていますよ。出発港のない飛行機なんてあるはずないんですからな。これは代替空港というには少し過ぎていると思う。しかも成田新空港の代替空港が板付というのであれば、世界的に見たらこれは幾らでもないでしょうけれども、乗っているお客さんにしてみれば、あそこに帰るのは相当なものですね。しかも一本滑走路の場合と三本の場合とでは、離着陸の困難さというのは格段に違うでしょう。なぜそう危険をおかしてまでも急いでやるのかというような問題、これは羽田が狭いということが一番の理由かと思いますが、一体羽田のどこが狭いのですか。
  253. 丸居幹一

    丸居説明員 ちょっと先生、羽田の何が狭いとおっしゃいましたのでしょうか、聞こえませんでした。
  254. 淡谷悠藏

    淡谷委員 羽田が狭いといわれますが、狭いのにもいろいろあるでしょう。空間が狭い場合もあるだろうし、滑走路が狭い場合もあるだろうし、一体羽田という施設のどこが一番不自由なんですか。
  255. 丸居幹一

    丸居説明員 羽田の狭いのに一番困りましたのはスポットでございます。そして、どうしてもこのスポットをふやさないと、十七万五千回付近までいけないということがはっきりわかりまして、スポットの増強計画を立てまして、いまのAランウエーのすぐ上までスポットをふやしまして、常にはAランウエーを使わない。そのかわり、その能力の減少をBランウエーの延長でもって補おうということで、Bランウエーを延長しておるわけでございます。そこで、羽田は十七万五千回まではスポットのほうもランウエーのほうもいけることになったわけでございますが、その十七万五千回の発着回数に到達いたしますと、羽田は発着回数の上で足りないということになりますので、そういう意味のことを、狭い、こう申し上げたわけであります。
  256. 淡谷悠藏

    淡谷委員 私はずいぶん成田空港の問題では質問してきましたが……(「定足数が足らぬ」「散会」と呼び、その他発言するものあり)ちょっと待っていましょうか。
  257. 保岡武久

    ○保岡委員長代理 どうぞ続行してください。(発言する者あり)どうぞ続行してください。
  258. 淡谷悠藏

    淡谷委員 ずいぶん羽田空港が狭いという原因について聞きましたが、これは速記録をお調べになればわかりますけれども、一致した答弁が一つもありませんよ。みな違っている。あるものは、エプロンが狭いのだ、航法施設がとても足らないからこれはだめなんだ。あるものはブルー14に圧迫されて、空中旋回ができないからだめなんだ。いま聞くとまた違っている。一体どこが狭いのでしょう。聞くたびごとに答弁が違う。そうすれば、羽田が狭くて成田空港をつくるのだと言いながら、羽田の狭い理由というものははっきり検討できないのじゃないですか。ブルー14がもしじゃまになるのであれば、この際沖繩の問題もあるし、一括してまた防衛論争でも出てくるのです。また航法施設がだめならば、この対策がないわけじゃない。一体どこがきめ手なんですか。どうもみんな違いますよ。うそだと思ったら、ひとつ速記録をお調べください。
  259. 丸居幹一

    丸居説明員 それは説明がみな不十分だったことをおわび申し上げますけれども、ただいま申し上げましたように、滑走路につきましては、Bランウエーができ上がりますと、さっき申し上げましたとおりの能力が完備いたします。それからエプロンにつきましては、実はいま申し上げましたように整備をいたしておりますので、これができ上がりましたら、エプロンについては十分な能力ができ上がりますので、十七万五千回いけます。  それから、あと管制のための電波の関係のものがございますが、これは泉管制課長が参っておりますので、そちらのほうから答えていただくようにいたします。
  260. 泉靖二

    ○泉説明員 お答えいたします。  羽田の終局的な処理能力は十七万五千付近だというふうに了解いたしております。これはただいま御説明がありましたようにBランウエーが延長されまして、ジェット機の使用にたえるというような事態が来たときはというふうに了解いたしております。それまでの間どういうふうにして処理能力を上げるかというためには、現在使用している古い航空保安施設をかえましてVOR、DMAと申しますが、極超短波を使います航行援助施設、これが新たに七月末か八月初めに使えるようになりますので、これによりまして新たに進入経路をつくりまして、現在までのような空電の影響を受けやすい非常に曲がりくねった経路に絶対しないで済む直線的な経路を設定いたしまして、空間をさらによく利用する方法をとります。それによりまして処理能力は上がるということは可能であります。終局的にはBランウエー十七万五千付近、そういう方法で進めていきたいと計画いたしております。
  261. 淡谷悠藏

    淡谷委員 それじゃ一番新しい御答弁としてそれをそのまま信じます。  そこで、この前も、これまた違うかもしれませんけれども、成田空港は国際ラインにするし、羽田は国内ラインにするのだという御答弁があった、それに間違いないですか。
  262. 丸居幹一

    丸居説明員 それに間違いございません。
  263. 淡谷悠藏

    淡谷委員 その場合、MACのチャーター機は依然として羽田に置くのだという御答弁があった。それもそのとおりですか。
  264. 川上親人

    ○川上説明員 ただいまの御質問趣旨、私も必ずしもはっきりわかっていなかったのでございますけれども……。
  265. 淡谷悠藏

    淡谷委員 MACのチャーター機というのがあります。アメリカの軍用機ですが、これは一体成田空港へ着けるのか、着けないのかと言ったら、それは羽田へ残しますという答弁をされているのですね。それはおかしい。国内線ならばMACのチャーター機は羽田に置く必要はない。これははっきり答弁に載っている。これも先般内閣委員会質疑応答でおかしいなと思いましたけれども、いろいろな事情でそのままにしておいたのですが、きょう羽田が狭いということの話もございましたので、その点もはっきり新しい答弁をお願いしたいと思います。
  266. 川上親人

    ○川上説明員 この前航空局長が御答弁申し上げておりますのは、新東京国際空港は、その成立の経緯にかんがみまして、MACチャーター機といえどもできるだけ入らないように努力するのだという方向で御答弁申し上げていると思います。それでは羽田に着けるのか、これにつきましては、現在の地位協定五条によりまして、日本の飛行場には入ることができるわけでございますので入り得る。入る可能性というものは十分にある、かように私は考えるのでございます。
  267. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これは、当時の問答を聞いておった今井総裁が一番知っているのですがね。軍用機を成田空港へ着けるという答弁をしてもらいたくないのかもしれない、ほんとうは。しかし、あの日ははっきり航空局長、羽田にMACのチャーター機は着けるのだという答弁をしましたね。ひとつあなたから聞いたとおりを言ってください。
  268. 今井栄文

    今井参考人 内閣委員会のほうで御質疑が出たのでありますが、そのときの航空局長の答弁を繰り返して述べさせていただきますが、局長は現在入っている羽田のMACチャーター機といえども、民間航空に支障があるような場合には、常に米軍側と交渉いたしましてその機数を減らすというふうなことで今日まで処理してきておる。将来新空港ができました場合には、やはりMACのチャーター機は従来の羽田を使ってもらうのだというふうなことを申しておりました。  それから、先ほど先生が、国際線は成田、国内線は羽田ということの御質問がございましたが、その点についても航空局長は、定期航空という観点から、国際定期航空、国際ライナーは成田、それから国内のライナーは羽田、こういうふうに申し上げたと思います。MACはライナーではございませんので、その辺は必ずしも論理的に矛盾はいたさない、さように了解いたしております。
  269. 淡谷悠藏

    淡谷委員 しかし、これは総裁のお聞き取りの気持ちからいっても、MACチャーター機は羽田というふうにお聞きになったのでしょう。MACチャーター機を成田へ持っていくとは言わなかったわけですね。
  270. 今井栄文

    今井参考人 そのように局長は答弁いたしておられました。
  271. 保岡武久

    ○保岡委員長代理 関連して山口君に発言を許します。
  272. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 ただいまの川上監理部長、それから今井総裁の御答弁は非常に奇異な感じがいたすのであります。ただいまの淡谷委員質疑で、内閣委員会においては成田の新空港はMACチャーター機は使いたくないのだ、羽田を使用するようにしたいのだという趣旨の御答弁があったそうでありますが、当地方行政委員会でこの成田空港法律案の審議をいたしました一番最初の六月十七日に、私がこの問題を運輸政務次官及び航空局長にお尋ねをしたわけです。そのときの御答弁は、今井総裁もそばにおりましたから聞いておったと思うのです。また、実は政務次官もお隣りにおったから聞いておったと思うのですが、あの際は航空局長、それから村山政務次官ともに、私の質問に対して技術的な離着陸であるとか、あるいは燃料補給というような形で現にMACのチャーター機は羽田を使用している。同じような状態は成田の新国際空港でも当然起きます、羽田のような状態は成田でも起きるのです、こういう答弁をいたしていることは御案内のとおりだと思うのですが、全く違うじゃないですか。内閣委員会での御答弁、それから、いま淡谷委員に対する御答弁と十七日の答弁と全く違いますよ。議事録を持ってきて突き合わせてもけっこうですけれども、お二人とも少なくとも聞いておったからおわかりだと思うのです。そういうことでは困るじゃないですか。当委員会で十七日にお答えになったのと本日お答えになった答弁と違うということでは、委員会を一体どうお考えですか。そのつど、そのつどかってなことを言っておれば、日数さえたてば法律案はやがて通るであろう、こういうふうなお気持ちでおるとしか思えぬじゃないですか。そういうことでは困りますよ。ひとつ明確にしてください。
  273. 今井栄文

    今井参考人 私が同席して聞いておったという御指摘でございますが、私の聞いたところでは、これは私自身が御答弁したわけではございませんので、村山政務次官並びに航空局長からの答弁でございますけれども、テク二カルランディングといいますかエマージェンシーの着陸するような場合にはやむを得ないということははっきり申しておられました。しかし、MACのチャーター機が羽田に現在入っているように、継続的あるいは計画的に入ってくるというような点についてまで、全く羽田と成田が同一だというふうな御答弁はしていないと思いますが、これは議事録を調べさせて、政務次官並びに局長の言われたことをもう一回私どもとしても検討してみたいというふうに思います。私はそういうふうに了解いたしております。
  274. 保岡武久

    ○保岡委員長代理 速記をとめて。   〔速記中止〕
  275. 保岡武久

    ○保岡委員長代理 速記を始めて。
  276. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 ただいまの問題は、内閣委員会の議事録、それから十七日の議事録、本日の議事録突き合わせまして、理事会で扱いをきめて、統一した政府見解を明らかにしていただきたい。その日によって答弁が違うというようなことでは、これは困りますので、そういうふうにまた委員長のほうでお取り計らいをいただきたいと思います。
  277. 保岡武久

    ○保岡委員長代理 委員長においてしかるべく取り計らいます。
  278. 淡谷悠藏

    淡谷委員 私も、答弁がしょっちゅう変わるようでは幾ら質問したってむだなんですね。本来ならばこの辺で、速記録を調べるまでちょっと保留しておきたいんですけれども、人のお座敷を借りてあまりわがままも言えませんから、続けますがね。  そこで、MACのチャーター機が羽田にいつまでもいる、あるいは成田へ来るんじゃ、だいぶ成田空港の発着数も違うし、性格も変わってきますよ。  そこで、さっきの丸居さんのお話もございましたが、狭さもだんだん変わってくるようだし、また、MACのチャーター機の問題でも変化が起こるんですから、危険性が予想される。四千メートル一本で操業することはおやめになったらどうです。航空事故というのは一ぺん起こったら、これはとてもどうにもならぬものですよ。もう百分の一でも、千分の一でも、一万分の一でも、不安な一つの要素があるならば、これはやめるべきだと思う。同時に、やはり間に合わせに四千メートル一本なんていう、世界じゅうどこにもないような計画ではなくて、はっきりした完成した形のままで事業を進めていかなければ、完全な国際空港ということはいえないと思う。その辺はどうです。
  279. 丸居幹一

    丸居説明員 四千メートル一本であぶないんじゃないかという御質問のようでございますが、現地には気象庁の出先もありまして、絶えず風向、風速を観測をいたしております。そうして、管制官がおりまして、もし危険なようだったら、そこへ着陸させるようなことはいたしません。安全係数を十分見まして、着陸なり出発の許可を与えるわけでございますから、危険性というものをそんなに感ずる危険性があるというふうにはわれわれは考えておりません。ただ、危険性がなければどうして横風用滑走路が要るんだという御質問にまたなるかと思いますが、それはそういう危険性がある場合でも、そういうところに危険性があって着陸できない、横風が非常に強くて危険性があって着陸できない、そういう場合に、横風を使えば安全に離発着ができる。したがいまして、その点で就航率が非常に高くなる。そういう意味で、横風用滑走路というものが必要なんであります。しかし、あぶないような着陸はさせないつもりでおります。そのために、遠くから来てまた引き返すのはたいへんだから、風向きが変わるまで待つとか、あるいは、近くに代替空港があれば、そこに着陸するとかというふうなことをいたすのでございます。しかし、滑走路は恒風に向かって設計いたしておりますので、大多数はこの四千メートル一本の滑走路で受け入れられるものと思っております。これも滑走路が長くなりまして、ジェット機あたりは特にスピードが早うございます。比較的横風をプロペラ機よりも受けないというのがジェットの特徴でございます。  それから、もう一つは、滑走路も横幅は六十メートルございまして、少しの横風ぐらいには抵抗できるように安全にできてございますので、危険というのはそんなにないようにできております。(「そんなにというのじゃだめじゃないか」と呼ぶ者あり)それでは申し上げますが、とにかく、絶対ないようにして――あるようなときにはそこに着けないというのが管制の常道でございます。私が申し上げますと、たいへんたよりない話でございますので、管制課長からその辺を詳しく、権威のあるところを話していただきまして……。
  280. 淡谷悠藏

    淡谷委員 答弁は、私のほうで求めますから……。これはあなたと少し安全性の問題で議論しなければならない。およそ絶対安全というようなことはないでしょう。今度のセスナ機だって、あるいは日航機だって、別に落ちると思って落ちておるのじゃないのですよ。人間の思考し得る範囲外の事故のために発生するのが航空事故なんです。それを安全性は万全だというような考え方自体が、これは非常に危険性を伴うことなんです。常に事故があるものとして考えなければならない。そのために横風用の滑走路も準備するし、補充用の滑走路もつくるわけでしょう。それを初めからやらないなら、初めから計画する必要はない。いまの非常に不完全な安全性の中でも、横風用の滑走路あるいは補完用の滑走路があったほうが比較的安全度が高いから設けるのであって、四千メートル一本でほんとうに間に合うなら、国費も非常にかからないから、四千メートル一本にしたほうがよろしい。したがって、安全の上にも安全をはかり、それでもなお事故が発生しそうな場合には、別の空港へ入るというのが常識じゃないですか。どう思いますか。私は、絶対安全なんということはないと思う。安全の上にも安全をとるという形から、四千メートル一本就航というものはむずかしいと思う。
  281. 丸居幹一

    丸居説明員 横風用の滑走路の必要な最も大きな理由は、やはり就航率を高めるという意味でございますが、安全性の点につきましては、どうも私の説明がへたでよくおわかりにならないようでございますので、ひとつ管制課長からお願いいたします。
  282. 泉靖二

    ○泉説明員 先ほど先生の御指摘にもありましたように、安全というのは、リダンダンシーの問題だとおっしゃるのは、そのとおりだと思います。二重の施設、三重の施設のあるほうが安全だ、これは御指摘のとおりだと思います。いま四千メートル滑走路一本では危険であるのではないかという御指摘でございますが、かりに代替空港を羽田に選んだといたします。そうすると、四千メートルの滑走路のほかにもう一本の滑走路があるわけでございます。リダンダンシーが二重に確保される、その意味で安全だということがいえるかと思います。
  283. 淡谷悠藏

    淡谷委員 あなたの御答弁のほうがよほどわかります。ただし、その御答弁はわかりますが、代替空港を板付に予想しておるというのは、どうも私は受け取れない。板付というのは、東京以上に気流が悪いでしょう。元冠以来これはあぶないですね。成田空港へ着けなくて、あそこまで飛ぶなんというのは、実際はかなり困難なんですね。したがって私は、やはり成田空港は成田空港として、代替空港は代替空港として、完全な計画を立てるのが正しいのじゃないかと思う。したがって、この現在半分にしました成田空港の区域というものを、次善の策をとっただけに将来が思いやられる。百里の空港との関係はどうなりますか。百里の空港と成田空港との空における接着点、こういうものは一体どういうふうにお考えになりますか。
  284. 泉靖二

    ○泉説明員 百里の空港は、御承知のように成田の空港と非常に近接いたしておりますので、成田空港が完全にオペレーションを開始いたしますときには、同一の管制圏に入りまして、成田空港で一括して管制するつもりでおります。
  285. 淡谷悠藏

    淡谷委員 運輸省内部で、成田空港が完成した場合は、百里の空港との間にいろいろ問題が起こるだろうという報告を出していますね。これはそのとおりですか。
  286. 泉靖二

    ○泉説明員 百里の空港は御承知のように戦闘機が使用いたしますから、こことの間に調整が必要であることはもちろんでございます。その調整をどういうふうに行なうかということについて防衛庁と協議いたしております。その協議は非常に円滑にいく見通しでございます。
  287. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これは円滑にいったかは知りませんが、防衛庁の使用目的と成田空港の使用目的は違うのでしょう。技術的には空の管制はできるでしょう。成田空港が軍事的性格を持つか、持たないものか、地元感情では非常に問題になっているのです。これは幾ら回避しましても、一つは米軍機の使用がテクニカルランディングだけじゃないと私は思うのです。国際線をあそこにつくるならば、大臣の答弁でもはっきり言っておりましたとおり、米軍機が離着陸する場合、拒み得ないということはもう政府の統一見解になっている。中曽根大臣は拒むと言うし、原田大臣は拒まないなんて言っておりましたけれども、とうとう最終的には、拒めないということになっちゃったんです。  それからもう一つ、百里の防衛庁の戦闘機使用の問題がからんできているんですね。こういうことは一体地元の諸君に了解さしてあるんですか。閣議決定できまれば、地元がどう思おうとやっつけてしまうんだという考えがあれば別ですけれども、こういうことは依然として地元ではまだはっきりしておりませんから、その点はいかがですか。泉管制課長は非常にうまくいっていると言っていますが、われわれ聞いたことないから、まだわからない。そうなってくれば、いずれ防衛庁も呼んで聞かなければならないと思いますが、これは運輸省の方から、何かそういう点でこれまで公団なりあるいは地元の人なりによく事情を話したことがございますか。
  288. 川上親人

    ○川上説明員 ただいまの百里との関係につきましては、管制区域の調整の問題につきましては、いま管制課長が御答弁申し上げましたように、防衛庁との間につきましては協議を進めておりまして、これは円滑にいくという大体の確信を得ております。また、この内容につきましては、すでに公団には十分説明してございます。そういう関係のところにつきましては十分に説明しているつもりでございます。
  289. 淡谷悠藏

    淡谷委員 それはわれわれはまだ承っておりませんので、ひとつ今井総裁から十分に御説明願いたいと思います。
  290. 今井栄文

    今井参考人 航空局のほうから御説明をいただいておるわけでございますが、ただ百里の飛行場と新空港の離発着の航空機の飛行経路の設定につきまして、百里飛行場から離陸する飛行機はこういうふうな飛び方をするんだ、こういう経路で飛ぶんだ、こういうことを図面で明確にいたしておるわけでございます。それからさらに、新空港のほうの国際線の民間機はこういう経路で離陸し、こういう経路で飛ぶということについて、明確な図面での指示をいただいておるわけでございます。その百里飛行場飛行機の離発着の飛行経路と、それから成田の新空港の国際線の離発着の飛行経路は全く離れておりまして、両者とも飛び方としては全然支障がないというふうに私ども説明を承っておるわけでございます。
  291. 淡谷悠藏

    淡谷委員 こういうふうにしてこうなる、そういうふうにしてこうなるといって、あなたは絵図面を見て聞いたのでしょうから、わかりましょうけれども、われわれは何が何だか全然わからない。その絵図面を参考資料として出してください。その絵図面がないとはっきりわかりません。
  292. 川上親人

    ○川上説明員 ただいま先生の御要求のございましたものは、資料として後ほど当委員会に差し上げたいと思います。
  293. 淡谷悠藏

    淡谷委員 それではその資料をいただいた上で――きょうは約束の時間もきましたので、私の質問を保留しておきます。
  294. 保岡武久

    ○保岡委員長代理 次回は来たる七月一日火曜日午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十七分散会